2003年3月、滋賀県CALS/ECアクションプログラムを策定しました。
2003年2月13日~3月13日の1ヶ月間、滋賀県民政策コメント制度に関する要綱第4条の規定に基づき「滋賀県CALS/ECアクションプログラム(案)」についてご意見・ご提案をいただき、本プログラムを策定しました。
県内の公共事業に携わる発注者や建設企業が、進展する情報化に適切に対応できるよう、2000年3月に「 滋賀県建設CALS/EC整備基本方針 」を策定しました。ここでは、整備目標を短期、中期、長期の3段階を設定し、2010年度末に21世紀の新しい公共事業執行システムの確立を目指しています。2002年度まで、基本方針に基づき受発注者間の情報交換の実証フィールド実験をを実施してきました。
公共工事の入札、施工管理、成果物の納品等の各種業務について、どの業務をいつまでに電子化するのかを定めることにより、行政や関連企業が計画的に電子化へ移行することができます。この公共事業の電子化を目的とした「滋賀県CALS/ECアクションプログラム」を策定することにより、事業の効果や透明性を高め、県民に理解される公共事業の実現を目指します。
1.電子入札
現状の紙をベースにした入札手続き、公告・開札・落札処理等を、インターネットを利用
した入札情報サービス、電子入札、電子認証等の電子入札システムに移行します。
2.電子納品および再利用
現状の紙をベースにした、調査、設計、工事などの各業務段階の最終成果を電子納品
媒体(CD-R)に納められた電子データで受け取り、電子納品保管・管理システムに登録・
共有化します。これらのデータは工事計画や維持管理段階で再利用します。
3.電子データ交換・共有
受発注者間でやりとりされる各業務や工事の情報について、紙をベースにした交換方
法から、情報共有サーバによる、工事管理情報システムに移行します。
4.普及・啓発
県、市町村、建設企業は、建設CALS/EC推進協議会等を活用し、目標年次までに支障
無く公共事業の情報を電子化、共有化できるよう、普及・啓発および教育・研修等に取り
組みます。
1.電子入札
・入札参加者がわからなくなり、競争の透明性が確保されます。
・入札参加者の人件費、移動コストが減少します。
・入札通知や開札、結果の整理等いくつかの事務処理が一括で処理されることにより行
政コストが軽減されます。
・紙資源や、人・物の移動によるエネルギー消費が軽減されます。
2.電子納品および電子交換・共有
・成果品や資料の授受を容易にするとともに、保管場所の省スペースを実現します。
・成果品や資料の再利用性を向上させることで、効率的な事業執行を実現します。
・事業全体の情報を電子的に共有化・伝達が実現することによって、情報の伝達ミスや
転記ミスなどを低減し、公共事業の品質向上を実現します。
・インターネットによる情報交換を行うことによって、受発注者の打ち合わせや立会が電
子データ上で行われ、移動コストの縮減や時間的制約の解消を実現します。
滋賀県における電子入札や電子納品および電子交換の主要なシステム(CALS/EC)を2005(平成17)年度より順次運用し、2007(平成19)年度末の完了を目指します。
4-1.推進体制の枠組み
4-2.庁内各部局の連携
市町村の展開CALS/EC地方展開アクションプログラム(全国版)では、市町村の目標年次は2010年度完了を目指しています。
関連企業の展開関連企業がCALS/ECの最大の効果を得るまでには、次の課題が考えられます。
・図面や仕様書のインターネット閲覧の時期が遅れる。
・図面や材料品質証明書が当分の間、紙ベースとなる。
・印鑑を基本とした制度から電子化に対応した制度への移行に時期がかかる。
・工事現場までの通信回線が大容量化するまで時期がかかる。
CALS/ECとは、「公共事業支援統合情報システム」の略称であり、従来は紙で交換されていた情報を電子化すると共に、インターネットを活用して公共事業に関連する多くのデータベースを連携して使える環境を創出する取り組みです。
CALS/EC : Continuous Acquisition and Life-cycle Support / Electronic Commerce( Commerce At Light Speed:光速の商取引 )