サクラやモモなどのバラ科の樹木を中心に加害することで知られている、クビアカツヤカミキリ(クロジャコウカミキリ)の発生が国内各地で確認されています。
加害が進むことで、落枝や倒木等による人体的被害の発生が懸念されるとともに、発生地から果樹園や生物多様性保全上必要な地域等に侵入することで、農作物や生態系に被害が拡大されることも懸念されます。
公園や街路樹等でクビアカツヤカミキリの発生が確認された場合は、まん延防止のため、
適切な防除を実施していただくとともに、速やかに
環境省近畿地方環境事務所および自然環境保全課までご連絡頂きますようお願いします。
分類 | コウチュウ目 ハムシ上科 カミキリムシ科 |
---|---|
学名 | Aromia bungii |
和名 | 「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」では、「クビアカツヤカミキリ(クロジャコウカミキリ)」を使用している。一部では、クロジャコウカミキリと呼称する場合もある。 |
原産地 | 中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム北部など |
体長・体色 | 成虫の体長は、約2.5~4センチ。全体的に光沢のある黒色で胸部(首部)が赤い。海外では、胸部(首部)が黒い個体も確認されている。 |
被害・生態 | 幼虫が生木に食入・加害することで樹木を衰弱させる。幼虫が生木の内部を摂食(その際、フラス(虫糞と木屑が混ざったもの)を排出)し、樹木内で2~3年かけて成長、蛹となり、我が国の発生地では6月中旬~8月上旬頃に成虫となって樹木の外に出る。雌成虫は、交尾後、幹や主枝の樹皮の割れ目に産卵する(8~9日後にふ化)。 |
奇主植物 | サクラ、カキ、オリーブ、ハコヤナギ、セイヨウスモモ、ウメ、モモ、ザクロ、コナラ、ヤナギなど |
通常の管理の範囲内でフラス(虫糞と木屑が混ざったもの)が確認された場合は本種の発生が疑われるため、フラス確認後は、成虫の発生時期(6~8月)に当該樹木を中心に成虫の有無を調査してください。
成虫を見つけた場合は捕殺します。また、幼虫の食入孔を見つけた場合は、針金を食入孔に差し込むことによる刺殺に努め、羽化した成虫の分散防止と新たな産卵を防止するために、羽化期から成虫の産卵時期にあたる6~8月に、ネット(防鳥ネットとして利用されているもの、目開き4mm以下)等を樹幹に巻き付けてください。
なお、複数の食入孔や脱出孔が確認された樹木については、確認できない食入孔があるなど、当該樹木からの個体の完全な排除は困難であるため、成虫が拡散しないような措置を取った上で、伐倒等を検討します。(※食入孔が見つかると多くの場合、根まで侵入している可能性が高くなります。)伐倒した木については、さらなる拡散を防ぐために、適切に処理を行う必要があります。
また、当該種による加害が進むと、落枝、倒木等による人的被害が発生するおそれがあるとともに、枯死した樹木を安易に移動させることは、当該種が拡散し、被害の拡大につながるので注意が必要です。
連絡先 | 電話番号 |
---|---|
環境省近畿地方環境事務所 | 06-6881-6505 |
滋賀県自然環境保全課生物多様性戦略推進室 | 077-528-3483 |
関連リンク