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滋賀県環境影響評価審査会(平成18年6月12日)概要

  • 日時:平成18年6月12日(月曜日)午後2時~午後5時15分まで
  • 場所:信楽開発センター大集会室(甲賀市信楽町長野1251)
  • 議題:レッキス工業(株)(仮称)信楽ホースパーク建設事業に係る環境影響評価実施計画書について
  • 出席委員:7名(西村委員長、浅見委員、石川委員、高柳委員、野部委員、林委員、三田村委員)

■審査概要

事業者から環境影響評価実施計画書に基づき事業計画、地域特性および環境影響評 価計画について説明後、現地調査、その後審査会において質疑を実施。
委員馬の糞や尿の処理は外部で行うのか。
事業者 馬房内部の敷藁に付着・吸収された馬の糞尿と外部で回収した馬糞は、屋根付きの倉庫に保管し、発酵させないように約2週間間隔で、マッシュルーム生産業 者が専用の車両で回収にくる。 ホースパークでは、発酵が進むように敷藁には藁か麦稈しか使用しない計画である。この部分ついて、実施計画書の修正を行う。
委員 信楽は浅井戸で取水するのが困難なところである。水の確保の目処はどうか。
事業者 まだ地質調査を実施していないので水が確保できるかどうかは不明である。井戸で地下水を利用したいが、出なければ甲賀市に水道の敷設をお願いするか、タンクローリーで水を運ぶといった方法を考える。水利権は調査中である。
委員 環境影響評価調査が平成18年度の前半からとなっているが、もう調査を実施しているということか。
事業者 平成18年2月下旬より一部調査を実施している。 なお、追加的な環境調査については、今後いただく予定の審査会意見を踏まえた知事意見に十分配慮し、追加調査も含め適切に対応します。
委員 植生図において、事業予定地の東側に紫色の表示があるが、これは何を示しているのか。谷沿いに湿地があると記載されており、環境省の植生図では紫色は湿地の表示で使われることがあるがどうか。
事業者 凡例から判断すると河辺ヤナギ低木群落であるが、湿地かどうか、再度確認する。
委員 植物の重要種は 「滋賀県で大切にすべき野生生物2000」の検索結果とのこと、 だが、どの範囲のものを検索したのか。
事業者 事業予定地部分を検索した結果である。主に事業予定地付近で確認されている重要種が検索できる。
委員 事業予定地を含む、どの程度の範囲が検索されているのか教えてほしい。
委員 上水取水源は浅井戸と記載されているが、どれくらいの深さか。
事業者 把握していない。
委員 上水取水源の浅井戸の深さや井戸水の現状を把握しておいてほしい。
委員 ワシタカ類の営巣が事業地近くで確認された場合、工事の中断も必要と考えるが、どのように考えているのか。
事業者 事業地周辺等で猛禽類の営巣が確認された場合、営巣中には工事を行わないといった配慮を検討する。それに併せて、実施計画書の文章表現を付加する方向で調整する。
委員 全体で22haの土地改変が予定されており、開発の規模が大きい。 それに比べ、工期が約1年半と短いため、特に樹木を剥いだ時の粉じんによる環境影響が懸念される。工事中の裸地における粉じん予測は重機の稼働や工事用車両の走行が対象となっているが、 樹木を剥ぐという土地の改変による粉じんについて、何か対策を講じるべきであると考える。環境調査も山谷風や谷沿いの風の強い時期を考慮して実施し、環境影響予測を適切に行い、工事計画に反映させる必要がある。 また、7月に予定されている調査は8月に変更した方がよい。
委員 工事濁水による環境影響も懸念される。
委員 チップ材の散布について、現況が森林で伐採する樹木が非常に多く、たいへんな量になることが予想されるので、見直しを実施していただきたい。
事業者 伐採樹木の処理については、チップ以外の用途を含めて、より詳細な計画を作成して提示したい。
委員 事業地北側にある下位古琵琶湖層の部分に、湿地の植物が出てくる可能性があるので、植物調査ルート設定の際考慮すること。現地調査で、尾根筋にトゲシバリ、ハナゴケがあったので、それを参考にして設定してほしい。
委員 最近、鹿が多くなってきている。事業地を牧草にした場合、鹿が中に入ってきて馬とのトラブルが考えられるため、鹿の動向等の情報収集に努めた方がよい。
委員 湿地の植物としてオオミズゴケ等が見つかっている。年度末に上がってくる調査結果を待つのでなく、希少種の調査結果を随時把握して造成設計に反映させてほしい。
委員 埋蔵文化財(遺跡)については、事前にその有無や範囲を確認する調査が必要になる。地元甲賀市教育委員会文化財担当課と協議を行い、冬季に遺跡の確認調査ができるようにしてほしい。
委員 事業予定地にかつて人の営みがあったとすると、何らかの伝承文化が存在するはずである。かつて人が住んでいたのかどうか、事前に甲賀市教育委員会に確認しておいてほしい。
事務局 馬洗い用水については洗剤を使用せず、馬の毛等をフィルターで濾過した後、放流するとあるが、排水の実態を踏まえて排水処理方法を考えてほしい。
関係課 事業予定地の大戸川下流に上水道水源の浅井戸がある。クリプトスポリジウム等原虫による水道水源汚染に対して、適切な対応をお願いしたい。
事業者 類似施設でどのような対策が実施されているのか調査したうえで次回報告する。
委員長 次回の審査会は、本日の指摘事項等を踏まえて審査する。