1.日時 平成20年6月11日(水曜日)13時30分〜16時30分
2.場所 滋賀県職員会館2階大ホール(大津市京町四丁目1-1)
3.議題
1)滋賀県環境影響評価審査会の会長の選出について
2)(仮称)竜王商業施設開発計画に係る環境影響評価準備書について
4.出席委員 宗宮委員、山田委員、諏訪委員、遊磨委員、松井委員、樋口委員、定森委員
5.議事 環境影響評価準備書の審議に先立ち、滋賀県環境影響評価審査会の会長および副会長を選出(会長には宗宮委員、副会長は諏訪委員が選ばれた)。その後、事業者から準備書の概要の説明、質疑を実施。
(委員)営業時間が午前1時までというのは、どういう内容か。住民からも時間短縮の要望があるのではないか。また、CO2削減の観点からも考慮すること。
(事業者)5月11日の住民説明会でもご意見いただいた。そういった意見も踏まえながら適切な時間帯を設定する。
(委員)準備書8頁の竣工段階図に、1期・2期・3期という区分で着色されている。着色されてない周囲の駐車場はどのようにするのか。
(事業者)第1期工事期間中に平面駐車場として整備する予定。
(委員)そうであれば色分けすること。
(委員)2期・3期工事部分は、駐車場として整備するのことだが、舗装するのか。
(事業者)舗装する。
(委員)深夜営業や車の走行によるCO2の発生などの影響が考えられる。バス等公共交通機関を促してはどうか。検討すること。
(委員)交通手段として、自転車や徒歩では行けない距離なのか。
(事業者)近隣住民は徒歩や自転車も可能。電車を利用し、最寄りの駅からバスで来店することも可能。交通量は大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針に基づき予測。
(委員)透水性舗装は駐車場全域について採用されるのか。
(事業者)準備書25頁の水色のエリアを透水性舗装とする予定。
(委員)透水性舗装の結果、浸透能は時間当たり何mmに抑えられるのか。
(事業者)梅雨の時期に地下水位の測定を行い、結論を出す。継続中の案件である。
(委員)計画区域外の雨水等はどのように排水するのか。
(事業者)事業区域内の沈砂池で一旦貯留し、事業区域内の排水と交差しない経路で善光寺川に放流する計画。
(委員)排水経路は1ルートだけでよいか。
(事業者)2ルートある。
(委員)降雨に十分耐えられる設備にしていただきたい。
(事業者)施設の規模は県とも協議し、降雨の規模、10年確率、20年確率の規模の降雨があったときに流れる断面で整備を計画している。
(委員)取水計画及び地下水の利用について教えてほしい。また、建物基礎をどの程度打ち込むのか。
(事業者)町が整備する水道施設から1日最大600立方メートルの供給を受ける計画。地下水の利用は考えていない。建物の基礎については、検討中。
(委員)汚水処理方法は実施計画書の段階から変更され、公共下水道で処理する計画となったが、竜王町との調整内容を確認したい。
(事業者)準備書27頁に整備計画を記載。汚水量は、日最大約550立方メートル(給水量の約90%)の見込み。下流側でその汚水量に見合った整備がされていると聞いている。
(委員)八重谷貯水池は何のために造られたのか。最近の開発行為で造成したものか。
(委員)善光寺川上流に小さな土砂ダムがあり、越流した水が八重谷貯水池へ入るようになっている。これら両施設は竜王町で管理しているのか。
(事業者)八重谷沈砂池は、上流域から流出する土砂を沈降して善光寺川へ水を流す機能になっている。昭和40年頃に造られたと聞いている。また、両施設とも竜王町が管理していると認識している。
(委員)準備書の117頁の表で、水環境が「▲」(変更により予測評価を行わない)となっているが、貯留水槽の土砂溜まり込みや、浸透機能など長期保持からの評価、面源負荷に対する対応についてどのように考えているのか。
(事業者)調整池の機能に支障が生じないよう維持管理し、問題がないような対応をしていきたい。
(委員)工事中の粉じんの予測結果が環境基準を上回っているが、最悪時を想定した予測を行っているのか。
(事業者)予測は、現状あるデータの中で最悪時を想定して行っている。今後、最新の排ガス対策型建設機械や新しい工法などを極力採用したいと考えている。粉じんについては、予測結果が環境基準を超えていることを受けて、風が強い時には散水を十分行うなど未然防止に努める。
(委員)建設に係る塗料は、低VOC塗料を使用することが一般的となっているので、ぜひ使用していただきたい。
(事業者)建築物の施工計画はこれから検討を進める段階だが、環境に極力負担をかけない素材の選定、工法を採用するなど今後検討する中で導入していきたい。
(委員)今回の計画で屋上駐車場はなくなったとのことだが、屋上緑化等の計画はあるか。
(事業者)屋上は、空調の室外機を設置する予定。
(委員)立体駐車場は強制排気が必要なレベルの閉鎖空間になるのか。
(事業者)国交省大臣の認定を受けた自然排煙型の駐車場を計画している。
(委員)この駐車場の床はグレーチングか。
(事業者)各階の走行部分についてはコンクリートを使用する計画である。
(委員)準備書166、167頁のNO2予測結果が短期予測よりも長期予測のほうが高いという結果になっており違和感がある。この点についてコメントが必要である。
(委員)排ガス値は交通量その他の量を1ヶ月平均の値として計算していると聞いたが、短期予測は最大のピークを見るべきである。
(事業者)(長期予測で)年平均値から日平均値98%値に換算する課程でそうなったと思われる。分かりやすく記載できるように検討する。また、短期の濃度予測は、工事中は工事用車輌のピーク日、供用後は休日の車両台数から短期予測を計算した。
(委員)騒音は、予測・評価に最大値が記載されていない。大規模小売店舗立地法(以下「大店法」という。)に係る事業になると思うが。
(事務局)大店法に該当する事業と聞いている。
(委員)大店法では夜間の最大値を評価する必要があるが、場合によっては、一番北側の駐車場は夜間は使用禁止になる、また北側町道沿に遮音壁を建てることになる、可能性がある。この点どのように考えているのか。また、対策については、確実な対策と希望的な対策と区別して評価に入れていただきたい。
(事業者)準備書では最大値の予測は行っていないが、駐車場利用と施設利用を重合させて影響を予測しており、予測値は環境基準を下回っている。しかし、少なからず騒音による影響を及ぼすこととなるので、十分対策していきたい。
(委員)騒音は店舗のものでなく、駐車場からのものが問題になると思う。北側駐車場の夜間の利用形態など、防音対策のオプションについて、保全措置に加えた方がよい。
(事業者)予測・評価についてはご指摘の点を踏まえて、周囲に影響を及ぼさないような対策を検討したい。
(委員)施設整備をすることで、河川へ流出する水が減少するということはないのか。
(事業者)ない。
(委員)これだけ自動車台数が多いと、駐車場からの面源負荷が調整池の水質に影響するのでは。注意が必要。
(委員)評価は難しいが、駐車場が透水性舗装なので、地下浸透したものは河川へ再び出てくる。また、貯留槽等の堆積土砂量について予測しているか。定期的な清掃等、水質の維持管理が必要。
(事業者)了解した。堆積土砂量については定性的な予測で、量は把握していないが、調整池や沈砂池は基準に則った施設を計画。
(委員)どこに帯水層があるか、どこの層の水位が変化するか調査し、明記しておいた方がいい。
(事業者)帯水層の調査は行っていない。
(委員)地下水位を調査しているとのことだが、どの程度か。地盤の液状化や耐震に関することも将来的には検討課題としてある。
(事業者)周辺の地盤はTP約126m、地下水位は123m前後。池の水位に近いと思われる。
(委員)切土による新しい法面が相当出てくるのか。また、法面には吹きつけを行うのか。
(事業者)準備書6頁の土地利用計画図のとおり、大きな切土法面は生じない予定。ここには種子吹き付けを行い、土砂流出を抑制する。
(委員)準備書313頁の環境保全措置について、種子の吹き付けの際、外来種に対する配慮を徹底すること。さらに、移植を行うと移植先の改変に当たるので、配慮すること。また、建物の照明計画は建物により反射の影響も配慮願いたい。
(事業者)種子吹き付けは、ヨモギを主体として考えている。移植地の選定については、これからであるが、移植先の影響についても十分配慮する。照明計画についても、建物計画を検討していく中で配慮する。
(委員)獣害対策について、緑のフェンスを形成するとあるが、イノシシの侵入を防止できるのか。また、商業施設ができることで、動物に影響を及ぼすことになるので、配慮すること。
(事務局)地元の方から「付近には多様な動物が生息しているので、認識しておいた方がよい」という、アドバイスをいただいた。そういった点を踏まえて、商業施設として成り立つように十分配慮していく。
(委員)カメムシが大量に生息しているということだが、生態系に対して人為的なコントロールはどのように検討しているのか。
(事業者)一定の人為的なコントロールをしていかなくてはならないと考えている。これまでの知見や、前述のアドバイスも踏まえ、今後、適切な対策を検討する。
(委員)商業施設から害虫等が大発生するということがないように配慮すること。ただし、殺虫剤を大量に使うなどの対応はあまり望ましくない。
(事業者)適切な管理計画を立てて管理していく。
(委員)開発による地域の温度上昇という問題がある。温度変化や、それに伴う乾燥化で生態系が変わる可能性もあるので、地域として温度を下げるような努力を検討すること。
(事業者)駐車場の透水性舗装や、緑地を極力残すことで温度上昇を抑制する配慮していきたい。また建物の形式をオープンモールとし、空調範囲を削減し、人工排熱の抑制に努める。
(委員)「竜王町ふるさとの森散策道」上での供用後の騒音の変化について予測を行っているが、事業区域内の利用時の変化だけでなく、事業区域からさらに奥の林道での音の変化についても予測・評価が必要と考える。
(事業者)評価書の段階で追記します。
(委員)代替ルート(準備書483頁)が、駐車場を横切るルートになっているが、安全性について教えてください。
(事業者)安全柵を設けて安全性を確保する。
(委員)準備書509頁で、プラスチック製廃棄物等の再利用量がゼロになっているがどういう意味か。
(事業者)準備書では、廃プラスチックは全量処分として設定している。
(委員)計画施設内に焼却炉はない。外へ持ち出して処分するということか。
(事業者)そのとおり。焼却炉は整備しない。
(委員)準備書510頁の計画段階から配慮している措置にある処理が困難な廃棄物の処理は誰がやるのか。
(事業者)工事中は施行会社、供用開始後は施設運営の会社で行う。
(委員)工事中、供用後の温室効果ガスの排出量の増減の準備書の掲載箇所について。伐採した樹木のCO2吸収量が算入されていない。現状との差を比較して、どれだけ削減する努力、対策を実施し、削減してるのか示してほしい。
(事業者)準備書525〜526頁に記載。事業活動によって発生するCO2のみ記載していないので、検討し、評価書に記載する。
(委員)食料廃油を公共交通機関の燃料として再利用する等、地域または事業として独自性を謳っていただけるとよい。
(事業者)検討します。
(委員)事業区域周辺に「須恵」という地名があり、また地形的にも、事業区域内に窯跡がある可能性が非常に高い。工事中に窯跡が発見された場合は、竜王町または県教委に相談し適正な対応をしてほしい。また、工事を行う施工会社にも適正対応を徹底してもらいたい。また、薬師古墳については、遊歩道や説明看板等設置したら良いと思う。
(事業者)竜王町と相談しながら、適切に対応したい。
(委員)「工事中の濁水について、事後調査を行う」とあるが、記述間違いでは。
(事業者)表現が不適切であったが、工事中も確認を継続するということである。
(委員)準備書540頁の事後調査計画に、工事中の騒音も事後調査を行うとあるが、供用後の事後調査はないのか。
(事業者)騒音について事後調査を行い、影響がある場合には対策を実施する。植物については工事中から供用後にわたる調査となるが、それ以外の項目については、現段階では考えていない。
(委員)予測結果のチェックが必要。いくつかの項目においては追跡モニタリングの必要性があると思う。
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