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RD最終処分場問題対策委員会委員会報告(答申)にかかる住民との意見交換会での内容について

住民との意見交換会開催時の様子

(株)アールディエンジニアリング最終処分場を起因とする環境汚染問題等については、RD最終処分場問題の解決に向けた県の対応方針をもとに平成18年12月に設置したRD最終処分場問題対策委員会において15回におよぶ慎重な検討を行っていただき、平成20年4月9日にRD最終処分場問題対策委員会の報告(答申)をいただきました。
今後、県の実施計画書を策定していくこととなりますが、地域住民の方々と知事との意見交換を行うため、下記のとおり意見交換会を開催いたしました。

日時平成20年(2008年)5月11日(日曜日)14時00分〜17時15分
場所 栗東市立中央公民館大ホール(栗東市安養寺八丁目4番5号)
参加者 108名

配付資料

  • RD処分場問題住民意見交換会別添資料

嘉田知事あいさつ(趣旨)

<1 行政対応の不備に関する謝罪マニフェストでの約束>

嘉田知事あいさつの様子

あらためまして、皆様こんにちは。
5月の大変、緑の美しいところ、また田畑に水が入り、農家の方には大変お忙しい時期でございます。日曜日の午後、このようにたくさんの方がお集まりいただきましてありがとうございます。
本日、RD処分場問題につきまして、県の説明、そしてまた意見交換会ということで、開催させていただきます。
まず、振り返ってみますと、この問題、昭和54年に処分場が始まっているわけですけれども、平成11年10月に処分場から高濃度の硫化水素ガスが検出されて以来、周辺の皆さんに多くのご迷惑、ご心配をおかけしてまいりました。
また、硫化水素発生以前の、それまでの平成1桁台、10年ほど前から処分場の近隣住民の皆さんには、RD社の操業につきまして、騒音、悪臭など事業者に対する県の認識の甘さなど指摘をいただいていたところでございます。
私自身、平成18年の7月、知事選挙のマニフェストで、RD問題の早期の解決にむけて次の3点のお約束をさせていただきました。
まず1点目は、これは社会的紛争であり、その社会的紛争を解決するため、県のこれまでの姿勢を改め、謝罪をさせていただきますという点でございます。
また2点目は、違法投棄の責任を問い、違法廃棄物の除去処分命令を事業者に、直ちに行います、という点でございます。
また3点目は、事業者が命令に従わない場合には、住民の皆さんの安全を第一に考え、行政代執行も含めた強制的な除去処分を行います、という3点でございます。
改めまして、県としまして、これまで十分な対応がなされず、皆さまにご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
そのような中で、マニフェストによりますお約束の実現にむけて、就任直後から、関係の皆さんのご協力をいただきながら、私自身は、ふたつの方向から検討を進めてまいりました。
まずひとつは、行政対応の不適切さが、地元住民の皆さんの不信感を招き、問題を長引かせてしまったという認識から、今後の住民の皆さんとの信頼関係を育み、安心を確保していただくための再発防止策などを含めた県の今後の対応方針を定めることでございます。そのため、直接担当の琵琶湖環境部ではなく、総務部に事務局をおきまして、行政法や公共政策の専門家による「RD最終処分場問題行政対応検証委員会」を設置いたしました。平成19年2月から平成20年2月まで計13回にわたりまして検討をいただき、平成20年、今年の2月25日に関西大学法学部の池田委員長から答申をいただきました。その答申の内容につきましては後ほど私自身から説明をさせていただきます。本日皆さまにお配りいたしました資料の中に、行政対応検証委員会報告書の抜粋でございますが、目次と、最後のところの評価、再発防止策についての冊子を入れてあります。
それから、もうひとつは、住民の皆さんの安全を確保するための、処分場周辺の生活環境保全上の支障としてはどのような問題があるのか、またその支障を取り除くため、どのような対策工をとるべきか、について具体的な方針を定めることであります。そのため、琵琶湖環境部、最終処分場対策室を所管としまして、「RD最終処分場問題対策委員会」を設置し、平成18年12月から平成20年3月まで計15回にわたり検討をいただきました。先頃、平成20年4月9日に京都大学法学部の岡村委員長から報告書の提出を受けたところでございます。
対策委員会の報告概要につきましては、後ほど私自身と担当の両方から説明させていただきます。
ふたつの委員会の答申を受けまして、いよいよ具体的な対策工を策定する段階となりました。
この段に及んでは、処分場から周辺への生活環境保全上の支障をしっかりと取り除き、住民の皆さんの生活にとって安全な対策を、確実に、着実に実行し、RD問題を1日も早く解決しなければならないと強く覚悟しております。あわせまして、再発防止策など、住民の皆さんの将来への安心を担保する施策づくり、これはRDのこの地域だけの問題ではなく、県全域について将来への不安を解消する方針づくりも大きな目的と思っております。
それが、琵琶湖をかかえる環境保全県の滋賀県としての社会的責任と考えております。あわせて、私自身、環境社会学の研究者として、過去30年以上にわたりまして、琵琶湖と滋賀県の地域調査からその自然の力、また、本来の魅力を学ばせていただきました。この滋賀県の風土と環境、歴史と文化、地域社会の絆、これを次の時代にしっかりと受け継いでいくためにも、また滋賀県の経営をお預かりする立場からも、県民の皆さんの負託をお受けした知事として、私自身しっかりとこの問題に取り組ませていただきたいと考えております。
それゆえ、本日は、是非とも地元の皆さまの率直なご意見を聞かせていただき、知事としての判断の大切なステップにさせていただきたいと思っております。

<2 行政対応検証委員会の検証結果>

そこで、まず、行政対応検証委員会の検証結果でございます。冒頭に申し上げましたように、その検証結果の概要を資料としてお配りしております。参考にしながら、話を聞いていただけたらと思います。
まず委員会の結論としては、これまでの県の組織としての対応が不十分であったと指摘され、これは厳粛に受け止めるべきと考えております。そのことが、RD 社による違反行為を抑止できないままに、問題を大きくかつ長期化させる結果となったと答申でも指摘されております。それゆえに県に行政上の責任があることは否めないため、このようなことが二度と起こらないように、県は、指導監督体制の強化等の再発防止に努める責任があるとされ、この答申にそった対応を早速、平成20年度からとりはじめているところでございます。
少し具体的にご説明させていただきます。まず、委員会により次の3点の問題指摘をいただいております。
1点目は、処分場が住宅地に隣接していることから、生活環境上の支障が生じないよう、保全への配慮が通常以上に必要な処分場であるということでございます。RD社に対する指導監督については、厳しく対応すべきであるとの認識を持つべきであったという指摘でございます。本日も、お集まりの皆さま、近隣の地域にお住まいの方も多いと思いますが、住宅地に近接しているということ、県としても認識が甘かったと改めて、強いご指摘に対して、反省をしているところでございます。
また、2点目ですが、RD 社が県の行政指導には応じていたことから、周辺の住民の皆さんからの苦情があったり、あるいは違法行為があったものの、それを悪質であるという認識がなかったゆえに、平成7年から8年以降は、これを見直すべき時期にきていたにも関わらず、RD 社に対して基本的な認識が甘く、それまでどおりの対応が続けられていたということでございます。この点につきましても、表向きの行政指導に応じていたというところに県の甘さがあったと思っております。
また、3点目ですが、県の組織体制として、人員増が行われた平成9年度頃より、それ以前は、膨大な廃棄物行政の事案を抱えながら、人員の確保が十分ではなく、また、RD 社に対する報告徴収や立入検査など監視が行き届かず、より適切なタイミングで指導監督権限を行使しなかったことが事態を悪化させる一つの要因となったという指摘でございます。
このような指摘を踏まえまして、今後の再発防止策について、大きくわけて以下の3点の答申をいただき、県としての対応をはかりつつあります。
まず、1点目は、職員の意識の研鑽であります。
産業廃棄物行政におきましては、優良な産業廃棄物処理業者の育成が行政としての責務でありまして、そのためには事業者との相互理解や信頼醸成が必要であります。しかし、一方で許認可権者として、事業者との一定の緊張関係を保つことも必要です。そのため、先入観にとらわれず、客観的な情報に基づいて事業者に対する正しい認識を持つことが大切です。また、環境配慮に対する高い規範意識を持つことも、問題の兆候を総合的、有機的にとらえるとともに、客観的に把握して、迅速で的確な対応ができるように、職員研修の充実を図ることも必要であると指摘を受けました。
特に環境保全を県政の柱としております滋賀県の職員としては、職員全体の意識醸成は欠かせないものです。この点につきましては、研修強化や日常の意識醸成の具体的な方法について、今、検討中でございます。私自身も、常々、環境保全が県政の柱であるということは職員にも伝え、その意識を強く共有するように指導しているところでございます。
2点目は、指導監督体制の強化でございます。
その中には大きく分けて3点、サブ項目がございますが、まず1点目のサブ項目は指導監督権限を適正に行使するということでございます。今回、RDでも問題になっておりますように、許可容量を超える埋立てや許可品目以外の違法な埋立てなどの不適正処理を疑わせるような行為や住民からの通報等があった際には、早期発見、早期対応が重要であることから、廃棄物処理法に基づく立入検査、報告徴収を適切かつ厳正に行うとともに、継続的で効果的な監視手法を検討することが必要です。また、職員が統一的に公正な指導ができるように、職員個人ではなく、組織としての対応ができるように、行政指導マニュアルを整備するとともに、公正で厳格な行政処分をタイミングよく行使し、県による不作為が生じないようにするために行政処分マニュアルを整備することが必要であると指摘されております。
この指摘を受けまして、早速、平成20年度には、新たに2名の職員を追加配置いたしまして、行政指導、行政処分マニュアルなどの整備を始めております。
また、2点目のサブ項目ですが、必要な情報の整備でございます。
今回の委員会の中でも、過去の教訓が未整備だということが、強く指摘されました。組織として迅速かつ的確に指導監督を行っていくためにも、個々の事業者ごとに、行政指導、行政処分等の経過や今後の対応方針を明確に記録整備したうえで、情報を共有し、きちんと引き継いでいくことが必要であると指摘されております。
県の中で、人事異動、この仕組みはどうしても外せませんが、その人事異動の中であっても、情報を共有するということが大切でございます。この指摘を受けまして、担当部局の人員を強化し、記録保存などの情報整備につとめております。
また、3点目のサブ項目ですが、執行体制の充実です。
組織内体制として、当時処分場の監視等の対応に人員が不足していたことを考え合わせますと、的確な廃棄物行政を遂行できる体制づくりが求められ、関係法令に精通し、化学や土木の専門知識等を有する人員や住民の皆さんとの折衝で誠意を持って粘り強く対応できる人員の適正配置について、できるだけ配慮されることが望まれると指摘されております。
この点につきましても、量的に人員を増大するだけでなく、専門的知識をもつ人員の強化や、住民の皆さんとのコミュニケーション能力の増強、住民協働の仕組みの強化に取り組んでおります。
大きな3点目ですが、住民等との連携強化との指摘でございます。
生活環境上の不安の解消を図るために、情報公開についての重要性を強く認識し、積極的に公開を行うとともに、県の対応について、説明責任をしっかり果たすことが必要であります。また、住民からの苦情や情報を把握、評価し、適切な対応を行うことで、皆さんの信頼を得る努力を行うことが必要です。住民の皆さんは、絶えず処分場の近くにお住まいで、また処分場を監視しており、県が得られない情報を有しているということが多く、県は、より一層積極的に情報収集に努め、これらを通じて、不適正処分の未然防止や早期発見につなげていくため、組織として、住民とのよりよき連携のあり方を探る必要があります。また、現場の地方機関や他の部局との情報交換の促進に努めることも必要です。このような指摘を受けております。
私自身、知事就任以降、常に、県政における住民協働を柱にすえて、これからの県の未来について考え、行動できる職員の研修またその増加に勤めてきております。また皆さんがもっている情報や経験から学び、住民参加とともに、行政自身が住民生活の現場に参加させていただく行政参加を促して、「近い県政」「見える県政」を推進するよう全庁あげて取り組んでおります。
その中で、特に申し上げておりますのは、今日も様々な説明の中で、専門用語あるいは技術的なわかりにくい言葉など、多く出てくると思いますが、「いかに」という仕組みを説明する、それについてはもちろん厳密に専門用語を使わなければいけないけれども、「なぜ」というその気持ち、あるいは感覚、願いを受け止めさせていただく上においては、行政用語を離れて、暮らし言葉でコミュニケーションできるようにということを、常に職員にも申し上げております。そのような中で、本日も後ほどまた専門用語はもちろん必要ですが、暮らし言葉での意見交換ができたらありがたいと思っております。どうか皆さんのご意見をよろしくお願いいたします。

<3 生活環境保全のための支障除去の対策工について>

さて、その中で本日のお集まりいただきましたご意見をお伺いする大事な項目でございますが、皆さんの生活環境上の安全確保のための対策づくりについてでございます。平成18年10月には、国の専門家チームの助言をもとに、解決に向けた県の対応方針を策定し、解決のための第一歩とするため「RD最終処分場問題対策委員会」を平成18年12月に設置しました。
平成20年3月まで、15回にわたり大変ご熱心な討議をいただき感謝申し上げます。住民代表の皆さん、この中に入っていただき、ありがとうございました。
さて、RD最終処分場問題は、地下水汚染やダイオキシン類の飛散など、環境汚染や、またかねてから皆さんからご指摘があり、掘削調査の結果でも明らかなように、違法に埋め立てられたドラム缶などの問題があります。
このような問題が、高濃度の硫化水素ガスが発生してから8年を経過しているにも関わらず、依然として解決に至らず、皆さんに大変な心配をお掛けしてまいりました。
このような状況の中で、RD社が経営破綻したことから、今後の処分場の施設管理といった新たな問題も発生しております。県として、遅れることなく的確に対策を講じなくてはならないと考えております。
その解決のための県の基本姿勢でございますが、この問題は産業廃棄物の処分に関して発生したものでありますことから、栗東市の一部地域の問題として捉えるのではなく、県全体の重要な取組課題として位置づけなくてはならないと考えております。
その上で、県は、住民の皆さんのご理解とご協力を得て、処分場から周辺への生活環境保全上の支障をしっかりと取り除く安全な対策を、確実に、着実に実施し、RD問題を1日も早く解決しなければならないと考えております。
いずれの案も、最終的には、安定型廃棄物処分場の基準に合致する生活環境保全の目標が達成されなければなりません。それが住民の皆さんの安全を確保する、という私自身のマニフェストでのお約束の達成でもあります。
対策委員会から報告のあった対策工のうち、複数の委員から推奨のあった対策工は、A2案とD案でございます。また、地元委員のお一人からはE案が推奨されております。それらの対策工案のうち、委員会として推奨すべき案はA2案とされております。
後ほど担当者が詳しいご説明をいたしますが、A2案は周りを全体に壁で囲い、水処理施設を設置した上で、廃棄物を全量掘削、掘り起こしまして、処理した廃棄物や無害と判断されるものは一定量埋め戻すという案でございます。この案は地元委員4人を含む8人の委員の方が推奨されており、重く受け止めていくべきと考えております。
D案は、全周を壁で囲い、覆土を、土をかぶせまして、水処理施設を設置して地下の水質改善を図りながら、同時に有害物を可能な限り取り除く案です。覆土を、かぶせる土を、粘土系とするかシート系とするかで議論がまだございますが、このD案につきましては、7人の委員の方が推奨されておられます。法律学者である岡村委員長ご自身は、廃棄物処理法の基準に照らしあわせて、このD案を推奨しておられます。
E案は、処分場下流側において、部分的に遮水壁を設置し、有害物が接している粘土層の修復を行い、あわせて鉛汚染土、有害物であります鉛汚染土の撤去などを行い、地下水の安全を確保しようという案でございます。こちらも地元の方がお一人推奨してくださっております。
A2案は対策費用が最低約240億円で、工期が約13年と見込まれています。
D案は約45億円から52億円で、工期は3年です。
E案は約90億円で工期は4年と見積もられております。

<4 速やかな対策工の選定>

県が対策工を実施していく上で、このような課題を有する対策工案の中から、課題を克服して、県として実施する対策工を速やかに決定し、実施計画書(案)として取りまとめを行い、具体的な対策事業の着手に取りかからなくてはならない時期となっております。これ以上引き延ばしはできないという強い決意でございます。
既に平成20年度予算では、対策工を実施していく上で必要な詳細設計に係る予算を計上しております。また、地元の皆さんが大きな不安を持っておられます焼却炉焼却灰のダイオキシン類を除去するための予算も県議会でお認めいただいているところであります。
このような情勢の中で、県として判断し、実施すべき対策工を早急に決定して行かなくてはなりませんが、その選定の基本的な考え方としまして、対策委員会で取りまとめられた「基本方針」に基づいて選定していくべきであると考えております。
対策委員会の報告書では、対策工実施に係る8項目の基本方針について、提言をいただいております。
皆さんにお配りをいたしました資料の中で、17ページでございます。「RD最終処分場における支障の除去等の基本方針」。17ページはもともとの報告書のままでございますので、「アイウエオカキク」となっておりますが、これを8点でございますので、8点に分けて少し詳しくなりますが、要点を説明させていただきます。
まず1点目ですが、地域住民の皆さんとの連携強化にあわせ、合意と納得が得られるよう問題解決にあたることを大原則にすることでございます。本日、大変差し迫った中で皆さんにお集まりいただきましたのも、この第1の基本精神に則ってでございます。
また、2点目は、効果的で合理的かつ経済的にも優れた対策工を実施し、早急に問題を解決することでございます。この点につきましても、住民の皆さんの様々なアンケート、意見などでは、ともかく早く、早急に解決して欲しいという強い願いがあることも承知しております。
3点目は、対策事業は事業者に措置命令を発し、その是正が見込めないときに県が代執行事業として実施することでございます。つまりここには法的な手続きがございまして、県が直接に代執行にかかるのではなく、いったんは措置命令を発し、その措置命令は法的基準に従わないといけない、そして代執行を行う。そのことによって県費、言わば公費を入れるための、税金を使わせていただくための手続き、法的あるいは行政的手続きを経る必要があるということでございます。
それから4点目ですが、対策工は、支障の除去または支障の素因、支障のもとになっている素因の除去、また対策工の成果が確認できるかどうか、成果確認のためのモニタリングおよび対策工実施による二次被害防止のための影響監視とすることでございます。いずれの案をとりましても、A-2案、D案、E案、いずれの案をとりましても、この二次被害防止のための影響監視、もちろん支障の除去、素因の除去、モニタリング、いずれのプロセスも必要となります。
また5点目ですが、対策工実施にあたりましては、周辺住民の皆さんの生活環境を保全するための措置を講じること。当然のことでございますが、対策工実施中に新たな二次被害を発してはいけないということでございます。
また6点目、対策事業は、緊急的な対策と恒久的な対策に分けて実施することでございます。緊急的に、今課題となっております地下水汚染などを止めるための対策、また恒久的な対策に分けて実施することです。
それから7点目ですが、対策工の終期、終わる時期ですが、法令上の「安定型最終処分場廃止基準を満足する状態」を目標として、かつ、将来においても支障を生じないことが確認できる時期を原則とすることでございます。全てが不法投棄というような処分場ではないというのがRDの処分場の出発点でございます。安定型最終処分場として許可を出している、ですからその許可の範囲で、また廃止基準を満足する状態を目標とするということでございます。
最後8点目ですが、対策工は処分場の廃棄物の種類や性状のみならず、地域の状況などに十分配意して、支障除去の実効性や確実性を担保するとともに、法に定める支援を受け、対策工の計画的で円滑な実施につなげることでございます。
少し専門的な用語でわかりにくいところがあったかと思いますが、このような8項目を満たすこと、そのことが県としての対策工をとるための大変大事な判断基準でございます。しかし、現在8項目を十分満たす案はございません。そのバランスを考慮しながら、具体的な実施計画書として取りまとめていきたいと考えております。
さきほど紹介しましたように、対策委員会で推奨されましたA2案、D案、E案、何れの対策工につきましても、住宅地に近いこの処分場において、住民の皆さんに納得いただきながら、計画的、円滑に対策工を実施していく上で、大なり小なり課題があります。
地域住民の委員の中で4名の皆さんが希望され、対策委員会からも推奨されたA2案につきましては、先ほども申し上げましたように、私も重く受け止め慎重に検討いたしました。このRD処分場が住宅地や公共施設に近いという問題から、対策工を実施する上では、技術的に可能かどうかという技術上の問題がございます。また、工事実施中における交通問題、悪臭や粉塵などに関して周辺住民の皆さんの生活環境の安全性をいかに確保するか、という二次影響の恐れなどへの配慮も必要です。RD処分場による地下水汚染問題など以上の深刻な生活環境問題を引き起こしてしまう恐れがあるとしたら元もこもありません。何よりも地域住民の皆さんの健康と生活環境の安全を確保しないといけません。あわせて、廃棄物を撤去し運び出す場合の受入先をどこにするのかという大きな問題もございます。そのような中で、最初に申し上げましたように、安全性を確保することとあわせて、地元の皆さんの将来的な安心も担保できるよう、行政対応検証委員会の答申を受けて、平成20年度より再発防止も含めた将来的な施策にも取り組みはじめております。

<5 意見交換会の趣旨>

嘉田知事あいさつの様子

少し長くなってしまいました、本日この意見交換会の趣旨を申し上げさせていただきましたが、県としましてはRD問題を1日も早く解決したい、そのために具体的な対策工の着手に取りかかりたいと考えております。
今後の対策工の事業期間等を考えますと、どのような工法とするかを早急に決定していくことが強く求められております。
4月9日に答申を頂き1ヶ月余り、県としてはこれまで慎重に検討してまいりましたが、ただいま申し上げました考え方などにつきまして、皆さんのご意見を伺いまして、その上で対策工選定の方針や実施計画案を具体的に取りまとめていきたいと考えております。
本日、夕方、午後5時までというお時間を皆さんにいただいております。どうかそれぞれ率直なご意見をお伺いできたらと思います。大変趣旨説明、あいさつが長くなりましたけれども、本日はどうかよろしくお願い申し上げます。

質疑応答およびご意見の概要

1.合同対策委員会(赤坂自治会・日吉が丘自治会、中浮気自治会、産廃処理を考える会)・栗東ニューハイツ自治会・上向自治会からの要望書について

  • 知事として、不適正処理された廃棄物について封じ込めるのではなく全量撤去することを言明されたい。
  • A-2案を基本にした改善工事実施計画を早急に作り、全量撤去を確実に行われたい。

1.【知事回答】

  • 地元自治会の代表のご要望を受け取った。今日は様々な意見を受けたいため、要望について、今すぐに対応する場ではないと思っている。
  • A-2案に対する懸念を数多く思っている。D・E案についても完全でない。8項目の基本方針で、どのような案が最も望ましいのか、最終判断させていただく。そのためのステップとして、この要望をいただいたことを改めて受け止めさせていただく。
  • 様々な意見を伺えればと思う。具体の中身について、追加の意見があれば、伺わせていただく。要望についてありがとうございます。

2.県が、確実に処分場内の有害物を撤去し、環境に影響がないようにすることを求めることについて

  • 理想に近い解決を現実化して欲しい。そのために、合対や市調査委員会での討議内容や考えを話す。
  • 県は何度も「覆土」で終えようとするが、住民は原因となる「有害物の撤去」を求める。
  • 全周遮水壁は「側面の覆土」であり、これで有害物を阻止することはできない。
  • ソイルセメントの遮水壁は劣化しやすく、水が漏れる。内部浸透水の水位を外部 地下水より下げ、水を汲み上げることは、自然の摂理に反するものである。
  • 粘土層を破壊して、一時的な遮水壁を作ることは自然破壊であり、環境に取り組んできた知事の最も嫌うところではないか。
  • 市調査委員会は、知事に「有害物全面撤去、全周遮水壁で終わらず、まず有害物除 去計画を確定させる」こと、対策委員会には「有害物全ての撤去、廃棄物底面で地 下水帯水層に接している部分を粘土で修復・防水する」案を要請している。市調査委員会の多くは、全周遮水壁はいらず、有害物撤去が緊急対策であり、粘土層の修復が必要である対策が現実的であるとしている。
  • 有害物の撤去をすることが先決であり、県は撤去実施計画を立て、それに応じて 周辺への影響を最大限少なくする付帯工事をするべき。
  • 行政処分の指針によると、有害物撤去のために遮水壁を作ることは認められない。 県が全周遮水壁を設置し、国から支援をもらうことは、県はそれで終わりという意 志を示したことになる。この指針の箇所は対策委員会でも示されず、これが出ていれば、先に遮水壁をしてくださいという意見は出なかったはずだが、知事は知っていたか。
  • 県はA案で、有害物撤去という目的のために全周遮水壁は必要な手段として提 案したが、その手段を恒久対策という目的にすり替えて、有害物撤去をしないこと は許せない。

2. 【知事回答】

  • 対策工の目的は安全性の確保である。安全性の担保として、有害物の撤去も遮水壁もある。有害物撤去そのものが目的であるというところに、私自身が採ろうとしている方向とズレがあると思っている。
  • 行政処分の指針については、国の指針も大切だが、何よりも住民の安全と安心を担保する。そして、どうしても命の危機が迫っているのであれば、これは財政問題に関わらずやるべきである。それは私は環境学者としての強い意志を持っているし、そのような中での発言である。

3. 全周遮水壁および県がとるべき対策について

  • 全周遮水壁はいらない。ここは周辺に山があり、丘陵地であり、地下水が入って くる地形ではなく、作るとしても下流だけでよい。
  • コンクリートであれ、ソイルセメントであれ、100%遮水できず、40mもの例のない遮水壁をつくることは問題がある。県は恒久というが、遮水壁は恒久的なもの ではない。
  • 必要なのは、破れている底面の粘土層の確認および修復であり、下流域に遮水壁を作った上で、以前の深掘り時のような修復の対応が必要。この方が、特措法の期 限内かつ安くできる。

3. 【知事回答】

  • 粘土層については、検討するべき課題と思っている。破壊されている粘土層がこれ以外にないだろうかということも心配している。

4. 緊急対策の要望について

  • 委員会報告に不満なところがある。地下水の汚染で周辺住民の地下水を飲用しな いように指導しているとあるが、これは栗東市全域であり、未だ解除されていない。 この地下水は私たちが飲用する浄水場に入るおそれがあると思っており、専門家も 心配しているところである。
  • 飲み水は栗東市だけでなく野洲、守山も利用し、琵琶湖に入ることも考えられ近 畿一円の方が関心を持っており、正しい、安心できる解決を求める。
  • 地下水の汚染を止めるためには、有害物撤去と粘土層の修復であり、何度も要望 書を出しているが、下記内容の要望を今回も提出する。
  • ア 地下水上流、琵琶湖の水源に有害物を放置しないで欲しい。
  • イ 有害物を放置し、土セメント遮水壁による囲い込みで終わらないで欲しい。
  • ウ「地下水汚染の原因物除去」と「粘土層の修復」を優先されたい。
  • (別の要望者意見)

流れ出た水が子供達の体に蓄積された時、どのように対処されるのか、一番不安である。
有害物が除去されない限り、不安は消えない。教育者であった知事は、住民を不安にする選択はしないと信じている。

  • 緊急対策の提案(i)既存調査と併せて15mメッシュ等で粘土層の破壊場所確定 (ii)粘土、シートによる粘土層の修復(iii)20月30日mにあるドラム管類、汚染土壌 等目視判断できる有害物を除去、一次保管、(iv)炉周辺のダイオキシン汚染土壌を除去、 一時保管(v)下流側のみの部分遮水壁により、地下水、浸透水を汲み上げ、浄化。
  • 以上の対策は、全周遮水壁に要する期間と費用で十分可能である。
  • 「恒久対策」としての全周遮水壁は対策委員会にも提案されておらず、賛同する住民はいない。

(以下、追加質問)

  • 今の水道水が汚染されているとは言っていないが、今後、汚染されるおそれがあるのではないかと心配している。現在、栗東市全域に井戸水の 飲用しないようにとの指導が出ている状況で、この状態で放置され、遮水壁で大丈夫とは思えない。知事は今後、絶対に飲用水は大丈夫だと補償できるのか。
  • 粘土層を破壊した地下水汚染のボーリング調査は、嘉田知事になってからが初めてで ある。地下水層への穴を開けてはいけないというのが前知事時代 の県の調査委員会の見解であることからも、この状態で過ごせるとは思わない。財政的、法的なものがあると思うが、いくつかの対策を例にあげて、嘉田知事から「安心していいんですよ」と言っていただけるよう、この9年間がんばってきた。RDか らの汚染した水が琵琶湖にそのまま流れていくようなことがあれば、近畿の方に申 し訳ないと思っている。

4. 【知事回答】

  • 長期の調査研究、意見についてありがとうございます。要望書についても常々いただいている。
  • (汚染された)飲み水(地下水)が大阪に行くと言われると、滋賀県知事としては大変な問題である。RDから大阪の水質が悪化するということは放っておけない。毒物以前の栄養分の問題等、いかに安全で美しい水を下流にお送りするか、地域でも栗東市の責任で安全な飲み水を供給していただいているわけであるから、栗東市にも大変申し訳ないことであり、絶対にあってはいけないこと。それは今も、あってもいけないし、将来的にあってもいけない。そういう不安をお持ちであるのであれば、その不安の根源、どれくらいの量がどういうふうに流れて、どういう恐れがあるのか教えて欲しい。知事としては、琵琶湖にRDからの汚染物が流れ、それが大阪に行

(以下追加質問に対する回答)

  • 地理的なことをおさえてもらうために資料を用意しているので、参照されたい。
  • 地下水の問題は、100%何もないかと言われると、実は見えないところでもあり、100%ミスがないとは言いにくい。また、地下水は見えないだけでなく、本当に、意外とゆっくりと流れている。専門家の研究によると、1年に1mくらいしか流れない。例えば100m、150mでも、江戸時代に降った水を私たちは汲み上げているというようなことも地域によってはある。それも全て地層や大地の構造の中にあるから、出庭の浄水場の水源地などがいつまでも安全だとは100%言えないかもしれないが、ただ、野洲川の扇状地であるから、大変水が豊かで、流れが扇のようになっているということを知っていただくことが大事だと思っている。そういう中で
  • 先ほど粘土層・遮水壁の指摘いただいたが、手段である。目的は安全性を確保すること。粘土層については、処分場そのもので粘土層をとりだしたという人為的な動きもあるようなので、そのあたりも含めて、室長から答えさせます。
  • 【最終処分場特別対策室長回答】
  • 今回の平成19年度の追加調査の結果、直接(廃棄物が)地下水に触れているのではないかというようなことがある。ただ、それが全てかと言われると自信がない。私どもは対策工を講じる時に目標を設定しなければならない。その目標を達成するために対策工を実施する。そうしたときに粘土層の修復ということで、廃棄物にふれていることについて、本当に目標が設定できるのか。そういう中で、確信が持てない。
  • 対策工ではなく、粘土層の話としては、私には粘土層を全部掘り返さないとわからないではないかという思いがあり、粘土層の修復を対策工の目標として設定することはできない。
  • 例えば、ボーリング調査で浸透水を見ていくと破壊された粘土層の位置を概ね推定できると思われるが、深掘りの粘土層の修復のときに、住民の方と議論し、航空写真をもとに推定したが、それでもずれていた。粘土層の修復は考えとしてはよくわかるが、目標の達成は難しい。なぜかと言えば、よくわからない状況であるからである。

5. 対策工法について

  • 将来想定される支障のおそれが重要と考える。
  • これまで県は住民を無視したり工事を強行してきたので、基本方針にある地域住 民の合意と納得が得られることが大原則である。
  • 許可容量超過の30万?については撤去命令を出すべきである。
  • 対策工法のうち、D案はあいまいであり、特に有害物の撤去について明確ではない。また安定化までの期間が不明確であり、永久に監視を続けなければならないとする学者もあり、有害物が残ることで将来に禍根が残る。
  • A-2案をベースとする全量撤去の対策工を、知事は選定してほしい。

5. 【部長回答】
(対策委員会での経過について回答)

  • 許可容量の超過については、廃掃法に基づき支障を除去する観点から、必要であれば措置命令を発令し支障を除去するものである。
  • D案の有害物除去についても同様であり、支障を早く除去し安定化させるために 必要であれば有害物として除去するものであり、具体的にはドラム缶等が対象になるが、それについては現在もっている情報を基に掘削等で除去するものである。
  • おそれについては、法に定めているものであり、具体的にはダイオキシン類、地下水の汚染、硫化水素ガスといった支障が将来に亘って発生しないという意味を込めて説明してきたものである。

6. RD処分場の実情と嘉田知事への要望について

  • 行政は50〜100年先を見据えた対策をとるべきであり、今完全な処理を行わないと地下水汚染が収まらないため、いくら費用がかかっても有害物を完全に除去するべきである。
  • 安定型品目以外の廃棄物を安定型処分場にそのまま放置すれば、行政で決めたことを自ら犯すことになる。
  • 最近、小野の葉山東小学校等近辺の調整区域にパチンコ台や建設廃材が運び込ま れた。現在は、県・市や警察が観察しているだけで、法的には問題ないとして止め られていない。検証委員会で不作為が指摘されたとおり、県は早期に毅然とした態度をとり違法処理の抑止力になるべきである。当該地については、除去の保証がな いため、RDの二の舞になるのではないかと心配している。

6. 【知事回答】

  • 県の対応については、行政対応検証委員会で指摘を受け、行政対応マニュアルを策定することになっている。
  • 【部長回答】
  • パチンコ台については、先般高島地域で同じような案件があり解決した。(当該情報はまだ入ってきていないが)急ぎ対応したい。

7. 全県的なガバナンスによる対策工選定について

  • 志賀町栗原や和邇では、RD処分場よりも大規模の不法投棄や安定型処分場での 不適正があった。中にはガスが地上に噴き出しているところがあっても、これまでは大型焼却 炉の建設計画があって手を出せなかったが、知事の英断で中止になり、 運動組織はこの4月で解散した。今後は産業廃棄物が埋まっている80万立法メートル、100万立法メートルの大規模な埋立(を明らかにするため)に入っていく段階になっている。
  • 知事には、全県的なガバナンスでもってこの問題を捉えてほしい。そこにいる(県 の)人は、県全体の安定型処分場の違法埋立の実態を知っているのではないか。県 全体で安定型処分場は26箇所あり、県全体ですべてちゃんとしようとすると数千 億円単位で費用がかかると思われる。
  • 土壌汚染対策は、欧米に比べると日本は遅れているのに、特措法が24年度で切 れることは問題であり、特措法の延長や新たな法律を作る運動が必要である。
  • 知事は、全量撤去でも部分撤去でも、いずれにしても反対側から批判を受ける非 常に苦しい立場になるが、それは日本の法律が遅れていて不十分だからだと思う。 そういうことも含めて、知事には、全県的立場での裁断を考えてほしい。
  • そのトップランナーにモデルとして栗東を位置付け、最初に取り組むとしても 24年度までに解決するとは思えないし、栗東の皆さんが望むのは安定型処分場と しての40万?のちゃんとした形だというのは当然のことと思うので、全県的な視 点で、不十分なところは国に対して法律改正を要求する件も含めて取り組むべき。
  • 全県の安定型処分場20数カ所を明らかにして、どれかくらい危険度があるかラン ク付けをした上で、栗東問題の一番良い解決方法を示してほしい。

7. 【知事回答】

  • 全県ガバナンスというたいへん大事な指摘をいただいいた。
  • 地方自治体を預かる者として、国に対して一方的に国の法律を受け止めるだけで なく、提案もしてほしいとの願いである。
  • 自分としては、滋賀県は環境政策のトップランナーであったし、これからもあり 続けなければいけないという強い思いで知事を務めている。
  • そういう中で、何よりも住民の皆さんの生活環境上の安全、これは支障の除去と いう目標について、物的にまた科学的にきちんと確保しながら、併せて皆さんが不 安に思っていること、あるいは将来に対して地下水等の不安を持っていることに対 し、きちんとデータや将来へのアセス(見通し)も立てた中で、将来この地域に暮 らす我々の子や孫も、あの時代にきちんとやってくれたと評価されるような環境政 策を作っていきたいと考えている。
  • RD処分場の周辺の皆さんには大変長い間ご心配やご苦労をおかけしました。今日は、どのような政策や対策が全県的なバランスの中で可能であるか考えながら、皆さんからの要望を得てきました。そのとおりにならない可能性もあるが、どこで納得していただけるか、また安心を担保するかということを含めて、全力で対応策を出します。
  • とにかく時間がない。このまま放置すれば、また元どおりに戻ってしまう。これまで、対策委員会や専門部会を何回も重ね、皆さんに考えていただいた案であるのでしっかり受け止め、県として責任ある対応をとりたいと考えています。
  • 谷口さんのご意見のように、身の回りのことを知っているのは皆さんであり、県は全体に目配りできないところもあるが、ぜひ情報をあげ、また県会議員にも情報をあげ、皆でよりよい滋賀県政を作りたいと考えています。

8. 地下水の汚染防止について(ご意見)

  • 県は、結果が低くなるように調査したり、覆土で済むと発表し、またこれまでないとしていたドラム缶が出てきたことから、だまされていた思いがする。
  • 元従業員に聞いたところ、2〜3段掘で30m近く掘っており、ドラム缶が3,000 〜数千本埋立されている。
  • 学者によると、地下水は1日に1〜1.5m程度琵琶湖に向かって流れている。
  • 緊急対策として、ドラム缶を掘り出し、全量撤去して地下水汚染を防止するべきである。

9. 水の大切さについて(ご意見)

  • 大自然を破壊するのは人間だけであり、大自然の中でも特に水は大切である。何十年経とうと水のことに関して、問題を残さないようにしてほしい。

10. ソイルセメント遮水壁の問題点について(ご意見)

  • 守山の地下水はRD処分場側から流れているし、また守山宿周囲の三つの河川の水源は地下水を汲み上げていることから、守山、野洲、琵琶湖にとって上流の汚染 は悪い状況であって、何としてもRDからの汚染水を作ってはいけない。
  • ソイルセメント工法の問題点について、某大手ゼネコンの土木技術者からのメールを得たので紹介する。(次の4点)
  • ソイルセメントによる遮水壁は短期の仮設であり、強度を求めていないため、耐久性がない。
  • 剛性が低くわずかな引っ張りや曲げによりひび割れを生じるものであり、継ぎ目 がない一体構造のものであるため、温度変化と乾燥収縮による内部応力によるひび 割れを生じ、一時的にも完全遮水は不可能。
  • 青森岩手の事例では、現地の土を混ぜ合わせる試験を行ったところ、必要な強度 が得られないため現地の土を使用しない工法になった。詳細な状況は不明であるが、 原因として、産廃の浸出水から汚染された骨材から硫酸イオンが生じ、セメントが 劣化したり、アルカリシリカ反応によって強度が得られない状況が考えられる
  • 対策工法のチェンソーカッターは岩盤等の切削には優れているが、粘性の強い沖積粘土の混合や攪拌には適していない。
  • ソイルセメント工法は、地下掘削のため一時的な遮水壁として使われているが、 遮水効果は100%ではない。自分としてはこんなことで地下水が大丈夫と言われても、守山で暮らすことはできないし、琵琶湖のことを考えることはできない。

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