2018年10月15日(月曜日)~10月19日(金曜日)の5日間、茨城県において、茨城県および(公財)国際湖沼環境委員会の主催により、第17回世界湖沼会議が開催されました。
世界50カ国からのべ5,500名の参加者が集い、「人と湖沼の共生―持続可能な生態系サービスを目指して―」をテーマに、湖沼保全に向けた取組や研究の成果について発表などを行い、意見を交わしました。
滋賀県からは、三日月知事、川島県議会議長をはじめ県職員やNPO・企業関係者等が参加しました。
(写真は、会場となったつくば国際会議場入り口)
滋賀県が1984年に提唱し、第1回が大津市で開催された世界湖沼会議の成り立ちや、琵琶湖保全・再生に向けての取組に併せて、湖沼の重要性等を発信し、「湖沼を有する地域や関係者と連携して、湖沼を世界の水議論の主要課題としていく」ことを呼びかけました。
※来賓あいさつ全文はこちらからご覧ください。
国内外の湖沼流域関係者の情報共有や、活動内容、施策等の討議が行われました。
滋賀県からは、県職員やNPO関係者が、琵琶湖における水質保全の取組や、オオバナミズキンバイ等の外来水生植物の除去活動について発表しました。
9つのテーマに分かれて活動成果等を発表する分科会が行われ、滋賀県からは、県職員8名のほか、NPO・企業等から合わせて20名近くが、それぞれの取組や研究について発表しました。
分科会 | 所属 | 氏名 | タイトル |
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第1分科会 | 琵琶湖博物館 | 中井克樹 | 急拡大する侵略的外来水生植物オオバナミズキンバイ等への対策:琵琶湖における取組事例 |
琵琶湖環境科学研究センター | 井上栄壮 | 琵琶湖の湖辺域における二枚貝を評価指標とした水環境改善手法の検討について | |
(株)日吉 | 近藤昭宏 | 琵琶湖のオオバナミズキンバイの駆除方法の検討 | |
第3分科会 | 琵琶湖環境科学研究センター | 早川和秀 | 琵琶湖における有機物指標の検討 |
第4分科会 | 観光交流局 | 津田誠司 | 湖沼を活用したサイクルツーリズムの推進=滋賀県における「ビワイチ」の取り組みと「霞ヶ浦、琵琶湖、浜名湖3湖連携」について= |
第5分科会 | 森林政策課 | 田中理 | 琵琶湖の保全・再生の視点に立った森林整備指針の策定について |
第6分科会 | 琵琶湖環境科学研究センター | 池田将平 | PEGモデルを視点とした琵琶湖水質と植物プランクトン遷移の関係解析について |
第7分科会 | 下水道課 | 松本寛 | 滋賀県の下水道が琵琶湖の水質保全に果たしてきた役割と今後の課題について |
第8分科会 | 認定NPO法人びわこ豊穣の郷 | 金﨑いよ子 | 次世代に残そう「ふるさとの水辺」 |
湖南企業いきもの応援団 | 宮城成和 | 地域の中小企業連携で進める小規模都市河川での生物多様性保全の取り組み | |
(株)ヒロセ | 堀野善司 | びわ湖の環境問題の歩みと次世代へのメッセージ | |
須原せせらぎの郷 | 赤松喜和 | 滋賀県野洲市“須原せせらぎの郷”による「魚のゆりかご水田」の取り組みについて | |
NPO法人国際ボランティア協会IVUSA | 田中佑芽 | 大学生による多様な主体との協働による琵琶湖の侵略的外来水生植物の除去の取り組み | |
琵琶湖保全再生課 | 赤崎好近 | Education for Sustainable Development(ESD)の視点を取り入れた、生涯にわたって段階的・継続的に取り組む体系的な環境学習について |
会議参加者が自ら企画するワークショップが、2日間に分けて計10小間行われ、滋賀県も「シジミの棲める湖沼環境を目指した自治体の取組」をテーマに主催するほか、環境省主催のワークショップにおいて、滋賀県の取組事例を発表しました。
世界湖沼会議前日の10月14日(日曜日)に開催された学生会議は、小・中・高校生による水や湖沼に関する研究や取組についての発表およびディスカッションが行われました。
滋賀県からは4団体32名が参加し、琵琶湖での日頃の取組の発信や、参加者との交流を行いました。
また、川島県議会議長と、学生会議に参加したびわっこ大使との意見交換を、10月15日(月曜日)に滋賀県ブース内で行い、びわっこ大使のこどもたちは、「霞ヶ浦の漁法と琵琶湖の漁法が違うことを知ることができた」、「このような会議を続けてほしい」と話しました。(※写真は意見交換会の集合写真)
会場では、企業や研究機関等による展示会も開催されました。
滋賀県も、県ブースを出展し、滋賀県の環境保全の取組に併せて、観光振興の取組をPRするほか、市町や県内NPO等の取組も紹介しました。
また、しが水環境ビジネスフォーラム会員企業からも3社がブース出展し、環境技術等のPRを行いました。
【出展企業】
・WEF技術開発(株)
・(株)日吉
・(株)堀場アドバンスドテクノ
滋賀県の呼びかけにより、5県(茨城県・長野県・滋賀県・鳥取県・島根県)を発起人とする「湖沼水環境保全に関する自治体連携」を設立し、会議2日目の16日(火曜日)に知事共同記者発表を行いました。
今後は、自治体連携を通じて、湖沼の水質や生態系を含む水環境保全に関する取組をこれまで以上に強化します。
会議の総括として採択されたいばらき霞ヶ浦宣言2018では、会場での議論等を踏まえ、生態系サービスを衡平に享受すること、生態系サービスを次世代に引き継ぐことを原則とし、湖沼が世界の水を巡る議論の場における主要課題として位置付けられるように努力していくこと等が述べられました。
いばらき霞ヶ浦宣言2018の全文
次回、第18回世界湖沼会議が、2020年11月頃に、メキシコ合衆国グアナファトで開催されることが宣言されました。