滋賀県と彦根市は、彦根城の世界遺産登録の実現に必要な事業を協働で行うことに合意し、令和2年(2020年)2月19日、「彦根城の世界遺産登録推進に関する協定」を締結しました。
これまでの経緯
平成4年、日本政府は世界遺産として登録することが相応しい資産として彦根城を暫定一覧表に記載し、ユネスコの世界遺産委員会に提出しました。しかし、登録実現のためには、既登録資産である姫路城との差別化や、世界遺産のルールに則した価値の証明、保存管理体制の確立など多くの課題が存在し、世界遺産登録は簡単な作業ではありませんでした。この間、彦根市は体制を整え、課題解決のための研究を進め、滋賀県は平成26年度から彦根市に文化財専門職員を派遣し、課題解決の作業を加速させてきました。
この間、文化庁の助言を受けつつ、課題解決に一定の成果をあげることができたため、県と市の協働で推薦書原案を作成するべき段階に至りました。
こうした状況から、滋賀県と彦根市では、推薦書原案や付属資料の作成、そのための学術会議や国際会議の開催、情報発信など、彦根城の世界遺産登録に必要な作業を協働で実施し、彦根城の世界遺産登録の実現に向けて力強く前進することに合意し、協定を締結することとなりました。
三日月大造知事コメント
時は今、彦根城の世界遺産登録を推進する協定を締結するに至った。彦根城は、戦国から太平の世に移り変わる節目の城であり、江戸時代の武士による統治やまちづくり、教育などを今に伝える城だ。彦根城の価値を私たち県民自身が深く学び、それを世界に広げていく活動を進めたい。
令和2年度は、教育委員会から知事部局に移管する文化財保護課に彦根城世界遺産登録推進室を設置する。また、お城エキスポを滋賀県で開催し、県内の様々なお城の魅力をPRする。令和6年度の世界遺産登録を目指して、県と市がより一層力を合わせて取り組んでいきたい。
大久保貴市長コメント
彦根市長にはじめて就任した時、彦根城の世界遺産登録について、県の主体的な取り組みをお願いした。県から専門職員を派遣していただき、彦根市で準備を進めてきたが、今日、県と協定を締結するに至り、とても感慨深い。県のこれまでの支援に感謝したい。
これからは、彦根市民・滋賀県民が、ともに彦根城の歴史的価値を理解し、誇りを持ち、保存・活用の取り組みを進めて、彦根城を後世に伝えていく。彦根市においても、市民や関係団体が一体となって彦根城の世界遺産登録に取り組み、世界遺産にふさわしいまちづくりを進めたい。