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銅鉢

  • 名称 銅鉢【どうはち】建武二年乙亥三月廿三願主覚実の刻銘がある
  • 員数 1口
  • 所有者 明王院【みょうおういん】
  • 所有者の住所 大津市葛川坊村町155
  • 所在地 県立琵琶湖文化館
  • 法量 縦16.0cm鉢高8.1cm口径26.9cm台脚高7.9cm
  • 品質・構造 鋳銅製【ちゅうどうせい】
  • 時代 南北朝時代(建武2年=1335年)
  • 説明

鉢(はつ)(仏鉢)は僧侶が必携すべきものとされる仏具で、わが国には仏教伝来後、早くにえられた。当初は托鉢(たくはつ)に用いられたり、食器として使用されていたが、その後、仏前に供物を盛るための供養具(くようぐ)としても活用され、安定性のある台脚(だいきゃく)を備えるようになる。
本品は鋳型に銅を流し込んで製作する鋳銅製仕上げで、鉢部と台脚部で構成され、供養具として使用されていたと考えられる。現状では鉢と台脚が固定されておらず、台脚を鉢の底にはめ込んだだけの構造であるが、当初から一具のものと考えられる。鉢は無地で口縁部が開き、丈は比較的低い。台脚も無地で腰が締まり、裾を広げた形 で、底に立ち上がりを設ける。
台脚部に「建武/二年乙亥/三月廿三/願主/覚実」の刻銘があり、建武2年(1335)に覚実という人物が願主となって製作されたことが判明する。
鉢の作例は比較的豊富に伝えられるが、中世以前の作例で紀年銘を有するものは限られ、しかもそれらの多くが東日本に偏在する。本品は製作年と願主が明らかな西日本における数少ない鉢の基準作として貴重で、仏教工芸史上重要である。

銅鉢
銅鉢(明王院)