文字サイズ

板絵著色二十五菩薩来迎図

板絵著色二十五菩薩来迎図
  • 名称:板絵著色二十五菩薩来迎図【いたえちゃくしょくにじゅうごぼさつらいごうず】
  • 員数:1面
  • 所有者:常善寺
  • 所有者の住所:草津市草津三丁目9-7
  • 所在地:草津市草津三丁目9-7
  • 法量:縦168.0センチメートル、横214.6センチメートル
  • 品質形状:板絵著色
  • 時代:南北朝時代(14世紀後半)
  • 説明

二十五菩薩とは、来迎する阿弥陀如来に随伴する二十五体の菩薩衆で、本図は、常善寺本堂の須弥壇(しゅみだん)上に安置される木造阿弥陀三尊像(重要文化財)の背後に立つ仏後壁の板面に描かれる。板面には錆漆・白土を塗って下地として整え、その上に各種の顔料を用いて二十五菩薩を描く。各尊は湧雲に乗じながら、楽器を奏でたり、舞い踊ったりと、さまざまな姿態で来迎する。尊像の表現技法は概ね共通しており、太目の墨線で下書きし、顔料で彩色を施して文様を加えた後、朱線で描き起こす。描線は肥痩(ひそう)を抑えた鉄線描で、下描きと同じく太目の線を用いる。装身具には金箔を押し、着衣の文様は精緻な截金であらわす。
本図の特徴は、須弥壇上の阿弥陀三尊像と一具をなすことで、彫刻と絵画によって立体的な阿弥陀二十五菩薩来迎図が構成されている。本図の如く二十五菩薩像のみを描いた正面向き来迎図の例はきわめて少ないうえ、壁画の大作で現存するのは本図が唯一といえる。
制作時期については、尊像の表現様式から14世紀後期(南北朝時代)の作とみなされ、本尊の阿弥陀三尊像の制作時期とされる13世紀中期(鎌倉時代)より1世紀ほど下る。このことから、先に彫像が制作され、後に堂内の修理・改修を機に本図が新たに描き加えられた可能性が高い。
いずれにせよ本図は彫像の阿弥陀三尊像とあいまって、中世の仏堂内荘厳の様相を伝える希少な例として、滋賀県のみならず、わが国の絵画史上重要な意義を有する。