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長命寺文書

長命寺文書
  • 名称:長命寺文書【ちょうめいじもんじょ】
  • 員数:5,475点
  • 所有者:長命寺
  • 所有者の所在地:近江八幡市長命寺町157
  • 所在地:県立安土城考古博物館
  • 品質形状:紙本墨書
  • 時代:平安時代〜明治時代
  • 説明

西国三十三カ所観音霊場の第三十一番札所・長命寺に伝わる古文書群。伝来の上から、本堂後陣の長持内に保存されてきた「本堂文書」と、土蔵に保管されていた「土蔵文書」に大別される。戦前期に刊行された『近江蒲生郡志』や『大日本史料』などで部分的に取り上げられ、中世文書を多く含む貴重な古文書群として注目されてきたが、その全体像は未知のままであった。平成12年から14年にかけて行った滋賀県教育委員会の詳細調査で、中世文書303点を含む5,475点を確認し、全体像が明らかとなった。
時代別の内訳は、平安時代4点、鎌倉時代53点、南北朝時代32点、室町時代88点、桃山時代および年代未詳の中世文書126点、江戸時代3,197点、明治時代1,975点となる。
最古の文書は承保元年(1074)「奥島庄司土師助正畠地寄進状」である。奥島庄司の土師助正が、亡父の遺志にしたがい蒲生下郡船木郷(近江八幡市船木町・小船木町・加茂町一帯)に所在する先祖相伝の畠地を長命寺に寄進する内容となる。長命寺の寺名が現れる現存最古の史料であるとともに、県内に伝存する数少ない平安期の古文書として貴重である。
鎌倉時代以降の中世文書は、寄進状・売券類など寺領に係るものや、「結解状」(年貢米等の出納記録)などの寺院経済史料が中心で、わが国中世寺院研究に基礎史料を提供するものである。また近江守護佐々木六角氏の発給文書が時代を追って通観でき、織豊政権時代の豊富な文書群などと相まって、近江中世、戦国史研究の上で重要な位置を占める。
近世文書は、寺院の管理経営や巡礼者に係るもの(巡礼宿帳、往来手形、楽書誤り証文)の他、寺領であった門前麓(近江八幡市長命寺町)、および愛知郡塚村(彦根市稲里町)の支配に伴い作成・集積された地方文書が多数を占める。所領村と近隣村との訴訟にかかる文書や絵図も含まれている。
近江を代表する霊場寺院の実態を知る上で、基本となる史料群であるとともに、日本寺院史、宗教史を研究するための一級史料として極めて貴重な存在である。