4 報告事項
5 報告事項
平成22年度滋賀県防災会議の開催にあたりまして、一言ごあいさつ申し上げます。
昨年度は、4月早々に起こった北朝鮮のミサイル問題をはじめといたしまして、4月の終わりからの新型インフルエンザ、また10月には各地で被害をもたらしました台風第18号など、様々な事案に対しまして、関係各機関におかれましては、的確に対処いただいたところでありまして、この場をお借りいたしまして改めて御礼申し上げます。
近年、危機管理事案が多様化、複雑化する中で、県民のみなさんの防災危機管理への関心や、安全で安心な暮らしの確保についての要請も大変高まっております。
今、日々家畜の口蹄疫の事もございますが、ある社会学者が21世紀はリスク社会だと言っておりましたが、まさに、日々年々このリスク社会状況の中で、県は昨年度に各地域に地域防災監の職を設置いたしまして、地域における防災危機管理体制を強化いたしました。
今後ともみなさまのご協力を賜りながら、総合的、計画的な防災危機管理行政を推進しまして、安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向けて取り組んでまいる所存でございますのでよろしくお願い申し上げます。
せっかくの機会でございますので、今年度の県の主な取り組みをご紹介させていただきます。
まず、防災ヘリコプターの更新を予定しております。平成7年に導入しました防災ヘリ「淡海」につきましては、15年が経過いたしました。老朽化が進んでおりますことから、安全体制に万全を期すためにも、また、消火、救急、救助活動や他府県と連携した広域的な災害対策活動をさらに迅速に行うためにも、新たな機種に更新するものでございます。
また、平成7年の阪神淡路大震災では、6,000人を超える方々の尊い命が奪われましたが、その8割が木造住宅の倒壊によるものでございました。こうしたことから、住宅の耐震化を進めることが命を守るために大変重要でございます。また、経済的負担が大きいことなどから逆にこの耐震化、なかなか進んでいないのも現状でございます。そういう中にあって、比較的安価で取り組みやすい宅内での耐震対策といたしまして、耐震シェルターや耐震ベッドへの補助制度を設けることといたしました。
更には、核家族化や少子高齢化、都市化といった社会情勢の変化に伴い、地域コミュニティ機能が低下しております。地域コミュニティの強化ということは、実は目に見えにくいですが、この防災対策の大変大事な社会基盤であると考えております。防災の担い手となるのは、住民の皆さんをはじめ消防団や自主防災組織、企業、学校のみなさんなど現にそれぞれの地域で暮らしておられる方々でございます。今年度はこうした地域を構成する皆さんがそれぞれ連携、協働してさらに力を発揮できる方法はないかという観点から「減災協働コミュニティ」の滋賀モデル構築に向け検討を進めていきたいと考えております。
只今、3点ご紹介いたしました防災ヘリ、耐震シェルター、減災コミュニティ、こうした取組みによりまして、住民、企業、行政等が、自らを助ける「自助」、共に助け合う「共助」、そして行政として対応していく「公助」というそれぞれの役割を果たしながら、連携して地域の防災力を高め、社会全体として災害や危機管理事案に立ち向かっていきたいと考えております。行政の大変大きな役割として、ますますこの危機管理体制、この危機管理の役割が大きくなっているわけでございます。
本日の会議では、滋賀県地域防災計画の修正案につきましてご審議いただくとともに、災害対策に関連した事項のご報告をさせていただくこととしております。委員の皆様方におかれましては、それぞれの立場から積極的なご意見を賜りますよう願いを申し上げまして、開会にあたりましての私からの挨拶とさせていただきます。どうか本日よろしくお願い致します。
本日の会議は、委員定数50名のうち出席者47名で定足数の過半数を満たしております。滋賀県防災会議条例第3条第2項の規定に基づき会議が成立することを御報告申し上げます。なお、本日の会議につきましては公開にて行いますので御了承願います。委員の皆様につきましてはお手元の資料の委員名簿にて、御紹介に代えさせていただきますので御了承願います。
それでは、ただ今から議事および報告事項に入らせていただきます。会議の議長は滋賀県防災会議条例第3条第3項の規定に基づき会長が当たることになっておりますので、これにより知事に議長をお願いします。
嘉田知事よろしくお願いします。
ご説明をさせていただきます。
資料といたしましては、2ページ「資料1-1 滋賀県地域防災計画修正案の概要」をお開きください。
大きく4点まとめてございます。
1「河川対策の現況および事業計画の進捗による修正」(風水害等対策編)につきまして、第2章 災害予防計画 第1節 水害予防計画 第1河川対策のうち「計画指針」につきましては、天井川の河川改修について、より具体的な方法を記述することといたしており、「切り下げ等により」を追記しております。
次に、3事業計画のうち(1)県土木交通部にかかります河川改修計画の記述でございます。堤防の切り下げや河道の拡幅、洪水を効率的に処理する放水路などの改修を進めることなど、河川改修の内容につきまして具体的な記述に修正しておりまして、河川改修の考え方につきまして、ハード面の対策と併せまして、住民の避難体制や土地利用などまでを見据えた、水害に強い地域づくりといったソフト対策についても追記し修正しているところでございます。
次に、2「気象予報発表基準の見直しに伴う修正」につきましてでありますが、第3章の災害応急対策計画の第2節情報計画のうち第2気象予警報伝達計画の内容に係る修正でございます。気象予報発表区分が市町単位に変更されますことから修正を行うものです。例えば、従来の、9ページ大雨警報基準では、「湖北地域」として発表されておりましたものが、修正後では、長浜市、米原市それぞれの市単位での発表となるものでございます。土砂災害警戒情報の発表につきましてはこれまでから市町単位での発表でございましたが、このたび大津市につきましては北部と南部に分割して発表されることに伴い修正するものです。
3「地震調査研究推進本部の長期評価について」といたしまして、地震調査研究推進本部の長期評価が改訂されたことに伴いまして、琵琶湖西岸断層帯の評価につきまして、南部と北部の2つに区分して評価されることになりました。これにより、今後30年以内の地震発生確率につきましては、修正前0.09~9%が、断層帯北部では1~3%に、断層帯南部ではほぼ0%と発生確率が低くなる旨、評価の見直しがなされておりまして、これに伴う修正でございます。
4「その他の修正」でございます。まず相互協力協定につきましては、本編と参考編に記述がございましたがその整合性を図りますため、このたび整理を致しまして修正するものでございます。また、「風水害等対策編、震災対策編および事故災害対策編ならびに原子力災害対策編」各編に関しまして、市町合併や組織改編等に伴う修正、統計数値等の変更に伴いまして修正を行うものです。
以上、第1号議案 滋賀県地域防災計画の修正案について、ご説明を申し上げました。
なお、この修正案ですけれども、本日の会議でご審議をいただきました後、「災害対策基本法第40条第3項」の規定に基づきまして内閣総理大臣へ修正協議を行うこととなっております。以上、ご審議の方よろしくお願い申し上げます。
3点ほど補足申し上げたい。
まず、河川改修計画の中に「万一破堤した場合、壊滅的な被害をもたらす可能性がある。」という文言を入れさせていただきましたが、これは県の河川行政にとっては大変に緊張感のある、画期的な文言でございます。これまでは、河川の中で施設で閉じこめるということで、破堤した場合ということが申し上げられませんでした。しかし、災害特に水害被害は0にはできません。そのような所から命を守り、被害を最小化するという人間の、社会の側から見た河川政策を進めたいというのがこの文言に表れております。
2点目は気象情報が市町村別になります。これも人間の側から見た時には大変ありがたいキメ細やかな情報になります。自助、共助を強化していただく意味でもここの点は強調させていただきたいと思います。
3点目ですが、琵琶湖西岸断層帯などの地震リスクが低くなった、これは大変ありがたいことでございます。そのようなことをきっちりと明記させていただきます。ただ、とはいえ、今までほとんどリスクがないと言われてきた所でも地震が起きていますので、決して安心できるものではないということも確認させていただきたいと思います。
質問等なく、各修正案を承認。
貴重な時間をいただき、ありがとうございます。計画の変更の概要で説明があったように、注意報は今までと違って市町村単位になったと言うことで、実際には5月27日13時からから開始と言うことになります。以前に出ていた注警報は一旦解除して新しく市町村単位で発表するということになります。今朝もNHKでそういう放送があって、市町村単位でやりますので今までと違って、空振りとかそういうところが多少、少なくなるということの報道がなされたので皆さんお耳にしてると思うのですが、この27日から基準としては水位とか土壌雨量指数とか災害に直結した市町村ごとの基準を作成して、この27日から開始ということなので、各市町村の方情報を掴んでいただければ非常にありがたいと思いますのでよろしくお願いします。
今回、訓練を9月5日に実施されるんですけれども、私ども、ポンプ車ですとか照明車とか、そういった災害対策用機械を持っていますので、是非使っていただければありがたいですし、実際の時でも、結構福井の方は、水難の人の捜索のために照明車を出したり、崖崩れですぐに使用しなければいけないので衛生通信車とか照明車を出したりしておりますので、お役に立つことがあれば言っていただければどんどんやっていきたいと思います。1つよろしくお願いします。
危機管理・リスク管理には、ハードウエア、ソフトウエア、ハートウエアが必要と思っております。
ハードウエアは言うまでもなく機器、河川などで言えばダムや河川改修でございます。
ソフトウエアというのは、防災あるいは避難体制という社会的な備えですけれども、ハートウエアというのは心というか精神というか、そこに対してどう対応できるかということです。そのハートウエアのところで是非皆さんのそれぞれの部、担当のところでいざ災害が起きた時に被害者はどういう不安があるんだろう、どんな生活の困難があるんだろう、食べるものあるいはおトイレとかそういうことを具体的にお考えいただいて、是非実践的な提案をいただきたいと思います。
実は、男女共同参画ということを常々申し上げておりますが、今回、副局長女性でがんばっていただいでおりますけれど、被災者のかなり多くが女性でございます。特に、高齢女性でございます。
地震時なり、あるいは風の災害など然り。そういうことを考えましてぜひとも被災者、被害者の立場に立った防災計画、想像力を豊かに致しまして、それぞれの部あるいは分野で対応いただけたら、県民の皆さんの命と暮らしの安全を守らせていただく私としましても大変心強い限りでございます。
少し異例でございましたけれども、そのあたり今後より幅を広めた形での防災対策をお願いしたいと思います。