※この要素で構成されている!と言い切ることは難しいですが、全体像を把握していくうえでの一つのアプローチとして性の要素を分解して考えてみましょう。複数の要素から構成され、組み合わせに決まりはありません。
「LGBT」は性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)を表す言葉の一つで、右の頭文字を組み合わせた言葉です。
「LGBTQ」や「LGBTQ+」などの表現もあり、どれも間違いではありません。
※LGBT以外にも「こころの性や好きになる性がわからない・決まっていない人」や「男女どちらにも恋愛感情を抱かない人」などさまざまな人がいます。
※こころの性とからだの性が一致している人を「シスジェンダー」、異性を好きになる人を「ヘテロセクシャル」といいます。
性のあり方のうち、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字を取った言葉です。これは、性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)に限らず、すべての人にあてはまる要素です。
「LGBTなど」のように特定の人たちを表す言葉ではなく、全ての人が持っている「性的指向」と「性自認」という「属性」を表す言葉です。
性のあり方は様々であり、決まったかたちはありません。みんな顔や性格などが違うように、性のあり方もグラデーションのように多様です。性のあり方はL・G・B・Tの他にもたくさんあり、「マジョリティ」の人にも名前があります。
みんなが自分らしく生きられる社会を実現するために、まずは「多様な性のあり方」について知ることからはじめていきましょう。
カミングアウトとは、自分の性のあり方(性的指向や性自認など)について、自分の意志で誰かに打ち明けることです。
誰にいつカミングアウトするかは本人の判断です。カミングアウトしないという判断もあります。他の人が強要や禁止はしないようにしましょう。
誰かの性のあり方について、本人の同意なく第三者に暴露することです。
アウティングは悪意がなかったとしても、また不注意や知識不足によるものであったとしても、絶対にしてはいけません。
アウティングは重大な人権侵害であり、これをきっかけにいじめが起こったり、人間不信に陥ったり、最悪の場合には命にかかわることもあります。
※カミングアウトはとても勇気がいる行為です。カミングアウトする相手は「信頼している人」が多いと言われています。カミングアウトを受けたら、ゆっくり最後まで話を聞き、アウティングは絶対にしないようにしましょう。
性別にかかわらず、誰もが自分らしく安心して過ごせる社会へ
一人ひとりが性別に関係なく、平等に権利や機会を分かち合い、個性や能力を発揮できる社会の実現に向けて、ジェンダー平等を妨げる課題はまだまだたくさんありますが、法律や制度も少しずつ変わってきています。ジェンダー(社会的・文化的につくられた性別)による「性別役割」や「性のあり方」について振り返り、ジェンダー平等社会の実現を目指しましょう。
多様性を認め合うために
社会にはいろいろな違いがあります。国籍、性別、年齢、宗教・信条、性的指向、性自認、持病や障害の有無、価値観など。目に見える違い、目に見えない違い、あらゆる違いについて理解を広げて
いくことで、誰もが安心して自分らしく生きられる社会づくりにつながります。
身近な人を傷つけない、身近な人から傷つけられないようにするために、何ができるか一緒に考え、行動していきましょう。
当事者やその身近な人の不安は、差別・偏見を受けることに加えて、周囲の無理解も大きく影響します。悪意のない言動のつもりでも、誰かを傷つけているかもしれません。男女区分や異性愛が当たり前という前提で行動や発言をしていないか、もう一度自分を見つめ直してみましょう。
「ALLY」(アライ)とは多様な性のあり方を理解し、応援・支援している人、または支援したいと思う人のことを「ALLY」といいます。
理解し、支援したいという気持ちがあれば誰でもALLYになれます。
性的少数者の人に対する差別、偏見は人権問題です。
まずは、性の多様性について正しく理解し、性のあり方の違いを尊重しましょう。