令和4年度は県内の学校7校4組が受賞し、1月に各校または県庁にて表彰式を行いました。前年度までの2年間は新型コロナウイルス感染症の影響により直接会って交流することができない状況にありましたが、今年度は感染予防に注意を払いながら活動方法を工夫することにより、直接顔を合わせての交流が実施できました。
表彰式の様子と、表彰の対象となった各校の取組を以下に御紹介します。
滋賀県立聾話学校小学部と栗東市立治田小学校の取組は、昭和56年度から交流を開始して今年度で42年となります。両校の行事に互いの児童が参加したり学級新聞を交換したりすることで交流を重ねてきました。どのような人に対しても、お互いの立場を認め合い、いたわりあい、喜びや苦しみを分かち合って、共に仲間として生きていくことができる子どもの育成を願い、聾話学校からの呼びかけで活動が始まり、現在は学年ごとに年1回以上の交流を実施しています。
今年度は、1、2年生はビデオによる交流、3年生は指文字・手話の学習、4年生は指文字・手話の学習と集団遊びを通した交流、5年生は田植えと稲刈り、6年生は修学旅行等の行事の発表の交換を実施しました。
県立新旭養護学校小学部と高島市立新旭南小学校は、新旭養護学校が開校した平成9年度から、新旭南小学校の「近隣にある特別支援学校のことを知ろう、友達と仲良くなろう」とのねらいにより交流が始まり、今年度で26年となります。
最近2年間はコロナ禍により交流が実施できませんでしたが、今年度は感染対策のため活動内容を工夫して、年2回の交流を行いました。1回目の交流は新旭南小学校児童が新旭養護学校の施設見学に訪れました。2回目の交流では、小学部児童の日々の取組をクラスごとに発表し、小学校児童からは運動会で発表したソーラン節を披露しました。
県立甲南高等学校と県立甲南高等養護学校は、甲南高等養護学校の開校以来16年間にわたり、教育目標であるノーマライゼーションの理念を涵養するため、学校行事や生徒会活動、部活動で交流を行ってきました。
部活動では8つの部で合同チームとして活動を行い、障害の有無にかかわらず両校の生徒が切磋琢磨しながらチームメイトとしての絆を深めてきました。今年度は、複数の部活動において高等養護生がキャプテンを務めており、リーダーシップを発揮して部をまとめ、高校生からの信望を集めました。また、今年度からは授業での交流にも幅を広げ、両校の生徒が協働して課題解決型学習に取り組みました。
A組には肢体不自由のある生徒が一人おり、入学時よりクラスメイトのサポートを受けながら、日々の学習や行事等に熱心に取り組んできました。周囲のクラスメイトの中にも、これまでの学校生活の中で不登校を経験するなど困難さを感じていた生徒もおり、肢体不自由のある仲間と共に学校生活を送る中で多様性や互いの困難さに気づき、自他を認めることにつながりました。
肢体不自由のある生徒が授業の準備で困っているときには、「ちょっと手伝ってほしい」と素直に友達に頼むことができ、それを友達も「頼ってくれてうれしい」と感じるなど、互いにできることは自分でしながらできないことは人にサポートをお願いすることの大切さを感じるなど、障害のある人とない人が共生していく上で大切な気づきがありました。