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教育長定例記者会見〔令和7年(2025年)5月14日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。今年度2回目の記者会見ということで、どうぞよろしくお願いいたします。それではお手元の資料に基づきまして説明をさせていただきます。配布させていただきました資料の2ページ、3ページに今年の5月6月の広報事項ということでまとめております。それぞれ後日資料提供などによりまして詳細のお知らせを予定しております。ぜひ取材を通じて、発信をいただければ幸いです。それでは話題提供ですけれども、本日は1点ございます。高校生が発案しました化学カードゲームということで、話題提供させていただきます。

まず私の方から、今回の話題提供の概要について簡単にご説明をいたします。お手元の資料4ページをご覧いただけますでしょうか。

県立虎姫高等学校の高校生発案のカードゲーム【Chemistrategy】を紹介します。【Chemistrategy】のケミはケミカル、化学ですよね。ストラテジーは戦略ということで、こうしたカードゲームを作られて、一般販売に向けて高校生のグループが会社の設立を目指しております。今回の虎姫高校の取組は4月の記者会見で私の思いとして、子どもたちの能力を引き出す教育へ変えていくという話をしましたが、そのための、「子どもを主語にして」「わくわくする学び」「アップデート」というキーワードがまさに生かされている、そう考えております。具体的には化学嫌いを減らしたい、そして化学が苦手でも楽しく学べるようにするためにはどうしたらいいのか、高校生の皆さんが思いを持たれまして、そういったことがきっかけとなって、授業や部活動の一環ということではなくて、生徒の有志のグループが放課後などの時間を使って、対戦型のオリジナルゲームとして【Chemistrategy】を開発されたということです。さらに授業でも活用してほしいという思いから、理科教材として商品化し、現在は企業教育の一環として全国一般販売とゲームの普及に向けて、生徒による合同会社【Chemi-Shiru】の設立を目指して現在活動中ということです。本日は虎姫高校の方から担当の堀先生にお越しいただいております。ここからは開発の主な経緯など、より詳しいお話を先生の方にお話をしていただこうと思います。それでは堀先生どうぞよろしくお願いいたします

(虎姫高校堀先生)

虎姫高等学校から来ました堀と申します。よろしくお願いします。本日は生徒を連れてきたかったのですけれども、あいにく中間考査1日目でございまして、私の方で説明させていただきます。では商品開発の経緯を説明します。本校の化学の体験授業で使用したカードを見て、対戦型ゲームにしたいと考えた生徒のつぶやきがきっかけです。その話を受けて本校のSSH事業の一つ、探究スキーム特別講座カードゲーム制作を設けて、どのようなカードゲームにすると良いか議論を重ねてきました。7月からはしがアントレプレナーシップ育成プログラムの支援を受けて、プロトタイプを作り、テストプレイを繰り返してきました。また、地域のイベントに参加するなど、生徒や一般の方々にもゲームを体験してもらい、フィードバックを得ています。これらの取組や今後の事業計画をまとめて、第12回高校生ビジネスプラングランプリに応募したところ、セミファイナリスト賞を受賞し、「高校生による【しが】学びの祭典2024」においても優秀賞を受賞しました。これまでに制作したカードは分子カード30種とLabo(ラボ)カード20種です。化学で遊び、楽しく学ぶをコンセプトとする【Chemistrategy】は好評で、8割の生徒がカードを使った授業を受けてみたいと答えています。ゲームの内容については、スライドの最後に生徒たちの動画による説明がありますので、後ほどそちらをご覧ください。このような活動を通してカードを販売してほしいという声が多く上がりました。全国にも普及したいということもあって、生徒たちは一般販売に向けて合同会社【Chemi-Shiru】の設立に向けて準備を進めることになりました。会社名には、「当社の製品やサービスが学生や教師に化学を知るためのきっかけ架け橋となってほしい」という願いが込められているということです。5月末には起業し、6月から滋賀県内そして全国に向けて販売を開始します。これらの取組を通して、生徒たちは大きな達成感や充実感を得ています。また、様々な課題を協働して解決し、試行錯誤を重ねてものづくりに取り組み、また、社会との関わりを持ちながら責任を持って主体的に行動する姿からこれからの社会に必要なアントレプレナーシップが育成されたことが伺われます。本校からの説明は以上となります。それでは最後に生徒たちによる説明の動画をご覧ください。

※説明動画を投影

(教育長)

大変ユニークな発想ですね。僕は高校時代、分子や元素記号で苦労した覚えがあるのですが、それをゲームにして楽しんでしまおうという、その発想がすごいなと思います。こちらからの説明は以上です。

(朝日新聞)

開発の一番初めのところですが、化学の体験授業で、アイディアが出てきたっていうことでしょうか。もう一度、発端のところをお願いします。

(虎姫高校)

本校では、これとはまた別に化学の分子についてカードを用意してありました。それを使って授業をしていたのですが、生徒がその分子量を見て、この数値で競い合うとゲームになるのではないかというようなことに気づきました、家でカードゲームを使って遊んでいたことから、そのようなことを思いついたということです。

(朝日新聞)

化学の授業の中の生徒のつぶやきから、ゲーム化した方がもっと楽しんでできるのではというような発言があったことがきっかけで、在校生の方の一言から始まったというふうに考えればいいですか。

(虎姫高校)

はい。生徒のつぶやきを広げていきたいと思いまして、これをカードゲームにしてみようと声をかけましたら多くの生徒が集まってくれました。

(朝日新聞)

一般販売は来月からなのでしょうか。また、この合同会社の設立の見通しみたいなところも改めてお願いします。

(虎姫高校)

来月6月から販売できればいいというふうに思っており、5月27日が大安だったと思いますがその日に起業したいというふうに生徒たちは言っています。

(朝日新聞)

主に関わられる高校の在校生の何人で起業するという形なのでしょうか?

(朝日新聞)

今回関わった生徒5名が役員として企業設立に向けて取り組んでいます。

(朝日新聞)

教育長からは、ゲームにして楽しんでしまう発想がすごいという発言もありましたが、改めてこのカードゲームの感想や期待することなどをお願いします。

(教育長)

まずもって、そのようなつぶやきを現場の先生がちゃんと拾っていただいたっていうことがすごく大切だと思います。子どもたちの思いであったり、学びに向かう姿勢だったり、そのようなところをつぶさにいろいろ普段から聞いておられるからこそできたのだと思います。そのことにまず敬意を表したいです。その上で子どもたちが、学びというのはそもそも楽しいものであるというふうに思うので、自分たちで授業で学びながら、もっと楽しく学べないかということを思ったのではないかというふうに推察しました。さらに、それを具現化するということが学びそのものになっているのだろうなと思います。そしてそれを自分たちだけのものにするのではなくて、もっと広げたいという思いまで持っておられる、そのような広い視野を持っているところに深く敬意を表したいと思います。今後どのようになっていくのか本当に楽しみにしておりまして、全国でこのゲームによって学びの楽しさを実感していただければと思いますし、そのことが今回関わっていただいた生徒さんに影響を与えるということを大いに期待しているところです。

(毎日新聞)

合同会社というふうに高校生が起業するのは県で初めてなのか、全国的に他にもあるか教えてください。それから5月27日に起業したいというのは、これが節目の記念日か、スケジュール的にどうなるか教えてください。3点目が私は本当に理科が赤点間際の人間でしたが、カードの説明を少し書くことによって、何か不慣れな人に知ってもらうとかそういった狙いなのでしょうか。

(虎姫高校)

県内の会社の設立については学校で把握しておりませんが、地元の税理士さんの話によると、湖北の方ではあまりないということは聞いてはいます。

(高校教育課)

ただいまご質問のありました高校生による県内、全国での起業状況ということですが、正確にどこが起業しているかということまでは把握しておりません。アントレプレナーシップについては奨励して進めていますが、必ずしも高校生が起業するということをゴールに想定しているわけではなく、その中で今回こうして起業にまでたどり着いていただいてるというところが素晴らしいというふうに感じております。

(虎姫高校)

二つ目の質問でございますが、「いつ起業したいか」と子どもたちに聞いたところ大安でという話になりまして、調べたら5月27日が大安だったということです。ただ、6月には一般販売したいとの事情がありますので、5月中には起業したいということでした。全国一般販売に向けては、お金を準備する必要もあり、融資のことも考えに入れて、皆様から信頼を得られるような合同会社を設立したいということです。合同会社については株式会社とは違って、自分たちで物事を決定していくことができます。少ない人数でありますが、役員を決めて合同会社の設立に向けて進んできた経緯があります。3点目については、実際子どもたちが近くの小学校で、このカードを使った授業をするということを今年度計画しております。また、いずれこのカードのイラストをもう少し分かりやすいものにするなど、カードの改善はあるかと思います。ひとまずは、このカードを広く含めて実験などを伴いながら市町の小学校であるとか、学童であるとかそういったところでカードを使って遊んでみたい、授業してみたい、ということを話しています。

(京都新聞)

2024年からということですが、何月の授業で発端となったつぶやきっていうのは出たのでしょうか。

(虎姫高校)

オープンハイスクールを本校で実施しまして、そちらの方で体験した生徒が本校へ入学してきたということになります。その生徒から「カードを作成したい」という話がありました。体験授業としての化学の授業は中学生向けとなります。ですから、その前の年の8月です。さらに、もう一度5月に同じような化学の体験授業があり、そこでもその生徒が関わっていました。

(京都新聞)

2024年の6月?8月?6月頃だと中学生ですか。

(虎姫高校)

8月ですね、中学生が本校の体験授業を受けてくれました。

(京都新聞)

発案したのは高校生でいいですか?何年生ですか?

(虎姫高校)

発案したのは1年生です。

(京都新聞)

その1年生が、中学生対象の化学の体験授業において先生が元々使っておられたカードについて、楽しめるようなものにできないかと発言したしたということでいいでしょうか?

(虎姫高校)

はい。その生徒が本校に入学にしてきて、そのような話をしました。

(京都新聞)

その1年生の生徒さんが呼びかけ、この有志の生徒が集まったということですか。これは何人ぐらいが集まったのでしょうか。

(虎姫高校)

その生徒が呼びかけたのではなく、その話を受け、私の方からカードゲームの制作に関わってみないかと本校の生徒全体に声をかけました。そうしたところ7名の生徒が関わりたいと申し出て、特別講座カードゲーム制作が始まりました。

(京都新聞)

完成したのはいつになりますか。

(虎姫高校)

プロトタイプ自体はそこから何回か試行錯誤を重ねていますが、完成という意味では12月にひとまず試作品として第1段階のものができました。そこから最終的な完成としては1月以降になります。

(京都新聞)

先ほどの動画では生徒が実際に使って遊んでいる様子が映し出されてましたけど、虎姫高校ではこのカードを使われているのでしょうか?

(虎姫高校)

はい。先日のこのカードゲームを使った授業を行いました。せっかくなので授業で使ってみようということになり、カードを並べて分子の命名を自分で探ってみたり、沸点の違いを見出したりとかそのような授業をしています。また、本校の学問祭で生徒の探究活動の成果を発表する場があります。そこでゲーム対会を実際に行いました。

(京都新聞)

それは全校生徒が対象でしょうか?

(虎姫高校)

ゲーム大会自体は1年生を対象に100名参加しました。授業については今回IBの国際バカロレアの生徒を対象に授業をしました。

(京都新聞)

先ほど小学生にも今後出前授業を予定しているとおっしゃっていましたが、このカードの対象というのはどのくらいの年齢を想定されていますか。

(虎姫高校)

そもそもの対象は高校化学の学力を上げるということでしたので、高校2・3年生がこのカード自体の対象でした。しかし、実際に「長浜ものづくりTECH」でこのカードゲームの試作品を小学校の子どもたちに体験してもらったところ、最初はいろいろ悩みながら取り組んでいましたが、最終的には小学生や幼稚園の子どもたちも一緒に楽しみ、保護者を負かすという場面もありました。

(京都新聞)

どんな効果を得られるとか、特に伝えたいことは何でしょうか。資料の方では化学の楽しさとか、生活と化学の繋がりを楽しくより身近に、と書いてありますが、化学の楽しさや重要性という点で教えてください。

(虎姫高校)

カードゲームが出来あがり、私の方で授業をしたところ、まずこのカードがあると、生徒同士の話し合いが生まれます。カードを並べることによって、いろんな話し合い、例えばカードをメタンからヘキサンまで並べて、その中で沸点がどのように上がるのかという気づきが生まれました。また、同じようにカードを並べていくと沸点が違う、炭素数が同じでも沸点が違うものはあるということに気がつきます。その中で、なぜこのような沸点の違いが出るのかということに生徒たちは気づいていました。分類する、比較する、そういった対比を伴って授業ができるという意味では非常に有効な理科教材になると思っています。また、カードの下の方にテキスト文があります。そのテキスト文は、生徒がいろいろと物質を調べ、自分たちでコメントをまとめています。中にはちょっとユニークなものもありますが、身近なものと繋げたいということで、そのようなテキスト文に思いを込めています。また、カードゲームを使って、化学反応に関しては実験計画を立ててみたいとのことで子どもたちは今年度企画をしています。その中で、化学を知るきっかけ作りになればよいと生徒たちは思い、制作に関わりました。

(京都新聞)

少しでも手に取りやすい楽しめる工夫や、今後の販売戦略など教えていただけますか。

(虎姫高校)

内容を組み直して手に取りやすい価格設定を検討するとか、カードを使って実際に実験を体験してもらう場をいろいろな市町に展開していきたいと考えています。販売戦略については、子どもたちと一緒に企画を練り上げていきたいと思います。

(京都新聞)

東京の立川市で学校へ侵入した者が教員へ暴行するという事案がありました。それを受けて、県教委として市町教育委員会や学校に通達等をされたのでしょうか。

(教育長)

本当に痛ましい事件でした。今までの学校での安全対策を、根本的にどうしていくのかということを投げかけているような事件だと思います。私も詳しくは存じ上げていませんが、新聞報道等を拝見すると保護者の方が連れてこられたということですので、学校現場で保護者の方が同伴された方に対してどう対応したら良いかというのは決め手がなく、はっきりとしたものが全国的に示されているわけではないと認識しています。だからといってそのままで良いというわけではないと思っています。そもそも各学校において、危機管理マニュアルを作成することになっており、本県においても全ての公立学校で作成していると確認しています。まず、マニュアルをもう一度点検すること、そしてそれに関連して、マニュアルそのものを見直してみて、対策というのがどのようなことかということを考えてほしいと各県立学校、市町教育委員会へ我々の方から通知をしました。合わせて、そもそも学校としての安全対策意識の向上に向けて、今後の話ですが、7月には、例年やっております学校の安全指導者講習会を開催する予定です。ここでは不審者から子供たちを守るための対応をテーマとして、講習会を予定しています。今回現場の先生方が、身を挺して子どもたちを守ったと報道等では認識していますが、もう少し具体的にどのような状況だったのか、またどうこれからどうするべきなのかということを、考えていく必要があると思っています。

(京都新聞)

通知に関しては何日付でしょうか?

(保健体育課)

昨日13日付けで通知をしております。

(京都新聞)

各市町教委と県立学校にということですね。実際に近年不審者が入ってきたなど、県内で報告は上がっていますか。

(保健体育課)

保健体育課の方で特に今のところ認識するものはありませんが、もし必要であれば確認させていただき、またご連絡いたします。

(京都新聞)

安全対策の部分で色々な方法があると思いますが、文科省の2023年度調査でも防犯カメラ設置が6割超えたりインターホンを設置したり警備員が8%配置されたりしています。滋賀県の数字も出ていますが、例えば、どこをもっと強化しなければならないとお考えか教えていただけますか。

(教育長)

今回の事件を踏まえてということになると、保護者の方との話し合いがどうなって、どのような経緯で事件に至ったのかをもう少し確認していかなければならないと思っています。いずれにしても、どのように保護者の方々とコミュニケーションをとっていくのか、日々それぞれの学校でも悩みながら捉えやっているところだと思います。そこを今一度どのような関係性を持ちながらコミュニケーションを図っていくのかを点検していく必要があると思います。その上で、保護者の方が同伴されてきた方をどう考えるのかということになると思います。安全対策というと、不審者という扱いの中で、防犯カメラやインターフォン、ドアを閉めるということなどは本県でもいろいろ取り組んでいますので、まず、不審者侵入対策をもう一度点検する必要があると思います。その上で、同伴してこられた方というのをどう考えるのか、今回もどういう段階で事件を起こすに至った状態を認知できたかというところも、分からない部分もあります。そのあたりを見ていかなければいけないと思います。いずれにしても、悩みながら議論をすることが必要だろうと考えます。

(京都新聞)

その議論の場はひとまず今後7月に行われるということでいいのでしょうか。

(教育長)

7月に開催するのは、学校現場の安全対策の意識を向上させるための講習会です。その場で議論するということではなく、我々として色々な情報を収集しないといけないと思います。それから文科省の動きがどうなるのかというところもありますし、その辺を注視しながら情報収集して考えていきたいと思います。

(中日新聞)

防犯対策と開かれた学校はジレンマがやはりついてくると思うのですけれども、そのあたり教育長としてどのようにお考えでしょうか。

(教育長)

開かれた学校というのは、学校を運営し、学校をより良いものにしていくために、学校だけで物事を考えるのではなく、地域の方や、外部の方、企業の方とか、いろいろな人や機関と連携等をしながら学校教育を、学校での学びをより良いものにしていこうとするものだと思います。一方で、安全対策はまさしく、学校を安全安心な場所にするということなので、単純に両者を天秤にかけるということでもないのだろうと考えています。当然、安全というのが前提にないといけません。子どもたちの安全安心を確保してこそ、様々な活動ができると思います。開かれた学校という言葉は、いつでも保護者の方や地域の方が学校に来られるようにするということも含まれると思うので、そのよう意味を考えると、工夫は必要かと思います。どう工夫をしながら対応していくのか情報共有、もしくは情報収集していくことが大切だと認識しています。また、学校においては必ずしも学校自体が全て門で囲われている、または塀で囲われているというわけではありません。日頃からいろんな出入りのために施錠ができないところもありますし、学校によっては学校の敷地内を地元の方が歩くことができる学校もあると思います。附属池田小学校の事件から、学校の安全をどう確保するのかということは、長年に渡っての課題だとは思います。今一度、先ほど冒頭に申し上げたように保護者の方が連れてくる方が何かすることもあるということを意識して、今の安全対策を見ていくことが大切だと思います。

(中日新聞)

今、米の値段がかなり高騰していると思いますが、学校給食への影響は聞いておられますか。

(教育長)

今は直接どの程度の影響があるかということを聞いていませんが、当然このまま米の高騰が続くと今の学校給食の値段を維持するには問題が出てくると思いますので、そこは注視していかないといけないと思います。

(NHK)

立川の事件を受けて保護者の方が連れてこられたという事案ですが、学校は子どもの安全を第1に守るべきで、教員の方が今回ご苦労されたと思いますが、教員の安全が守られていないと思いました。誰が教員の安全を守るのだろうかと、例えば企業でも従業員の安全を守ったり、県庁でも職員の安全を守ったりということは当然されている中で、学校で教職員の安全を誰が守るのかという議論がないように思ったのですが、どのように考えられますか。

(教育長)

当然、教員の安全を守らないといけません。それぞれの設置者が基本的には考えるべきことではありますが、我々としても学校の子どもたちの安全を守るということは、すなわち教員の安全を守るということにも当然繋がるわけです。ただ、外部からの侵入者ということであれば警察に通報しますが、警察が到着するまでの間は誰が守るのかということは、学校において教職員が一定関与しないといけないと思います。例えば家庭においても、何か事件があったとき、子どもがいたとしたら保護者の方が守るということになると思います。やはり、一定の対応というのはどうしてもしなければいけないと考えます。それは別に学校だけではなく、県庁においても何か事件があったときには、我々は来庁者の方を守っていかないといけませんし、警察が来るまでの間、どうするのかということはあります。できる限りそのようなことが起こらないよう対策を打たないといけません。その上で、そのようなことが起きたとき、どう行動するべきかということを日ごろから十分考え、訓練をしておくことが大事だと思います。設置者として、とにかく子どもたちの盾になるよというのは、また違うと思いますが、その場その場の状況に応じてやはり子どもたちを守ること、今回の事案でも子どもたちを守りながら逃がしたとお聞きしていますが、そのような対応は一定必要だと考えます。

(NHK)

前回の会見で来年度の教員採用については501人で、今年度42人減るということだった思うのですが、学校が人手不足と言われている中で、不足を解消するということが非常に大きな課題となっている中で、このように採用数を削減するのではなかなか解決のアプローチにならないと思いますが、どう考えておられますか。

(教育長)

学校における人手不足というのはそもそもどういう状況なのかということを、まずは考えないといけないと思います。働く人数というのは、基本的には国の法律で標準法等で決められているものがベースになります。その上で今現在どういう形になっているのかというと、全ての定員を正員で賄っているわけではありません。一部臨時の職員を採用しているという状況です。さらに正規職員が育休や産休もしくは病気休暇をとった時には、それに対応するための臨時の教員を採用する仕組みになっています。それは多くの民間企業でも同じだと思いますし、県庁においてもそのような要素は多々あるかと思います。けれども実際に不足している部分というのは、その臨時の職員が見つからないという状態になっています。臨時職員が見つからないという状況の一つは、昨今なかなか先生になりたくないというような話もありますので、そのような意味で志望者が少なくなっていることもあると思います。先ほどの正規の定数の中で全ての職員が正規職員ではない臨時的な職員をできるだけ正規職員で埋めるということを今やっております。この数年に渡って、職員をできるだけ採用する方向性はそのままで間違いはありません。昨年より減ったのではないかということについては、できるだけ正規職員で埋めるという方向性はそのまま持ちながらやっています。最終的には結果としては減っていますが、クラス数が減ることによって全体の定員数が減るという状況の中で一定、臨時の職員をできるだけ正規化していく、そういうことも踏まえながら今の数字になっていると考えていただければと思います。

(NHK)

最後にスクールランチの件で、昨日の知事会見でも質問させていただいたのですが、大津高校が注文宅配弁当のスクールランチということを先んじて本格的に5月から行われているということで、取材にも行かせていただきました。大津高校以外ではなかなか検討や開始されるところがなくて、教育委員会にお聞きしたら県立の全日制や昼間定時制の45校に調査したところ、いずれもお弁当を持ってきているか、パンとかおにぎり等を買っているので間に合っているということで、ニーズは無いということでした。ただ、間に合っているのか、あるいは間に合わせているのかというところにそのニーズが有るのではないかと思います。そもそも知事がおっしゃっている問題意識というのは、お弁当作りが母親の負担になっているのではないか、間に合わせていることが母親の負担になっているのではないかという問題だと受け止めていまして、調査の結果として「ニーズが無い」「間に合っている」ということに少し違和感を覚えますが、そのあたり如何でしょうか?

(教育長)

知事がそういう問題意識を持っておられるということは、私も当然存じ上げておりますし、その中でどういった事ができるのかという部分を、知事としてもっとやっていくべきではないかという方向性を持って話されているのだと推察しているところです。これまで学校現場としては、私自身の経験で言うと、学校に購買部があったり、もしくは軽食としてうどん等を提供するところがあったりし、そういうところで昼食を賄ったり、それ以外ではやはりお弁当を作ってもらったりしていました。その点、今の社会情勢に照らして、お弁当を誰が作るのかが偏っていないかということを知事は懸念して発言されているのかと思いますが、やはり今の役割分担的な状況と言いますか、社会情勢の中で言うと、おそらく母親の方が作っておられるケースが確かに多いのだろうとは思います。その中で、今まであまりお弁当や何か食事を提供するということに関してあまり意識されてこなかったということで、それは別に高校だけのことではなくて、大学や専門学校に通う子はどうか、また我々職員にしても、実は私も妻にお弁当を作ってもらっていますが、同じ話があるのではないかと考えられます。そのため、高校生に関しては、こうした事について学校の中で何をどう考えるのかという部分で、まずは一つのきっかけとして提示されているのかなと思って受け止めています。その上で、今回、知事の話も踏まえ、大津高校でも様々な状況があり、これまで来られていた業者さんが来られなくなったというような話もお伺いしておりますので、色々とトライをされていると思っています。まずは高校生の昼食環境というものをどう考えるのか、それぞれの学校で今どう考えているのかということを調査したのが現状だと認識していまして、大津高校以外では特に要望としては聞いていないということだと理解しています。今回大津高校では弁当を受け取とるのに業者だけではなく、学校の先生の方にも協力いただいていると伺っています。そのような先生方のご協力があって業者さんに来てもらっていると考えられるので、今後も継続的にやっていけるのかといった問題もあると思います。様々な課題もあると思いますので、生徒と保護者そして学校の思いを聞き取りながら、今の状況や課題を把握しどのような支援が今後必要か考えていきたいと思います。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
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