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教育長定例記者会見〔令和6年(2024年)2月8日〕

配布資料

概要

教育長)

まず一点、資料はございませんが報告がございます。

令和6年1月1日に発生いたしました、能登半島地震の被害に伴う人的支援についてでございます。この度、石川県や国、文部科学省からの要請を受けまして、県教育委員会として、石川県珠洲市と能登町の中学生生徒142名が今集団避難をしておられます、金沢市の「医王山(いおうぜん)スポーツセンター」へ、生徒の支援をするために県教育委員会事務局の3名の教職員を派遣することになりましたので、御報告をさせていただきます。

 今回石川県に行っていただく3名の先生方につきましては、来週2月15日(木)から2月19日(火)までの期間、現地では地元の先生方が昼間に授業等やっていただいておりますけれども、やはり先生方だけでは対応が十分にできない夜の時間帯に、生徒が過ごす場所の見回りなどの生活指導にあたっていただくことになっております。

 行かれる先生3名につきましては、親元を離れて避難している中学生に寄り添い、被災地の先生方と共に連携して支援にあたっていただきたいと思っておるところでございます。

 

それからもう一点ございます。

こちらのモニターに映しておりますし、お手元にもチラシを配らせていただいておりますが、2月10日土曜日に、長浜市の木之本にありますスティックホールで、北の近江振興高校生サミットを実施させていただきます。この事業は、本年度から実施している「北の近江振興プロジェクト」の取組の一つでございまして、「挑戦する若者が育ち・集う北部へ」ということで取り組ませていただいております。北部地域の9つの高校で学ぶ生徒たちが、7月末から、地域で活躍していただいている方々のお話を聞いたり、フィールドワーク等をすることで地域の魅力や課題を探り、その活用や解決策について学校単位で研究を進めてきていただいたものでございます。この高校生サミットでは、生徒の皆さんが考えた北部地域の未来についての高校生の探究の成果を県民の皆様に発表していただく予定をしております。サミットにはパンフレットにも記載のとおり滋賀県知事も御出席になる予定でございますが、私も参加し、高校生の発表を聞くのをとても楽しみにしております。サミットはどなたでも参加できますので、高校生のみならず大人や子どもたち、県内各地の皆様にもぜひ御来場いただければと思います。

 

それでは、配付資料に基づいて、順に御説明いたします。

お配りしております資料の2ページ目でございますが、今申し上げた高校生サミットも含めまして、2月から3月に予定されている行事等をあげさせていただいております。後日資料提供による詳細のお知らせも予定しておりますので、本日お集まりの報道各社の皆様にも、取材等を通じて発信いただければ幸いでございます。

 

それでは、続きまして本日の話題提供ということで説明をさせていただきます。

お手元の資料の4ページを御覧いただきたいと思います。3月16日に開催をいたします、「こども としょかん」キックオフフォーラムについて紹介させていただきます。県の教育委員会では今、第5次となります、「滋賀県子ども読書活動推進計画」の策定を進めております。県・市町・民間、そして子どもの読書に関わる多くの人々がみんなで子どもの読書活動を総合的に推進していくことを、「こども としょかん」として取り組んでいきたいと考えているところでございます。

滋賀全体が子どもにとっての「としょかん(本に親しむ場)」となることを目指しまして、県内の子ども読書活動の推進の機運を高めるために、3月16日土曜日の午後2時から近江八幡市にございます、G-NETしが 男女共同参画センターでフォーラムを開催いたします。開催にあたりましては、知事の挨拶で県民の皆様に子どもの読書の大切さについての知事の思いを述べていただきますとともに、その後のフォーラムでは「こども としょかん」の考え方や、来年度どんな事業をしていくのか説明をする他、滋賀を代表する歴史小説・時代小説家である、今村翔吾氏に御講演をいただくこととしております。皆様も御存知のように、今村さんは戦国時代の滋賀県を舞台にした小説『塞王の盾』で直木賞を受賞されていますが、若者に読書や言葉の大切さを伝えることなどを目的とした一般社団法人「ホンミライ」の代表理事も務めておられます。今回の御講演では、その御経験も踏まえ、子どもと本の出会いをサポートするためのヒントもお話しいただけるということでございます。

 続きまして、このフォーラムではトークセッションを実施いたします。このトークセッションでは、滋賀文教短期大学講師で図書館情報学や児童文学が御専門の有山裕美子さん、そして県内で子どもの読書に関わるボランティアをされている辻まゆみさん、そして今年度滋賀県の公共図書館協議会で児童サービス委員会を担当しておられる長浜市立図書館長の森佐江子さんに参加いただくこととなっております。

 また当日は、近江八幡市の御協力を得まして、会場であります近江八幡市の図書館から、1,500冊の本を積んだ移動図書館車に巡回いただくほか、会場入り口には県立図書館の蔵書から、今年出版された絵本や多言語の絵本等を手に取っていただけるコーナーも設置する予定をしております。

 多くの方々に参加いただき、このフォーラムを通じまして、「すべての子どもがいつでもどこでも楽しく読書ができる環境づくり」が進めればと思っておりますので、記者の皆様には取材等で足を運んでいただければ有り難く存じます。よろしくお願いいたします。

 私からは以上です。

(中日新聞)

 能登半島地震の支援について伺いたいのですが、派遣される3人の先生方は中学校の先生なのでしょうか。

 

(教育長)

 現在教育委員会事務局におられる先生方ですので、小学校の先生が1名と、中学校の先生が1名、高等学校の先生が1名、の3名の先生を派遣する予定となっております。

 

(中日新聞)

 小中高それぞれということですね、ありがとうございます。

 県の教育委員会事務局の職員さんですか。

 

(教育長)

 現場の先生ではなく、教育委員会事務局で仕事をしている先生方です。

 

(中日新聞)

 だいたいどのような活動が予定されているのですか。

 

(教育長)

 昼間の普段学校が開いている時間は、現地の先生方が国語とか数学とかを教えていただいて、夕方になると当然授業が終わりますので、子どもたちはそれぞれの部屋に戻ったりして、その後、生活の様々な場面が生じますので、例えば具合が悪くなった時に対応するなど、そのようなことを先生方にはやっていただきます。

 

(中日新聞)

 災害現場への派遣、このような形での派遣というのはあまり今までなかったと思うのですが。

 

 

(教職員課)

 教員としての派遣というのは今までなかったと思います。

 

(教育長)

 県の職員がクールごとに20人くらい派遣されておりますが、その中に事務局の先生方が派遣されるということはあり、今も派遣しておりますが、今回は教員として行っていただくので、このような形は初めてです。

 

(中日新聞)

 ありがとうございます。

このような形で石川県や国等から要請を受けていて、そこで受ける形なので、滋賀県以外にいろいろな県が引き受けるのですか。

 

(教育長)

 そうですね。これは、全国の教育委員会の連合会の集まりがございまして、そちらの方から国あるいは石川県としましても、全国各都道府県の教育委員会がしっかり応援するので、助けてほしいことがあったら遠慮なく言ってください、ということでやっておりますので、それぞれの県ができる範囲で皆さん手を挙げていただいておりますので、様々な県から来ていただいていると思います。

 

(朝日新聞)

 関連してなのですが、文科省からの要請を受けて派遣されたということでよろしいでしょうか。

 

(教育長)

 そうです。1月21日月曜日に石川県が文部科学省に要望されました。それを受けまして文部科学省から全国の都道府県に対して教員の派遣要請の依頼があったということでございます。

 

(朝日新聞)

 文科省からの派遣要請の依頼を受けて今回、派遣されたのですか。

 

(教育長)

 派遣される日程が五日事に設定されているのですが、滋賀県を含めそれぞれの県がどの日程なら参加できるか意向を出して、今回2月15日から19日に滋賀県が割り振られ、3名の先生方に行っていただくことになったということでございます。

 

(朝日新聞)

 他府県でスクールカウンセラーの派遣がされているようですが、そういう要請はないのですか。

 

(教育長)

 今のところその要請はありません。スクールカウンセラーを派遣するという話は聞いておりますが、派遣してほしいという要請は受けておりません。

 例えば、学習指導、授業をやってくれる先生というお話もありましたが、今のところそちらについては国で一定調整した結果、すべての期間で先生方は充足しているので、さらに派遣する必要はないと聞いております。今後状況が変わればまた柔軟に対応させていただきます。

 

(朝日新聞)

 改めてなのですが、今回派遣される3人の方にどういったことを期待されますか。

(教育長)

 実は、行かれる先生方には、本日午前中に教育長室に御案内させていただいて、子どもたちに寄り添ってほしいというお話をさせていただきました。子どもたちは親と離れて住んでいますので、悩んでいることとか、困っていることとか、いろいろあると思いますので、そういう声をしっかりと受け止めて対応してほしいというふうに申し上げました。

 もう一つ申し上げたのは、「頑張ってください」とか、「大丈夫ですか」とかいうことは、あまり言わない方がいいのではないかと。もう既にこの子たちは頑張っているし、多分大丈夫ではないと思いますので、そういうところに寄り添ってほしいということを中心にお話をさせていただきました。

 

(京都新聞)

 関連しますけれども、教員という形で派遣されるのは初めてということですけれども、現在その職は県教委事務局の職員さんでいらっしゃるということでよろしいですか。

 

(教育長)

そうですね、ただ仕事としては、授業はしませんが、教員免許を持っている教員が生徒のいわゆる生活指導を行うというところです。

 

(京都新聞)

 所属としては県の教育委員会事務局ですか。

 

(教育長)

 所属としては、教育委員会事務局のそれぞれの課ということです。

 

(京都新聞)

 役割として、先生として行かれるということですか。

 

(教育長)

 そうですね。

 

(京都新聞)

 それが初めてということですか。

 

(教育長)

そうです。今までは滋賀県職員として、避難所支援等のときに、たまたま教育委員会に来ておられる先生に行っていただいたということがあります。

 

(京都新聞)

滋賀県教育委員会事務局としては、これまで何人ほど行かれたのですか。

 

(教育総務課長)

手元に資料がないのですが、確か7人ほどだったと思います。

 

(京都新聞)

県職員としてトータル何人くらいですか。

 

(教育総務課長)

 県全体ですか。お調べして後ほどお伝えします。

 

(京都新聞)

 これまで子どもに直接教えるという、それはなかったということですか。

 

(教育長)

 そうですね、子どもの指導等するというのは。避難所で一般の方に向けて、食事とかトイレとかの支援をしていただきました。

 

(京都新聞)

 19日まで行かれて、その後何か報告や共有はされるのですか。

 

(教育長)

 県の職員として行っていただいた先生が実際いらっしゃって、その方々は状況を報告書という形でまとめていただいて、現地の状況や課題を共有させていただいています。今回も現地での子どもの様子とか、そこで学んだこと、あるいは今後、滋賀で災害があったときに役立てたいポイント等を報告いただければと思っております。

 

(京都新聞)

 前回、長浜の方に親せきを頼りに避難されてきた方がいらっしゃると言われていましたが、その後の状況や、他の小学生や中学生が滋賀の学校に通いたいということはあるのでしょうか。

 

(教育長)

 今県教委で把握している範囲では、滋賀県で就学、学校に行くことについて問い合わせは二件あったと聞いております。

 その内の一件は、先日もお話した長浜市の一件でございまして、この児童についてはその後、長浜市の小学校で勉強しておられると聞いております。

 もう一件はまだ学校までは行っていないそうです。

 

(京都新聞)

 それはどこの自治体ですか。

 

(幼小中教育課長)

 すみません、その件に関しましては非公表とされていますので、お答えすることができません。

 

(毎日新聞)

 派遣される先生は、主に夜の活動といいますか、支援をされるのですか。

 

(教育長)

 そうですね。夕方から朝です。

 

(毎日新聞)

 昼間はどうされるのですか。

(教職員課長)

学習指導等の授業で昼間の8時間勤務された後の時間になりますので、勤務時間は16時間の中での勤務になり、昼間は休息の時間となります。

 

(毎日新聞)

 勉強や宿題を手伝うようなことはあるのですか。

 

(教職員課長)

 基本的には夜間の生活指導ということでございますけれども、修学旅行でありますとか、団体で宿泊をしておりますので、そういう時の生活指導、あるいは食事であったり、あるいは就寝であったり、そういう時の指導でございます。その中で宿題の指導等できることには対応していくという形になると思います。

 

(毎日新聞)

 土日をはさみますけれども、土日だからとか関係ないですよね。

 

(教育長)

 そうですね、土日とか関係ないです。

 

(中日新聞)

「こども としょかん」についてお伺いします。新年度の予算を発表された分でも、図書館のサポートセンターという新規事業ですが、この「こども としょかん」のイメージと、またそのイメージに対してどう取り組んでいくのか、そのあたりをお願いします。

 

(教育長)

 この資料の「こども としょかん」というのは、例えば子どものための図書館という箱をどこかに作って、児童図書を置いて、「こども としょかん」というイメージもあるのですが、そういうイメージではなくして、子どもたちがいる場所でいろいろな機会で本に親しめる、そういう取組をしていきたいというのが、今回の滋賀の「こども としょかん」の考え方でございます。それに沿っていろいろな施策をやっていこうということでございます。

そのためには何をやらなければならないかと言いますと、やはり子どもが本に親しめる環境を作っていかなければなりません。小学校・中学校の子どもたちは平日は学校にいますので、学校図書館を充実させていくことが大切だと考えておりますので、学校図書館への支援がございます。そしてもっと小さい子どもにはボランティアの方々や読み聞かせをされる方々の取組を進めていく。そして改めていろいろな読書に関する情報収集、発信、そして相談、またこんな取組をしたらという研究機関として県立図書館内に「こども としょかんサポートセンター」という機能を作ることにいたしました。こういう学校図書館を超えた幅広い子どもの読書に関する支援の組織を作っていくことが、今回の取組でございます。この4月からになりますので、また関係者の御意見を聞きながらやれることを順番にやっていきたいと思います。

 

(中日新聞)

 今回2024年度は「こども としょかん」というもの本格的に取組を進めていくということですか。

 

(教育長)

 「こども としょかん」ということで、今回3月16日にキックオフフォーラムをさせていただくということで、本格的には、今まで事業を全くやっていないわけではないのですが、「こどもとしょかん」としての事業はこの4月から始めさせていただきます。

 いろいろな方のお話とかいろいろなものを見ていて思いますのは、自分の住んでいるところは自分の目に見える話しかなく、自分が関われる人は自分と会った付き合いの人しかありません。しかし、本を読むことによって、未知の世界の様子が分かったり、会っていない人のいろいろな思いが感じられたり、それから世界のいろいろな出来事が知れたり、自分の知らなかった事を知るようになる。まさに読書は、子どもにとって、あるいは人にとって、様々なことに興味・関心を持ち、そして自ら一つひとつ取り組んでいこう、学ぼうということの一歩になるものだと思っております。

 

(読売新聞)

 新年度予算で、今回教育委員会分は何に重点を置いているのか、どのような思いを込めて編成なさったのか。

 

(教育長)

 まずは一番目として、子どもの学ぶ力を高めていくための取組を一つの柱として考えております。ただこれは予算案ではそんなに高くないのではないかもしれませんが、御存知のように教育予算では人件費も多くありますので、様々な子どもたちが学ぶべき人と環境については力を入れています。

 それからもう一つは、教職員の皆さんがより生き生きと働ける環境づくりということで、これは子どもたちにも関わりますが、学習を支援するような支援の在り方、あるいは先生方を支援するようなスクールサポートスタッフ等の人員の充実をさせていくことと、そして先生方の働き方という意味で、特に教頭先生や副校長先生が学校現場では大変だという話を聞いておりますので、教頭先生や副校長先生の支援をさせていただきます。

 そして三つ目は、やはり困難な環境にある子どもたちへの支援です。一つは話題になっております不登校の児童生徒に対する支援、それは当然児童生徒だけではなくて、保護者への支援ということも含めてでございます。

 それから、そういう子たちが学ぶ機会をどうやって作っていくのか、サポートする人をどのように配置していくかということでございます。

 そして、最後に四つ目は、教育環境の中で長年様々な方から御意見をいただいておりました特別支援学校の分離・新設に向けて予算をお願いし、知事にも御理解いただいて、新しい特別支援学校を作るための一歩を踏み出せたと思っております。

(読売新聞)

 特別支援学校ですが、スケジュール感みたいなものが知事からある程度はお話があったのですが、学校づくりですので、時間はかかると思うのですが、スケジュール感とか見通しとかお伺いできますか。

 

(教育長)

 そういった御質問をいただくということは十分に想定しているのですが、まずは今、どこにどのくらいの規模の学校を建てるのか調査をしておりますので、できるだけスピード感を持って我々は関係の市にもお願いしながらやっていきたいと思っております。それができて、次に土地とか造成をしなければなりません。滋賀県の場合、土地を造成しようと思うと、多くに文化財とか史跡とか出てきます。これは滋賀県の歴史があるということで、昨日から坂本城でやっておられましたけれど、同じようなことが各地で行われて、その調査をやって終わらないと次に建てられないので、何年というのはなかなか申し上げにくいのですが、できるだけスピード感を持ってやっていくしかないです。学校ですので、建てるのも一定の期間が要ると思います。

併せまして、建設業界さんも働き方というのがあって、今までみたいに短期間でやるのは難しく、従来よりも工事期間がかかるように聞いております。マイナスのことばかり話している感じがいたしますが、そういったことを工夫しながらやっていきたいと思います。ですので令和何年に開校しますとか、今はそこまで申し上げるものがございません。できるだけ早くやれるように頑張りたいと思います。

 

(教育総務課長)

 先ほどの京都新聞さんに回答させていただきます。

県からの派遣人数ということですけれども、避難所運営にあたりましては、県全体で140人、2月8日現在で140人です。内、教育委員会から派遣したのは6人です。

 

(滋賀報知新聞)

 今日同じ時間帯で、スマイルの会さんが特別支援教育課の方に、教育長・知事宛てということで、「特別支援学校の教育条件充実を求める要請署名」というのを提出されたということだったのですが、これまでスマイルの会さんが何度か要望を、今回の分離・新設の話もありますし、教職員の方を増員してほしいというのもあったと思います。今この時点で教育長から要請書を提出された受け止め等あれば教えてください。

 

(教育長)

 特別支援学校の教育環境については、様々な御要望等もいただいております。一つは現施設、学校の建物なり、いろいろな設備について良くしてほしいという御要望です。それからもう一つは、子どもたちに関わる職員の皆さんをしっかり配置という声をいただきます。教職員につきましては一定の基準をベースにしながら、できるだけ正規の職員が配置できるように、特別支援学校について努めているところでございます。併せまして様々な支援を行う方についても、スクールサポートスタッフを増やすなど、様々な形で取り組んでおります。

 ただ今回、分離・新設いたしますと、学校の規模がそれぞれ変わり、職員の数も変わってまいりますので、そういったことをしっかり見据えながら、必要な教職員も配置していきます。少し先のお話になると思いますので、たちまち今年とか来年以降増えるわけではございませんが、その点については、じっくり意識して取り組んでいきたいと思っています。

 

(毎日新聞)

 教職員の働き方、環境整備ですけれど、県のこの間の予算の発表で小中学校の教職員が9名減員している定員の問題ですが、これはどう理解したらいいのですか。

 

(教育長)

 滋賀県では小学生や幼稚園の子どもがものすごく減ってきています。そういたしますと、クラスが減ってきます。その点が多分一番大きな理由です。まだ中学校は減っていないといいますか、どちらかといえば特別支援学級が増えたりするので中学校は増えるのですが、高校も増えていますが、小学校はもういわゆる児童数の結果が大きいということです。そういう中にありましても、例えばさきほど申し上げましたような御支援とか、御指導でありますとか、そういったものの加配を意識しながら対応しておるのですが、それ以上に児童の減少に伴う学級数の減が大きいということでございます。

 もう一点は、御存知のように、文部科学省で35人学級を制度化しておられますので、その影響も若干あるかと思います。

 

(NHK)

先ほどの特別支援学校の新設の件ですが、スマイルの会さんが先ほど署名を提出されました。彼らは数年前からそういった活動をされていると思うのですが、特別支援学校の分離・新設を行うことになったのは、彼らの署名活動とかこれまでの要望があったからそうなったのか、また一方で、県内の養護学校に通う子の数がかなり増えて大規模化しているから、大規模化した部分の受け皿となる新しい学校を新設する、そういう流れなのか、その辺りを教えてください。

 

(教育長)

 まず、今回分離・新設と言いましたのは、いろいろな動きがあると思いますが、一つは今後特別支援学校へ通う児童生徒の数がどのように推移していくのか、先を見据えて考えていかなければならないと思っております。そういった中で、引き続き草津養護学校、あるいは野洲養護学校が所在する南部地域については、児童生徒の数は減らない、若干増えることも予想されます。そういたしますと300人、400人を超える特別支援学校というのは、大きくなればなるほど、一人ひとりの子どもたちに丁寧に対応するのに支障が発することも想定されます。また併せまして、全国的な状況を見ましても、400人を超える大規模な特別支援学校については、分離・新設なりをして少ない人数でやっていくという全国的な流れもございます。これは国の方でも設置基準を令和3年に作られたということも理由の一つとしておりますので、そういった点を総合的に考えて、今回は分離・新設という手法を取るのが、子どもたちにとって、そして働かれる先生方にとってよいと判断したものでございます。

 なお、特別支援学校の大規模化の対応につきましては、今の御質問の一つ前にお答えしました草津養護学校の保護者の皆さん、また少し前になりますが、草津市議会、あるいは大津市議会からも意見書をいただいておりますので、そういった点をしっかりと受け止めながら、客観的に検討した結果、今回の判断となり、知事とも協議させていただいて、今回の予算に繋がったということでございます。

 

(NHK)

もう一点です。先ほど小学校の児童数が減っているという話があった一方で、特別支援学校の児童生徒数が増えているというのは、どういった背景があって、特別支援学校の児童生徒は増えているのでしょうか。

(教育長)

小学校中学校ですと、特別支援学校で学ぶ子どももいらっしゃいますが、特別支援学級で学ぶ児童生徒もいらっしゃいます。これはもう数が増えております。その原因は何かという点ですけれども、なかなかここは難しい点もあると思います。ただ、できるだけ少人数でしっかりとした指導を子どもにしてもらいたいので、できれば特別支援学校、あるいは特別支援学級で学ばせてほしいと思われる保護者の思いもあるのではないかというふうに思っております。ただ我々としては、子どもたちが特別支援学校、あるいは特別支援学級だけで学んでいるということが、将来にとっていいのかどうかというのもございますので、そこは通級指導でありますとか、それから今回一昨年から始めております副籍、特別支援学校と通常の学校との副籍の制度とか、そういった取組を通じて、できるだけ障害のある子と障害のない子が一緒に学べるような時代を作っていくことも大切だと思っております。ただ、やはり専門的な指導をしてほしいと思われる保護者の思いもあると認識をしております。

 

(NHK)

 わかりました。ありがとうございました。

 

(特別支援教育課長)

今おっしゃっていただいたように、やはり保護者の方の、障害のある子どもの特別支援学校や特別支援学級でそれぞれ実施されているより細かな指導・支援、そういったところの期待、また特別支援教育への理解が変わってきている、というところが考えられると思います。

 

(京都新聞)

 「こども としょかん」についてお伺いします。県立図書館では、絵本の交流というのをされていると伺いまして、その図書館施策の中で、絵本の収集とかさらに例えば充実させたり、何かそれを活用されたりとかいう広がりがあれば教えていただけますか。

 

(教育長)

 はい、わかりました。

 せっかく村田館長さんがいらっしゃいますので、絵本を今県立図書館でどのように扱っておられるのか、お答えいただければと思います。

 

(県立図書館長)

 おっしゃっていただきましたように、絵本に限らず、子どものために出された新刊図書というのは全県交流をしているというのが一つの県立図書館の特色でございます。「こども としょかん」は、来年度は学校図書館に重きをおいた支援をさせていただくような作りになっております。学校図書館で使えるようなもの、特に絵本に限ったことではございません。学習とか、学校図書館は学習情報センターとしての性格もございますので、そういった需要があるものに使っていただいて、結構高額なものが多く、なかなか揃えることは難しいという声も聞いておりますので、その辺りで活用していただこうかなと考えております。こちらの絵本についてはボランティア団体さんから言っていただくこともございますので、そちらの方も充実させていきたいと考えております。

 

(教育長)

 絵本の中には外国の本とかも件数としてはございまして、これはどうやって集めているかと申しますと、伊藤忠商事さんが世界各国に社員がおられますので、いろいろな国におられる方がその国の絵本とかを集めてくださって、それを伊藤忠商事さんが、滋賀の県立図書館に持ってきていただいて、県立図書館に寄贈して下さっています。なぜそんなことをやっているのかというと、滋賀は外国籍の人も多いので、外国籍の子どももそういう本を使っています。もう一つは小さな子どもへの読み聞かせのような取組を各学校とか、地域とか、あるいはショッピングセンター等でやっておりまして、小さい子どもですと絵本が一番マッチングしやすいので、そういった取組をしながら絵本の充実を図っていると認識をしております。

 

(京都新聞)

 ありがとうございます。

 図書の件で、県立図書館の図書資料整備費が5700万円と出ていますけれども、これは過去最低の数字ですか。

 

(教育総務課長)

 ちょっと調べまして後ほどお示しさせていただきます。

 

(京都新聞)

「こどもとしょかん」というのも大事だと思うのですが、大人が読んでこそ子どももその背中を見て読書をするものだと思うので、図書費がどんどん減っていっていることについてはどのようにお考えですか。

 

(教育長)

図書館の図書費というのは基本だと私は思っています。図書館なので図書があって初めて成り立つということがあると思います。では、県立図書館はどんな役割を果たすのかは市町の図書館とお互いがネットワークで結びながら県民の皆さんに図書を提供していくということだと思います。市の図書館と県の図書館の役割を考えながら県の図書館はどういう本を充実していくことが県民にとって一番良いのかということを工夫してやっております。以前も中小企業の皆さんが様々なことを学びたい、中小企業向けの図書を充実したり、あるいは、森のこととか環境のことを考えたい人のための本を充実させたり、工夫をしながらやっております。図書費は確保しながら県民の様々な本に対するニーズに対応していくことが大事だと思っております。

 

(教育総務課長)

 過去に財政構造改革プログラムをしていた頃に、資料購入費が若干減っていた時代がありますので、そういった時代と比べると今の方が多いかと思いますので、今年度の図書費が過去最低ではありません。

 

(京都新聞)

県立図書館でエレベーターの工事をされて、150万冊ほど借りられないということでこの工事は3月のいつまでですか。

 

(図書館長)

 3月いっぱいとなっていますけれども、使えるようになり次第、再開させていただく予定ですが、早く終わる見込みではございます。

 

(朝日新聞)

 次年度、特別支援学校で何人になられるのですか。

 

(教育長)

 特別支援学校の先生の増員ですか。

 

(教職員課)

教員については12名でございます。

 

(教育長)

 12名増ということですね。

 

(朝日新聞)

 大規模化に対応してということですか。

(教育長)

 というよりも、全部で特別支援学校は16校ありますけれども、高等養護学校も含めて、それぞれが何クラスになるのかというのを見据えながらなので、それぞれの特別支援学校でプラス何クラスになるのか、知的障害の子どもが何人いらっしゃるか、学年ごと障害の種別クラスを積算して先生方を決めております。クラスが増えるということになれば先生方が増えるということで、別段、草津養護と野洲養護だけが増えるわけではないということです。

 

(朝日新聞)

 それぞれ生徒が増えてクラスが増えるということですね。

一つ新設されることは喜ばしいことだと、保護者の方もおっしゃっているのですが、それでも一つ増えるだけではまだまだ足りないというお声もありますが、その辺りについてはいかがですか。

 

(教育長)

 そうですね、まずは野洲養護と草津養護、それぞれの校区を少し小さくさせていただいて、それぞれの学校で学ぶ生徒の数を減らす。そして新しく作ったところに新しい校区ができますので、そこに行っていただくということです。今特別支援学校の児童生徒数は100人~200人台くらいの特別支援学校が多いので、その辺りを一つの目安としながら考えていくことになろうかと思います。

 

(朝日新聞)

 100人~200人規模の学校を新しく作るということですか。

 

(教育長)

 細かなことは今後決めると思います。少なくともそれぞれの学校が300人以下になるようなことを想定しながら考えていくつもりです。

 

(朝日新聞)

 今日午後にスマイルの会の方が会見を開かれますが、スマイルの会の方も10年以上署名活動をされていて大規模化で学校の先生も大変で、給食も食べられないとか、スクールバスに一時間以上乗っているとかあると思うのですが、実際直接お話を聞かれてどう感じられましたか。

 

(教育長)

 学校給食につきましては、児童生徒が食べられるような体制を取っております。一緒に先生もいらっしゃって、先生も食べていただくほうが望ましいので、そういう形を取りたいなとは思っております。そのためにはやはり、規模が大きくなれば食数が増えますので、自校方式でそれぞれの学校で工夫して皆さん給食を作っておりますので、小中学校はセンター方式で給食センターで調理しますけれども、自校方式でその点を考えていきます。

 それから、今おっしゃった通学時間につきましても、草津養護や野洲養護まで距離があるわけではないのですが、朝は混むのでなかなかバスが出ないという実態もございます。そういった点も踏まえて、距離というより時間が大切ですので、そういう意味において分離・新設をすることによって、通学時間を短くできるようにと思っております。おっしゃっていたような課題は十分認識しておりますので、それを解決するための手法として分離・新設を今回考えさせていただいて、スタートをさせていただきたいということでございます。ですから、いろいろな保護者の皆さん、団体の皆さんが持っておられる思いを解決するための手法として分離・新設を考えたいということでございます。

 

(朝日新聞)

保護者の方が、知事も「子ども・子ども・子ども」とおっしゃっていますが、その「子ども」に障害がある子どもは入っていないのか、というような声もよく聞かれますけれども、滋賀県の障害児教育について教育長はどのように思われていますか。

 

(教育長)

 滋賀の障害児教育なり、障害児支援というのは、記者の皆さんも御存知だと思いますが、糸賀一雄先生の「この子らを世の光に」というところをベースにしております。それが滋賀の様々な教育においても糸賀先生の言葉を使いながら小学校中学校でもおりますので、そのことが私も障害児教育の基本だと思っておりますので、その子たちが輝ける社会を作っていくことがみんなが輝ける社会、その子たちが学びやすい環境を作ることがすべての子どもたちが学びやすい環境を作ることだと思って、日々仕事をさせていただいております。

 

(朝日新聞)

 北の近江振興高校生サミットは初めての取り組みですか。

 

(教育長)

 北の近江振興は今年から始まった事業ですので、当然この北の近江振興高校生サミットというのは初めてです。

 

(朝日新聞)

 教育長もいらっしゃるのですか。

 

(教育長)

 行く予定をしております。

 

(朝日新聞)

 北の近江振興プロジェクトの人口減少が進んでいって、そこで学ぶ高校生たちが地域の未来を創っていくと思いますが、このサミットへの期待等教えていただけますか。

 

(教育長)

 今の高校生に一番やってほしいことは、地域を見て、そして世界を見て、自分たちはどんなことをしたらいいのだろうということを深く考えてもらうことだろうと思います。ですから、まずは自分たちの地域を見て、地域に何があるのか、もっと生かせるものはないのかということを考えていただきたい。それと併せて地域の課題をどうしたら解決できるだろう、地域に住む一人として、地域で学ぶ一人として考えていただきたい、そのためにいろいろな提案をしてもらいたいと思っています。

これは北の近江だけに限らないですが、滋賀県内のすべての高校生に取り組んでいただくために、昨年末に「高校生による【しが】学びの祭典」という形で実施させていただきましたが、今回はこの「北」に力を入れてやろうということで、それとは別に北の高校生だけさらにいろいろなことを研究なりしてもらって、発表してもらう機会を持ちたいと思っています。また、こういった活動を通して、できれば他の高校生が考えたことを聞いてもらいながら、そこでその発表を聞いて疑問に思ったり、自分も研究してみようと思ったりするきっかけになればと思うので、サミットのような形でやらせてもらうことが私は素晴らしいことだと思っています。できれば、北の方の市役所の職員さんや関係者の皆さんとかに来ていただいて、高校生の発表を聞いていただければと思っています。

 

(朝日新聞)

 細かいことですが、参加人数はわかりますか。

 

(魅力ある高校づくり推進室長)

 発表が40名の生徒になります。

(NHK)

 特別支援学校新設の話です。野洲と草津とがあって、学校を新設してという話だったのですが、場所はまだ決まっていないと思うのですが、いずれにしても県南部ですか。

 

(教育長)

 そうですね、先ほども質問がありましたけれども、子どもたちの通学の時間を考えなければなりませんので、当然近いところ、通学時間ができるだけ短くなるところを一つの要素として考えていきます。ただ、どういう土地がそこにあるのかという、また複雑な課題もありますので、そこは十分考慮しながら進めていきます。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:[email protected]
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