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教育長定例記者会見〔令和5年(2023年)10月23日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

まず 1 点ご案内がございます。スクリーンに映しておりますのは、第 44 回滋賀県高等学校総合文化祭の御案内でございます。昭和55年以来の歴史を有する、県内高校の文化部生徒による芸術文化活動の祭典です。一昨日、21日の土曜日に、ひこね市文化プラザで総合開会式が行われまして、私も参加をいたしました。高校生の生徒の皆さんの熱気を肌で感じたところでございます。今年度の大会では、「琵琶湖に集え 創造の羽滋賀で紡ぐ 文化の翼」をテーマに掲げ、10月29日の日曜日までの期間、県内13カ所で18部門で舞台や展示の発表、競技などを繰り広げます。主には10月の26、27日の二日間を中心に行われますので、ぜひ、取材いただき、県民の皆様にお伝えいただきたく思います。

続いて、10月から11月の広報事項についてお伝えします。配布の資料2~4ページをご覧ください。一部の事業につきましては、この後、私の方から紹介をさせていただきます。

この他、県教育委員会では、様々な場面で教育に関する行事が行われますので、ぜひ報道各社の皆様にも、取材等を通じて発信いただければ幸いに存じます。

 

では、本日は3件話題提供をさせていただきます。まず1点目は5ページをご覧ください。県立長浜養護学校の特色ある教育活動についてご紹介をさせていただきます。

初めに学校の概要について触れさせていただきます。長浜養護学校は、昭和54年に開校した知肢併置の特別支援学校です。一人ひとりの教育的ニーズを把握し、発達や障害に応じた教育を行うこと、また社会の一員として自立し、社会参加できる人間の育成に努めること、健康で明るく楽しい生活を送るために、調和のとれた心身の育成に努めることを教育目標として、日々、教育活動を行っていただいております。

長浜養護学校は開校以来、学校周辺の地域の自治会や老人会と交流会を毎年行いまして、生徒が作業学習で育てた葉ボタン、写真にも写っておりますが、この葉牡丹の販売をする等、交流を通して親睦を深めておられます。

教育活動にも地域の有志の方で組織されている地域支援本部がサツマイモ畑を作り、子どもたちに苗植えと収穫の体験の機会を作っていただいています。

また、地域の民生委員の皆さんやレイカディア大学の卒業生の皆さんが学校周辺の整備をいただくなど、本校の学校教育では多くの方に支えられているところでございます。

さらに昨年度からは、長浜のライオンズクラブとの交流事業ということで、ライオンズクラブの皆様のご尽力のもと、高等部と伊吹分教室の生徒を対象に進路学習の実施をしていただきました。ライオンズクラブ会員の企業2社を見学した後、「働くこと」という視点で講話をしていただき、数名の経営者の方々に生徒が質問するという学習をしました。生徒にとっては卒業後の進路に向けて有意義な学習する格好の機会となったと伺っております。

今年度につきましても長浜ライオンズクラブ会員の企業や施設で、第二弾として小学部・中学部が交流事業を11月14日に行います。内容としては、SDGSの観点からの環境教育です。具体的には、いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所の見学を通じてエネルギーや資源の有効活用を学ぶことにより、毎日行っている「ごみの分別」等がエネルギーに変わることや、自然の力で発電する姉川ダム発電所を見学することにより、持続可能なエネルギーについて学習してもらいます。

後日、振り返り学習会を行う予定です。また、発達段階が幼い児童生徒は、BIG・BREATH、

IBUKI SPORTS PARKにて、児童生徒が自然や動物とのふれあいや身体を動かす活動を行います。本日は、長浜養護学校の生駒校長に同席いただいております。校長先生からも、一言いただきたいと思います。

 

(長浜養護学校生駒校長)

私からは、ライオンズクラブさんとの交流事業の計画の経緯と、今回の事業での本校児童生徒との交流や環境学習について、もう少し具体的にお話をさせていただきます。交流事業の内容につきましては、ライオンクラブさんの福利厚生委員会の担当の方と何度も打ち合わせを重ねて決めております。

今年は昨年度からの交流を踏まえて、日頃取り組んでいる教育活動を考え、自分たちができることとして環境学習はどうかと長浜ライオンズクラブさんの方からご提案をいただきました。2年目ではありますけれども、地元の学校の一つとして本校のこと本当に大切に考えていただいており、積極的に様々なご提案をいただいております。

また、実際の交流活動では、一つの教育活動を媒介にして、児童生徒との交流を深めていただいていますが、今回は会員の方に姉川ダムや、いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所に同行していただき、説明の支援や、一緒に施設見学をして児童生徒もサポートしながら時間を共有していただく予定をしております。

児童生徒には大きなダムから流れ落ちる水を利用して発電する仕組みや、学校で取り組んでおりますごみの分別とかリサイクル活動と同様に、そういった資源を有効利用した再生可能エネルギーの仕組みを間近に見て、学びを深めてほしいと考えております。ライオンズクラブさんとの交流事業については、次年度以降も児童生徒との交流を深めていただき、充実した事業が継続していくことを期待しております。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

(教育長)

こういった交流活動を通して地域との結びつきを深め、さらに特別支援教育の理解を推進し、「地域に開かれた学校」につながるものと考えております。ぜひ報道各社の皆様におかれましては、元気に頑張っている姿を取材いただくことで、子どもたちの意欲も一層高まることと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

続きまして次の6ページをご覧ください。

WWLコンソーシアム構築支援事業で取り組んでいる第19回世界湖沼会議高校生セッションについてご紹介をいたします。

WWLコンソーシアム構築支援事業とは、世界で活躍できるイノベーティブなグローバル人材を育成するため、国内外の高校と大学、企業、国際機関等が協働し、拠点校でのカリキュラム開発や高校生国際会議の開催などに取り組む事業でございます。

滋賀県では、令和4年度から彦根東高校が文部科学省よりカリキュラムの開発拠点校としての指定を受けました。県内の連携校は膳所高校、虎姫高校、守山高校、水口東高校、高島高校でございます。今回ご紹介する世界湖沼会議高校生セッションは、その取組の一環として実施しているところでございます。

世界湖沼会議は、隔年で実施される世界の湖沼および流域の環境問題やそれらの解決に向けて議論を行う会議でございます。今年度の大会はハンガリーで開催され、滋賀県のWWLの参加校から、彦根東高校、守山高校、水口東高校の生徒11名が参加する予定になっています。

ハンガリーの経済行政高等専門学校の高校生たちとこれまで4回の交流会を行いまして、琵琶湖やハンガリーにあるバラトン湖にかかる課題について、グローバルな視点で考えてきました。また、交流会を通して、湖沼の持続可能な未来に向けてユースによる提言を共同で作成しました。11月9日の世界湖沼会議の本会議最終日には、滋賀の高校生たちは同国際会議にオンラインで参加をし、ハンガリーの高校生たちは現地で参加をされます。

当日は、湖沼にかかるユースによる提言と湖沼や水環境にかかる研究発表を実施します。高校生の提言として、本県で実施をしております「『うみのこ』のように湖の価値に対する正しい理解を深める湖に関する学習機会を作ろう。」、「湖に関する思いを共有し合い、湖岸や河川、道路をきれいにする等、環境を守るための取組を行う象徴的な日を作り、大切にしよう。」などと提言をされる予定であります。高校生たちは作成した提言の内容について話すことになっております。

この交流会は、高校生たちが国際会議の舞台を経験できる貴重な経験となります。高校生の声が国際会議に届けられ、世代を越えて、共に湖沼の未来を考える取組になることを私としても期待しております。

そして3点目でございます。お手元の資料の7ページを御覧ください。

第67回滋賀県人権教育研究大会米原大会についてご紹介をいたします。

本大会は、昭和32年に「第1回滋賀県同和教育研究大会」を開催して以来、半世紀以上にわたり歴史を積み上げてきた研究大会で、今回で67回目を迎えます。

新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年は人数制限を行ったうえでの開催となりましたが、今年は、人数制限をせずに県内の保育・教育関係者や、保護者、地域、企業、関係団体等が集い、「差別の現実から深く学び、生活を高め、未来を保障する教育を確立しよう。」を主題に、1日目は全体会、2日目は分科会と特別分科会を開催いたします。

1日目の全体会では、「ともにつながり ともにつくるしあわせの“わ”~誰もが夢や志を抱ける世界に~」をテーマとして米原市の中学生や高校生、米原市を中心に

活動しておられる方からの「現地メッセージ」がございます。

また、県内の小学校からの「特別報告」の後、「記念講演」として一般社団法人日本LGBT協会代表理事の清水展人さんに、「男らしく、女らしくよりも『自分らしく』生きる ~子どもたちの性を尊重できる環境づくり~」と題してご講演をいただく予定でございます。

2日目の分科会では、米原市内の小・中学校等を会場として、75本のレポートを持ち寄り、社会教育分野、学校教育分野それぞれからの実践報告をもとに討議を行っていただきます。特別分科会では、「子どもの居場所」をテーマとして、午前中には様々な立場から子どもに関わるパネラーが、おとなの役割についてのパネルデスカッション、そして午後には関西学院大学の桜井 智恵子さんからご講演いただき、意見交換を行う予定になっております。

この大会を通じて参加された方々が、今もある様々な人権問題を、他人事ではなく自分自身の問題として捉えていただき、課題解決に向けて自分に何ができるのか、できることを考えるきっかけとなることを願っております。また、人権教育の研究や実践の交流を通し、すべての人の人権が尊重される豊かな滋賀の実現に向けて、県民の皆様と共に県教育委員会として取り組んでいきたいと考えております。

是非とも取材いただき、県民の皆様への啓発に御協力いただければ幸いです。

(京都新聞記者)

世界湖沼会議の高校生セッションの件ですが、こちらは日本の高校生が国際会議に参加されるということですが、英語でお話をされて、例えば質疑応答とかも英語でするということでしょうか。

 

(教育長)

そうです。

 

(京都新聞記者)

高校生たちは、琵琶湖の知識はさることながら、英語でのディベートの特訓などもされているということでしょうか。

(教育長)

一定の英語の能力をもった生徒になります。

 

(朝日新聞記者)

会議に参加される日本の高校生は滋賀県外の高校生もいるのでしょうか。

 

(高校教育課長)

他府県の高校生については聞いておりません。滋賀県の高校は3校、11名の参加になります。

 

(朝日新聞記者)

今年、うみのこが40周年です。私も初めて聞いたときは、県内の小学5年生の児童全員を乗船させるすごい事業だと思ったのですが、教育長としてうみのこの価値を今後どのように高めるかお聞きしたいです。

 

(教育長)

小学校5年生が乗船する「うみのこ」びわ湖フローティングスクールの活動は滋賀ならではの体験活動だと思っております。私もこの事業に関しては非常に強い思いを持っております。

過去3年間、新型コロナウイルス感染症の中にあっても、その時の小学校5年生が船に乗ってもらえるように、一泊二日は無理でしたが、日帰りでも実施を継続して特別支援学校も含めた県内すべての小学校5年生に対して実施しました。

この事業は2つあると思いますが、一つは琵琶湖を中心とした環境について自ら琵琶湖の水を見たり、取ったりして学ぶこと。もう一つは、この事業は単独の学校だけではなく複数の学校と一緒に乗船して、それぞれの学校と交流することによって、他の学校との学びや他の学校の友達とも交流する非常に貴重な機会だと認識しております。

今年度は保護者の皆さん、小学校の先生方、そしてフローティングの職員のご尽力のもと無事に航海を続けております。今後もこの事業については、滋賀ならではの体験活動としてしっかりと続けていきたいと強く思っております。記者の皆様方の取材を通じて支援をいただければと思います。

また多くの企業の皆様にも「うみのこ」についてご支援をいただいておりますので、そういった企業の皆様にも感謝を申し上げる次第です。

京都新聞記者)

先日、滋賀県東近江市の小椋市長が滋賀県の首長会議や、その後の取材対応において、「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」あるいは「不登校の大半は親の責任だ」といった趣旨の発言をされています。まず教育長としてどのようなご見解かを教えてください。

 

(教育長)

不登校という表現がいいのかとか、学校に行きづらい子どもがいて、その数がどんどん増えているということについては、私も含めて多くの人が、これを何とかしなければならないという思いを持っていると認識しております。

しかしながら、この不登校の要因、原因は様々あると思います。学校に原因があるのかもしれません。家庭にあるのかもしれません。また本人の特性ということもあるのかもしれません。複雑に絡み合っているのが不登校だと思います。

私どもとしては、この要因をしっかりと分析して、その子にとってどのように支援をすることが学びに繋がるのかというように取り組むことが大切だと思っております。

先日行われました滋賀県の首長会議で、滋賀県からのテーマとして、不登校対策について、知事と市長、町長とで意見交換をしようということで、我々で滋賀の不登校対策の基本理念として作成を進めております「学びの保障プラン」の骨子案について知事から御説明いただき、これに基づいてみなさんの御意見を伺ったところでございます。

不登校、学校に行けない子どもたちにどのような施策を講じていくのかについては、様々な考え方があると思います。それぞれの市長、町長が、それぞれのお立場で考え、あるいは自分の市や町の取組をベースに様々に御発言されたと報告を受けております。

それぞれの市長、町長のお考えになっていることや取り組んでおられることについては、県教育長という立場としてどうだと申し上げることは差し控えたいと思います。そういう立場にはないと思っております。様々な声を聞いて、滋賀がどのような不登校対策を取っていくのが一番いいのか、それを考えるのが私の役目だと思います。

 

(京都新聞記者)

音声は、全部聞かれたのでしょうか。

 

(教育長)

滋賀県首長会議は、滋賀県と、滋賀県市長会、滋賀県町村会の3者で運営している会議でございまして、今回は確か、滋賀県町村会が当番で会議にあたっていただいたかと思います。

私は参加した県教育委員会の職員からの報告書の中で確認しております。音声は聞いておりません。

 

(京都新聞記者)

一般論として、かなり個人的にも暴言の類が連発したと認識しているんですけれども、当然、県が骨子案に示された理念とかビジョンとは相いれないのかなと思うんですが、個人的な発言ということを差し置いても、一般論で結構ですが、公の場でのこういう発言に対してはどのように考えられますか。

(教育長)

滋賀県首長会議には知事と市長・町長が19人いらっしゃいますが、県の様々な課題に対して自由に意見交換をして、滋賀県として進むべき方向をまとめていく会議だと認識しております。県の示すものに対しても、肯定的な意見もあれば、もう少しこうした方がいいのではないかというご意見もあろうと思います。こういった御意見を伺いながら、県の様々な政策の方向性を考えていく場だと認識しております。

そのため、特定の市町の御発言に対してどうということではなく、いろんな意見を伺いながらトータルで考えていくものだと、私は認識しております。

首長会議の資料とした「しがの学びの保障プラン」における、滋賀の不登校対策の基本理念の案として、これは私が一番に思っていることですが、「すべての人が愛情をもって子どもたちの生きる力を育む」ということです。今回、別途検討している滋賀県の第4期教育振興基本計画でも、「すべての人が愛情をもって取り組む教育」を掲げておりまして、このことが我々の不登校対策についての基本的な理念であります。そのためにも、「安心して子どもたちが成長できる場をつくる」、もう一つは、「多様な学びの機会を確保する」ことが大切だということが、今、私達滋賀県が思っている基本的な考え方だと示させていただいております。

 

(朝日新聞記者)

色んな意見があるとは思いますが、盛山文部科学大臣が「望ましい発言とは考えていない。」というふうにおっしゃっていますが、そのような発言は滋賀県教育委員会の見解と整合するのかどうか、どうお考えでしょうか。

 

(教育長)

私達が進めたい滋賀の不登校対策は、今、申し上げた基本理念に基づいております。私達の考え方は、今、申し上げた通りでございます。

ですから、すべての人が愛情をもって子どもの生きる力を育み、そして子どもたちが安心して成長できる場をつくる。そして、子どもたちの多様な学びの機会を確保する。そのことが大切でありますので、この取組を進めていきたいということが私の答えでございます。

 

(朝日新聞記者)

肯定も否定もしないということでしょうか。

あの暴言のような発言を、今、学校に行きづらいお子さんもたくさん聞いていらっしゃったと思うのですが、教育長として、そのようなお子さんに対してどのようにメッセージを出されますか。メッセージを出されるのも一つの重要な役目だと思うのですが。

 

(教育長)

学校に行きづらい子どもは、様々な要因から行きづらい状況にあります。その子どもに対して、滋賀県教育委員会としてどんな取組をして、また滋賀県教育委員会だけではなく、滋賀県なり、県内の市町村、そして教員や子どもに関わる皆さんと一緒になって取り組んでいくということを、子どもたちに伝えたいと思います。そのことによって先ほど申し上げたように、一人ひとりの子どものために多様な学びの場を作っていこうとするものです。

教育委員会でできることはしっかりやる、そして行政にお願いしなければならないことは知事なり、市長、町長にも御協力いただいて取り組んでいく。さらには、子どもたちのために取り組みたいとお考えのNPOをはじめとした民間団体とも一緒になって、子どもたちのための取組を進めていく。それが、学校に行きづらくなっている子どもたちへの私からのメッセージです。自分に合った学びと居場所を見つけ、そこでしっかりと学んで欲しい。生きる力を身に付けてほしい。ということが、私からのメッセージです。

その中で、今後の取組としましても、多様な学びの機会・居場所の確保について、フリースクールの皆さんとも連携をしながら、居場所を確保していきましょうということを、滋賀県として取組の方向性を示しているということです。

 

(朝日新聞記者)

確認ですが、肯定も否定もされないという立場でよろしいですか。おっしゃるような、県教委において、不登校対策として今どのようなことをされているのか具体的に教えてください。

(教育長)

県教育長として、市長、町長の御発言に対して、肯定しますとか否定しますとか申し上げる立場にはないと考えています。

 

(朝日新聞記者)

望ましい発言ではないとか、そういう意見も出せないということですか。

 

(教育長)

私どもの取組に対して様々な意見があり、この意見は肯定します、この意見は否定しますと言ってしまいますと、世の中の色々な意見を聞いて物事を決めていくということにならないと思います。

私は色々な場面に出ておりますが、子どもたちとの話合いの時にも色々な意見があります。

クラスメイトの意見を否定したり、肯定したりではなく、お互いの意見を出し合って、どういうことをやれば一番いいのかを考えようということが教育だと私は思っております。そういった取組を進めていくのが教育施策だと認識しております。学級活動や生徒会活動で、様々な意見があると思います。他者の意見もしっかり聞きながら、お互いが一緒になってやるということが、これからの主権者教育の在り方だと思っております。

今、何に取り組んでいて、今後どうしていくのかということですが、一つはやはり、子どもたちが分かった、できたと思えるような授業づくりをしなければならないと思います。分からないと学校には行きづらいということもあると思います。できる限り子どもたち一人ひとりの学習状況に応じたわかりやすい授業に努めておりますが、さらにそういった授業づくりを進めてまいりたいと考えています。

それから多くのクラスメイトと一緒に学びたいと思っている子どもに対しては、学校内の別の部屋で学ぶ機会を、現在でも一部ではあるものの提供しております。また、なかなか学校に来られない子どもには、校外の教育支援センターという別の場所で学び、教えてもらっております。この二つにつきましては、今後更なる拡充をしていく必要があると認識しております。

そして、なかなか学校や教育支援センターには行きづらいが、他の子たちと一緒にフリースクールだったら行ける、そこで自分の居場所と学びをやりたいという子どもには、フリースクールのみなさんのご協力のもと取り組むことが大事です。

どういうやり方をしていくのが一番良いのか、これは今後フリースクール等連絡協議会の皆さんとも話し合ってまいります。実は7月21日に第2回滋賀県総合教育会議で、不登校対策について知事・副知事と議論した際に、フリースクールの方からも御参加をいただきまして、お話を伺いました。

その際に、保護者の皆さんや学校の先生に、フリースクールで子どもたちがどんな学びをしているのかをしっかり見てほしいし、参加してほしいといったご意見をいただいておりまして、これからも進めていく必要があると思っております。

併せて、フリースクールにもなかなか行けない、家から出られないという子どももいると聞いております。そういう子どもへの対応については、今はまだ十分ではありませんが、今後、オンラインで授業や支援に繋がる手法についてもしっかりと考えてまいります。

これは今後の課題だと認識しております。

そういった取組をいろいろやることによって、誰一人取り残されない学びの場をつくっていきたいと考えるのが私の思いでございます。

そのためにもう一つありまして、子どもたちの状況をしっかり把握することが必要です。先生方もそうでしょうし、併せてスクールカウンセラーあるいはスクールソーシャルワーカー等の専門家の皆さんの見立てがしっかりできるような体制を作っていくことが大切だと思っております。

(読売新聞記者)

さっきの質問に関連してなのですが、県の教育長の立場として、首長の発言に対しての是非というか、個別の発言に対して言う立場では、というのはあるとは思うのですが、首長会議での意見表明においては、例えば彦根市長から同様にフリースクールを乱立させるよりも、学校での教育に戻していくという考え方があるではないかという発言もありました。おっしゃっていることは東近江の市長と似通った意見だったと私は思ったのですが、どちらかというと、意見表明の仕方、発言の仕方に問題があるのではないかと思います。肯定意見も反対意見もありだと思いますが、それ以前に誰かを傷つけるようなスタンスで発言するというのは、そういった場で許されるものではないですし、県の教育長の立場として、発言のあり方に対しての受け止めというのはございますか。

 

(教育長)

先ほど最後に人権教育の大会の話題提供をさせていただきました。

一人ひとりの人権が大切にされる、社会を作っていくのは、私もその通りだと思います。

発言の中に他者を傷つけたり、他者を落とし込めたりする意味の発言は好ましくないと思います。ただ今回の発言が、そういう発言であったのかということは、私からは話しにくいです。

他人を傷つける発言とか、差別的な発言があれば許されるものではないと私は認識しております。

そういったことがあるのであれば、やめていただく。教育長として申し上げます。

 

(読売新聞記者)

今回の発言がそれに当たるかどうか判断できないというのは、どういうところにあるのですか。

 

(教育長)

私が読んだ限りでは、フリースクールに通っている子どもたちに対する発言だと、受け止められなかったと思っております。

学校に行けないという子ども対する発言ではなかったと認識しています。

ただ、子どもたちにとっての学びがどういう場が一番望ましいのかということについては、様々な見解があります。子どもたちの状況によって一律ではないと私は思っております。学校で学べる子どもたちは学校で学んでいただく。それから教育支援センターの話がありました。

それから、学校内の別室のお話をさせていただきました。丁寧に子どもたちに対応

することによって、別室から今までいた教室に戻って学習する。そういう機会を作ることが学校での集団の学びが大切だと認識しております。ただ、無理矢理戻そうということは、やはりなかなか難しいと思います。

 

(読売新聞記者)

教育機会確保法が施行されて、多様な学びの場ということで文部科学省が不登校特例校や、民間フリースクールとの連携を進めるなど、いろんな意見があることを分かった上で、今回の首長会議では、本当にいろんな意見が飛び交っていたと思います。

今回、東近江市の小椋市長が問題になったのは、やはり会議後の囲み取材の中で、不登校は親の責任ですとか、フリースクールという民間の学びの場を否定してしまったところが問題発言であったと私は理解しています。実際にその発言によってフリースクールに通う子どもや、通わせている親御さんの方々の、自分たちのお子さんに何とか学びの場、学ぶ機会を与えてあげたいという思いに対して否定されてしまったのではないかと思っているのですが、今回はそういった傷つかれた親御さん方に対して、実際に県立高校に通っている方もいらっしゃると思うのですが、そういった親御さんに対して、教育長としてかけてあげられる言葉がないかと率直に思ったのですがいかがですか。

 

(教育長)

学校に行けない子どもの保護者の皆さんには、その子に寄り添って無理のない範囲でその子の学びが続けられることをしっかり考えて、対応をしていただきたいと思っております。無理をすることは子どもにとってストレスやプレッシャーがかかることを十分に考えて、自分一人で悩まずに、様々な専門家の方に相談をしていただきながら、その子にとって一番いい学びは何なのかを考えていただき、子どもと一緒にその学びを続けていただいて、子どもたちが社会で生きていける力を身に付けていただきたいというのが、私が保護者の方々へお伝えしたいことでございます。

(読売新聞記者)

そういった保護者さんが傷ついた元になった発言についてはどう思われますか。

 

(教育長)

様々なご意見があります。報道各社からも報道していただいております。様々な方のコメントも記事にしていただいているので、それをお読みになって、発言された方がどうお考えになるのかということだと思っております。

そして、そのことをどのように表現されるのかということだと思っております。

 

(読売新聞記者)

小椋市長自身がどうお考えになるかということですか。

 

(教育長)

そうですね。どのようにお考えになるかだと思います。

 

(毎日新聞記者)

市長発言に関しては、学校に行けない子どもに直接言及した発言とは受け止めなかったというご意見でしたが、一方で、実際にあの発言で傷ついたというお子さんや家族がいる。こういう現状を見れば、そういう方々に対して、教育長から何か優しい言葉というか声掛けがあってもいいのかなと思うのですが、どうでしょうか。

 

(教育長)

先ほどから申し上げておりますが、不登校、学校への行きづらさを抱える子どもには様々な要因があります。親が何とかできないこともあると思います。

ですからそこは、子どもをしっかりと見ていただき、いろんな方に相談していただいて、その子にとって一番いい学びの場に、その子が行けるように一緒に頑張っていきましょうということを私は申し上げたいです。県教育委員会で我々も、その子に合った多様な学びの場を作ることができるように頑張って取り組んでいきたいと申し上げます。

 

(毎日新聞記者)

その場は首長さんの意見をいろいろ伺って、教育行政に反映したいという趣旨だということですけれども、そうすると、あのような発言も反映されていく、取り入れていくということもあるのでしょうか。

 

(教育長)

様々な意見があると思います。不登校を話し合っている中でも、いろんなご意見があります。

学校に行けない子どもたちに対してどのような支援を進めていくのが一番いいかということに関して意見を交わしたいと思っておりまして、様々な方のご意見を伺いたいと思っております。そして、そういったご意見を踏まえて、首長の様々なご意見を伺った上で、教育委員会だけではなく県として子どもたちの学びの機会、居場所を保障するためにどんな取組をしていけばいいのか、しっかりと自ら考えていくべきことだと思います。

すべての意見を取り入れて、施策を実施するのは現実的に無理だと思います。いろんな意見を聞いた上で、一番望ましい施策は何かと、方向性をしっかりと打ち出していきたいと思います。

 

(NHK記者)

教育長がフリースクールに対して思う事はどのようなことか教えていただけますか。

 

(教育長)

まず、フリースクールを運営していただいている皆様に対して、子どもたちのために取り組んでいただいていることに、教育長として大変嬉しく思っておりますし、敬意を表したいと思っております。

フリースクールといっても一律同じことをやっておられるわけではないと認識しております。

それぞれのフリースクールが特色を持ちながら、学校に行けない子どもたちにとって一番いい学びはどんな場なのか、どんな居場所がいいのかと考えていただいていると認識しております。

子どもたちや保護者の方には、それぞれのフリースクールではどんな学びができて、どんな活動ができるのかというところを見ていただいて、自分にとって、そして自分の子どもにとって、どのフリースクールが一番いいのかということを考えていただけたらと思います。そのために、多様な場を作っていただいているフリースクールの皆様とは、今後も一緒になって取組を進めていきたいと思っております。

 

(京都新聞記者)

県のフリースクール等連絡協議会の方々が会見を開かれて、対立ではなく、対話をしたいと強調されています。その観点から、これまでも県教育委員会とは友好的な関係を結んでおられたとおっしゃっていますが、改めてこのフリースクールや不登校に関して対話の機会を設けられますか。また、課題として、経済的な支援の部分で各市町の足並みがそろっていないことについて、経済格差によって学びの提供が失われてはならないとおっしゃったのですが、この2点に関しまして教育長のお考えをお聞かせ願いたい。

(教育長)

滋賀県では「しがの学びの保障プラン」を考えておりまして、これについてのご意見など、フリースクールの関係者のみなさんとは、今後も引き続き対話をしながら一緒に取り組んでいきたいと思っております。フリースクールの関係者からも、行政にどういうことを要望したいと思っておられるのか、しっかり聞いていきたいと思います。

それと、学校に行きづらいお子さんの保護者、あるいはフリースクールに対する支援でございますが、まず、フリースクールに通うことで経済的に負担が生じている保護者がいらっしゃることは承知しております。

それに対して一部の市町では、保護者に対して支援いただいていることも承知しております。この支援につきましては、どういう経済的な支援のあり方が一番いいのか、これは県とそれぞれの市町とが一緒に考えていくことだと思います。学校に行きづらいため、他の場所で学ぶ子どもについての必要な経費に関してどうしていくかは、市町と一緒に考えていく必要があると認識しております。

NPO法人などが運営するフリースクールへ支援をする場合に、どのような条件を整える必要があるのかも含めて検討していきたいと考えております。

 

(朝日新聞記者)

市町で支援があるところとないところがバラバラだと思うのですが、県教委として、県全体で保護者への支援制度をつくる予定はないのでしょうか。

 

(教育長)

県が一定の基準を作って、こういうことに対してこういう形で支援をしようということについて考えなければなりませんし、それは果たして県だけで考えていいものか、今後市町とともに考えていくべき課題ではないかと認識しております。

 

(朝日新聞記者)

教育長や、教育委員会の方がフリースクールの現場に見に行かれたことは、ありますでしょうか。

 

(教育長)

フリースクールを運営しておられる方から写真や映像等を拝見しながらお話を伺いましたが、私は現場には行っておりません。職員は如何ですか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室長)

フリースクールに直接行った者は当室の職員としてはございません。

ただ、学校の教員が、教えている児童生徒への取組等に当たって連携などする中で、施設等を見学したということは把握しております。

 

(教育長)

不登校児童生徒の学校の担任の先生が子どもたちの様子を見ていただけることに対しては喜んでいただいていたと感じております。

今回のフリースクールの問題について、各報道機関の皆さんとお話をし、私にも現場を見てほしいというお話がございましたら、私としては見学させていただきたいと思っております。押しかけるのは少々如何かと思いますので、相手方のご意向も確認しながら考えていきたいと思います。

 

(朝日新聞記者)

フリースクールの現場や、不登校のお子さんやご家庭の状況を把握されていない方についての発言があったと思うのですが、今後、県としてプランを作っていかれるのであれば、子どもの声を実際に聞くということを教育長として検討していただきたいと思います。

もう一点ですが、そもそも学校が行きづらい場所になっているのではないかと思うのですが、その点について通いやすい学校にするために、現場の教員に求めることとしてメッセージをお願いできますか。

 

(教育長)

まずは子どもたち一人ひとりの状況を先生方がしっかりと見ていただくことが大切です。先生方が非常に多忙で、なかなかクラス35人全員行き届かないところもあるのではないかと思います。先生方の多忙化を少しでも解消して、一人ひとりの児童生徒の様子を見ていただけるようにしたいと思います。自分一人で抱えずに、もし気になるお子さんがおられたら、学校の中で他の先生方と共有して、できるだけ早い段階でその子に対して必要な支援をしていただき、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等とも連携しながら支援してほしいということを申し上げたいと思います。

そしてもう一つは、一人ひとりの学習状況に応じた深い学びを、今後はより一層展開していかなければならないと思います。学びが孤立するのではなく、個別最適な学びを一層進めることで、その子にとっての学び、行きやすい学校を創っていくことが大切だと思っております。

(共同通信記者)

まず1点目ですが、先生たちが多忙だと言われますけれども、教育長としても多忙の原因は何だと考えていらっしゃるのか、そしてどのようにしたらそれが解決できるのかについて伺いたいです。

そしてもう1点ですが、やはり不登校がかなり増えており、これは全国的な状況ですが、なぜ不登校が増えているのか、なぜ学校が行きにくい場所になっているのか。これはどなたが発言してくださっていたのかは忘れてしまいましたが、学校のあり方自体を見直さなければならないという方もいらっしゃいます。その辺、教育長としてはどう考えていらっしゃるのか意見を伺いたいと思います。

 

(教育長)

まず1点目の先生方の多忙ですが、子どもたちが非常に多様であり、様々な支援や個別に応援しなければならないことが増えていると思います。併せまして、これは我々の反省点として、様々な調査や通知をしており、先生方が理解するために多くの時間を要するので、この点につきましては、我々も工夫をしていく必要があると思っています。では、どのように解決するかですが、先生は、子どもたちを中心に見る。子どもたちの学びを応援する。これが仕事ですので、それに注力できるように、それ以外の仕事をできるだけ先生以外にやってもらう。国もそういう方向で進めていることと、できる限り正規の先生を増やすことで、学校現場で先生方が安心して働けることになると思います。

もう一つ、学校がなぜ行きづらくなっているのかということですが、不登校がなぜ増えてきているかということについては、様々な要因があると言われています。何らかの一つの要因で不登校が増えているとは言えないと思います。社会の責任とするのも違うと思います。社会全体で、子育てをしている保護者の皆さんをもっとサポートする仕組みを作っていくことで、子どもたちが学校に行きやすくなるのではないかと思います。

先ほどの話の続きですが、先生方が児童・生徒を気に留めて、声をかけていただくことによって、声を掛けられた子どもが、先生が自分のことを見てくれている、気にしてくれていると思えることができれば、学校へ行くのではないかと私は思います。そして、クラスの先生方だけはなく、学校のすべての先生方ができるような学校を作っていくことが、子どもたちにとって行きやすい学校になると思っております。十分な答えになっていないかもしれません。

 

(共同通信記者)

学校教育のシステム自体が行き詰まっているのではないかという声もあるかと思うのですが、これについては如何でしょうか。

 

(教育長)

日本型学校教育をどうしていくのかということは、私も教育に携わる者として考えていることもありますが、国全体の非常に大きな問題でございます。どんなことを小学校、中学校、高等学校で学ばせるのかということは、学習指導要領に記載されていますし、標準的な授業時間が年間何時間、週何時間等も定められてありますので、そういったものをトータルで考えていくべきことと思います。

ただ一つ言えるのは、「教育」という言葉は「教える」と、「育てる」「育む」という二つの漢字で成り立っておりますが、子どもたちが自ら考え自ら行動するために教えることも当然大切ですし、子どもたちを「育てる」「育む」ことに力を入れた教育を進めていくのがこれからの方向ではないかと、私が教育長として感じていることでございます。

 

(NHK記者)

フリースクール等連絡協議会から26日までと意見書の回答期限を設けられていていますが、これに対する答えはどのようにお考えでしょうか。

 

(教育長)

これは教育長と三日月知事の連名を宛先とされておりますので、おそらくそれぞれの立場でお答えすることになると思います。今、どのようにお答えするのがいいか検討しておりますので、それを踏まえて知事とも相談をしていきたいと思います。

私も知事と政府提案で東京に行っておりまして、これは今日、見ました。26日までに回答するという話でございますので、本日は23日ですから、24、25日で回答を進めていきたいと考えております。先ほどの意見書の二つ目に、滋賀県の不登校に対する基本理念を迅速に明確に示せとありますが、滋賀県として先日の首長会議で、「しがの学びの保障プラン」で基本理念を示させていただきましたので、基本理念としてはこれがベースになるかと思います。

 

(中日新聞記者)

不登校の件に関して、プランの骨子案に関して反対意見があるかと思うのですが、そういう考えをもつ方に対しては歩み寄っていきたいか、どのような多様な学びの必要性を説明していきたいと考えていらっしゃるかお聞かせください。

(教育長)

今我々が考えている取組の方向性については、どのようなプランでやっていくのか、この問題は一度で答が出る問題ではないと思いますので、引き続き、いろんな形で話合いをしながら進めていきたいと思います。我々はなぜこういうプランを出しているのかを丁寧に説明することによって、我々の考え方についての理解を得られるようにしていきたいと思います。

 

(中日新聞記者)

正規の先生を増やすためにどのような取組をしていきたいかお聞かせください。

 

(教育長)

まずは一つとしては滋賀県で先生には、やはり魅力をしっかりと学生に伝えていくということがあると思います。様々な工夫をして大学生に滋賀で教育を担っていきたいと思っていただけるように、今もう既に実施しておりますが、3回生向けに滋賀の教師塾での学びを通じて滋賀で教師になると思いを強く持ってもらえるような取組を進めたいと思っています。

正規の先生を増やすのは、今先生方を含めて公務員の定年が引き上げになって今年60また来年も61歳なので、来年は定年退職をしていらっしゃるので、そういったいわゆる新陳代謝の部分を見ながら採用していくことをしっかりと考えていきたいと思います。また今年、秋選考を10月に実施しましたので、来年度以降も正規の職員を増やす一つの方法だと思っています。

課題は多いですが滋賀で先生になっていく方を増やしていきたいと思います。

 

(NHK記者)

新聞の記事で、三日月知事は東近江市長の発言があった時に「私の考えとは違う」と話されていたとされております。教育長にとって発言は御自身の考えと同じでしょうか、違いますでしょうか。

 

(教育長)

知事として、行政のトップというか、政治家としてもありますので、考えを述べられたと思います。

先ほどからの繰り返しでございますが、その首長会議で出した資料というのは滋賀県として皆さんに提案している内容でございます。ここに書かれていることと違うのであれば、それは考えが違うというふうにしておっしゃっていたのではないか。

すいません。ことについて知事と直接話したことはないのでわかりませんが、多様な学びの機会を確保する。その一つにフリースクールもあるということが、今我々が示しているプランですので、そことは少し違うのかなと。すいません。想像になりますけれども。

 

(NHK記者)

そことは違うというのは、どういったことでしょうか。

 

(教育長)

フリースクールというものでの学びをどうお考えか、そして学校での学びをどう考えるのか。どう申し上げたらいいのかけ分かりませんけども。

学校で学ぶことが、やはり今もう基本になっているのは、そうだと思います。今の公立教育というのがありますので、ただ、学校で学ぶのがつらい子どもたちに対しても学びの機会を保障するっていうことが大事だと思います。

学校に来られないので、学ぶ機会がないということにならないような取組は私どもがもっている基本の考え方だということですから、まず学校教育を充実していくのが一番で、そこに行けない子どもたちに対して、しっかり学びの場を提供していくことが大切だと思います。

 

(京都新聞記者)

教員の不祥事の件で大半の先生方が激務の中、子どもさん向き合って、本当に個人的にも頭が下がる思いです。かたや県教育委員会による懲戒処分が5人目ということで過去10年、1年間で6人が最多と伺っているのですが、この件に関しまして過去の定例会見でも尋ねられて再発防止に努めますということだったと思うのですけが、この件に関しての受け止めと実効性のある再発防止についてのお考えを聞かせてください。

 

(教育長)

まず一つ目に、今回、懲戒免職処分をせざる終えないような事案が発生したことに関しては、県の教育長としても大変重く受け止めて、申し訳ないと思っております。信頼を回復し、こういった不祥事が今後、起こらないように服務規律を確保することと、研修の充実というのは、すいません同じことを申しあげて申し訳ないのですが、やはりもうそこに尽きるのではないかとそれと併せて、やはり学校が風通しのいい職場でないといけないと思っています。いろんな困ったことや悩みがあったら相談ができるそういう職場が学校であり、教育の現場でないといけないと思っています。

そして今年度、5月に各市町の教育委員会に対して児童生徒の性暴力の根絶に関する取り組みについての研修は実施をさせていただきました。年度前半にワークショップを活用した職場研修をしていただきましたし、今後それを取りまとめた資料を元に再度9月以降にフィードバックの研修をもう一度実施していただき、より自分ごととしてしっかりとこの処分について考える機会を引き続きもちたいと考えております。そこにつきますので、今後も全ての校種の公立学校でこの取組を進めていきたいと考えています。

(京都新聞記者)

昨年4月に懲戒基準を例示することによって抑止力の強化を期待されて多分導入されたかと思うのですが、あと今国会では、DBSですね。この辺りの議論は盛んですが以前この懲戒基準を明示することで、効果があったのか、それとDBSについての思いも教えていただけますか。

 

(教育長)

一つはやはりこういう不適切な行為をしたらこういう処分になるということをしっかりと先生方に理解してもらうことは、方針の周知に繋がるものと認識しておりますので、明確に示すことが大切だと思っています。

そして、児童生徒を性暴力から守るために10月20日付けで文部科学省の方から文部科学大臣のメッセージということで聞いております。その中にも万一そういった行為が行われた場合には、任命権者として、懲戒免職など厳正な処分をお願いします。と書いてありますので、この点については本県としてもしっかりやっていきたいと思っております。

また併せましてすべての児童生徒がこういう性犯罪性暴力に対して適切な行動をとれるように子どもたちに対する「生命の安全教育」についても実施するよう通知をいただいておりますので、その点についてもしっかりとこのメッセージを滋賀県内の全ての教職員が共有して、子どもたちのために学校現場で働いてもらえるように取り組んでいきたいと思います。

日本版DBSまだ法律がどうなるのか、何かいろいろ流動的なので注視しながら今後の対応を考えたいと思います。

 

(毎日新聞記者)

立場上なかなか市長に対して意見を言いづらいのは分かった上で聞くのですが、あの発言を耳にされた、文章等で、せめて違和感があるといった感想というと何か一言言ってもらわないと落ち着かないですね。

 

(教育長)

やはり様々なご意見が教育についてはあると一番感じました。

だから逆に言うと、様々なご意見があるのは、この問題を多くの方が関心を持っていただいていて、何とかしなければならないという意識を持って、しかし、その手法については様々な意見があると感じました。これは小椋市長というか首長会議の発言だけでなく様々ないろんな活動の中で様々なご意見があるので、そのご意見を伺いながら、滋賀のプランは大切だなと感じております。

 

(毎日新聞記者)

そんな前向きな印象ですか?いろんな意見があってありがたいなという感想を持たれているのですか。

 

(教育長)

ありがたいということではござません。この話題に対しても様々な意見があったので、そのご意見を踏まえながら施策を作る上で、検討していただければならない課題があったと認識をしております。首長の発言ということでだけになりますと、教育長としてその発言の是非の意見を述べるという立場ではありません。ただ先ほどおっしゃったように、子どもたちや保護者の皆さんには、滋賀県教育委員会としてこんなことをやりますというのは伝えていこうというのは十分ありますので、様々な場面においての県の教育長のメッセージについてはコロナの時もやらせていただきましたので、こういった発信については、しっかりやらせていただきます。

 

(朝日新聞記者)

教育長からコメントを引き出そうというつもりではないのですが、様々な意見があるのだなというお答えは、それを受け止めている、また認めている。と捉える方もいらっしゃると思うのですが、滋賀県教育長、教育行政の長として、正しいメッセージになるのかなという質問なのですが連絡協議会の意見書がありますが2点目についての明確に示していただきたいについては、示しているというお答えでしたが、1点目についてです。「子どもたちの心に深い傷を残す可能性があって一首長としての立場にふさわしくないこのような発言を見逃してほしくありません。」と書かれています。これについては市長自身がどう責任を取っていかれるかは、今後だと思うのですが、周りの大人がどのように受け止めて、どうしていくのかというのは、子どもたちもすごく気にしているところだと思うのですが「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」という言葉は傷つける言葉ではないというふうにさきほどおっしゃっていましたが、学校に行きたくても行けない子どもの居場所として今、現にフリースクールという場所に通っている子どもたちにとってその発言を聞いて、傷ついているお子さんは現にいらっしゃると思うですが。

(教育長)

多くの首長さんも含めて多くの人に今の教育現場の現状と、そしてその現状の中で様々なことに悩みながら子育てをしている保護者の皆さん、そして悩みながら学校行っている子どもたちの現状をしっかりと知っていただき、そしてすべての大人がそれに対してどう向き合えばいいかを考えていただくことが私は一番大切なことだと思っております。何よりも大切なのは、今生きていく子どもたちに、学びの機会と居場所を提供することだと思っています。今ある様々な取組を否定するつもりは、私は毛頭ございませんし、そういった取組をやっていただいている方に敬意を表し、取組が進むように教育行政として一緒に考えたいと思っております。

 

(読売新聞記者)

滋賀の学びの保障プランで、今回、東近江の首長さんからのご意見で、東近江市教育委員会のこの市町の発言に対してのやり取りとか、今後、学びの保障プランができたときに東近江市ではどのようになっていくのか関係性とかはどうなっていくのでしょうか。

 

(教育長)

小中学校を中心とした学びというのは、学校設置者の市町の教育委員会が学校を運営しておられますので、市町の教育委員会とはしっかり話す必要があります。

そのことは東近江市だけになるわけではなく19の市町の教育委員会の皆さんとしっかり意見交換をし、それぞれの教育委員会のご意見を聞きながら対応していくことが必要だと思っております。

 

(読売新聞記者)

来年このプランが骨子案通りに仮に施行したとしまして、東近江市の首長が、そのような考えをお持ちで教育と教育行政が一応独立の関係があるとは思いますが、東近江市の教育行政の中にどのように扱われていくのかというときに、東近江市では、一切認めませんとなれば何か県教育委員会としてはどういう立場で学びの保障プランを進めてくださいと求めていくことになるのでしょうか。

 

(教育長)

この学びの保障プランは先ほど申しましたように、多様な学びの場と学びの機会を確保するためのプランです。その中には県と市町が一緒になってやろうとしている、校内の別の部屋で学ぼうとする子の学びを充実しようとか、学校に行けないけれども市町の校外にある教育支援センターでの学びや支援を充実しようという点は、市町と一緒になって協力しながらやっていくことになると思います。今、その中に我々としては、多様な学びの機会、居場所の確保として、フリースクール等との連携をより強めて進めていますので、こういったものの進め方については、これもまたしっかりと議論をしていきたいと思っております。

 

(読売新聞記者)

実際に、対立してしまった場合、権限はないのかと思うのですが。

(教育長)

県行政と市町長行政は別に対立したいと思ってやっているわけではないですけど、独自の政策をやられる場合は独自の施策は別に否定されるものではないので、様々な政策を市で独自でやっておられる部分もあって、それはそれでありえるとは思います。我々は全体として、滋賀県全体を広域的に見て、県内各地で取り組んでおられるフリースクールでの取り組みをいろんなところで広めて、そういったご意見を聞きながら、子どもたちにとって一番いい取組は何かということをしっかり考えていかないといけない。子どもを真ん中に置いてということだと思っておりますので、その点は全ての市町を共有できると思っております。その点を意識しながらやっていきたい。すべての子どもを真ん中に置いて市町が一緒になってやっていこうとそれは教育だけじゃくサポートが必要なことについては、そこの部局とも連携してやっていくことが大切だと思っております。

 

(読売新聞記者)

その発言に先ほどのNHKさんの質問に対しての「多様な学ぶ機会を確保するフリースクールとします」という県の理念と小椋市長発言っていうのは違うというふうには思っているっていう趣旨でよろしいですか。

 

(教育長)

現に、フリースクールという学びの機関がありまして、多くの子どもさんが学んでおられるという現実を見れば、そこでの学びをより確かなものにしていく、より良いものにしていく、そのために一つ取り組むことは大切だと私は思っております。すいません。小椋市長がフリースクールそのものを否定されたということは記事でも伺い知れなかったのですが、文部科学省の扱いについての記事で大臣の発言があったことは、承知しております。

フリースクールの発言は、どうだったということは、それは様々なフリースクールがあるので、小椋市長だけではなく、他の市長さんからも、フリースクールの実態とかフリースクールに対する支援とか、様々なご発言があったという記事は、読んでいます。フリースクールは一つのこういうものにはまらないもう少し大きな取組ですので、その様々な取組があることを、お互いが意見を出し合いながら考えて発言されたかなと思っています。

 

(読売新聞記者)

何とは違うのでしょうか。

(教育長)

国においてCOCOLOプランという不登校対策のプランを参考にしながら我々は学びの保障プランを作っておりまして、COCOLOプランの中にもフリースクール等の民間団体も一緒にやる多様な学びの一つである取組が期待されております。そこは我々も同じ立ち位置でやっておりますので、そういう意味のフリースクールを、多様な学びの一つとして位置づけるのか、位置付けないのかという点。もし小椋市長がそうではないとおっしゃるのであれば違うかもしれない。という意味で申し上げたものでございます。

 

(朝日新聞記者)

大事なところなので確認をさせてもらいたいのですが、小椋市長の発言で文部科学省がフリースクールを認めてしまったことに愕然としている。フリースクール、フリースクールとよかれと思ってやっていることが、国家の根幹を崩してしまうことになりかねないくらいの危機感を持っているという発言もご確認されたと思うのですが、その文脈を読んで、フリースクールを否定しているようにはおっしゃってないと受け止められたということですかね。

 

(教育長)

その文脈の他に記者会見とかでやり取りされたというような情報もあって、フリースクールは現にあって、そのある問題を何かこう否定しているというか、認めないとかと私は言っているつもりはない。認めないと言っているだけではないとおっしゃっていたというのも聞きました。フリースクールそのものの存在を否定しているわけではないという意見をされたと私も新聞や関係者からの話からしかわかりませんが、

私もこのフリースクールに現に学ぶ子もいるし、そういった多くの子が居場所として学んでいるので、そういう機会をしっかり我々行政も一緒になってやっていくっていうのは大切です。私もすべての子どもをフリースクールで面倒を見てもらえたらいいとは思っていません。学校の別の部屋で学んでいる子にこんなところで学ばずにフリースクールに行きましょうと勧めるわけではありません。誤解のないようにしてほしいのですが、多様な学びですので、その子にあった様々な学びを用意するということです。

その中にフリースクールという学びの機会もあることを申し上げているので、それが現実にありますし、それを認めないとかいうことには私はならないと思います。

 

(京都新聞記者)

フリースクール存在そのものを認めるか否かというのは市によって評価が分かれるのかとは思うのですが、フリースクールの関係者の会見では、フリースクールで学ぶ子どもたちそのものを否定する発言に対してそうじゃないと、子どもたちを守る一心で署名活動を始められたという発言もあったのですが、改めて確認です。教育長としては東近江市長の発言を聞かれて、特にそのフリースクールそのものの存在を否定する発言ではないという受け止めですか。

 

(教育長)

結局いろんな報道とか関係者からの話なので直接話したわけではないので、誤解がないようにしていただきたいのですが、小椋市長がある団体の存在を認めたくないとかとかいうことにはならないのではないかと思うのです。ただ、それを他のところがどう考えるというのはあると思いますが、現にあって多くの子どもが学んでいる何か否定するとか、否定しないとかいう発言をされたのか確認できていない中で申し上げています。文面からどう受け止めたというところの発言だとは思います。

 

(京都新聞記者)

全然違う話になるのですが、10月から滋賀に参りましてですね。滋賀のことをいろいろと学ぼうと思いまして週明けに滋賀県立図書館で図書カードを作りにいこうと思ったのですが、びっくりしましたのは、滋賀県立図書館は週休2日で、調べましたところ15年ほど前に財政難のあおりで資料費の確保に充てる代わり人を減らして週2日にするとそれは全国では滋賀県立図書館だけが週2日である。個人的にはいろいろ学び部分で知の拠点と称されておられますし、子ども図書館の構想とか非常にいろいろ出されている割にはと言ったら失礼ですけども知の拠点であるところが、当然市町の図書館を支えている大事な部分もあると思いますし、限られた予算の中で資料費に充てることもあるのですがやはり図書館に行ってこその学びの空間、何か学ぶっていう人もいて、そういった側面もあるのかなと思うのですが、今後、週休2日を1日にするとか端的に言えば図書館に対して予算をつけることに関して、見解をよろしいでしょうか。

 

(教育長)

以前は週1日の休みであって、いろんな見直しで週2日の休みになっていると承知しております。では週一日に戻すのがいいのか、週2日休むけれどもこういうサービスを重視した方がいいのか、それから図書資料については、もう一つ電子書籍サービスというのを最近、どこの県立図書館でもやっておられるところもありますので、そういった取組についても検討する必要もあると感じております。市町の図書館への資料の貸し出し等もやっております。

そういったことをトータルで見てどういう県民サービスをしていくのが一番いいのかを検討していきたいと思います。

今、週2日をすぐこうしようとはなかなか申し上げられない。県民サービスの充実の中で考える必要がある。それからもう一点申し上げれば、予算については教育長としては図書に読書に多くの予算をつけていただきたいと知事に申し上げております。知事がその予算を認めていただいてつけていただくと、教育長としては強く願っています。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
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