(教育長)
皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
一点ご案内がございます。前面のスクリーンに示していますのは、「滋賀教育の日」のシンボルマークでございます。
お手元の配付資料の2ページをご覧ください。滋賀県教育委員会では、11月1日を「滋賀教育の日」と定めまして、社会全体で滋賀の子どもたちの育ちを支える気運の高揚を図っております。「滋賀教育の日」11月1日の前後1カ月となる10月と11月の2カ月間を滋賀教育月間として、地域の皆さんや学校、企業の皆さんなど、それぞれの場で教育に関わる行事が実施されるところでございます。
滋賀教育月間において、県内各地で開催される行事など、非常にたくさん取り組んでいただいております。ただいま担当課で集約を進めておりますので、後日改めて記者の皆様へお知らせする予定です。「滋賀教育の日」を契機とした気運の高揚に向けて、ぜひ記者の皆様におかれましては取材をよろしくお願いします。
資料の2ページにございますように、学校の公開、地域での教養講座や、スポーツイベント等の取組、また、「企業から学ぼう」として職場体験学習などが行われますのでよろしくお願いします。
資料3ページから4ページをご覧ください。9月から10月の広報事項でございます。後日、資料提供による詳細のお知らせなども予定しておりますので、取材等を通じて発信していただければ幸いに存じます。
それでは話題提供に移らせていただきます。本日、私からの話題提供は一点でございます。本日は、県立石山高校について紹介させていただきます。
県立石山高校につきましては、昭和38年に普通科5クラスでスタートしました。
今年でちょうど60年になります。音楽科につきましては、昭和43年に県内唯一の音楽の専門学科として設置されました。
石山高校は大津市の南、琵琶湖や瀬田川を見下ろす石山の丘陵地にあります。
近くには、紫式部が「源氏物語」の構想を得るために参篭したとされる「石山寺」でありますとか、松尾芭蕉が一時期住んだと言われる「幻住庵」があり、閑静で自然環境に恵まれた地域に位置しております。
この石山高校では、「高きを仰ぐ志」と「自主自律」の精神のもと、生徒一人ひとりが、進路実現に向けて資質能力を高めることができるように、授業や探究活動、学校行事や部活動など様々な活動をしております。その中で、普通科と音楽科の生徒がお互いに磨き合うことで知性と感性を兼ね備えた人材の育成を目指しているところでございます。
そうした中、今年度は新たな取組として、高校生によります音楽の魅力を発信するイベントをびわ湖ホールと連携して行うこととしております。この事業は、子どもたちが高校生と音楽を通して触れ合うことで、音楽の価値創造や将来のキャリアを考える機会を創り出し、自分らしく生きる力を育むことをねらいとしております。
今回の企画では、地元の晴嵐小学校の6年生を招待し、石山高校の生徒全員が鑑賞する中で、小学生が舞台に上がって生徒とともに交流演奏する予定でございます。企画や運営にあたりましては、学校内の実行委員会、また音楽科の卒業生や音楽に関わっておられる外部の方を交えた事業検討委員会で準備を進めておられます。また、当日の運営も含め、生徒会執行部も関わるなど、生徒が主体的に事業に参画し、活動しておられると聞いております。
プログラムでございますが、5ページにございます。プログラム前半では、音楽科生徒による合唱、合奏に始まりまして、晴嵐小学校の児童と吹奏楽部によるワークショップにて児童の楽器体験や全員合唱、そして吹奏楽部による演奏が行われるということでございます。またプログラムの後半では、石山高校音楽科卒業生で、ご活躍中のヴァイオリニストの落合真子さんによる演奏、そして、びわ湖ホール声楽アンサンブルによる演奏で締めくくる予定になっております。このようなプログラムを、地域の小学生、また保護者の方々に公開することにより音楽の魅力発信を行ってまいりたいと考えております。
本日は、樋口校長先生と石山高等学校の生徒会長の2年生の○○さんにお越しいただいておりますので、○○さんから今回の行事への思いなどひと言、よろしくお願いします。
(石山高等学校生徒会長)
ただいまご紹介にあずかりました石山高校生徒会長の○○です。
私はこの音楽科事業を新たな取り組みとしてとても楽しみにしています。私自身あまり音楽との接点がないのですが、このような機会を設けて音楽に触れてもらうことで、私みたいな人でも、とても良い刺激を受けられる内容になっていると思います。
この事業を通して1人でも多くの方に音楽の素晴らしさを知り、興味を持ってもらえたらいいなと思っています。私達生徒が作り上げるこの事業をぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。私からは以上です。ありがとうございました。
(教育長)
○○さん、どうもありがとうございました。この10月19日のイベントが大成功に終わりますように期待しております。
この事業を来年度以降どうしていくかは、予算等もございますが、今年度は対象となる地域が大津と石山ですが、もう少し広げられないか、対象の子どもも小学生だけでなく中学生に広められないかなど活動に工夫を凝らしながら音楽の魅力を発信できるように進めていきたいと考えております。
具体については、ただ今検討中でございます。
報道各社の皆さんにはぜひこの10月19日のイベントについて取材をいただき、広く県民の皆様に、石山高校について発信していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
(中日新聞)
今回の事業に関してですが、小学生と吹奏楽部によるワークショップという部分で小学生の方との交流があると思うのですが、この具体的な内容、楽器体験とか合唱と教育長がおっしゃっていましたが、具体的にもう少しどのように交流されるのか教えていただければと思います。
(石山高等学校校長)
楽器体験につきましては、小学校の子どもたちに本校の吹奏楽部が使用する楽器を一緒に使って共に演奏するというような形を考えています。それだけではなく、歌も一緒に歌ったりとか、全校生徒で歌ったりというようなことも考えております。楽器体験が中心ですが、その他についてもいろいろ子どもに体験していただければと思っております。
(中日新聞)
この日、1日でその場で教えてもらって、一緒に演奏したり、歌ったりする感じでしょうか。
(石山高等学校校長)
小学校とは、どんな曲をするかとか、いろいろ事前に打ち合わせもします。小学生が一定の練習をした上で共に活動する感じになると思います。
(中日新聞)
事前に少し練習をしてから本番に備えるということですね。プログラムには開演が13時からとあります。音楽合唱、合奏それぞれ何分ぐらいで、どのくらいで終了予定なのか、だいたいの時間的なスケジュールを教えてください。
(石山高等学校校長)
15時半ごろには全てのプログラムが終わって生徒たちが退場する予定です。音楽科の合唱が13時10分から40分頃まで。そしてその後、子どもたちと吹奏楽部が、ワークショップを行う。14時20分頃から少し休憩を取り、その後に声楽アンサンブルさんの合唱が14時半頃からの予定です。最後に本校の卒業生が15時5分頃からバイオリン独奏という形になっております。
(中日新聞)
当日、観客というか、鑑賞するのは、石山高校の生徒さん全員と地域の方とか保護者の方もお招きになるということですか。
(石山高等学校校長)
晴嵐小学校の保護者さんと本校の保護者さんと、あとは本校生徒という形で進めたいと思っています。
(中日新聞)
音楽科の生徒の人数は何人くらいおられますか。
(石山高等学校校長)
70名程度です。1学年が20人~25人程度というところで、ずいぶん定員割れをしております。
(読売新聞)
さっき定員割れという言葉も出たかと思いますが、高校生の魅力発信事業によって、音楽科の魅力や受験希望者増とか、そういうところに繋げていきたいというような思いを、校長先生に伺えればと思います。
(石山高等学校校長)
定員割れについては、本校独自で今までからもいろいろな発信や説明会を行うなど努力はしていましたが、なかなか効果が見られない中で、中学生だけではなく、小学生の子どもたちも含めて、未来に繋がるような音楽発信ができないかということで、この事業をいただく前の昨年度から、晴嵐小学校さんを本校の音楽ホールにお招きして一緒に音楽活動することを始めたところです。今回はその流れもありまして、この事業を発展するような形でまず一歩踏み出していこうということで進めております。
そんなことで、何かをすればすぐに出願が増えるということにはならないと思いますが、小さな子どものうちから音楽に触れる機会を提供できれば、憧れたりとか自分の未来像を描いてくれたりする子どもたちが増え、将来の定員充足に繋がればいいなという気持ちを持っています。
(読売新聞)
音楽科として、基本的には音楽大学への進学を意識されるかと思いますが、この音楽科としてのあり方が変わっていくところはありますか。例えばイベントの企画の方をやりたいとかはありますか。
(石山高等学校校長)
学校のカリキュラムを具体的に変えることではないのですが、音楽大学の方でそのような学部学科等を幅広く設置している所も増えてきまして、子どもたちには、今後何か、そこに繋がるような経験もさせていきたいと思っております。今回のような事業で、高校生が自分達の力で企画運営してくれるというような機会をいただいたことで、将来、音楽科の生徒だけではなく、普通科からも音楽の方に進む生徒もおりますので、そのような本校の生徒にとっても将来を考えるきっかけになってくれることもあるのではないかと期待しております。
(BBC)
取材にお伺いする上での質問です。音楽科さん、吹奏楽部さんをはじめ皆さんの撮影は可能ですか。テレビカメラ等も入ると思いますので、撮影NGの生徒さんがいらっしゃると、こちらでは難しいのかなという心配があるのですが、大丈夫でしょうか。
(石山高等学校校長)
個人が特定できるようなことはないのが基本だと思うのですが、音楽科の生徒とかステージに上がる方については確認を取ろうと思っております。今時点では確認はとれていないのですが、特に小学校の子どもたちが上がったときのことを少し危惧しておりますので、もしその場合は事前にお知らせしたいと思います。取材の依頼がありましたら、お知らせできるようにしておきます。
(BBC)
特にテレビは絶対に小学生さんのお顔が映ることになると思いますので、小学校側の確認をお願いできればと思います。取材をさせていただく際は、前日か、近い日になってからご連絡させていただくことになるかと思いますので、その確認を進めていただけると大変ありがたく思います。
(朝日新聞)
教育長にお聞きしたいと思います。石山高校は公立高校で音楽科をもっているというのは非常にユニークだと思うのですが、定員割れが続いているということもあってユニークな学校作りの一方で生徒を集めるのが難しいという現実もあり、将来的には石山高校の音楽科の在り方については、教育委員会として、あるいは教育長としてどのように考えていらっしゃいますか。
(教育長)
滋賀県において専門学科と言われるこの石山高校音楽科、あるいは栗東高校美術科、草津東高校の体育科があります。状況それぞれに様々ありますが、私はこのような特色ある学びも、滋賀県内の中学生の選択肢として用意していくことが大切だと思っております。今は確かに高校の一クラスの定員が40人という形をとっております。先ほど校長先生から音楽科の生徒が学年に20人前後だとおっしゃいましたが、この学びを大切にすることが大事だと思っております。石山高校の音楽科をより子どもたちにとって魅力ある学びができる場にして、音楽に関心があり、音楽を学びたいと思う子どもたちへの場を引き続き提供していきたいと考えております。
(中日新聞)
学校での新型コロナの状況をお伺いしたいのですが、新学期が始まって、全国的にも感染者数が増えつつある中で、特に県内での感染動向を見ておりますと、10歳未満と10代が結構、増えているということをお聞きしております。全国的に見ても学級閉鎖や学校閉鎖になっているような学校もあるとお聞きしました。滋賀県内の学級閉鎖の状況の情報はございますでしょうか。
(教育長)
9月1日以降の県内の臨時休業、いわゆる学級閉鎖の状況ですが、学校欠席者情報収集システムによりますと、コロナだけではなく、インフルエンザがこの秋、例年より多く報告されています。インフルエンザとコロナを、厳密に分けにくいですが、一つのクラスで両方の症状がありますので、両方足しまして、小学校の学級閉鎖が43校、それから学年閉鎖が8校です。それから中学校では学級閉鎖が19校で学年閉鎖が6校。あと県立学校では学級閉鎖が6校です。学年閉鎖や学校全体が閉鎖されるというものはございません。インフルエンザとも重なるのですが、発熱して休まれる児童生徒がいらっしゃるとも聞いております。今おっしゃった10代とか10歳未満が増えてるのもその一つの表れだと思います。
(中日新聞)
これは何日時点の数字でしょうか。
(教育長)
9月13日。昨日までです。
(中日新聞)
13日時点でのこれは累計ですか。それとも実際の時点からずっとですか。
(保健体育課長)
1日から13日、昨日までの間に、学級閉鎖、学年閉鎖を行った学校で、そのうち閉鎖期間は1日もしくは2日で様々であるといった状況です。
(教育長)
先ほどの数字は、日数の合計ではなく、学級閉鎖をしたクラスのある学校が何校あったという報告になります。例えば、1日だけ学級閉鎖される場合も、3日学級閉鎖をする場合も、両方とも1と数えているということです。
(中日新聞)
コロナの期間もありましたが、例年と比べるとやはり多いというようなことでとらえていいのでしょうか。
(保健体育課長)
昨年度の9月1日から13日までの間を正確に比較したわけではないですが、昨年度の2学期が始まってからの時期よりは多いと思います。正確な数字と比較はできておりません。
(中日新聞)
感染症法上の位置づけが5類になり、学校でマスクを外す等、感染対策は緩和されているとは思うのですが、少し感染者が多くなっているということで、何か学校での対策はされるのでしょうか。
(教育長)
コロナも感染症の一つとしてその対策はやはり換気や、手洗いとかマスク等の予防的な対策を取っていただくことだと思います。
(中日新聞)
これから学校行事をいろいろと予定されているところもあると思います。例えば運動会、体育祭、音楽祭への影響はありますか。
(教育長)
あるクラスが休みになるときに、全体の行事をどうするのかということもあると思います。学校によっては、その状況を見て実施時期を考えると思います。なお運動会は、熱中症等の危険を考えて少し先に延ばすところがあると聞いています。
(中日新聞)
現時点では、学年閉鎖で運動会が延期になったという事案はありませんか。
(教育長)
私は聞いておりません。
(保健体育課長)
確認しておりません。
(中日新聞)
わかりました。学校内はどうしても密になります。子どもたちの学びになるので、難しいと思いますが、何か学校上で基本的な対策等、さらに周知することが教育長としてあればお願いします。
(教育長)
やはり感染症は、一定の感染が起こるという実態を受け止めなければならないと思っております。その中でどう工夫して気をつけていくかについて、先ほど申し上げたような基本的な対策を講じることだと思います。
(読売新聞)
8月24日にJRの近江八幡駅で中学3年生の男子生徒が列車にはねられて死亡するという事案がありました。その後、県教育委員会で死亡の原因について調査などなさっているのか、それがいじめなどに該当するものであるのかについて見解を聞かせていただきたいです。
(教育長)
8月24日の事故ですが、当日、近江八幡市教育委員会から、生徒が電車にはねられて死亡したという報告がございました。
これを受けまして、翌8月25日に県教育委員会からこの学校に職員を派遣して状況の確認をするとともに、8月28日、29日にスクールカウンセラーの方を派遣して対応にあたったところでございます。なお、本事案については生徒が亡くなっている事案でございますので、今はいじめの有無も含めまして、設置者である近江八幡市教育委員会で丁寧に調査をしていただいている状況と聞いているところでございます。それ以上の内容については、まだ把握しておりません。
(読売新聞)
現在調査中ということでしょうか。
(教育長)
そうです。
(読売新聞)
県教育委員会からは生徒指導・いじめ対策支援室の職員を派遣されているということですね。
(教育長)
そうです。
(京都新聞)
教員採用の関係で今年、初めて秋採用を実施されたということで、募集期間が終わったと思うのですが、応募状況がわかれば教えてください。
(教職員課長)
具体的な数字は公表できませんが、小学校と特別支援学校に一定数応募がございましたので、10月の試験に向けて準備しているところでございます。
(京都新聞)
詳細は言えないと思うのですが、どういう理由で応募されたとかが分かれば教えてください。
(教職員課長)
他府県での現職の方ということですので、6月、7月に日が合わなくて受験できなかった方、あるいは、今回59歳まで応募ができるようになりましたので、他府県で勤務をしていたけれども、滋賀県で働きたいというような方など、具体的にアンケートをとっているわけではないですが、応募の年齢であるとか履歴書等を見た中で、そういう受け止めをしているところでございます。
(京都新聞)
採用が終われば、概要というか何名採用されるかなど公表していただけるのでしょうか。
(教職員課長)
公表させていただきます。
(京都新聞)
関連して滋賀の教師塾のことです。応募状況が分かれば教えてください。
(教職員課長)
8月末までを募集期間としていたのですが、もう少し定員まで余裕がありますので追加して募集をしているところでございます。
(京都新聞)
定員まで余裕があるというのは例年そのような状況でしょうか。
(教職員課長)
特に何人ということはないですが、昨年につきましては前年度より少なかったものですから募集期間を伸ばしたという経緯がございます。今年度も同じような状況でございますので延長して募集をしているというところでございます。
(京都新聞)
先ほどのような状況で、以前から教師のなり手不足というような課題がありますが、そのあたりの手立ての手ごたえはありますか。
(教育長)
先ほど最初におっしゃられた秋募集につきましては、現職の教員の皆さんが1年先を待たずに来年の4月から滋賀で教員になれる機会を作るという意味で、何人採用できるかは先の話ですが、プラスアルファになるものだと私は認識しております。それからもう一つは、話題に出ませんでしたが、教育免許を持っていて、教員になっておられない方のファーストステップセミナーを春と秋に実施させていただき、ご参加いただいております。免許を持っているから、講師でもいいので、教壇に立ちたいという方がおられれば、プラスアルファになると認識しております。そういうことによりまして、いわゆる学校現場の講師不足、教員不足に対応していきたいと私は考えております。
教師塾は大学3回生を対象にしております。まだ募集枠に余裕がありますので、教員について興味を持って滋賀の教師になりたいという思いを持っている人たちにできるだけ来てもらえるように、各大学で働きかけていただいています。教師塾では教育長は塾長という形で挨拶をさせていただいておりますし、学生の様子を見ると、やはり先生を目指して頑張ろうという強い思いを持った学生にたくさん来ていただいていると感じます。そういう機会を知らなかったからいけなかったということではなく、広く大学生に伝えることで、滋賀で教員になりたいと思う学生に多く来てもらえるようにしたいと思っています。
教師塾は教員採用試験の準備段階として非常にいい取組だと私は思っておりますので、その取組をぜひ学生には活用していただければと思っております。
(毎日新聞)
全国学力テストの対策を出されたと思うのですが、みんなが飛びつくような提案というか取組は生まれましたか。
(教育長)
全国学力学習状況調査は、何か対策を実施するというよりも、全国学力状況調査結果から見えてきたものを分析し、学校のそれぞれの授業や、学びをどのように改善していくといいのかということが大切だと思っております。実際にどこを改善するかというのは、それぞれの学校によります。小学校、中学校それぞれの学校によって状況が違いますので、その学校に必要な改善をやっていただくことが重要です。それぞれの学校ごとによって違います。各校の改善策を持ち寄り、県教育委員会としては、もう少しここに力を入れたらどうかというような指導をしていくことが我々の役割です。
妙案が生まれて、これがあったら子どもの学力が劇的に上がるというものがあれば、それはそれで素晴らしいですが、なかなか難しいのが現状だと思います。
二つあると思います。一つは基礎基本が十分できていない子どもに対して、その子に合った学びを、タブレット端末がGIGAスクール構想で配られてますので、それを活用するのが一つ。
もう一つは、今回の全国学力学習状況調査で、ある程度頭の中ではわかっていても、それを表現する力は滋賀県の子どもたちはまだ十分ではないという結果が出ておりますので、書く力をつけるための取組を、今後、各学校の状況に応じてやっていくことが大切だと認識しております。その点については、今年度の後半、そして来年度以降に向けて意識して取り組んでいきたいと思っております。
(毎日新聞)
学校ということは、学校の先生の指導力によるということになりますか。
(教育長)
指導力という観点で申し上げているのではなく、学校の児童、生徒がどれくらい理解しているのかという学びの状況に応じて先生は指導していただくことが大事だと思っております。学校によってやはり幅がありますので、どの学校がどうとは申し上げませんが、先生の指導力というか、改善すべき授業があるのであれば、もっとこう工夫をした方が、うちの学校の子どもたちにわかりやすい授業になるのではないかということは授業改善として日々研究していただいておりますので、そういう取組は今後も続ける必要があると思います。
(毎日新聞)
失礼ですが、そうすると地域とか子どもの問題ということですか。
(教育長)
全国学力学習状況調査に関しては、いろんなところで質問を頂いておりますが、滋賀の子どもができないとか、滋賀の先生ができないという問題には思っておりません。ただ、やっぱりできないよりできる方がいいとは思いますので、どう工夫すればできるのかということを、それぞれの学校によって、工夫を凝らしていただくことが大事だと思っております。
子どもの学力をどう高めていくか、いろんな課題があると思いますが、丁寧にそれぞれの学校の状況を分析して、その分析結果に基づいて改善していくことが一番大きな柱だと思います。それ以外にも例えば、先ほど申し上げた考えて書くという活動を重視した取組があります。あるいは学校・学級全体で、お互い児童生徒同士が認め合い話し合いながら授業をつくっていくようなことも、子どもたちの学ぶ力を向上させる効果があると思いますので、そのような学級づくりは、学ぶ力の向上には大切だと考えております。
(朝日新聞)
以前のお話かもしれませんが、大阪府は高校の授業料無償化を進めていろいろと学校との話し合いをしていると思うのですが、この問題は、滋賀県は全く無関係ではないと思うのですが、この問題については教育長はどのようにお考えですか。
(教育長)
この大阪府の授業料無償化についてのご質問ですが、他府県の教育長の立場で、大阪の高校の無償化の政策をコメントするのは少し立場が違うと思います。先日、知事も記者会見でご質問を受けられたと、我々も資料で拝見しました。知事としてもなかなかこれはコメントする立場ではないというお話でした。滋賀県に影響があるのは、おそらく滋賀県の私立学校に大阪から来られてる子どもの分も、大阪府さんは適用をされる制度設計になっているということなので、私学の学校の経営に影響があると私は理解をしております。この点について私から何か言うものではないと思います。
(朝日新聞)
大阪について評価するかということだけでなく、義務教育ではない高校の授業料を無償化にするという取組について、滋賀県として他府県でこういう取組があるならば、もちろん通っている子どもさんもいらっしゃるわけで、滋賀県としては、それについての高校無償化まで必要なのか必要ではないのかとか、あるいは将来的に考えていきたいとか、そういった大阪をきっかけに県の教育についてはどう考えますか。
(教育長)
滋賀全体の教育は高校の授業料を無償化するということも一つですが、それ以外に小中高、大学もあるかもしれません。子どもを通わせる保護者の負担をどうするのかという話があり、その手法の一つとして高校の授業料無償化があると思います。この点につきまして、県立学校なり公教育を扱っているものとして私立の学校もございます。大学もあります。ここは知事や関係部署もありますので、みんなでどうしていくかを考える課題だと思っています。知事もそのようにお考えではないでしょうか。滋賀県としてどうしていくのかは、私だけではなく、みんなで考える大きな話だと思います。
(京都新聞)
県立高校でも高所得の方は支払う形になっているそうですが、その点について所得で授業料をあるなしと峻別することについての評価はどうでしょうか。
(教育長)
すべての子どもたちがしっかりと教育を受ける機会を確保するという意味で、様々な政策がなされていると思います。その時に世帯の所得がいくらまでを無償化にする。あるいは全部を無償化にするかということは、これは政策的な判断で行われると思います。保護者の負担がどのぐらいあるのかを見ながら、どこまでの所得の方を無償化にするのか。公教育というのもありますし、日本全体の教育という観点もございます。まず、ベースは国でしっかりとお考えいただくことと、一方で現実として各地域で特色ある取組が行われていると認識をしております。私の基本的な考えは、保護者の皆様の負担と、子どもたちの学びをどう保障するのかをしっかり考えながら、解決していく課題だと認識しております。
所得制限を撤廃する方がいいのか悪いのかは、私は申し上げる立場ではないと認識しております。