(教育長) 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、皆さんに配布させていただいた資料ですが、2 ページから 3 ページに、6 月から 7 月にかけまして教育委員会の様々な行事予定を掲載しております。資料提供でも詳細をお知らせさせていただきますので、ぜひとも取材等で発信をしていただければ幸いでございます。
続きまして、本日は一点でございますが、話題提供をさせていただきます。 お手元の資料では、最後のページに記者発表資料として提供させていただいており ます。「令和 5 年度第 1 回子ども読書ボランティア研修会」の開催についてでございま す。
県教育委員会では、従来から子どもの発達段階に応じて、読書を通して親子が思いを伝え、コミュニケーションを図る「おうちで読書」という取組を、読書ボランティアの皆さん、そして市町の図書館の皆さんのご協力を得ながら、3 年間進めてまいりました。このうち、県が主体の取組につきましては令和 3 年度で終了いたしましたが、今後、それぞれの地域や市町、それぞれの図書館で様々な取組を主体的にやっていただくための支援といたしまして、読書ボランティアの方を対象とする研修会を開催させていただくものでございます。
県教育委員会では、地域のコミュニティを維持・活性化することが大切であるという認識のもと、学びから始まる地域づくりプロジェクト推進事業に取り組んでおり、 この研修会はその一環となるものでございます。この研修会は、家庭や地域における子どもの読書の啓発に加え、子どもの読書をテーマに、県民の皆さんが学び合える機会を提供させていただこうとするものでございます。また、地域を支えるボランティ アリーダーを養成する取組でもございます。
具体的な日程等でございますが、今年度 2 回の開催を予定しております。1 回目につきましては、7 月 19 日(水曜日)にG-NETしが男女共同参画センターで実施する予定でございます。
内容の2にございますように、講師には絵本専門士である家近さんをお招きして、絵本の楽しみ方、また読み聞かせの土台作りについてお話をいただくこととしております。家近さんは公立図書館員として現役で活動しておられて、子どもへの読み聞かせの経験が豊富な方でございます。図書館員という立場から絵本の魅力を再発見し、子どもが本に触れ合う大切さを教えていただく予定でございます。
あわせまして、県内で様々な子どもの読書活動に取り組んでおられるボランティア の方から活動の様子を紹介していただいて、参加者同士の情報交換も行う予定でございます。特に今年度、教育委員会では、全ての子どもたちに本が届くことを目指す「こどもとしょかん」のあり方について、広く県民の皆様のご意見をお聞きしながら検討するところでございまして、このボランティア研修会に参加の皆さんには、本があまり身近な存在でない子どもたちに、どうすれば本に親しんでもらえるようになるのか、子どもの読書に関わる人をどのように増やし、また、どんな活動をしていけばいいのか、そして、子育て世代への働きかけをどう進めればよいのかなどについて意見交換 をしていただくことによりまして、今後の「こどもとしょかん」のあり方の検討に生かしてまいりたいと考えております。
今、読書ボランティアとして活動しておられる方はもちろんのこと、今後、読書ボランティアにチャレンジしてみたい関心のある方など、様々な方にぜひご参加いただきたいのでよろしくお願いいたします。私からは以上です。
(京都新聞)
教育長は、子どもが読書をすることの意味や意義については、どのように考えておられますでしょうか。
(教育長)
読書とは、自分がいろんなことを考えて、そして人として生きていく、そのために非常に大事な活動であると思っております。 長く本の文化がございますので、読書を通じていろんなものを発見したり、いろんなものに関心を持ったりすることで世界も広がるでしょうし、読書を通じて情報を正しく理解し、情報を自分の頭の中で整理することにも繋がると思います。そのことが 今の「滋賀の教育大綱」で、大きな柱である「読み解く力」の育成に繋がるので、「読み解く力」の基盤は読書にあるというのが、今の滋賀県の教育の一つの大きな考え方です。このため、読書を広めることが非常に大切だと思っております。
(京都新聞)
その上で、本年度から始められた「こどもとしょかん」の検討は、今、どのような進捗状況でしょうか。
(教育長)
今は、これからいろんな取組を始めていく段階でございます。今年度は検討材料として、他府県の県立の図書館で、子どもに関するいろんな支援をやっておられる県を視察させていただく。それから、県立図書館の司書が市町に実際に行って、子どもの読書について、共に取り組み、試行していく。それを今後どのようにして広げていくのかという点もあると思います。今年度から始めている取組なので、まだこれからという状況でございます。
(中日新聞)
3 点お願いします。まず 1 点目がコロナに関してです。他府県の学校の運動会でクラ スターがあったと思うのですが、運動会に関わらず、今、県内の学校でクラスター等の コロナに関する問題が発生しているのか、教えてください。
(教育長)
少なくとも、滋賀県では大きなクラスター等の状況はないと聞いています。
(中日新聞)
2 点目は、6 月初旬に資料提供いただいた、教員採用試験の倍率についてです。高校 が去年は 5.9 倍、今年が 3.9 倍とかなり落ちており、他の種別に関しても、小学校については同じですが、他は残念ながら落ちている状況です。これについてどのように 見ておられるか、教えていただければと思います。
(教育長)
最初におっしゃられた高校ですが、出願をしておられる方はほぼ前年並みですが、 退職等の様々な事情がございまして、去年が 80 人の採用予定に対して、今年は 120 人 を採用させていただく予定です。そうすると母数が 1.5 倍となって、全体の倍率としては下がるという状況です。
小中学校につきましては、残念ですが、昨年よりも出願された方が減っております。 分析してもらうと、新規卒業見込み者、今の大学 4 回生の方の減少が著しいという状 況です。既卒者も、学校を卒業して現在は講師をしておられる方などは一定数応募されていますが、新卒者が小学校、中学校ともに少ない状況にあるので、教職よりも民間企業等に行きたいと思っておられる若い大学生が、少し多くなっていると思っており ます。
常々申しておりますが、そういう意味においても、教師の魅力をより高めていくことは大切だと思っております。当然、学校の働き方も見直していく必要があると考えております。
(中日新聞)
最後の質問ですが、東京の杉並区の学校の運動場で、釘で大怪我をされたという事案があって、調べたらかなり大量の釘が放置されていたということですが、県内でそういったことを調べているという話はありますか。
(教育長)
特に問題になったという話は聞いておりません。
(読売新聞)
今年の 9 月で、大津の事件をきっかけにできたいじめ防止対策推進法の施行がされ て 10 年になりますが、県として、改めてコメントをいただきたいです。
(教育長)
大津の事件がきっかけで、いじめへの取組は全国的にもかなり進んできて、様々な仕組みもできてきたと思います。やはり学校でいじめという行為をなくさないといけない。学校ではずっと続けていかなければならないことで、決して忘れることなく、いじめをなくそうという取組を、滋賀県内の県立学校、市町の小学校・中学校で、引き続 き主体的に取り組んでいただくことが必要です。そういった取組が進むように、我々としてもしっかりと呼びかけ、啓発をしていきたいと考えております。
とはいえ、年に何件かいじめの事態もございます。毎年、諸課題調査を実施しており ますが、やはりいじめがそう大きく減る傾向にはありませんので、そのことをしっか り受け止めて、取組を継続していくことが大事だと認識しております。
そのためには、子どもたちに人権についてしっかりと理解してもらう取組をしてい くことで、人は多様だということを一層理解してもらうことが大切だと思っておりま す。
(読売新聞)
そういった対応をされてきた中で、現在、法律を施行して10年になるのですが、なかなか見直しが進んでいない現状がありまして、県としてこの法律の建付けなどで課題に感じる部分や、行政でやっていく中で見直していく部分があれば教えてください。
(教育長)
いじめ問題といいますか、いじめの定義などですね。それからいじめが発生したときの対応については、一定の仕組みがあって、我々、教育に携わる者と、首長、県でしたら知事が、判断を両方できるような仕組みになっております。その仕組み自体は、私はそう悪いものとは思っておりませんが、最初に申し上げましたように、法律という よりも、やはり子どもたち自身が、いじめは駄目だと理解し、仲間であるクラスメイ ト、あるいは部活動の一緒に活動している子たち、様々な人たちの人権を大切にする取組を、先生方、教職員と我々、教育行政に携わる者が一緒になって、しっかり取り組 むことが大事だと思っております。
(京都新聞)
先ほどコロナの質問がありましたが、季節性インフルエンザについても季節外れの 流行が起きているとも聞くのですが、県内での感染状況はどのように把握されていま すか。
(教育長)
一部の学校でインフルエンザのため学級閉鎖になった事例があるとは聞いておりま すが、あまり細かく中身を聞いているわけではございません。保健体育課で日々デー タを収集しておりますので、今は手元にデータがないためわかりませんが、お尋ねいただければわかると思います。熱が出て休んでいる原因がただの熱なのか、インフルエンザなのか、日々、1 人 2 人が休んでいる原因がインフルエンザなのかは把握できませんが、集団として流行した場合は、一定把握していると承知しております。
(京都新聞)
一部で学級閉鎖が出ているということでしょうか。
(教育長)
すみません。不確かです。最近の話なのか5 月頃の話なのか、いつの話なのか、詳らかには覚えておりません。
(京都新聞)
コロナの 5 類移行後の、集団活動の再開とかそういったことが要因になっているの でしょうか。
(教育長)
全くないわけではないでしょうが、多分インフルエンザとコロナの関係は、令和 2 年、2020 年ぐらいからコロナが感染拡大しだしたときに、重複感染したらどうなるの かと話題になりましたが、コロナの感染拡大のときは、インフルエンザがあまり感染 拡大していなかったと思います。逆に今は、コロナがあまり感染拡大しておりません が、医師ではないため詳しくはございませんが、インフルエンザが増えてしまってい るように感じます。
確かに今の時期にインフルエンザが感染拡大するのは妙ですね。主に冬場の話だと 思っております。その辺は、私よりも健康医療福祉部の担当の方が詳しく分析してい ると思いますので、そちらにお問い合わせいただければと思います。