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教育長定例記者会見〔令和5年(2023年)4月13日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。滋賀県教育委員会教育長、福永でございます。今年度最初の定例記者会見ということでございます。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

4月は人事異動の時期でもあり、教育委員会におきましても、13人の新しい事務職員をお預かりしました。また県立学校では140人の先生方を新たにお迎えしました。報道機関の皆様も人事異動等があることとは思いますが、またよろしくお願いいたします。

この定例記者会見につきましては、毎月一回、私から教育行政について御紹介し、記者や県民の皆様にご理解いただくための貴重な場だと認識しておりますので、よろしくお願いいたします。

皆様も取材等でご存知のように、新学期がスタートして、子どもたちや先生方もマスクをつけずに、ということが広まってまいりました。入学式等を見ますと、まだマスクを取れない状況の生徒もおられますが、徐々にマスクを取れる学校生活が広まっていくのではないかと思っております。とはいえ、まだ新型コロナウイルス感染症が続いておりますので、効果的な換気をはじめ、基本的な感染対策をしっかり取りながら進めていきたいと考えております。

それでは配付させていただいた資料をもとにご説明させていただきます。最初の2ページは教育委員会の行事予定でございますのでよろしくお願いいたします。

続いて本日の話題提供ですが、年度初めということでございますので、少しお時間をいただいて3件お話をさせていただきます。

まず1件目でございますが、令和5年度に滋賀県教育委員会として重点的に取り組む事業について説明をさせていただきます。お手元に「教育しが」と「取組の重点」の二つの資料をお配りしておりますので、こちらでご説明をさせていただきます。

まずこの「教育しが」は、保護者の皆さんに滋賀の教育についてご理解を深めていただくために、年4回発行しているもので、1回目は4月に発行しております。このあと夏休み前の7月、そして10月、1月と年4回発行しているものでございます。4月につきましては、毎年、その年の滋賀の教育の重点を掲載させていただいております。

今年度ですが、5つの重点的な取組を保護者の皆様にお伝えしております。

順番に申し上げて1点目でございますが、「一人ひとりの学びの最適化」でございます。確かな学力と、豊かな人間性や社会性を育むための取組として推進し、子どもたちのわかった、できた、に繋げていくものでございます。

ご存知のように、学校現場では1人1台タブレット端末が配布されておりますので、小中学校においてこれを有効に活用しながら、一人ひとりの学びの把握と、学びの状況に合わせた課題等の提供を行うとともに、本県が平成31年、令和元年から進めております、「読み解く力」を高める授業を全県的に展開し、確かな学力の育成を図っていきたいと考えております。

また、下部にインクルーシブ教育システムの構築を挙げさせていただいております。副籍制度の実施でありますとか、分教室の設置の研究などを通して、共に学ぶ場の充実を図り、共生社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 

あわせまして、「学ぶ力」の向上について、もう少しご説明申し上げます。「取組の重点」のリーフレットをご覧いただければと思います。

まず、この「取組の重点」では、各学校において「学ぶ力」の取組について焦点化して、全ての教職員の共通理解と共通実践を進めていただくためのポイントを3つ挙げて整理をしているところでございます。

1つ目が、一番上にございます、「学びを実感できる授業づくり」でございます。リーフレットの表側にありますように、「読み解く力」と校内研究を関連付けた授業改善を推進すること、子ども一人ひとりの学びの状況を的確に把握して「個別最適な学び」を進めることなどについてポイントを示しております。

リーフレットをお開きいただきますと、少し細かな字ですが、各教科、幼稚園からになりまして、小学校、中学校の各教科別に、授業において大切にしていただきたい基礎的・基本的な知識・技能の定着、また、ICTの効果的な活用等について記載しておりまして、この内容をもとに小中学校の先生方に授業実践をしていただくことによって、子どもたちの「確かな学力」を高めていきたいと考えております。

そして視点の2つ目は、「学ぶ意欲を引き出す学習集団づくり」であります。これにつきましては、パンフレットの4ページ目2面をご覧ください。

令和4年12月に生徒指導提要が改訂されたことを受けまして、一部内容を見直しております。安全・安心な「居場所づくり」に配慮する、と生徒指導の実践上の視点を意識し、子どもたちが互いに尊重し、協力し合える学習集団づくりを進めてまいります。このような学習集団づくりを進めることによりまして、学校現場における「協働的な学び」の効果を高めていきたいと考えております。

そして3つ目につきましては、各学校において組織的・継続的に取組を推進すること、学校や家庭、地域が一体となって取り組むことについて記載させていただいております。

またこのリーフレットの下部に、関連する動画や資料を見られるQRコードを複数掲載しておりまして、学校や先生方に必要に応じて活用してもらいやすいよう配慮しているところでございます。このリーフレットにつきましては、県立中学校を含めます公立の小中学校および義務教育学校、そして特別支援学校の全ての先生方に1部ずつ、既に3月中旬にお配りしたところでございまして、学校でぜひ活用いただきたいと考えているところでございます。

 

それでは、「教育しが」の説明に戻らせていただきます。

2点目は上段の真ん中にあります、「魅力ある県立高等学校づくり」でございます。普通科でありますとか、職業系専門学科の魅力化・特色化、地域連携の充実、学校間連携の研究、こういったものに重点を置き、産業界の皆様と連携した専門高校におけます人材育成、また地域と連携した学科設置の研究、遠隔授業などの学校間連携の研究などに、令和5年度は取り組んでまいります。

また先月に策定いたしました「滋賀の県立高等学校魅力化プラン」に基づきまして、各県立高校が「オンリーワンの魅力ある高校」となるよう取組を進めてまいります。

 

そして3点目は、右側にございますが、「子どもも教職員も笑顔あふれる学校づくり」でございます。教職員、先生方が子どもと向き合う時間の確保に向けまして、教職員の働き方改革を推進してまいります。今年度の新しい取組といたしまして、教頭先生の業務を支援し、負担の軽減とマネジメント力の発揮を図る「学校経営骨太モデル事業」に取り組ませていただくことにしております。

またこの後、話題提供としてご紹介をさせていただきます、教員採用ポータルサイトの開設とあわせまして、教員免許を持っているものの今は学校現場で働いておられない社会人の方々向けにセミナーを開催するなど、教育界への第一歩をサポートする「教員へのファーストステップ支援事業」も進め、滋賀で先生をやってみようという人を増やしていきたいと考えております。これらの取組によりまして、先生方の笑顔を増やすことによって、子どもたちの笑顔もあふれる学校づくりに取り組んでまいります。

 

そして4点目は下の段の左側ですが、「困難な環境にある子どもたちの学びへの支援」でございます。ヤングケアラーの問題、また言語や文化等の壁、不登校の増加など、子どもたちの学びを取り巻く様々な困難に対して、しっかりと支援をしていきたいと考えております。

具体的な取組といたしましては、下の方に記載しております、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるいじめや不登校への対応の強化、また、母語が話せる支援員による外国人児童生徒への支援などに取り組んでまいります。あわせまして、「届ける家庭教育支援」という形で、訪問型の家庭教育支援の充実や、医療的ケアが必要な児童生徒の通学に係る保護者支援にも取り組んでいきたいと考えております。

こうした取組によりまして、困難な状況にある子どもたちをしっかりサポートし、誰一人取り残されない社会へと繋げていきたいと考えています。

 

そして最後5点目は、子どもの生きる力を育む、心と体の健康づくりでございます。子どもたちの健やかな体、そして心の育成に向けまして、幼児期から楽しく運動できる取組でありますとか、学校保健の機能の強化をいたしまして、専門職が連携して子どもの健康課題を解決する取組、また人と人とが豊かに繋がる人権教育などを充実させていきます。

あわせまして、全ての子どもの読書環境の充実に向けて、「こどもとしょかん」のあり方について、今年度は検討を進めていきたいと考えておりまして、年度内に滋賀の「こどもとしょかん」の基本方針を策定したいと考えております。これらの取組を通じまして、現在の「滋賀の教育大綱」の基本目標である「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」の実現を目指してまいります。

 

記者の皆様におかれましても、本年度も滋賀の教育の取組について取材等をいただき、県民の皆様にお知らせくださいましたら幸いでございます。以上が1件目の重点的な取組の件でございます。

続きまして2件目でございますが、配布資料の3ページをご覧いただきたいと思います。

教員採用選考試験の受験者が最近減少しております。また、臨時講師の不足が全国的な課題となっております。本県におきましても、小・中・高・特別支援学校全校種の採用倍率は、平成31年度、私が教育長になった年ですが、その当時は4.6倍でございましたが、令和5年度には3.3倍と減少しておりまして、やはりこれは喫緊の課題と認識しているところでございます。

この課題に対応するためには、いかに多くの方に教員採用試験に出願していただけるかということでございますので、そのための取組の一つとして、令和6年度の採用募集にかかり、動画「滋賀で先生になろう」と、募集のパンフレット・ポスターとして、「今度はあなたが滋賀で先生になろう」というものを作成させていただきました。今まではあまりプロの方にアドバイスをもらいながら作成してこなかったのですが、今回は少し工夫をさせていただいております。一人でも多くの方がこの動画やパンフレットをご覧いただき、滋賀県で教師をする魅力を感じていただきますとともに、6月下旬に実施いたします令和6年度の採用選考試験に出願をいただきたいと思っております。

また、本日の資料の下部に書かせていただいておりますが、今年度、「教員へのファーストステップ支援事業」を実施させていただき、免許状は持っているけれども、現在他の仕事をしておられる方や、もう長く教職を離れておられる方など、なかなかそういう方々はハードルが高いと考えておられがちですので、その第一歩を踏み出していただけるように、「教員へのファーストステップセミナー」を実施します。2ヶ所において実施して、このセミナーによりまして、多くの方が教員の道に進んでいただければと思っております。

できるだけ多くの方にご参加いただけますよう、取材等により発信をいただければ幸いでございます。

 

そして最後、3件目でございます。配布資料の4ページ、そして前方にも掲げさせていただいておりますが、今般作成いたしました読書バリアフリーのリーフレット「さわる読書きく読書よむ読書」についてご紹介をさせていただきます。

県教育委員会では、読書バリアフリー法に基づきまして、令和4年3月に「滋賀県読書バリアフリー計画」を策定し、読書バリアフリーの推進に取り組んでいるところでございます。この度、関係部局と連携いたしまして、障害者の方、その支援者の方等に、読書バリアフリーについて周知するためのリーフレットを作成したところでございます。

リーフレットでは、障害のある方、そのご家族・支援者に向けて、一般の活字の書籍は読みづらい方にも読みやすい本の案内や、読書をサポートする道具やサービスを紹介しています。また、それらの書籍を利用したいときの相談先も併せて案内させていただいております。

県の読書バリアフリー計画と同じく、このリーフレットの作成につきましても、当事者の方、また関係者の方からご意見を伺いながら作成したところでございます。例えば、一つの文の長さを短くする、簡潔にすると伝わりやすいとか、音声や点字で読むのもわかりやすい、またQRコードのリンク先がきちんと説明されていると読み込む不安が軽減されるなど、関係部局の皆様とも連携し、誰もが読みやすいリーフレットを目指したところでございます。

当事者や支援者のメッセージも入れております。本年2月に、読書バリアフリーフォーラムで講演をいただいた東京パラリンピックの金メダリストで、滋賀のスポーツ大使でもある木村敬一選手からのメッセージもお寄せいただいたところでございます。

このリーフレットにつきましては、県内の図書館や障害福祉サービス事業所等に配布いたしまして、今後は県内の全ての小・中学校や義務教育学校、特別支援学校にも配布を予定しております。作成に携わった方からは、耳で聞いてもわかりやすい、勉強会などで使えると良い、とのお声もいただきました。リーフレットを活用して、読書バリアフリーがより普及するよう取り組んでまいります。

なお、広く手に取ってもらうことを目的としたA4の1枚版もあり、対象や状況に合わせて啓発に努めていきたいと考えております。読書バリアフリー計画では全ての人が読書に触れる機会を設けるとしておりますので、今後もしっかり取組を進めていきたいと考えております。

私からの話題提供は以上でございます。

(朝日新聞)

「滋賀で先生になろう」について質問なのですが、先ほど倍率が平成31年度は4.6倍、令和5年度は3.3倍とおっしゃっていましたが、パンフレットの裏側に載っているのとはまた別の数字になるのですか。改めて何の倍率なのかを教えてください。

 

(教育長)

これは校種ごとに書いていまして、一番上の小学校の先生は2.4倍、中学校は4.1倍。合計で全体をならすと、3.3倍になります。合格者は、549人ですが、全校種で出願された方の採用倍率が3.3倍ということになります。

 

(朝日新聞)

全国的な課題だと思うのですが、滋賀県の受験者数が減少していて喫緊の課題だと仰っていたのですが、何が要因だと思っていらっしゃいますか。

 

(教育長)

いくつかあると思います。一つは、先生の仕事はなかなか大変だと多くの若者や学生さんが思っておられることです。学校現場について、いろいろ報道等もされます。

そして、今一番の問題は、先ほども申し上げましたが、先生の勤務する時間が長いということです。8時半ぐらいから夕方まで授業等があって、その後、次の日、その後の授業準備。中学校・高校でしたら、部活動もあります。その部活動については、土曜日、日曜日に大会とかがあると、顧問の先生がそれに対応しなければならない。このように、なかなか先生の仕事は、長時間働かなければならないし、大変だということがあって、そのことが影響して、教員以外の仕事を目指そうかなとか、教員以外の仕事をやろうかなという人が増えてきております。

その対応には、まずは働き方改革を進めて、先生方の超過勤務時間を減らしていくことが非常に大切だと思います。あわせまして、中学校・高校の部活動につきましては、土日の練習などの時間を短くする、あるいは、別に部活動を指導する外部の人を雇用することによって、先生方の負担を減らしていく。こういった取組を進めて、取組を教育学部で学んでいる人たちに伝えることで、(受験者数を)増やしていかなければならないと思っています。

あわせて、教員はどんなふうに仕事をしていて、どんなところに教師としての喜びとか、やりがいがあるのか、これをしっかり発信していくことが大事だと思っています。そういった意味において、できるだけ今の学生さんなどが、手に取って理解してもらえるような取組を進めていきたいということでございます。動画を作成しておりますので、そちらも見ていただいて、感じていただければと思っています。

ただ、全国的に厳しい状況ですので、他県とも競争しながら採用選考はやっていかなければならないと感じておりますが、滋賀は“滋賀の良さ”というものを出しながら、取り組んでいきたいと思っています。

 

(朝日新聞)

動画やパンフレットと「教員へのファーストステップセミナー」、どちらも初めての試みですか。

 

(教育長)

パンフレットは、以前からあるのですが、少々野暮ったい感じがありましたので、今の若者に見てもらえるように、デザインや、どのように掲載すればよいか、プロの目で見ていただいて、工夫をさせていただいたのがこの資料です。

私は平成31年から教育長をしていますが、1年目は滋賀や京都の大学に自ら行って、大学生向けにPRをしておりました。しかしながら、令和2年からご存知のように新型コロナウイルス感染症がありましたので、もう大学にも行けず、どうやって伝えようかということがありまして、動画も始めました。しかし、手作りだとなかなか見てもらえないので、今回プロの方のお力を借りながら、少し工夫した動画を作らせていただいたということです。

ファーストステップセミナーは、本格的にやるのは今年が初めてです。どうしてもご家庭の都合などで先生を一旦辞められて、もう1回やってもいいなと思ったが、なかなかハードルが高いと思っておられる方や、今は民間企業等で勤めておられるが、やっぱり教員免許があるから一度教員をやってみたいという人たちのためのセミナーです。

 

(読売新聞)

ファーストステップセミナーですが、これは教員免許を持って民間企業に勤めている方が対象だと思うんですけど、年齢はどのぐらいまでを想定しているのですか。

 

(教育長)

教員採用につきましては、来年度以降につきましては、60歳まで可能ということにしております。例えば子育てが終わった50歳ぐらいの方とか、あるいは働いておられて、50歳で民間企業におられたが、ここであと10年、15年働くことを考えたときに、先生をしたいという方も含めて、採用年齢については、今までは50歳でしたが、今年から60歳にさせていただきました。

もう一つは、公務員の定年が延長されます。先生方も延長されるので、来年は61歳、以後1年おきに62歳、63歳、最後は65歳までいきますので、60歳までということで、幅広くお願いをしたいと思っております。

 

(読売新聞)

公立学校教員だから小中高全部が対象ですか。

 

(教育長)

はい、市町立の小中学校と、県立高校、県立特別支援学校です。

 

(読売新聞)

50代で民間企業を辞めるとなると待遇の話も出てくると思いますが、どのように考えておられますか。

 

(教育長)

そのことについては、経験年数でどう算定するかということで、それぞれの御経歴によって、例えば教員以外でもどんな職にどう就いておられたかなど、いろいろな前歴換算があります。

 

(教職員課長)

教員の給与につきましては、教員としての経験のほか、民間での経験も一定加味されますので、全く20歳代の方と同じということにはなりません。ただ、当然、教職の経験がない方については一般の50歳代の教員の給料と同じとはなりません。一定の換算をもとに計算をさせていただくことになります。

 

(毎日新聞)

今の関連で、潜在的な教員免許を持った人は、例えば県内にどれくらいいらっしゃるとかがわかる推計などがあるのでしょうか。

 

(教育長)

それはよく聞かれるのですが、例えば免許を持っている方の数はわかっても、今どこに住んでおられるかという情報は実は把握できない状況です。例えば、大阪で教員免許を取られて今は滋賀に住んでおられる方を把握する方法がないのです。逆に、滋賀で免許を取っておられても、今は東京に住んでおられるという方もいらっしゃいます。なかなかそこが難しいので、広くいろいろな形でPRして、あるいは口コミも含めて、こういうものがあるから来てくださいとお願いしようと思っています。

(教職員課長)

昨年9月に試行的に実施をさせていただいたところ、20名程度の応募がございました。今年度につきましては、さらにPRをして、より幅広い方々に応募して、受けていただきたいと考えております。

 

(教育長)

ひとまずの目標としては、1セミナー当たり20人ぐらいお越しいただいて、2日間、午前の部、午後の部がありますので80人ぐらいを何とか集めたいという目標です。

 

(中日新聞)

先ほどからのファーストステップセミナーに関連した質問なんですけど、実際に今年採用された先生の中で、教職に元々就いていなくて、民間から教職に就かれたという方はいらっしゃるんですか。

 

(教職員課長)

今、具体的な数字は把握していませんが、民間企業におられて、免許を持っておられて、教員をやろうと思っておられる方が少なからずおられるのは、確認しています。

 

(教育長)

例えば大学当時に高校の理科や情報、工業等の免許を取っておられた方で、今は民間企業で研究や開発をやっているものの、先生になって高校生を教えてみたいという方はおられるように思います。

それと、例えば結婚されて、子育てと教職との両立が難しく、一度お辞めになったような方や、あるいは配偶者の方が職場で転勤されて一緒に付いて行くために先生を辞めたものの、また今後先生をやってみてもいいと思われる方もいると思います。教員経験者ということで、我々としては非常にそういう人に来てもらうことはありがたいと思っています。

教員不足は非常に喫緊の課題ですので、やれることは何でもやっていきたいと強く思っており、こうした事業を始めさせていただいているということでございます。

 

(朝日新聞)

昨日、懲戒免職処分が出たと思うのですが、教職員の不祥事事案もかなり相次いでいると思うのですが、改めて教育長からお願いします。

 

(教育長)

学校の教職員が、特に児童生徒に対する行為によりまして、懲戒免職等の処分を受けたということに関しまして、本来、学校とは、私は安全で、そして安心して過ごせる場だと思っております。そして、先生は子どもたちから信頼される存在だと思っています。そういった意味におきまして、こういった児童生徒が被害に遭うという事案については、大変遺憾であると思っておりますし、県教育長として大変重く受け止めております。

日々、再発防止に向けて、一層の研修や、服務規律の確保に努めておりますが、まだまだこういった事案が出てきていることを非常に重く受け止めまして、一人ひとりの先生がさらに自分ごととして、本当に子どもの人権の大切さを理解してもらえるような研修は、引き続き積み重ねなければならないと思っています。

今回のこういった事案につきましては、保護者の皆様、そして児童生徒の皆さん、そして広く県民の皆さんの滋賀の教育に対する信頼を損ねる事案でございまして、教育長としても大変申し訳ないと思っているところでございます。いろいろな機会を設けまして、私自身も小学校、中学校、高等学校、県立学校の管理職の皆様に、しっかりとことの重大性と今後の取組、研修の強化を含む規律の確保についてしっかりと呼びかけて、学校現場でしっかりと教員同士が、子どもの人権の大切さをもっと認識してもらえるような取組を進めていきたいというふうに考えております。

こういった犯罪は、ある意味では人権侵害にもつながると思いますので、その点はしっかりと重く受け止めたいと考えております。

今回のことに対しましては、教育長としても大変申し訳なく思っております。

 

(朝日新聞)

昨年4月から何度か懲戒処分の会見も出ているのですが、その度に研修の充実を挙げておられます。具体的に滋賀県教育委員会として、県独自の研修を設けるとか、新しい取組が求められていると思うのですが、その辺についてはいかがですか。

 

(教育長)

私は教育長になって5年目になります。過去4年間こういった処分案件については全て確認しながら、(再発防止に)取り組んでおります。研修についてもその都度やらせていただいていますし、様々な指針等の改定等もさせていただいています。

ただ、実際にこういうことが続いておりますので、改めて研修というものの実効性を高めるために、更なる工夫ができないか、関係の職員ともしっかりと議論して、取組を強化していく必要があると認識しております。今、こういう形でやるとはまだお伝えできませんが、そこはしっかりと考えていきたいと思います。

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教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
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