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教育長定例記者会見〔令和5年(2023年)1月19日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

本年も滋賀の教育の充実に向け、前向きな情報発信ができるように努めてまいりますので、報道機関の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

年が明けましても引き続き、新型コロナウイルス感染症の高止まりが続いております。また、インフルエンザも流行しており、学級閉鎖等をしているところがございます。受験生をはじめ、児童生徒の皆さんがしっかりと学びに取り組めるよう、学校関係者の皆様に注意喚起を図ってまいりたいと考えております。

それでは、配付資料を元に説明をさせていただきます。資料2ページから3ページにかけましては、令和5年の1月から2月の県教育委員会としての行事予定を掲載しております。後日、資料提供による詳細のお知らせなどを予定しておりますので、本日お集まりの報道各社の皆様には、取材等を通じて発信していただければ幸いに存じます。

本日は、話題提供2点を説明させていただきます。

資料の4ページをご覧ください。県立高校生徒の学習成果の発表の場となります「探究的な学習発表会」についてご紹介いたします。

この発表会は、令和元年度から開催しておりまして、今年度で4回目となります。ただ、令和2年度と3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響のため、オンライン研究発表で実施させていただきましたが、本年度は令和元年度と同様に、会場に集合していただきまして、ステージでの研究発表とポスターセッションの両方を行いたいと考えております。

県立高校では、「『学びの変革』拡充プロジェクト」に取り組んでおりまして、学びの質を一層高める授業改善を推進するとともに、生徒の「読み解く力」を育成し、自ら問いを見出し『探究する力』の育成を目指しております。

この発表会は、各高等学校で実践した探究的な学びの取組や、その成果を発表する機会として、探究的な学びを全県に普及することと、同じ年代の高校生の課題研究の発表を聞くことで、探究することの面白さや意義について考えるなど、生徒の学問的探究心を養うことを目的としております。

生徒は、自ら問いを立て、それぞれの課題に応じてフィールドワークによる調査や、地域と連携した課題解決など、主体的に学びを進め、答えを見出していきます。この学びは、探究的な見方・考え方を働かせ、よりよい課題解決を見出すとともに、自分の生き方を考え、自己のキャリアを形成していくことへとつながるものと考えております。

発表形式は、ステージで行う研究発表と、ポスターセッションになります。研究発表に7校、ポスターセッションに2校が参加します。発表校は資料にありますが、研究発表では伊香高校と日野高校が、ポスターセッションでは伊吹高校が、初めて参加していただくこととなります。

例えば、健康作りイベントなどの健康寿命を延ばすための取組について発表される水口東高校、近江鉄道日野駅での日野高カフェの取組の経験を生かし、福島県と新潟県をつなぐJR只見線沿線の地域振興に向けた提案について発表する日野高校など、7校がそれぞれ、各学校で実践した探究的な学びの取組や成果を発表します。高校生が自ら考え、いろいろ工夫しながら取り組んでおられますので、ぜひ発表をご覧いただければと思います。

ポスターセッションにつきましては2校が参加します。虎姫高校には国際バカロレアコースがございまして、3年生6名が、国際バカロレア・ディプロマ・プログラムにおいて取り組んだ探究の成果を、ポスターセッションで発表していただきます。

この発表会には、県内高校の出身で探究的な学びに取り組み、現在は大学等で研究に取り組んでおられる若手の研究者や大学院生から、指導や助言をいただき、最後は講評をいただきます。指導助言者につきましては、資料の5ページの下部に記載した3名の方にお願いしています。記者の皆様方には、生徒たちの学びの成果をぜひ取材していただいて、高校生の考えや取組について、県民の皆様にお伝えいただければ幸いでございます。

続きまして2点目でございます。資料の6ページをご覧ください。2月に開催いたします「読書バリアフリーフォーラム~誰もが読書を通じて豊かな人生を~」について紹介させていただきます。

県教育委員会では令和4年3月に「滋賀県読書バリアフリー計画」を策定いたしました。誰もが読書を楽しめる「読書バリアフリー」を県民の皆様に広く周知するため、2月9日(木曜日)午後1時15分から、草津市の滋賀県立障害者福祉センターでフォーラムを開催します。

第1部では東京パラリンピックの金メダリストであり、「しがスポーツ大使」でもある木村敬一選手に、ご自身の体験や読書についての思いをお話しいただきます。

木村選手のご活躍は、皆様もご存知の通りでございますが、本がお好きで自伝『闇を泳ぐ』も出版されていると聞いております。資料7ページのチラシの左下の木村選手のコメントにありますように、アスリートの自伝や外国を旅した紀行がお好きとのことで、「読書によって、好奇心も刺激されるので、次の目標を見つけやすくなる。読書と実体験を組み合わせて、これからも世界を広げていきたい。」とコメントをいただいております。今回のご講演についてお願いしたところ、ご快諾いただいたものでございます。

第2部では、木村選手を交えたトークセッションを実施いたします。木村選手の他に、本県の読書バリアフリー計画の策定に関わっていただきました、滋賀県手をつなぐ育成会理事長の﨑山美智子さんと、木村選手の地元である栗東市立図書館長の西村貴代美さんに参加いただきます。

会場は、木村選手も利用されていた県立障害者福祉センターでございます。当日、会場には、一般の活字の書籍は読みづらい方にも読みやすい本、例えば、点字図書や布絵本などを、実際に触れていただけるように展示したいと考えております。

なお、後日オンデマンド限定配信を予定しておりますので、多くの県民の皆さんにご参加、ご視聴いただきまして、障害のある方の読書環境、「読書バリアフリー」についてご理解いただく機会になればと思っております。

私からは以上でございます。

(京都新聞)

「探究的な学習発表会」については、一般の県民の方は、会場にいって見学できるでしょうか。

 

(高校教育課長)

保護者をはじめ、来ていただくことは可能です。参加者が多くなり過ぎると、会場の関係で制限させてもらうことがあります。基本的に保護者さんを含めて、広く見ていただこうと考えております。

 

(京都新聞)

「探究的な学習発表会」の開催について新聞で告知してもよいでしょうか。それとも広く募ることではないでしょうか。

 

(高校教育課長)

このような取組をしていることを、報道していただくと大変ありがたいです。

 

(京都新聞)

コロナについて、政府が春ぐらいから5類に位置づけを下げて、少し対策の緩和などが行われるという話があるようです。屋内でのマスクの着用は必要ないとなりそうな報道がありますが、現在、学校現場の教室内ではマスクを着用しているでしょうか。

 

(教育長)

現在、コロナとインフルエンザの両方が流行しているので、屋内の人が集まる場所においては、マスクの着用を勧めております。私が学校に行った際には、校内ではほとんどの子どもと先生方がマスクを着用している状況です。

少し気になることは、屋外でもマスクを着用している子どもがいることですが、今、インフルエンザも流行っているので、感染対策として取り組まなければならないとも思っております。場面に応じたマスクの着脱が大切と思っております。

 

(京都新聞)

政府の方針などで屋内のマスク着用は不要となれば、方針に従って対応していくのでしょうか。

 

(教育長)

学校の中だけでなく、県民の皆さんが普段の生活でどのような行動をとられるのか、感染状況はどうなのかを考えて、丁寧に対応していくことが必要と思っております。まだ仮定の話であり、どのような方針が出るか承知しておりませんので、はっきりしたことは言えませんが、皆さんが不安になりながらマスクを外すのではなく、皆さんが一定理解し、納得した上で対応をとることが大切だと思っております。

子どもたちの成長や健康、学びや人間関係づくりなどに与えるマスク着用の影響については、しっかりと考えていかなければならない時期にきていると思っております。

 

(京都新聞)

県教育委員会として、マスク着用のこの3年間の影響などを調べる予定などはありますか。

 

(教育長)

どういう調べ方をすればいいのかについて、文部科学省や厚生労働省でお考えになっていることもあると思いますので、その状況を見てみたいと思っております。

 

(京都新聞)

県の新年度予算が固まりつつある中、「うみのこ」事業の宿泊への移行について、検討状況はどうでしょうか。

 

(教育長)

「うみのこ」につきましては、昭和58年からスタートしており、令和5年で40周年を迎えます。子どもたちが1泊2日で琵琶湖について学び、様々な交流の取組を進めておりますが、日帰り航海だと活動が限定されるため、本来の1泊2日の航海が望ましいと考えております。予算については、1泊2日の航海ができる予算を要求させていただいており、来年度の準備を進めているところでございます。

ただ、コロナの状況を踏まえ、市町教育委員会、学校の先生方、そして子どもたちと保護者のご理解とご協力が必要であると認識しておりますので、今後、2月から3月にかけて、関係者の声をしっかりと聞きながら方針を決めたいと考えているところでございます。1泊で実施するとなると、準備が必要でございますので、4月の中頃の航海のスタートに間に合う形で、検討を進める必要があると認識しております。

 

(京都新聞)

前年度予算でも、宿泊する予算を組んでいたということですか。

 

(教育長)

令和2年、3年、4年において、1泊2日の予算を組ませていただき、準備をしておりましたが、結果的に日帰りとなりましたので、後で精算させていただきました。

 

(京都新聞)

1泊2日で実施するという方針は決まっていないということですか。

 

(教育長)

宿泊で実施できる予算を要求しておりますので、1泊2日の方向で今は考えております。最終的に1泊2日で実施するかどうかの決定は、3月から4月にかけてしていきたいと考えております。

(京都新聞)

決定に当たっては、5類への移行や国の方針も影響してくるのでしょうか。

 

(教育長)

この3年間、日帰りで実施してきたことについて、学校現場の思いや声をいくつか聞いております。そして、今のコロナの感染状況、重症化も含めて子どもたちにどういう影響を与えるのかなど様々な要素と、宿泊を伴うに当たっての留意点や工夫や対策などを併せて考えます。

5類への移行の影響については、情報が十分でないため、はっきりしたことは申し上げられませんが、1泊2日でできるような工夫をできる限り行ったうえで、最終判断をさせていただきたいと思っています。

 

(京都新聞)

去年、一昨年と比べて、実施しやすい環境が整ってきたという受け止めはありますか。

 

(教育長)

令和2年は、修学旅行などの校外活動について、かなり制限をかけてきました。令和3年もそういう状況があったと思います。令和4年からは、工夫をして様々な活動を進めていくべきという全体の流れになっていると学校現場から聞いています。小中学校の修学旅行では、行き先も含め、かなり工夫をしながら実施しておられると聞いております。

いろいろな活動に対する考え方を変えていく必要があるという社会の声をしっかりと受け止めて考えていきたいと思っています。ですから、昨年、一昨年とは、考え方を変えながら取り組む必要もあると思っております。

 

(中日新聞)

入試シーズンに入りまして、先日、私立中学の入試が行われました。倍率的にも志願者数が増えていると思われますが、どのようにお考えでしょうか。

 

(高校教育課長)

全国的に私立中学への志願者が増えている傾向あると言われており、滋賀県だけが特に増えていることはありません。特に大きな変化はなく、例年通りだと思います。

 

(教育長)

教育には、教育委員会が携わっている教育と、私立が担っていただいている教育があると思います。保護者の皆さんの経済的負担を減らすための様々な取組が進んできたことで、私立中学や高校に行くにあたってのご負担等が減ってきている状況があります。「私学でこういった学びを子どもにさせたい」、「私学でこういった学びをしたい」という保護者の方や子どもさんも増えることもあると思っております。

 

(中日新聞)

県立高校の魅力化が進められていますが、現状の課題や魅力化の必要性などをどのようにお考えでしょうか。

 

(教育長)

大学進学を目指す子どもが多くいる学校、工業、農業、商業などの職業系の学校、スポーツや音楽、美術など専門的な学びを行う学校など、45校の県立高校には様々な学校があります。99%を超える中学生が高校に行く今の状況では、その高校で学びたいと思う、全ての子どもたちが学べるような学校をつくることが一番大事だと思っています。高校ごとに特色化、魅力化を進め、子どもたちが学びたいと思う学校を選べるようにしていくことが、県教育委員会の役目だと思っております。子どもたちが選択できる学校づくりに取り組み、魅力化プランという形で情報を出して、広く県民、保護者の皆さんにもお伝えしたいと考えています。高校で学びたいと思う全ての子どもたちが、自分に合った学校で学べるようにすることが県教育委員会の役割だと思っております。

また、私立学校におかれては、それぞれの建学の精神に基づいて目指すべき役割を果たしていただいていることに対し、敬意を表するところでございます。

 

(中日新聞)

今後より議論が進んでいくことと思いますが、行きたい学校が離れた所にあって通学が難しいというような状況があると思いますが、その点について、どのように対応をお考えでしょうか。

 

(教育長)

滋賀県は琵琶湖が真ん中にあって、湖東、湖北、湖西、大津、湖南などと分けて呼ばれておりますが、現在作成中の魅力化プランでは、それぞれの地域で多くの子どもたちの学びの場を用意することが必要と意識しています。一定の圏域内で学びができることは必要と思う一方で、例えば音楽を学びたい場合は、石山高校音楽科しかございませんので、少し通学に時間をかけてでも来ていただかざるを得ない部分はございます。工業学科、農業学科、商業学科などは複数校ありますし、普通科については、今後様々な形の学校を用意しながら、できる限り一定の地域内で学べる学校づくりが大事だと考えています。ただ、滋賀県の子どもの数から考えると、例えば、音楽科を複数校つくるとなると、志望する生徒をどれだけ集められるかといった問題が出てくると思うので、十分考えながら取り組んでいく必要あると思います。普通科、職業学科については、それぞれの地域の事情と、学校が持っている伝統や歴史を踏まえながら考えていく必要があると思っています。地域の皆さんの学校への思いを大切にする必要があると認識しています。

 

(中日新聞)

普通科の特色化については、何年後から進めていく予定をされているのでしょうか。

 

(教育長)

予算の見積状況を公表させていただいたとおり、高校の普通科の特色化は一つのテーマになっております。要求させていただいた予算をお認めいただければ、具体にどういう特色を出すのか、学科等を作っていくのかを時間をかけて検討する必要があると思っています。来年以降、実際にいろいろな取組をしながら、ニーズをつかんで、研究や検討を進めていく必要があると考えております。彦根東高校のWorld Wide Learningや彦根工業高校のマイスター・ハイスクール、虎姫高校のバカロレアなど、既に動いている事業は、さらに進めていくことで、それぞれの学校の魅力を高めていきたいと考えています。

 

(中日新聞)

県内のコロナとインフルエンザの感染者数が増えている中、新たに学校現場に呼びかける対策は現段階で何かお考えですか。

 

(教育長)

新しいことではありませんが、マスクの着用や手洗いの徹底など、感染についての注意喚起を繰り返していくことになると思います。県教育委員会のホームページなどでも呼びかけていくことが引き続き必要だと認識しています。

(京都新聞)

特別支援学校において医療的ケアが必要な子どもが増えていると聞いています。県教育委員会にも届いていると思いますが、草津養護学校の保護者の方のご要望で、看護師さんがなかなか見つからない課題の改善を求めておられますが、新年度に対策はあるのでしょうか。

 

(教育長)

特別支援学校の看護師さんにつきましては、一定数の配置に必要な予算を要求させていただいています。しかし、養護学校で働く看護師さんを確保するところに課題があります。例えば、年度途中でご都合によりお辞めになる場合の、後の看護師さんの確保については、大きな課題と認識しております。次の人が見つからないと空白期間ができ、保護者の方や子どもたちに迷惑がかかりますので、しっかりと対応する必要があると認識しています。また、できる限り必要な予算を確保するように努めていきたいと考えています。

 

(京都新聞)

要望の中で、子どもの人数だけでなく重症度に応じてポイント化して配置人数を算出するなど、具体的な提案もされていますが、運用の工夫、改善についてはどうでしょうか。

 

(教育長)

医療的ケアの必要な子どもの様々な状況があると思いますので、現場の声を聞き、担当部局とも相談しながら、できる限り、必要とされるお子さんに必要な看護師さんが配置されるよう、引き続き取り組んでいきたいと思っております。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
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