(教育長)
皆さんおはようございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
お配りしました資料の2ページから3ページにかけまして、「11 月から12 月の広報事項」を掲載しています。後日、資料提供により、詳細なお知らせなどを予定しておりますので、本日お集まりの報道各社の皆様にも、取材等を通じて発信いただければ幸いに存じます。
まず1点目は、「第2回ICTを活用した学ぶ力向上推進会議の開催について」でございます。前面のスクリーンと、お手元の資料の4ページをご覧ください。
小中学校におきまして、1人1台端末の整備が進み、ICTを活用した学習が行われているところですが、活用が進むにつれ、情報モラル教育や、端末の持ち帰り等、新たに取り組むべき課題が明らかになってくるとともに、より効果的なICT機器の活用について、先生方によっての個人差を踏まえ、研究、開発の余地があるところです。
そこで、県教育委員会では、ICTを活用した学ぶ力向上の取組をさらに進めることを目的とした推進会議を開催いたします。この会議では、県と市町教育委員会のICT教育の担当者が、お互いに情報交換や協議等を通して、ICTを活用した教育を進めていく上での課題や、有効な手立てを共有しながら、子どもたち一人ひとりの学ぶ力の向上を目指します。
今年度は、計3回の開催を計画しておりまして、1回目は7月に行いました。そして、2回目となる12月の会議では、全国ICT教育首長協議会の特別顧問の毛利靖さんにご講演いただくとともに、グループ協議を通して、「個別最適な学び・協働的な学びのためのICTの活用」について先生方の理解を深めていただきます。今後も継続的に取り組むことで、先生方のスキルアップを促進し、子どもたちの学ぶ力の向上へつなげていきたいと考えております。ぜひ、取材等を通じて発信いただければ幸いです。
続いて、2点目「栗東高等学校『美術科第26期生卒業制作展』」についてご説明いたします。お手元の資料は、5ページとなります。
県立栗東高等学校は、昭和49年に普通科6クラスでスタートした学校です。「自主」「創造」「友愛」の校訓のもと、生徒一人ひとりがスポットを浴びる学校を目指し、授業や探究活動、学校行事や部活動など様々な活動を実施しています。中でも部活動は大変盛んで、先月行われた「とちぎ国体」では、馬術部の3年生が優勝するなど、運動部、文化部ともに毎年全国大会への出場を果たしています。
美術科は、平成7年に県内唯一の専門学科として設置されました。美術科生徒は、専門施設となる「美術科棟」で、専門科目を学びます。2年生からは、油彩画、彫刻、ビジュアルデザイン、クラフトデザインの中から、自分に合った専攻を選び、技術や知識の習得を目指していただいております。また、様々な展覧会やコンペティションに作品を出品したり、地域と連携した取組を進めたりして、学びを深めています。来年度、ビジュアルデザイン専攻では、JR草津駅とのコラボで「こどもきっぷ」のデザインの依頼を受けているところでございます。
今回ご紹介します、26回目を迎える今年度の卒業制作展は、本日16日(水曜日)から11月20日(日曜日)にかけて、栗東芸術文化会館さきらにて実施されます。この展覧会は、美術科生徒の3年間の集大成の場であり、個人作品や共同作品など、全64点の作品を展示します。
今回の卒業制作展では、サブタイトルを「ButterflyEffect」としています。これは、「小さな事象が因果関係の末に、大きな結果に繋がる」という考え方のことで、コロナ禍で大きく時代が揺らぐ中でも、個々に進化を加速させてきた美術科生徒を表しています。まだまだ羽ばたきとしては小さいですが、次代の表現を担うアート作品の数々をご覧いただき、生徒の思いを感じ取っていただければと思います。
本日は、栗東高等学校の松村校長先生に同席いただいております。校長先生から、ひと言お願いします。
(栗東高等学校長)
いつもお世話になっております。教育長から説明がございましたが、本日から本校の美術科卒業制作展が開催されます。この卒業制作展は、美術科の生徒の学びの総決算であると同時に、先輩の作品に後輩たちが学び、美術科の歴史を積み上げる大切な機会となっております。今年度に卒業する生徒たちは、コロナ禍でスタートが遅れた学年ではありますが、しっかりと取り組んでくれました。ぜひご覧いただき、県民の皆様にお知らせいただけると幸いでございます。どうぞよろしくお願いします。
(教育長)
報道各社の皆様には、ぜひ取材いただき、県民の方にお伝えいただきますようよろしくお願いします。
続いて3点目、お手元の資料の6ページをご覧ください。12月17日、18日に開催予定の「令和4年度全国中学校体育大会第30回全国中学校駅伝大会」についてご説明いたします。
大会は、「近江から夢と希望のたすきをつなげ」のスローガンのもと、希望が丘文化公園で実施されます。この大会は、平成28年度から6年連続で滋賀県で開催されており、令和7年度までの10年間、継続開催することとなっております。まだコロナ禍が続いておりますが、今年度の大会におきましても、感染拡大防止に努めながら、開催に向けて準備を進めております。
参加校は、全国47都道府県の代表中学校と開催地代表校1校で、男女各48チーム計96チームであり、816名の選手が参加します。本県からは、明後日11月18日に行わる予選会で、男女それぞれ1位のチームが県代表として、2位のチームが開催地代表として出場します。全国から厳しい予選を勝ち抜いて出場される皆さんと開催地代表の皆さんが、持てる力を精一杯発揮していただけるよう、滋賀県として準備に万全を期し、大会を成功に導きたいと考えております。
ここで、昨年度に開催いたしました第29回大会の様子をご覧いただきたいと思います。
<スライド映写約50秒>
全国的な中学校の駅伝大会が、この滋賀の地で開催されることは、非常に誇りに思っております。中学生の頑張りを取材いただき、県民の皆さんに広くお伝えいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
続きまして、4点目でございます。配付資料の8ページをご覧ください。12月に開催する「学びをつなぎ、ひろげるネットワークづくり研修会」について紹介します。
県教育委員会は、地域で生涯学習・社会教育に関わる人々が一堂に会し、先進的な事例や取組を学び交流する機会として、本研修会を開催します。各地域で活動されている社会教育の関係者が対面で交流する機会を設けることで、コロナ禍により休止していた様々な生涯学習事業が、より魅力ある形で再開できるよう、人的ネットワークづくりを目指すものです。12月21日に、県庁新館7階の大会議室で開催します。
この研修会では、県内の実践として、野洲市「生涯楽習(がくしゅう)カレッジ」の取組を紹介いただきます。事業の立ち上げ時から、今日までの苦労や成果、今後の見通しなどについてお話しいただきます。続いて、岐阜市の図書館複合施設「みんなの森ぎふメディアコスモス」の総合プロデューサーである吉成信夫さんにご講演をいただきます。「ハコモノは変えられる!子どものための公共施設改革」の著者でもある吉成さんは、平成27年に全国公募により、岐阜市立図書館長に就任され、令和2年より、ぎふメディアコスモスにおいて、「知の拠点」「絆の拠点」「文化の拠点」として、市民を繋げる活動を精力的に行っておられます。今回の研修会では、市民、住民の力で変わる、変わりうる公共空間について、これまでの実践をもとに講演いただきます。
研修会の後半では、参加者同士の情報交換を通じて、人的ネットワークを広げるためのワークショップを予定しています。「公共空間の中で新たに事業化したいことってどんなこと」をテーマに、参加者自身の実践や考えなどを交えて情報交換を進めます。
ぜひとも取材いただきたく思っておりますので、よろしくお願いします。
最後に、お手元の資料10ページをご覧ください。滋賀県立高等学校デジタルスクールガイドについてご説明します。
本県の県立高等学校では、国際バカロレアや大学との連携など、全ての県立高等学校がそれぞれに特色ある教育活動を行っていますが、学校ごとの特色が分かりにくいといったことや、普通科においては、自分の成績を基準に高等学校を選択していること、保護者等に正しい情報が伝わっていないことへの意見があります。このため、県教育委員会では、各高等学校の特色を中学生や保護者の皆さんに十分に理解していただいたうえで進路選択ができるよう、滋賀県立高等学校デジタルスクールガイドを作成しました。
このデジタルスクールガイドは、インターネット上で閲覧するデジタルパンフレットであり、各校の特色をスライドショーなどで分かりやすく紹介しているほか、各校のウェブサイトや紹介動画へもアクセスできます。学校ごとに作成している学校紹介ページを開くとスライドショーが再生されます。黄色くなっている箇所をタップすると、写真を拡大して見たり、リンク先へアクセスしたりすることができます。また、学校の所在地マップから各校のページへ飛ぶことも可能です。このほか、ページに付箋や印をつけるなど、様々な機能があります。お手元の資料の二次元コードからアクセスいただけます。受検を控えておられる中学生はもちろん、広く県民の方に、滋賀県の高校の魅力についてご理解いただきたいと思っておりますので、報道機関の皆様に記事等でご紹介いただきたく思っております。
私からの説明は以上です。本日もよろしくお願いいたします。
(京都新聞)
デジタルスクールガイドについてですが、紙のパンフレットを例年作っておられ、それをデジタル化したようなイメージでよろしいでしょうか。
(教育長)
紙のパンフレットについては引き続き各学校で作成し、入学説明会など配布しています。今回は初めて県教育委員会として、全ての学校についてまとめたデジタルのパンフレットを作成しました。
(京都新聞)
各校が作っておられる紙のパンフレットと今回のデジタルのパンフレットの内容は、同じでしょうか。それとも、デジタルならではのものでしょうか。
(魅力ある高校づくり推進室長)
各学校で作られている紙のパンフレットにつきましては、学校独自に作成していますが、今回のデジタルスクールガイドは、各校が一覧となって比較しやすいように、表示する項目を統一しております。記載されている説明や写真などは、学校から提供いただいて構成しています。
(読売新聞)
デジタルスクールガイドについて、普通科の魅力が伝わっていないとのことですが、生徒や保護者からご意見があったということですか。
(教育長)
工業高校や商業高校はイメージがわかりやすいですが、普通科高校では、どんな学びができるか、どんな特徴があるのかということを把握しづらいという声が保護者からあり、また、高校のあり方を検討している中で、様々な方から、中学生の皆さんに十分わかってもらえていないとご意見がありました。情報発信が非常に大事と考え、今回、作成いたしました。
(京都新聞)
新型コロナウイルス感染症が第8波に入ってきたと、三日月知事が認識を示されていますが、感染者が増えてきたときの教育現場の対応で想定されていることを教えていただけますでしょうか。
(教育長)
感染者数が増えてきていることは非常に危惧しております。多数の陽性者が出たクラスなどは、必要に応じて休みなどもしなければなりませんが、感染対策をしっかりとりながら、学びや学校活動を続けていくことを基本にしております。今後、第8波と言われているもののレベルがどのくらいまで高まっていくか、拡大するのかによって、その時に応じて必要な判断をしなければなりません。今のところ地域の感染レベルは「レベル1」という状況ですので、感染対策を徹底した上で、必要な授業や学校活動を進めていきたいと思っています。
(京都新聞)
そのレベルを引き上げることは視野に入ってくるのでしょうか。
(教育長)
今のところ、「レベル2」に引き上げることは考えておりません。
(京都新聞)
第8波の感染がどれくらいになるかわかりませんが、第7波の様に感染者が1,000人単位で出た場合はどうでしょうか。
(教育長)
教育委員会による学校活動におけるレベル、県全体でのレベルについても、必要に応じて検討することになると思います。状況をしっかり踏まえた上で、関係者のご意見を聞きながら必要な対応を考えていきたいと思っています。今は、そこまで具体に進んでいるわけではございません。
(京都新聞)
学校活動におけるレベルと、県の感染状況のレベルとの連動について把握していなですが、第7波の時は少しずれて、県のレベル設定より、学校活動の対策レベルが早く下げられていたと記憶しています。2つのレベルは、連動しているのか、今後はその県のレベル設定との連動をどう考えていくかということについてはどうですか。
(教育長)
100%連動するものではないと思っています。県のレベルは、医療体制への負荷を判断基準として重く持たれているように聞いております。学校活動のレベルは、感染拡大によって、様々な学校活動にどう影響を及ぼすかどうかという視点を持たなければなりません。関係部局等と連携しながら考えていくことになります。ただ、全く独立しているわけではございません。保護者や子ども、教員向けのメッセージとなりますので、総合的に見て判断していきたいと思います。
(京都新聞)
来年度の「うみのこ」について、宿泊の活動を復活させることは、今議論が進んでいるところでしょうか。
(教育長)
「うみのこ」につきましては、令和元年までは1泊2日で実施をしてきましたが、令和2年以降3年続けて日帰りで事業を継続しております。今後、コロナウイルスの感染状況とともに、宿泊を伴うことへの影響も考えなければなりません。
私としては、交流や体験ができる「うみのこ」の取組は非常に大切と思っていますので、できる限り1泊2日で実施できるように検討を進めたいと思います。ただ、感染症に対する子ども、保護者、小学校現場の思いがあると思いますので、そういったお声をしっかり聞きながら判断をしていきたいと思います。
(京都新聞)
宿泊再開の方向で検討をし、1泊2日でできる形で準備を進めているということですね。
(教育長)
はい。準備をしておかないと1泊2日の航海ができませんので、その準備を進めているということでございます。航海スタートに間に合うことと、小学校現場に迷惑がかからない範囲で、実施について判断する必要があります。
(京都新聞)
年度単位での判断ということは、年度の途中の変更はないということですか。
(教育長)
県内の220余りある小学校と特別支援学校の小学部などの全ての5年生に参加いただいています。年度途中に変更すると、日帰りでしか行けなかった子どもと、1泊2日で行けた子どもが出てきますので、年度途中の変更は予定しておりません。
(読売新聞)
令和2年度から4年度にかけて宿泊は中止になったわけですが、これまでも宿泊できる準備をこの時期にしていたのか。もしくは、今までは宿泊できる準備をしなかったけれど、今回初めて来年度に宿泊できるように準備を進めるということでしょうか。
(教育長)
令和2年度から令和4年度についても、宿泊できるように前年度から準備を進めておりました。
(京都新聞)
10月末に文科省から発表がありました問題行動、不登校の調査について、過去最多を更新したということだったと思いますが、不登校の生徒が増えていることや、いじめの件数が増えていることについての受け止めや感想があれば教えてください。
(教育長)
いじめを受けている子どもたちが多数いるということや、学校に行けていない子どもが増えているということについて、県教育長として非常に重く受けとめております。いじめが発生したときに、被害者の子どもたちに寄り添って対応することや、不登校の子どもたちの学びの場を確保することも大切ですが、いじめや不登校に至らない対応を重点的にし、発生を減らすようにしなければならないと思っております。予防的な取組を充実させるために、小中学校、高等学校、特別支援学校の現場の先生方と一緒に学校づくりを進めていくことが大切だと思っております。
(京都新聞)
不登校の増加については、学校に行くこと以外の選択肢が増えてきているという分析だったと思います。いじめの増加については、早期発見によって増えていると前向きに捉えておられると思いますが、いつまでも発生件数が増えていくのはよくないのではないですか。
(教育長)
いじめについては、言葉や暴力など様々な形態があると思います。いじめに当たる行為やいじめに繋がる行為を児童生徒に理解してもらうために、事案が起きたときに注意などの対応を早めにすることが大切と思っています。また、子どもの命に関わる事案や不登校に繋がる事案、重大な事案にならないように、早い段階で対応をしていくということは、子どもたちの生命や学ぶ機会の保障の観点から大事です。
しかし、早期発見ということで、いつまでも増え続けてよいとは思っておりません。子どもたち自身がいじめをなくしていこうと認識し、先生方がそれをサポートしていくことで、いじめのない安全な学校、安心して通える学校づくりを進めることが大切と思っています。毎年、「今年度から減少に繋がるように」という気持ちをもって、しっかりと取り組まなければならないと思っています。3年後に減少すればよいという問題ではないと思っています。