(教育長)
皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
去る7月13日に滋賀県教育委員会事務局の職員が強制わいせつ事件の被疑者として逮捕されるという事案が発生しました。
今回、このような事案が起こったことは誠に遺憾であり、子どもたちや保護者の皆様をはじめ、県民の皆様の教育に対する信頼を損なうものであると大変重く受けとめております。現在、警察において捜査中でありますので、その状況をみたうえで、厳正に対処してまいる所存でございます。
今回このような事態が発生したことにつきまして、滋賀県の教育委員会を代表する者として、深くお詫びを申し上げます。
それでは、本日の資料に基づきまして説明いたします。配布資料2ページからは、7月から8月にかけての県教育委員会の広報事項をお知らせしています。後日、資料提供による詳細のお知らせなども予定しておりますので、ぜひ、取材等を通じて発信いただければ幸いでございます。
なお、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大しており、掲載している行事が中止・延期になる可能性もありますので、取材の際は、事前にお問い合わせください。
それでは、話題提供を3件お伝えさせていただきます。
まず1点目は、「令和4年度 第3回ふれあい教育対談 高校生と県教育委員の座談会」についてご説明します。
「ふれあい教育対談」とは、県教育委員が、直接、学校や教育関係機関、社会教育施設等を訪問し、教育活動の現場や教育環境を視察するとともに、教職員等関係者との対談をとおして地域の教育事情を把握し、本県教育の振興に生かすことを目的に実施しています。本年度は、すでに2回実施しており、県立彦根東高等学校や、愛荘町立愛知川小学校、豊郷町立豊日中学校を訪問し、「学ぶ力」の育成の取組や学校の魅力化について対談をしております。
今回のふれあい教育対談は、子どもの意見を聴き、子どもとともに創る教育施策を目指しまして、県内の現役高校生と県教育委員とが対談を行う機会を企画しました。対談テーマを、「一緒に語ろう!創ろう!明日の学校!」として、生徒の皆さんが、これまでの学校生活を通して感じた課題や困りごとであるとか、「こうなったらもっとよい学校生活が送れる。」「こんなふうにすれば、もっと学習意欲が高まる。」など、現役高校生の、生の声を聴かせていただきたいと考えております。
実施日は、8月24日(水曜日)で、県庁に高校生たちにお越しいただき、対面形式で行う予定をしています。参加いただく高校生は10名程度で、現在調整中ですが、普通科や商業学科、総合学科など多くの学科や、県内各地から来ていただけるように申し込みを受けているところです。
子どもたちの学ぶ力の育成の方向性や、これからの本県の教育政策の基本的な方向性について考える機会にしたいと考えております。現役高校生が滋賀の教育について考え、語る、このふれあい教育対談を、報道各社の皆様には、ぜひ取材いただきたく存じます。どうぞよろしくお願いします。
次は、令和3年度に続きまして2回目となります「しが生徒会オンライン交流会」について紹介します。
8月9日(火曜日)に、県内14市町、23中学校の生徒会をオンラインで結び、WEB交流会を行います。今年度からの新規参加校は13校、中学生の参加予定人数は約130人となります。ICTの活用によりまして、コロナ禍ではありますが、高校生や担当教員、県・市町教育委員会の担当者等も含めまして、180人規模で実施します。
今年度は、学校におけるCO2ネットゼロ推進事業を兼ねて「わたしがやります!学校CO2ネットゼロ取組コンクール」の参加校が、話題提供をします。また、昨年度の参加校の中から、交流会後に実施したことを紹介し、話題提供します。グループ協議では、これらの話題を交流のきっかけとし、5つのグループに分かれて協議します。自分たちの活動を見つめなおしたり、学校をよりよくするための具体的な活動目標を考えたりすることを期待しています。
講師の文部科学省初等中等教育局 安部 恭子視学官には、生徒に向けてのメッセージをいただくだけでなく、生徒同士の交流会後に教員や教育委員会にむけて御講話、御助言をいただきます。
このような取組を通じて、主権者意識を育むためには、大人がどのように活動を支えていくのかも重要となります。交流会の参加者すべてが、将来的に、滋賀県をよりよくしようとする意識が高まることを期待しています。ぜひ、中学生の様子を取材していただいて、県民の皆様にお伝えいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
そして3点目でございますが、第16期となります滋賀の教師塾の入塾者の募集についてお話しさせていただきます。
『滋賀の教師塾』とは、令和6年度滋賀県公立学校教員採用試験を受験予定の人を対象とし、「教師になる」という高い志と、情熱、行動力あふれる塾生が、大学での学びを基盤に、県内教員の教育実践や、様々な教育活動に触れることを通して、教師に求められる資質・能力に磨きをかける場であります。また、『滋賀で教員になる』という思いを確かなものにする場であります。
『滋賀の教師塾』での学びは、「必修講座」、「学校実地体験」、「選択講座」 の3つの柱で構成されています。「必修講座」では、教職員の職責や学級づくり等に係る講義や演習を受けたり、模擬授業を行ったりするなど、学校現場で役立つ実践的な学びをします。「学校実地体験」では、教育実習とは違った形で児童生徒への指導や教員の仕事の実際を体感します。「選択講座」では、県内で行われる様々な教育活動に参加するなどして、教育への見識を広げます。
昨年度、第15期の講座では、「求められる教師像」「めざす教師像」をキーワードとした講義を聞いたり、先輩教員の学級づくり方法を学んだりしました。また、自分の考えを表現する方法について学んだり、模擬授業を行ったりしました。
『滋賀の教師塾』の魅力について、1つ目は、教師としての基礎的・基本的な知識や技能の習得に向けて、多くのきっかけや機会を提供できることです。2つ目は、「滋賀の教育」を見る・知ることができることです。大学での学びとは違った視点で、自分の思いに沿って、滋賀の教育に触れる機会を提供します。3つ目は、教員採用試験に向けて、現在、滋賀の教育を担っている方々を講師に迎えて、話を聞いたり、指導を受けたりできます。4つ目は、仲間との出会いです。例年、『滋賀の教師塾』には、いろんな大学から入塾します。いつもの大学、メンバーではない仲間と学び合う、高め合うことができます。
入塾者の募集は、7月1日から8月31日までとなっております。滋賀の教員を目指す多くの皆さんが入塾されることを願っておりますので、記者の皆様には、この取組を、ぜひ発信いただきたいと思います。『滋賀の教師塾』での学びを生かし、一人でも多くの方が、滋賀の教員として活躍されることを応援していきたいと考えております。
(京都新聞)
滋賀の教師塾について、今回、第16期ということで、塾に入られる方の人数や応募される方の状況など傾向はありますか。
(教育長)
当初は100人程度でスタートし、その後は200人を募集人員として実施しています年によって多少はありますが、約200人の方に学んでいただいているという状況です。
(京都新聞)
200人の塾生の方で、滋賀県の採用試験を受けられることは、どれぐらいいらっしゃいますか。
(教育長)
『滋賀の教師塾』に来られることからも、滋賀で教師になりたいと思っておられる方は多く、結構な数の方に受けていただいております。過去に塾生であって、講師をしながら続けて採用試験を受けておられる方もおられます。一昨年ですと、教員採用試験の受験者全体約1,800人中、約320人の塾を修了した方が試験を受けておられます。
(京都新聞)
受験者のうち、6分の1ぐらいが塾生だったということですね。採用試験に合格される方で、過去に塾で学んでらっしゃった方も、同じぐらいいらっしゃるんでしょうか。
(教育長)
14期までで、2,283人が卒塾され、うち1,582人、約7割の方が、滋賀県で先生になっていただいており、多くの塾生となります。14年前からとなりますので、中堅クラスとして活躍いただいている先生も多いと聞いております。
(共同通信)
『滋賀の教師塾』は、無料ですか。
(教職員課長)
2つのコースがございまして、新卒の方についてはスタンダードコースで15,000円、講師経験がある方はアドバンスコースで、7,000円となります。
(共同通信)
卒塾された方のうちの約7割が滋賀で採用されているとうことですが、卒塾された方とそうでない方では、何かが違う等、塾の効果について数字で表せるものありますか。
(教育長)
受講料を払って学びたいという意識の高い方に入塾していただいておりますので、滋賀県で先生になろう、実践的な学びを早い段階からして教師になろうと思っておられることと思います。また、滋賀の教育の現状を理解いただきますので、滋賀で教員をするのに役立っていると思っております。
(共同通信)
このようなものは、全国的にやっておられる取組でしょうか。
(教育長)
複数の県、政令指定都市で、こういった教師塾のような教師養成講座を実施されておられます。近隣では、京都府、奈良県で実施しておられます。
(京都新聞)
冒頭に教育長がお詫びをされた幼小中教育課の職員が児童にわいせつな行為をしたとして逮捕された件に関連してお尋ねします。まだ捜査段階であり、また、逮捕されたご本人が否認されている状況ですが、被害に遭った子どもさんのことを考えるといたたまれない気持ちになるのは教育長も同じであると思います。どうしてこのようなことが起こったのかお尋ねしたいと思います。逮捕時の所属は、幼小中教育課ですが、この春に小学校から異動されたと聞いていますが、この異動の理由は事件と関連はありますか。
(教育長)
教員は一定年数を勤務しておられると次の職場に異動することがございます。市町の小・中学校から県教育委員会に来ていただくこともございまして、通常の人事異動の中で行われたものと認識しております。
(京都新聞)
事件とは直接の関係はないという理解でよろしいでしょうか。
(教育長)
事件との関連性については全く存じ上げておりません。
(京都新聞)
この方の普段の勤務態度などはどうであったか教えていただけますか。
(教育長)
一昨日逮捕されたところで、この方の状況について充分に調査や確認ができておりません。冒頭申し上げましたように、まずは警察の捜査状況をみた上で、県として様々な調査、確認をしていきたいと思っています。
(京都新聞)
学校の先生も含めて、こういったわいせつ事案に至らないように普段の研修等はされていましたでしょうか。
(教育長)
教職員の児童生徒に対するわいせつ等の行為、併せて先生方同士のセクシャルハラスメント等については、普段から研修等を実施してきました。ただ、こういった事案が発生したという事実については重く受けとめ、改めて研修や注意喚起の仕方について、学校現場、また市町の教育委員会と思いを一つにして、こういったことが起こらない取組を更に充実させていく必要があると認識しております。
(京都新聞)
逮捕容疑にある膝の上に乗せて、背後からその上半身を触るという行為は、どのような場面で行為があったのかとか、どうして触ったのかなどはどうでしょうか。
(教育長)
今回、逮捕になったこの事案の具体的な内容については、私共はまだ承知をしておりませんので、ご質問に答えられるものを持ち合わせていない状況でございます。
(京都新聞)
子どもを膝の上に座らせて指導や注意をするなど、そういったことは有り得るのでしょうか。
(幼小中教育課長)
基本的には、そういった形での指導はないかと思います。特に、児童が衝動的に行動をする状況にあり本人に危害が加わるような危険性のある場合には、包み込むようにして、怪我をしないように制止することがあるかもしれません。そのような場合でも、基本的には、対面で話をし、安全が保障される適切な場所で複数の教員で対応することが一般的な方法であると思っております。