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教育長定例記者会見〔令和4年(2022年)6月15日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

近畿地方も梅雨に入り、気温が高くなってきて、学校現場では熱中症が心配される時季となってまいりました。

学校でのマスクの着用については、マスクが不要な場面、必要な場面について、これまでから通知しておりますが、今後、気温や湿度等がさらに高くなり、熱中症のリスクが一層高まりますことから、改めて6月10日付けで、熱中症対策を意識したメリハリのあるマスクの取扱いの徹底を通知したところです。

併せて、電子版「教育しが」や県教育委員会のホームページなどを通して発信しております。

学校現場においては、体育の授業、運動部活動の活動中、登下校時において、熱中症のリスクを高め、命に関わる重大な問題となる危険性を、子どもたちが理解したうえで、マスクを外す必要があることを指導しているところです。

子どもたちには、基本的な感染対策としてのマスクの重要性は変わらないものの、熱中症の危険性を認識したうえで適切なマスクの着脱に努めてほしいと考えています。

現在、学校においては、感染防止の取組とともに、様々な工夫をしながら教育活動の充実を進めています。子どもたち自身が場面に応じて適切に行動できるように、丁寧な指導に努めるとともに、各地域の感染状況に応じて、可能な限り、学びを保障し、学校教育活動を進めてまいります。

 

もう一点、令和4年に100周年を迎えたJRC青少年赤十字活動について触れさせていただきたいと思います。

大正11年(1922年)に現在の守山市立守山小学校で、わが国最初の青少年赤十字が誕生しました。青少年赤十字は、「気づき・考え・実行する」の態度目標を理念とし、やさしさや思いやりといった豊かな心を持った子どもの育成を目的として、実践的な取組を脈々と積み重ねてこられました。今年、100周年を迎えるにあたり、7月29日に守山市民ホールにて、日本赤十字滋賀県支部、滋賀県青少年赤十字指導者協議会主催の創設100周年記念大会が、11月1日には守山市立守山小学校で研究発表大会が行われますので、報道各社の皆様におかれましても、ぜひご取材いただければと考えております

 

それでは、本日の資料に基づきまして説明をいたします。配布資料2ページには、6月から7月にかけての県教育委員会の広報事項をお知らせしています。

 

本日は話題提供を3件お伝えいたします。

まず1件目でございますが、FMひがしおうみと連携した学校を紹介する活動となります、八日市高等学校と八日市南高等学校の『はいすくーるラジオ★生出演』について、ご紹介させていただきます。

八日市高等学校は、明治40年に当時の神崎郡立神崎実業学校として開校し、今年で創立114年を迎える学校です。「自彊不息(じきょうやまず)」と「自主協同」という校訓のもと、協働的な学びや地域との連携に力を入れ、国や地域の発展および人々の幸福に寄与する人材の育成を目指しています。

八日市南高等学校は、令和6年に50周年を迎える、農業教育を通じて地域に根差した学びを進める農業学科の学校です。農業科、食品科、花緑デザイン科の3つのコースがあり、特色ある体験学習を通して、「職業教育を通して、社会で活躍できる良識ある人材の育成」を目指しています。

今回、スタートした取組は、地元、近江鉄道 八日市駅構内にある、「FMひがしおうみ」“ラジオスィート”に、八日市高等学校と八日市南高等学校の生徒が出演し、生徒会活動や部活動の様子などの学校生活を地域に向けて発信するものです。

第1回の放送は、5月25日(水曜日)に行われ、生徒会執行部員が出演し、7月に行われる、八日市高等学校の学園祭「棠楓祭(とうふうさい)」についての取組を紹介しました。特に今年度は、3年生の模擬店において、地元のカフェや飲食店8店舗にご協力いただき、コラボレーション企画をすることもお伝えしました。

八日市高等学校生は、今後、月に1回ずつ、令和5年3月まで出演する予定です。今後の放送では各部活動の部員が順番に、学校の様子などを紹介する予定です。地元の皆さんに、八日市高等学校生のリアルな姿をお届けできればと思っています。また、明日、6月16日(木曜日)には、八日市南高等学校の地域支援活動部の生徒たちが出演する予定です。

生徒たちは番組への出演を機に、主体的に“発信する”ことが探究的な学びにつながると実感してくれたようです。また、この取組を通して、多くの生徒たちが地元とのつながりを実感し、地域への関心も深まりました。自分たちが地域に支えられて活動できていることを知る機会とし、地域に貢献しようとする姿勢を育成したいと思います。

今後、日頃の学習においても探究的な姿勢を育み、学校全体での「協働的な学び」を深め、地域とも連携しながら、自ら課題を発見し、解決に向けて粘り強く取り組む人材の育成を目指します。

 

続いて2件目でございます。お手元の資料の4ページをご覧ください。7月23日(土曜日)に開催します県立盲学校における「まるわかり盲学校」について紹介します。

「まるわかり盲学校」とは、視覚障害者に関する理解の促進、地域への盲学校のPRを目的に開催する体験型イベントです。「あなたは、今、何を見ていますか」「この夏、新しい世界を体験してみよう」をテーマに、視覚障害に関するスポーツ・生活・教育・理療の4つの体験プログラムを用意して地域の方をお迎えします。

体験プログラムの内容としましては、スポーツでは、パラリンピックの種目でもあるゴールボールの体験。生活では、盲導犬体験や視覚障害がある方の見え方の体験。教育では、点字の体験や立体コピーを使った学習の体験。理療では、盲学校の特色である理療科にちなみ、あんま・マッサージについて学ぶ体験があります。また、当日は、盲学校の資料室の見学や視覚障害者支援グッズの展示も行います。

本日は、県立盲学校の福田校長に同席いただいておりますので、校長先生からも、ひと言いただきたいと思います。

(県立盲学校長)

失礼します。よろしくお願いいたします。

視覚障害児・者には、全盲の方や、視野が狭い、もやがかかったように見える、中心がぼやける等の弱視といった方がおられ、視覚による情報収集ができない、あるいはできにくい方がいます。そのような視覚障害のある幼児・児童・生徒が学んでおられる学校が、彦根市にあります盲学校です。

今回ご紹介します『まるわかり盲学校』では、4つのコースを用意しています。1つ目は、ゴールボールです。3人対3人の対戦形式で、鈴が入った1.25kgのボールを相手の幅9m×高さ1.3mのゴールに入れる競技を体験していただきます。2つ目は、視覚障害の方の見え方の体験です。視野狭窄や中心がぼやけたりする体験ができるメガネを使用して、見えにくい状態での生活を体験していただきます。3つ目は、点字です。6個の点を組み合わせた文字で、50音、拗音、濁音、長音、数字、アルファベットを表現します。文字空けや分かち書き等の規則もあります。実際に点字で文章を書いていただくプログラムです。4つ目は、ヒトの全身に存在する360余りの経穴(ツボ)を刺激することで、体調をコントロールしたり、リラックスしたりできるあん摩マッサージについて、クイズを交えながら学んでいただきます。

令和2、3年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止していましたが、今年度は感染予防を行ないながら、7月23日(土曜日)に実施いたします。どうぞよろしくお願いします。

 

(教育長)

ご説明ありがとうございました。このイベントにつきましては、小学4年生以上を対象としており、小学生のお子様にとっては、夏休みの自由研究の題材にもなると思います。共生社会の実現に向けて、視覚障害者の世界を、多くの方に体験いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

それでは、3件目でございます。7月に開催いたします「子ども読書ボランティア研修会」について紹介させていただきます。配布資料の7ページをご覧ください。

県教育委員会では、発達段階に応じた読書活動を通して、親子が思いを伝え合い、コミュニケーションを図る取組として、令和元年度より、「おうちで読書」の取組を、読書ボランティアや市町の図書館の方々のご協力を得て進めて参りました。県が主体となった取組は昨年度で終了しましたが、今年度は、各地域の取組への支援として、読書ボランティアの方々を対象とする研修会を開催いたします。

県教育委員会では今年度から、「図書館を生かしたまちづくり」として、図書館の機能強化とともに、「市町図書館等における活力ある地域づくりにつながる学びの支援」にも取り組んでおり、この研修会はその一環として位置づけ、実施するものでもございます。

年2回の開催を予定しており、1回目となる今回は7月11日(月曜日)に長浜まちづくりセンターにて開催いたします。長浜市立図書館等との複合施設である会場をお借りし、“絵(え)の本(ほん)あれこれ研究家”の加藤啓子(かとうけいこ)さんを講師にお招きし、「子どもが主役になる本との出会いの場づくり」と題し、お話しいただきます。

加藤さんは、関西を中心に学校やショッピングモール、障害者施設、放課後デイサービス等、様々な場所で「絵(え)の本(ほん)ひろば」を開催しておられ、“ささやき読み”、“じらし読み”、“こだま読み”など、一般的な“読み聞かせ”とはちょっと違った楽しみ方も教えていただけると聞いております。

また、県内で学校や地域と連携した子どもの読書活動に取り組んでおられるボランティアの方から、活動の様子を紹介いただき、相互に情報交換も行います。

今までもボランティア対象の研修会は実施しておりましたが、今年度は、相互に交流する機会を設け、市町の会場をお借りすることにより、新たなつながりや場づくりの機会となることや、学びの成果を社会に生かす取組として展開していくことを目指して開催するものです。

定員にはまだ余裕がございますので、是非とも広くご案内いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

私からの話題提供は以上でございます。

よろしくお願いいたします。

 

(中日新聞)

「まるわかり盲学校」に関連してですが、盲学校には、何年生から在籍されているのか教えていただきたいです。

 

(県立盲学校長)

学校の紹介になりますが、今年度で創立110年の歴史がございます。場所は彦根市の南彦根駅の近くの住宅街にございます。幼稚園児から小学生、中学生、高校生が在籍しています。また、専攻科を置いており、中途障害で視覚障害となられた60代の方が在籍されて、理療の勉強をされています。幼児・児童・生徒の人数は、合計22名です。

 

(京都新聞)

マスクについてお尋ねします。教育長は、先ほど「マスクをつけなくてもよい。」「外す必要がある。」「外した方が安全だ。」といろんな表現をしてご説明されました。温度差が少しずつ違うかと思いますが、これは具体的な場面によって使い分けておられるのか、今回の熱中症予防のためにより強いメッセージを発しようとのご趣旨なのか教えていただけますか。

 

(教育長)

他府県で、体育や外での活動でマスクを着用して熱中症になられたという児童生徒がいる現状を見て、滋賀でもそういったことがいつ起こるかもしれませんので、暑いときや外にいるときなどはマスクを着けない方が安全という意味で申し上げました。

本日の午後に予定されている県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議でも話が出ると思いますが、一般的に2mと言われる一定の距離が取れるところで、静かにしている場合は、特に屋外であればマスクを着けなくても大丈夫とされています。体育や運動の部活動では、激しい運動をすることもありますので、マスクを着けて運動する危険の方が大きいので、外してもよいということが私の思いです。そして、子どもたちに理解してもらい、マスクを外すことが大切であると思っています。

新型コロナウイルス感染症が出てきて2年あまりが経過しました。発生時はわからないところもあったので、多くの方がマスクをして、子どもたちにもマスクの着用を促していました。ウイルス株が変異していく中、実際の感染経路や重症度合いなど様々なことを考え、他のリスクとの兼ね合いを考えていく必要があると強く思います。

ただ、社会の状況を見ていますと、日本ではマスク着用が日常になっている部分があると思います。その中で、無理にマスクを外させるとは思っておらず、ご理解の上、外してもいい時は外すというように、メリハリのついたマスク着用が大切だと思っています。

 

(京都新聞)

確認ですけれども、場面によって表現を変えたというわけではなく、季節がら、より強いメッセージを発しようということでよろしいですか。

 

(教育長)

はい。

(中日新聞)

マスクに関連して教えていただきたいのですが、県内の学校で、マスク着用によって、熱中症で救急搬送された事例はすでにございますか。

 

(保健体育課長)

マスクをしていて熱中症になったという報告は、今のところ受けておりません。

 

(朝日新聞)

コロナ禍のこの2年間、修学旅行がないなど、特殊な環境で学校生活を送られていると思います。昨年、県教育委員会から出た資料で、不登校の児童生徒が、小学校、中学校も過去最多の数として出ていると思います。具体的な対策は、市町教育委員会になると思いますが、県教委として、どういう役割をするのかお伺いしたい。

 

(教育長)

不登校の児童生徒が増えていることは、非常に大きい課題であると感じています。小学校、中学校、高等学校でそれぞれ不登校になる要因は、人によって違うと思っております。何となく行きづらく感じて行けない場合や、集団の中で学ぶことを苦手と感じておられる場合、家庭の中で課題を抱えておられることで学校に行きづらい場合もあると思います。

県教育委員会としては、心に悩みを持ったり、不安に思ったりする子どもに対しては、市町教育委員会と協力しながら、スクールカウンセラーの方を派遣して、その子どもの悩みを聞き、解決して学びに参加できるようにしています。家庭環境に課題がある場合は、スクールソーシャルワーカーの方を派遣して、社会福祉の視点から、子どもが学びに参加できるようサポートをしていくことが大事と思っています。特に高校の場合、生徒の居住地がいろいろな市町となりますので、県と市町との連携が重要と思っております。

市町とは、福祉と教育に関わる連携の取組を始めておりまして、17の市町と連携協定を結び、情報交換して子どもたちの学びについて考えています。今後、より実効性の高いものになるように努めていくことが大事だと思っています。

また、校種や子どもによってそれぞれ状況が違うため、一人ひとりに応じた対応を、県教育委員会として何ができるのか、市町とも連携して進めていかなければならないと思っています。学校で集団の中では学びづらい子どもの場合、無理に学校に来ても学びに繋がらないことがありますので、場合によっては、学校の別室で学んでいただいたり、オンラインで学んでいただいたり、フリースクールで学んでいただいたりと、多様な学びの機会が設けられることが非常に大切であると思っています。教育の機会を確保するという理念のもと、取組を進めていきたいと考えております。

この点につきましては、第1回の総合教育会議でも“困難な環境にある子どもの学びへの支援”というテーマで議論をさせていただきました。議論をもとに、今後、取組をさらに進めるよう検討していきたいと思っています。

 

(朝日新聞)

市町と連携する取組とは、具体的にはどういったものでしょうか。今年度から始まったものですか。

 

(生徒指導・いじめ対策支援室)

県と市町の連携協定に関しましては、昨年度、14市町とスタートして、さらに3市町が加わり、現在17市町と運用しているところでございます。

主に4点の対象児童生徒について規定しております。1点目は、不登校および別室登校、放課後登校などの不登校傾向のある者、2点目は、発達障害等、特別な支援を必要とする者、3点目は、中途退学および転学などが心配される者、4点目は、その他、ヤングケアラーなど、児童生徒の健全育成および将来の社会的自立のために連携が必要と認められる者としています。昨年度のデータでは、全体の半分弱の高等学校が、この協定に基づいて各市町と連携をしているという実績も残っております。

 

(教育長)

特に滋賀県では、高校生の不登校の比率が高いことから、解決に向けて取組を始めたものでございます。小中学校については、市町の取組とともに、県としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置してサポートに取り組んでいますが、主として高校段階で、不登校等の課題のある子どもへの支援に当たって、連携を図ろうとする取組でございます。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:[email protected]
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