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教育長定例記者会見〔令和3年(2021年) 5月21日〕

配布資料

概要

(教育長)

皆さんおはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

梅雨入りしまして、天気が悪い日が続いており、今日も大雨でございますが、よろしくお願いいたします。

まず私からお話をさせていただきます。お配りしております資料の2ページから3ページにかけましては、5月から6月の教育委員会の広報事項でございます。別途、資料提供もさせていただきます。本日お集まりの皆様方には、ぜひ、県民の皆様へ取材等を通じて発信いただければ幸いでございます。

なお、新型コロナウイルス感染症の状況で、場合によっては、行事が中止・延期となる可能性もございますので、事前のお問合せ等で御確認いただきますようよろしくお願いいたします。

それでは本日の話題提供は1点でございます。資料の4ページから5ページを御覧いただきたいと思います。

教育委員会では、人生100年時代において、一人ひとりの学びを深めていただき、地域づくり、また、人材育成などの地域課題の解決につなげていけるように、生涯学習推進の取組を進めているところでございます。特に、昨年から引き続き、新型コロナウイルス感染症が拡大している影響で、人と人とのつながりというのが希薄になっている現状がございますので、県教育委員会といたしましても、生涯学習からのアプローチとして、地域のつながりの再構築に取り組んでまいりたいと考えております。

その一つとして、地域における学びとその成果を生かした、活躍の好循環の実現を目指しまして、人生100年時代の地域における学びと活躍推進事業の取組として、お手元の、4ページから5ページにございますように、来る6月9日の水曜日でございますが、13時30分から、県庁の東館7階の大会議室におきまして、「他分野連携型研修会」を開催いたします。

この研修会につきましては、多様な分野からテーマを設定し、分野を超えた地域課題に取り組む新たな連携・協働を推進する学びの機会ということで進めておりまして、今年度は、「地域のつながり」をテーマとしております。コロナ禍であるからこそ、若者、子育て世代、高齢者の地域のつながりをより大切にした取組をしておられる事例発表を2つ予定しているところでございます。

事例発表の1につきましては、東近江市の地域おこし協力隊を経て、「株式会社みんなの奥永源寺」を立ち上げ、地域の方々とのつながりを深めながら、奥永源寺地域の資源を活用し、地元産業の活性化に取り組まれております前川真司様に、「奥永源寺地域から見る地方創生の可能性」と題して発表いただくこととしております。また、事例発表の2につきましては、竜王町にあります古民家を改修した「ひだまり学舎」を拠点として、子育て中の女性の暮らしと学びの場、また、地域の方の支え合いの場としての絆、つながりを大切に、日々活動しておられます、一般社団法人暮らし育て組の理事の吉田尚子様に、「つながる力を育む生活を」と題して発表をいただきます。

なお、この研修会につきましては、幅広く多くの方に学んでいただく機会を提供するために、新型コロナウイルス感染症の影響等により、当日、会場参加が出来ない方、興味や関心のある方を対象に、事例発表の様子を、後日、オンデマンド配信で視聴していただく取組をさせていただきます。本内容につきましては、行政関係者、生涯学習・社会教育に関わっておられる方、また地域づくりに関心のある方など、どなたでも参加いただける内容となっております。本研修を通しまして、地域のつながりを深める取組のきっかけとしていただき、多くの方に御参加いただければと考えておりますので、報道各社の皆様方におかれましては、本取組に関する情報発信に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

私からの話題提供は以上でございます。よろしくお願いします。

 

(産経新聞)

昨日の県議会の委員会で、県立高校と特別支援学校の生徒に対して1人1台のタブレット端末を、基本的には自己負担という形でお願いするという方針が示されましたが、賛否両論、いろんな立場からの考え方がある中で、教育長としてのお考えを改めてお示しいただけますでしょうか。

 

(教育長)

高等学校において、1人1台端末を整備する必要性は、強く感じております。

ご存知のように、義務教育段階、小中学校においては、GIGAスクール構想で1人1台端末が令和2年度にほぼ整備され、令和3年度から学習が始まっております。その子たち中学3年生が、高校1年生になる来年4月、そして新しい学習指導要領が始まる年でもあります。やはり、高校段階においても、生徒にとって、よりわかりやすい授業、学習活動の充実が図れるように、そして、時代の変化に対応できる子どもたちを育てるために、1人1台端末は必要だと考えたところでございます。

そういった中で、どういう形で整備していくのかをいろいろ考えました。これからタブレットPCというのは、普段から使う文房具の一つのような位置付け、あるいは辞書の代わりになるものの位置付けというふうに考えておりますので、やはり自分のものとして持って、様々な場面で活用していただくことが望ましいのではないか。あわせまして、こういった機器はどんどん新しくなっていくというか、いろんな機能が充実していきますので、その時その時に合ったものを使ってもらうことがいいのではないかということを考えまして、高校1年生で入学する時に、保護者の御負担が必要になることは十分わかっておりますが、この形をとる方が、よりその時代に合った機器を使った学びが充実できるというふうに考えたところでございます。

県でやりますと予算の制約等、様々な制約がございますので、できる限り、ずっと未来にわたってこういった教育が進むためにも、保護者の御負担をお願いして、1人1台端末を整備することが望ましいと私は考えたところでございます。

(産経新聞)

関連しまして、先ほど言及もありましたが、県で準備していくとなると、今後、長きにわたり、財政的な負担が生じるかと思うのですが、その辺の財政の厳しさというところも、理由の一つとしてはあるのでしょうか。

 

(教育長)

少なくとも今回の1人1台端末は、先ほど少し申しましたように、義務教育段階においては、国のほうから、定額で4万5000円という一つの目安で支援していただいたことによって整備が進みましたが、これは新型コロナウイルス感染症対策としてのオンラインでの学びというのをやらなければいけないということで、加速的にされたと思います。

ただ、高等学校におきましては、それぞれの県で必要なものを整備してくださいというのが基本の考え方で、通信部分など、そういうところは別でございますが、やはり1人1台端末のところについては、各都道府県で考えるということで、財政の状況がどうなるかも分かりませんし、そしてそのことで、古い機器を使わざるを得なくなったら、学びの充実に支障があるのではないかと考えました。

私も教育長ですが、県の職員の1人でございますので、県全体の財政状況等も普段からいろんな情報を得ながら考えておりますし、合わせて、なかなか進んでおりませんが、県立学校の施設整備等にもしっかり取り組む必要がありますので、今回は、先ほど申し上げたようなことも含めまして、保護者の御負担をお願いしたいと考えております。

 

(京都新聞)

一つは、昨日の委員会の説明では、通信料が自己負担になるという説明があったと思うのですが、そもそも回線がない家庭というのは経済的に困窮している可能性がありまして、通信料がその家庭において一定負担になる可能性があると思うのですが、どのようにお考えかということが一つ。

それともう一つは、困窮世帯に貸し出すということですが、そうすると子どもの目線から見ると、貸し出された段階で、自分の家は困窮世帯だというのが、クラスメイトにわかってしまう状況になりますね。そういう意味では子どもの心情の面からは、制度の運用にかなりデリケートな部分があると思うのですが、その点はいかがお考えでしょうか。

 

(教育長)

まず、1点目の通信料の問題でございますが、通信料はそれぞれの子どもが家庭で使う状況によって、大分変わってくる可能性もあるというふうに認識しておりまして、今の段階では、通信料まで公費で負担することは考えておりません。一定、御負担があるということは十分認識しておりますが、制度の中で、どういったことが可能なのか、今の点はもう少し検討する課題であると認識しております。今のところ、ルーターを貸し出して、そのルーターの通信料については、それぞれの御家庭で御負担いただきたいと考えております。

それと、貸し出した端末を使っていることで、子どもが、他の子どもとの関係で、心理的にいろんなものを感じるということは十分認識しております。そういう意味から、できるだけ保護者の皆様が子どものためにタブレットを購入できるような仕組みについて、例えば、年度初めに一括してお金を払って買わなければならないという点を分割ができないか、それ以外の手法として、県の奨学金のようなもので対応できないか、その辺はどんなことができるのか、できる限り、自分のタブレットで学べるような環境にしていく方向で考えたいと思っております。具体的にはもう少し時間をいただいて検討したいと考えております。

 

(京都新聞)

そうすると、おそらく保護者に対して一定理解を得るとすると、毎年7月か8月に入学体験か体験入学でしたか、各県立高校であったと思うのですが、それがリミットになってくると思います。やはり、体験入学の場で保護者に説明できるようにしたいというのが、今の教育長のお考えでしょうか。

 

 

(教育長)

そうですね。やはり、保護者の方々が、具体に高校のいろんなことについて調べるためには、その時期が一つの時期ではないかと考えております。

ただ、最初の方におっしゃられた、先の質問の、少し経済的に厳しい御家庭につきましては、その段階でこういった支援をやりますとはっきり打ち出せるかどうか、その辺は予算措置等の関係もございますので、しっかり検討していきたいというような趣旨でのお話になるかもしれません。そこはまだ、しっかりと決まっておりません。

1人1台端末を令和4年4月の入学から、県立高校において取り組みたいというのは、既に昨日説明をさせていただいて、報道もいただいておりますので、一定のアナウンスにはなっていると思いますが、あとは高校によって、どんなものを入れていくのかということが、全て同じではないというふうになりますので、各県立高校で考えていただく内容になると思います。それで負担額も変わってくると思います。

 

(京都新聞)

関連で、近年、義務教育ではない高校の保護者の負担に関しては、全国的に問題視する動きがあります。例えば、京都市内ですと制服、靴とか体操服など、衣類一式がかなり高額だという指摘があったりしまして、他の自治体では、一定問題視する動きもあります。トータルでかなり保護者の負担が大きくなっているというのは、全国的に傾向が違うと思いますが、経済力に対して相対的に、教育長としては保護者の、義務教育課程でない高校の負担に関してはいかがお考えでしょうか。

 

(教育長)

教育に関して、公がどれだけ負担して、御家庭がどれだけ御負担いただくかという問題があると思います。その点は、全体として考えていくものと十分認識しております。

ただ、世帯の経済状況はすごく幅があり、一律ということにはならないと思いますので、特に経済状況の厳しい世帯に対するサポートなり、支援をどうしていくのかが一番の課題と認識しております。

(朝日新聞)

関連ですが、全国の都道府県のうち16の自治体は、行政が購入費負担ということになっていますよね。滋賀県は厳しい財政事情ということは分かるんですが、一方でよその県では、無料であると。しかも、1台当たり、数万円するものです。これは非常に大きいと思うんですよね。ましてや、兄弟が何人もというような家庭ですと、10数万という可能性もあるわけです。隣の県にいると無料、滋賀県は何で出さなあかんという批判が当然、もう出てるわけですが、保護者にどのように説明されていくご予定でしょうか。

 

(教育長)

今、御質問がありましたように、都道府県によって対応が異なるというのは、昨日も申し上げました。それぞれの都道府県の首長さんなり、教育委員会のお考えがあると思いますので、どちらが100%正しい、どちらが100%違うということにはならないと認識しております。

私といたしましては、先ほども申し上げましたように、高等学校が義務教育段階ではないということがまず1点。昨日も県議会で御説明いたしましたが、それが1点と、これからICT機器は、普段に使う教材というか、文房具のようなものに替わるので、御自身で、保護者の皆様に御負担いただきたいということ。そして、その時その時の、一番、新しく出来た機種を御購入いただくほうが、子どもの学びの充実につながるのではないかとしっかりと説明させていただいて御理解をいただきたいと考えております。あわせまして、当然、経済的に厳しい御家庭に対する支援をしっかりと考えていくことが必要だと思っております。

 

(中日新聞)

今、保護者に負担してもらう理由として、スペックが更新される中で、新しいものを使った方がいいだろうという話だったんですが、そうなると困窮世帯用に貸し出すタブレット端末についても、更新が必要になってくると思うんですが。国のスキームに従ってというふうに、昨日説明されていましたが、持続的に頻繁に更新していけるのかという部分はどうなんでしょうか。

 

(教育長)

確かにおっしゃられる点もあると思います。あとは、そのタブレットがどのぐらい必要になるのか。一定の数を、昨年度の補正予算をいただき、今年度導入いたしますが、今後、どのように活用していくのかという点もあります。更新をどのぐらいの頻度で何台ずつやっていくのか、状況を見ながら考える必要があると思っています。それに対しての国の支援が今後もあるのか、ないのか、私が知っている限りでは決まっていないようですので、しっかり国の情報も得ながら、また、必要に応じて、他の都道府県と一緒になって国に支援もしっかりお願いしながら取組を進めていく必要があると考えております。今回はコロナの補正で大きく付きましたが、今後それを持続可能な仕組みとしていくために、しっかりと考えていく必要があると認識しております。

 

(京都新聞)

別のテーマでお尋ねします。新型コロナウイルスの問題ですが、第4波の特徴として、若年層の感染のリスクが上がってるんじゃないかという指摘が一部の専門家からあります。滋賀県教委としては、現在、文部科学省のガイドラインに沿って感染対策をとっておられると思いますが、今までの第3波とちょっと変異株の傾向が変わっていまして、その点どういうところを、更なる対策が必要とお考えかどうか、あるいは現行の対策でもうこれ以上難しいとお考えなのか、その点、他のことも含めて何かお思いになることがありましたら教えていただけますでしょうか。

 

(教育長)

変異株に置き換わっている状況があるというのは、いろんなところで聞いております。そういった中で、学校における感染対策については、変異株であるからという対応でなくして、今までの対応をより徹底してやっていただくこと、これが大切であると考えております。

梅雨にも入りましたので、学校現場の教室等の換気につきましては、特に注意を促す必要があるのではないかと。当然、マスク、手洗い、消毒は、引き続き徹底してやっていただく。あわせて、冷房等を入れると、どうしても換気が十分でない場合がございますので、換気については、今後、しっかりと取り組むように、関係機関、県立学校なり市町の教育委員会の皆さんにもお伝えする必要があると認識しております。

 

(京都新聞)

そういう意味では、小中学校は比較的子どもの生活に教師の目が行き届きやすいと思うんですが、例えば高等学校、例えば部活の部室があるようなケースですね。そういう時になると、先生の目が届きにくいというのが高校の特徴としてあると思うんですが、その点はどういうところを留意して各県立高校には指示なさっておられますでしょうか。

 

(教育長)

部活動については、当然注意しながらやっていただくということで、先ほどのマスク、手洗い等は当然ですが、今までの状況を見ておりますと、着替えるときに、更衣室等で、みんなが固まって一斉に着替えて、それもマスクをとってやったりすると、非常にリスクが高まるので、そういった点を注意してくださいという点と、部活が終わった後、帰宅する途中に、仲のいい仲間たちと一緒に、途中で飲食等する際にはリスクが高いので、そういったことを各部活動の顧問の先生方から周知していただくことが必要だと考えております。

 

(京都新聞)

それはもう実際、周知されていますか。

 

(教育長)

はい。既に連絡をさせていただいておりまして、そういった取組をしていただいてるものと認識しております。

 

(京都新聞)

先ほどの2点の周知をされたというのは、いつぐらいのタイミングでなさっていますか。大体で結構です。何月ぐらいになど。

 

(教育長)

4月の連休前に。

 

(保健体育課長)

ホームページで通知文も掲載させていただいています。

 

(京都新聞)

4月の後半のゴールデンウイーク前ということで。

 

(教育長)

はい。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:[email protected]
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