(教育長)
皆さんおはようございます。令和3年度も、よろしくお願いいたします。
まず、話題提供の前に、私の後ろにありますバックボードについて、少しお時間をいただいて御紹介させていただきます。新しいバックボードですが、こちらにつきましては、県立八幡工業高等学校の建築同好会の生徒の皆さんにつくっていただいたものです。材料を切断して組み立て、そして塗装する。こういった作業を同好会の皆さんが分担・協力して、楽しみながらつくっていただいたと聞いております。材料につきましては、滋賀県産の木材を利用するほか、一部は、旧船の「うみのこ」の甲板、琵琶湖博物館の「うみのこ」展示にも再利用しておりますが、そういったものを有効活用したところでございます。
教育長として、改めまして八幡工業高校の建築同好会の生徒の皆さん、そして御指導いただいている先生方に感謝を申し上げるところでございます。
それでは、本日配付しております資料に基づきまして、お話をさせていただきます。まず、2ページには、4月から5月にかけての広報事項を挙げております。後日、資料提供もさせていただきますので、報道各社の皆様方には、取材等を通じて発信していただければ幸いでございます。
本日は話題提供3点を説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず1点目は、令和3年度、今年度の滋賀県教育委員会の重点施策についてお話をさせていただきます。お手元に、今年の4月号、82号になります保護者向けの情報誌「教育しが」を配らせていただいております。1ページ目を御覧いただければと思います。令和3年度がスタートいたしまして、滋賀県教育委員会が今年度、力を入れて取り組んでいく事業についてお話をさせていただきます。
滋賀の教育大綱も3年目になりました。しっかりと取組をさせていただきたいと考えております。誌面に四つほどございますけれども、まず一つ目が、左の上にあります、生きる力の育成を目指しますということで、「読み解く力」の育成、ICTの活用でございます。今年度は皆様御承知のように、GIGAスクール構想により整備されたICT環境を有効に活用して、事業を進めていくことになります。個別最適な学び、そして協働的な学びの相乗効果、さらには探求的な学びを深めることで、学びの質を向上させ、「読み解く力」の育成を一層進めてまいります。
そしてその右側にございますが、時代をリードする人材の育成を目指すということで、アドバンスト・ラーニングコンソーシアムの構築を進めてまいります。国内外の大学、企業、行政機関と連携し、協働しながら、高校生を対象にして、ICTを効果的に活用した探求型の学習カリキュラムやプログラムの開発を行っていきたいと考えております。具体的には、研究指定校および事業連携校の五つの高校を中心に、グローバルな社会課題研究として、SDGsでありますとか、環境・政治・経済等のテーマを設定いたしまして、大学の授業の先取り履修や、オンラインでの海外フィールドワークなど、生徒の興味・関心に応じて学べる、高度で先進的な学びの機会を提供していきたいと考えております。
三つ目は、左下にございます図書館サービスの充実ということで、「知りたい」「学びたい」という、県民の皆様の要望に応える図書館サービスを充実したいと考えております。図書館サービスにつきましては、これまでから、県内図書館の人や資料・情報をつなぐネットワークや、ICTの活用を進めておりましたが、新しい生活様式に対応した図書館サービスの充実を図っていきたいと考えております。特に、子どもたちの読書活動への支援でありますとか、図書館の利用に配慮が必要な人に向けたサービスの充実に、今年度は力を入れていきたいと考えております。
そして四つ目が右下にございますが、社会を担う資質能力を育みますということで、主権者教育の充実をしていきたいと考えております。令和3年度におきましては、下にありますように、県内の中学校で生徒会のオンライン交流会を開催して、身の回りのテーマについて生徒同士が意見交換することにより、主体的に考え実践する力を育成したいと考えております。また、高校生につきましては、高等学校で研究校を指定して、自治体や大学、企業と協力して、地域の抱える課題についてSⅮGsの観点を踏まえた提案を行えるよう、実践的な取組を進めてまいります。こうした取組により、社会の形成者として主体的に参画しようとする資質能力の育成を図っていきたいと考えております。
最後に下にございますが、コロナ禍でも、子どもたちが安心して学べる環境を整えるということで、学習アシスタント、スクールサポートスタッフ、またスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、こうした方々を学校に配置いたしまして、誰一人取り残さない滋賀の教育を進めてまいりたいと考えております。
次に2点目でございますが、お手元の資料の3ページ、また別に、「令和3年度取組の重点」と書かれたリーフレットを配布させていただいております。学ぶ力向上滋賀プランが3年目を迎えるということで、このリーフレットは、今年度の取組の視点を紹介させていただくものでございます。視点1、視点2、視点3とございます3つの視点において、学ぶ力の向上の取組を進めてまいります。
中でも、今年度は特に視点の1番目でございますが、学びを実感できる授業づくりの取組、これを先ほども少し申しましたが、ICTを活用した「読み解く力」の向上という形で、取組を進めたいと考えております。リーフレットを開けていただきますと、教科ごとの指導力点を書いておりますが、今年度、特に、星印がございますが、ICTの効果的な活用ということを、小学校、中学校それぞれの学科ごとに記載しているところでございます。これをもとに、小中学校の先生方には、日頃の授業の実践の中でしっかりと取り組んでいただければと考えております。
また、もう一つ重要なのは、視点2にございます学習集団づくりということで、リーフレットの最後4ページ、裏面のほうを見ていただきますと、視点の2というのがございます。特に、自己決定の場をつくるという真ん中のところですが、子どもたちが、主権者として積極的に社会参画する力の素地を養うということで、先ほども少し申し上げましたが、生徒会の活性化など、子どもたちが主体となる活動を推進してまいりたいと考えております。
リーフレットを開けていただきますと、下のほうに関連する動画や資料の二次元コードをいくつか掲載しておりまして、先生方が使いやすいように配慮しているところでございます。このリーフレットにつきましては、公立の小中学校、あるいは特別支援学校全ての先生方に一部ずつ、3月中に配布させていただいたところでございます。
そして最後、資料の4ページ目を御覧いただきたいと思います。読書の関係でございまして、小中学生向けのおすすめ本ポスターの作成配布について、私の後ろのパネルにある、このポスターでございます。小学生、中学生向けのおすすめ本ポスターの配布について御紹介させていただきます。
県教育委員会では、全ての子どもたちがいつでもどこでも楽しく読書ができる環境づくりを進めるために、子どもが楽しみながら自主的に取り組む読書活動を推進しております。先月3月には、高校生が読んでほしい本の紹介についてお伝えしましたが、本日は、小学生、そして中学生の皆さんへの取組として、県内の公立図書館の司書の皆さんや読書ボランティアの皆さんなどに選んでいただいて作成した、このポスターについて御紹介させていただきます。
小学生と中学生向けで、小学生用のポスターは、1年生から3年生向けと4年生から6年生向けに分けて作っております。そして、中学生向けのポスターについては、今回初めて作らせていただいたものでございます。なお、小学生向けのポスターには、少し小さくてわかりにくいのですが、小学生からみんなに読んでほしい本ということで応募のあったおすすめ本を、子どもが書いた紹介文とあわせて、初めて掲載したところでございます。数は少ないのですが、いくつか掲載しました。今後、4月23日が「子ども読書の日」でございますので、それに合わせて、県内の学校や、図書館に配布を予定しています。ポスターを見ていただければ分かるのですが、いろんな分野の本を掲げていますので、子どもたちが、これを見て、読んでみようとか、これ読んだけどよかったとか、そういった友達同士、あるいは家庭での会話が膨らんで、子どもたちが図書館でもっと本を読みたいなというふうになっていただければと思っております。
私からの話題提供は以上でございます。よろしくお願いします。
(産経新聞)
他の自治体では、教員が免許の更新を忘れて、新任状態にもどってしまう、いわゆるうっかり失効が一部問題化されていますが、県内でそういった事例が、まずあったかどうか。あった場合にどう対処されていくかというところを教えていただけますでしょうか。
(教育長)
教員免許の更新で、今おっしゃられたような事案は聞いていないのですが、教職員課長が把握しているものがあれば。
(教職員課長)
現在のところ、今言われているような事案は把握しておりません。ただ、過去の長い歴史の中では、期限が切れてしまったという事案も数件あるというふうに認識しています。
(中日新聞)
先日、取材に基づいて記事にもさせてもらったのですが、県内の県立高校の教員が、校長からハラスメントを受けたというふうに県教委に訴えている件について、その教員に対して、県教委が当事者間での話合いを求めたというやりとりがあったということを確認しています。
教職員課に取材したときには、当事者間での話合いとは、別にすぐにという話ではなく、将来的にという意味だったというふうに答えていただいているんですが、訴えられた先生が、医師の方から、校長との直接の面談は避けてくれというふうに診断を受けていまして、県教委としてもまだ調査の段階で結論が出ていないのに、当事者間での話合いを求めるというのは不適切ではないかなというふうに思うのですが、教育長の見解を教えていただきたいです。
(教育長)
中日新聞さんの記事については私も読ませていただきました。当該事案につきましては、昨年から相談を受けておりまして、県教育委員会で関係者への聞き取り等の調査を進めているところでございます。それで私も聞いておりまして、当事者の方の思いというか、お医者さんにかかった診断内容等もお聞きしておりますので、そこをしっかりと踏まえた上での対応、調査対応は必要だというふうに認識しています。
それで今おっしゃられたように、まだ調査結果でこういうふうな対応をしますと決定したわけではございませんので、我々県教育委員会として、当事者間で話合いをしてくださいと決めて、申し上げたということではございません。
ただ、今おっしゃられたように、その方が、県から当事者間の話合いを求められたというふうに受け止めているとしたら、その当事者に対して、担当した職員の言い方が不適切であって、特にその先生が今どんな気持ちで日々過ごしておられるかというその心情に十分配慮したものにはなっていないのではないかなと思っておりますので、その点については私としても、しっかりと指導していく必要があると認識しております。
(中日新聞)
この事案に関して、校長に対して、複数の発言と訴えがあったというふうに、県教委からも伺っているのですが、火のないところに煙は立たないというか、ハラスメントがあるという前提で調査を進めるべきじゃないかという意見もあると思うのですが、こういう1人の人物に対して複数の訴えがあったときの調査の進め方はどういうふうにすべきか、お考えを聞かせてください。
(教育長)
今回の案件については、いろんな関係者の、当該校の先生方からお話をお聞きしていまして、数名の先生から、こういったことがあったという相談を受けているのは認識しております。それぞれ、相談相手方、先生方の御意向等も十分確認しながら、丁寧な調査を、今、進めております。そういう声があるということは、当然、ハラスメントがあったという前提で調査しているというふうに認識しております。
(中日新聞)
はい、わかりました。今後のスケジュール的なものは。
(教育長)
ちょっと時間がかかっているということは十分認識しておりますが、当事者間で、申し出ておられる内容が異なっていますので、そこはしっかりと確認をしなければならないと思いますので、他の先生方も含めて、そこを確認した上で、できるだけ早く、一定結論を出したいと思っています。今の段階で、時期が何月何日と申し上げられませんが、できるだけ早く結論を出したいと考えています。
(中日新聞)
関連して、昨年の11月か12月に県立学校でのハラスメント調査結果を出していると思うのですが、それに対して懲戒処分に当たる事案もあるかもしれないということで、調査を進めているということでしたが、処分の時期とかはどういうスケジュール観でいらっしゃるのですか。
(教育長)
今回は、小学校、中学校、高校、特別支援学校、全ての公立学校を対象に調査をさせていただいて、1,337人から、ハラスメントを受けたことがあるという回答がございました。その中で、ただ、全て連絡先を書いていただいてない、匿名というか、無記名の方もありますので、それは対応が出来ないのですが、連絡先の記入のあるものについて、緊急性の高いものから順次、調査をしております。相手方に確認等もさせていただきながら、今、調査を進めておりますので、できるだけ早期の解決を図るよう、順番にやっていこうと思っています。数が多いので、まだ全部対応しきれていない部分もありますが、先ほど申しましたように、緊急性の高いものから順番にやっていって、必要に応じて対応していきたいと思っています。
(京都新聞)
これまでの経緯がわかっていないので、初歩的な質問ですが、ハラスメント調査をやるという話と、やったという話まで報道で知っているのですが、1,337人とか、その辺の結果は発表していましたでしょうか。
(教育長)
本年1月26日に調査結果を発表したときに、回答が8,087件ありまして、ハラスメントを受けたという回答をした方が1,337人であったと公表しています。
(京都新聞)
その上で、先ほど他社から質問があった県立米原高校の学校長の件ですが、弊社の取材では、双方の主張にかなり開きがある。現段階では、ハラスメントがあったか否かも含めて調査しているというのが教職員課の認識だったはずですね。だが、今回会見で教育長はハラスメントがあったと認識しており調査しているというふうに、認識が変わっているんですけれども。
(教育長)
すいません。先ほどの私の言い方かもしれないのですが、こういう相談があったということは、まずハラスメントがあったのではないかということを前提にして調査をしないと、調査にはならないという趣旨で申し上げた。
(京都新聞)
さっきの話と違います。ハラスメントがあったと認識しているって教育長はおっしゃった。その発言は、そうではない、発言は変わるってことですか。
(教育長)
そうですね。あくまでハラスメントがあったのではないかという前提で調査は進めさせていただきます。それで、調査結果としてハラスメントがあったということであれば、その対応をさせていただきます。そういうことです。すいません。ちょっと、言葉が不十分だったかもしれません。
(京都新聞)
はい、わかりました。複数のハラスメントに関して、この校長が複数のハラスメントを行っていたという主張が、先ほど教育長の、数人の先生から相談を受けていた、丁寧に調査していきたいとおっしゃっていますが、他の教員、あるいは、中日新聞が報道されている、問題の教員に関して、現段階で意見が食い違うと思いますが、被害者の側、その女性も含めて数人の方も含めて、それぞれどういうハラスメントをその校長から受けたと言っているのですか。
(教育長)
すいません。今、個別の案件を全てここでお話をするというのは。
(京都新聞)
教職員課に答えていただいてもいいのですが。
(教職員課長)
複数件あるのは全て、今、話題になっているケースと同様に、業務上、指導を受けた、叱責を受けたという類のものです。
(京都新聞)
その複数人というのは、報道された教員も含めて何人いるんですか。
(教職員課長)
そこは複数名ということで、今日の時点ではお答えしたいと思います。
この事案について、複数の方から目撃したとか、そのようなアンケートの回答もあり、事実確認も現在進行形でございますので、何人から被害が訴えられているというところまで確定していないという状況でございます。
(京都新聞)
被害の訴えが確定できないという言い方はおかしくて、アンケートで教員が答えているわけですよね。その報告が何件あったかは、正確に把握しているはずで、それが事実かどうかを調査するのは、教職員課の仕事だと思うのですが。
(教職員課長)
複数名からアンケートでこういうことがありましたというような回答は受けていますが、それが自分自身のことという場合もありますが、今話題になっている、新聞記事になったケースについて、学校ではこういうことがありましたというような回答もございますので、それらひっくるめて複数名というふうにお答えしました。
(京都新聞)
誤解がないように確認をしたいのですが、つまり、その被害者が複数人いるという話なのか、それとも、中日新聞が報道している教員の件に関して、複数人から答えがあったという話なのか。そこを明瞭にしていただきたい。
(教職員課長)
厳密に言うと、この方以外で、こういうことを言われたというケースはあります。ただ、回答があった人に対して、接触ができる人には順次、確認を行っている最中ですので、人数はまだ数字では、確定していないという意味です。
(京都新聞)
複数人のハラスメントの種類は、全てパワーハラスメントか。
(教職員課長)
パワハラという主張ばかりではないですが、先ほど申し上げたように、業務上、叱られたとか、そういう話です。
(京都新聞)
叱責という表現を使われたのですが、教職員課の調査では双方に意見が違っていて、学校長は叱責ではないと、指導だという認識を示していて、先ほど教育長は叱責という表現をお使いにならなかったのですが、叱責というのがあったという、県教委の認識でいいんですね。
(教職員課長)
それはアンケート回答されている方とか、相談をしておられる方の表現を使わせていただいているということです。
(京都新聞)
県教委としては、叱責があったというのは、認めているのか、認めていないのか。
(教職員課長)
それを今、確認している最中ということです。
(京都新聞)
教育長、私、会見に初めて入ったのですが、基本的に教育長がおっしゃったことは、県教委の認識としてこちらは解釈するので、できれば、発言は組織としての見解として正確に願いたいと思います。参加者たちの意見です。
(教育長)
はい、わかりました。ありがとうございます。
(読売新聞)
中日新聞の報道にも関わってくる話なのですが、そのハラスメントに関して、県教委として、昨年調査に乗り出して、実態を把握されようとしているという点で、全体的な話をお伺いするのですが、今回のケース、もし事実であったとすれば、校長という組織のトップが、ハラスメントに関わっているということになるわけです。アンケート調査の発端になられた草津の小学校の校長先生も、組織のトップがハラスメントに関わっていたという、そういうきっかけで調査に乗り出されたかと思います。
そうなってきますと、組織の長がハラスメントに関わっているということになりますと、そこの現場で働いている教職員というのは、逃げ場がないわけですよね。訴える先というのは、本当にもう県教委しかなくなってくると思うんです。そうなったときに、その受け止める県教委、それから管理職、校長を指導する側の県教委として、パチッとした姿勢が必要になってくるかと思うんです。
要するに、県教委としての指導力が問われる問題になってくるというふうに思うのですが、従来から、教員を伸び伸びと働かせる立場にある管理職に対する、ハラスメント等はあってはならないという、その指導の内容を、現状どういうふうになさっておられますでしょうか。
(教育長)
今おっしゃられたように、学校現場においてハラスメントはあってはならないというふうに、十分、思っております。そのためには、当然、学校の長である校長、あるいは、管理職である教頭が、しっかりと対応していく必要があると、十分、認識しております。そのために、機会あるごとに、ハラスメントのない職場をつくっていく必要があるということを、しっかりと指導しているつもりであります。
ただ、実態調査をいたしますと、こういった事例がございますので、その点は重く受け止めて、引き続き、管理職をはじめ全ての先生方に、ハラスメントのない職場をつくっていこうということを、私として機会を見つけて訴えていきたい、指導していきたいと考えております。私の指導がまだまだ不十分であったということは、十二分に反省しているところでございます。
(読売新聞)
ハラスメントはあってはならないのですが、なぜ、ハラスメントというのがあってはならないのかというところが、現場の先生方に、十分浸透していく必要があると思うのですが、なぜ、あってはならないのかと、今、教育長はどのようにお考えでしょうか。
(教育長)
それぞれ、先生方お一人お一人、働く人、あるいは人としておられるわけですので、お一人お一人の、人格や人権が尊重される、そういった職場、そしてそれが教育現場でなければならないと認識しております。そういった点において、人格や人権が尊重される職場になっていれば、ハラスメントはないというふうに認識していますので、ハラスメントのない職場であるべきだと考えております。
(京都新聞)
先ほどの県立米原高校の話ですが、調査が、私も報道と自分の取材範囲しかわからないのですが、確か、事象が多かったのは昨年度の話で、この調査がまだ続いているという認識だと思うのですが、この調査、いつまでやって、いつぐらいに結論を出すのかという、目安ですね。あと、現時点で、その複数被害を訴えている人と、それをやったとされる学校長が、同じ職場にいる状況の可能性があるわけですが、その辺、どうされているかということを教えていただけますか。
(教育長)
まず、この調査はいつまでやっていつ結論を出すのかというのは、先ほど、中日新聞さんも同じ御質問をされましたが、今、調査中でございますが、できるだけ速やかに調査を終えて結論を出したいというのが、現状でございます。
それと、現場に、今も同じ学校で、一緒に仕事をしておられるという点でございますが、まだ調査中ではございますが、当該校長から話を聞き、話もしており、その中で、校長として、職員に対する対応をしっかりとしてほしいというような趣旨で、先ほど読売新聞さんにも申し上げたように、一人一人の人格や人権を尊重した指導をしてほしいというような趣旨で、私は申し上げております。
(京都新聞)
この校長は、過去にも同様の指摘はあったのですか。過去にもパワーハラスメントを受けている、あるいはしているというような報告は県教委に上がっていましたか。
(教育長)
私は存じ上げておりません。そういった報告があったというのは。
(京都新聞)
教育長には、報告が上がっていないかもしれません。組織としては把握されていますか。
(教職員課長)
ハラスメントの調査というのは今回、初めて実施したわけですが、従前は、相談窓口を設置しておりまして、そこが、こういう事案の把握の窓口ということになるわけですが、その相談において、当該者について過去、相談があったということはございません。
(毎日新聞)
1月下旬に公表されたハラスメントのアンケート結果について再度確認なのですが、緊急性の高い事案も幾つかあったと、当初おっしゃっていたかと思うのですが、緊急性の高い事案としては何件ぐらいあったのでしょうか。
(教職員課長)
現在、着手というか、接触しているのは、アンケートの回答があった方が千数百人ということなのですが、このうち、御自分の連絡先を書いていただいている方が200人少しおられ、そこは接触が可能なので、まずはそこを、順次、接触を図っているという状況でございます。その中で、優先順位のつけ方として、どこから当たるかということは、事案の中身で緊急性の高いものから当たっているということでございます。
基準を設けて一線を引いて、これ以上のものが緊急性が高い、という分類を行っているわけではないので、あくまでも相対的に緊急性が高いと思われるものから順次当たっていると、そういう意味でございます。
(毎日新聞)
200人を順次ということですが、現在、どれくらいまで。
(教職員課長)
直近で申し上げますと、全体の55%程度と接触をして、話を聞いている状況でございます。
(びわ湖放送)
「うみのこ」ですが、広報予定にもあげていたのですが、就航が当初の計画より遅れているとお聞きしているのですが、昨年度は日帰りでしたが、今年度は、先月お聞きしたときに、1泊2日で考えていると、概ね1か月前には最終的な判断をすると、そういうことだったのですが、現段階としてはどのようにお考えでしょうか。
(教育長)
先月、4月からスタートするというのを5月スタートということで公表させていただいたところでございまして、現在、新年度になり、各市町から状況や御意見をお聞きしております。それを今、取りまとめている途中でございまして、その取りまとめが終わりましたら、状況を見て、健康医療福祉部とも相談して、4月の下旬、来週あるいはその翌週、4月中には、どういう形で令和3年度の「うみのこ」を就航するかを公表させていただきます。
ただ、5月24日から始めようというのは決めております。日帰りになるか、1泊2日になるかということを、この4月中に結論を出して公表させていただきたいと考えています。現在、市町からの御意見の取りまとめ、確認をしているところでございます。
(びわ湖放送)
1泊2日になる場合、もちろんみんなで泊まるというふうになるのですが、どういった点を注意されるお考えでしょうか。
(教育長)
1泊2日ということになると、小学校5年生の子どもたちが、ある部屋にまとまって泊まるということになりますし、朝起きて顔を洗ったりといった行為も行いますので、そうした場面における感染対策を十分にとらなければならないというふうに考えておりますし、そういう準備を昨年から進めているところでございます。
(びわ湖放送)
昨年度、1年間日帰りでやってこられて、やっぱりこれではというような反省点ですとか、子どもたちの声というのはどういったところがあったでしょうか。
(教育長)
やはり活動の時間が短くなったということで、もう少し活動をさせてあげたいという点はございます。ただ、全く「うみのこ」の活動がなくなったのではなく、日帰りであっても、フローティングスクールの事業があったということにつきましては、行けてよかったとか、皆と一緒に船に乗って琵琶湖を見られてよかったという声を多く聞いているところでございます。
(びわこ放送)
できれば、でも、1泊2日で行きたいか。
(教育長)
もともとフローティングスクールは、1泊2日の体験学習をする形でプログラムを組み、船をつくっておりますので、私たちもできればその形をとりたいと思っています。ただ、今、皆さんもご存知のように、新型コロナウイルス感染症が、第4波と言われるような形で拡大している状況でございまして、また、県内においても、学校でも、児童生徒や、先生方の感染も確認されておりますので、1泊2日で今やるというのは、保護者の皆様、そして現場の小学校の先生の皆様の理解を得るのは少し厳しい状況にあるという認識は、一定、今日現在で持っているところでございます。
(時事通信)
コロナの関係なのですが、先ほど第4波という言及もありました。大阪、京都、まん延防止重点措置が適用される地域があります。子どもたちの校外学習、あるいは部活動、このあたりの活動につきまして、どのような対応をお考えかお伺いしたい。
(教育長)
学習、校外学習や、部活動、どこでやるのかという点もあると思います。例えば県内でやる場合、それから自校で部活をやる場合、これについては、従来から、感染対策に十分注意して活動を行ってくださいとしております。
ただ、今おっしゃられた、まん延防止等措置の地域については、飲食店等の時短等の要請をして、まん延を防止する措置をとられているというふうに認識しておりますが、たちまち部活動そのものに、そのことが影響するとは思いません。
ただ昨日から、大阪府あたりでは非常に感染者数が増えてきていますので、この感染拡大の地域に行ったり、そこで活動することは、より慎重に対応していただく必要があると認識しております。そういったことは、どこに行くのかということをしっかりと認識した上で、そういったところに行く場合には、より注意してやっていただく必要があるという認識でございます。今直ちに、この地域には行かないでくださいというような通知等をしておるわけではございません。
(時事通信)
また話が変わるのですが、新学期に、先生が足りないというようなことがあって、文科省が調べるそうです。滋賀県でもそういうことはあったのでしょうか。
(教職員課長)
文科省の調査は、現在されているということですが、そこで特に把握しようとしているのは、教員の定数があって、その人数を確保する予定だったが、何らかの事情で欠員ができて、通常はそこに臨時講師を充てるのですが、それも何らかの事情があって現時点では確保できていないと、全く純粋な欠員状態になっているという数を把握しようとする調査でございます。それほど、該当事例は多くないと思います。全国的にも。
本県について言いますと、毎年、一時的にそういう状況が発生することはありますが、それに対しては順次、臨時講師等を任用してまいりますので、あくまでも一過性のものというふうに理解しております。
(時事通信)
いつになるかわかりませんが、週休3日ということを政府で議論しているそうですが、学校のほうは、これは文科省の考え方でしょうか、どういうふうにお考えですか。
(教育長)
週休3日制というのは、どういう観点でどういう議論を進めていくかということかと思います。生産効率を上げることによって、同じ価値を維持しながら、働きながら学べる機会をつくるという意味で週休3日制という制度もあるというふうには思いますが、学校は週5日制でやっており、直ちに学校が週4日制になるというふうにはとらまえてはおりませんし、そういう議論になっているとは承知しておりません。
(時事通信)
学校の先生と生徒はLINEとかをしてはいけないということになっているそうですが、滋賀県ではどうされていますでしょうか。
(教育長)
先生と生徒が、LINE等、私的にやりとりを行わないということについては、従来から、そういったことはしないようにと通知しております。ただ、例えば、部活動で一斉に連絡をしたい場合、例えば、遠征試合が中止になると、先生から生徒に連絡するとか、一定の目的で、公的にやるときについては、校長先生の許可を取った上でやるように指導しているというふうに聞いておるところでございます。
ですから、あくまで私的なものは、従来から禁止しております。ただ、使用目的を明らかにした上で、校長の許可を取ったものについては利用できるという指導だというふうに聞いております。