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令和3年度第2回滋賀県総合教育会議の開催結果

開催日時

令和3年9月10日(金曜日)午前10時から午前12時まで

開催場所

県庁北新館5階5-B会議室

出席者

  • 知事 三日月 大造
  • 副知事 中條 絵里
  • 教育長 福永 忠克
  • 委員 土井 真一
  • 委員 岡崎 正彦
  • 委員 窪田 知子
  • 委員 野村 早苗
  • 委員 石井 太
  • 滋賀県立高等学校在り方検討委員会委員長(佛教大学 副学長) 原 清治
  • 滋賀県立虎姫高等学校 校長 梅本 剛雄
  • 滋賀県立守山北高等学校 校長 松宮 惠
  • 守山市環境生活部ごみ減量推進課 課長補佐 杉本 聡

議題

(1)新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の学校の対応について

(2)これからの滋賀の県立高等学校の在り方について

会議録

(福永教育長)

皆様おはようございます。ただいまから令和3年度の第2回総合教育会議を開会いたします。

本日の議題は二つございます。1点目は、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の学校の対応について、そして2点目は、これからの滋賀の県立高等学校の在り方について、この二つを議題として御議論いただきたいと考えております。

本日の出席者につきましては、出席者名簿のとおりでございます。

なお、現在、新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が発令されておりますので、本日は皆様オンラインで参加いただいております。よろしくお願いいたします。

議題2の県立高等学校の在り方のゲストスピーカーにつきましては、後ほど改めて御紹介申し上げます。

それでは総合教育会議の開会に当たりまして、知事から御挨拶をお願いいたします。

 

(三日月知事)

改めまして皆様おはようございます。大変お忙しい中、8月から延期いたしました、今年度第2回目の総合教育会議に御参加いただきましてありがとうございます。ウェブという形になりましたけれども、お時間をいただいたことに感謝いたしますとともに、常日頃、滋賀県の教育行政にそれぞれの立場で様々な観点から御指導いただいておりますことに感謝申し上げます。

またおかげさまで、滋賀県においても新型コロナウイルス感染症の感染者は減少傾向になってきておりますが、いまだ医療の状況は厳しく、そして後ほど議題といたしますが、2学期が開始されてからの影響等が懸念されます。その状況も見なければならないということもございますので、昨日、県の対策本部員会議を開きまして、12日までだった滋賀県の緊急事態宣言の延長が政府で決定されたことを受け、滋賀県として対策を決定したところでございます。引き続き、御心配をおかけするとともに、学校での活動にも様々な制約がございますが、御協力いただきますと同時に、次の出口に向けた準備や、活動再開に向けた準備をあわせて並行していきたいと思いますので、この点もあわせて御指導のほどよろしくお願いいたします。

今日はこの間に起こったうれしかったことと、今後につながるお話を、数点申し上げて、冒頭の挨拶にいたします。何といいましても、この夏うれしかったことは、オリンピック、パラリンピックで、本県ゆかりの選手の皆さんを始めとして、アスリートの皆さんが大変な感動を与えてくださったことです。大橋選手を初め、木村敬一選手など多くの方に頑張っていただきまして、その後のコメントなどに、部活動や恩師といったことが出てきて、やはり青年時代に過ごした環境や交流が、今の頑張りやすばらしい成績に影響していることを感じました。

トップアスリートのみならず、全ての人にそういったことが当てはまると思うと、今過ごしている子どもたち、また先生方の環境をよりよいものにしなければいけないと改めて感じたところでございます。

そういったことなども、後ほど話題になります県立高校の議論などで反映させていければと思っています。

もう一つは8月3日に、県内の中学生、高校生生徒会の皆さんとオンラインサミットをさせていただきました。

私は別の公務もありまして、全ての中学校、高校の生徒会の諸君と議論出来たわけではないのですが、学校ごとにスローガンを作って、いろいろな活動、運動をしたり、みんなの声を吸い上げるための生徒総会をやったり、ゆるキャラをつくったり、ヒーローをつくったり、学校を盛り上げるために、地域とつなぐためにどんなことをすればよいか、生徒の皆さんが一生懸命考えてくれていることに胸を熱くしました。

学校自治、自分たちのことを自分たちで決めて、担っていくという気概を彼らの取組の中で感じたところでございますので、そういうことはぜひ卒業してからも生かしてほしいし、地域の営み、そして県の様々な活動にしっかり生かしてしていきたいと考えているところです。

また8月に安曇川高校に行く予定でしたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で行けませんでした。教育委員の先生方にも御協力いただいて、安曇川高校の取組が充実してきています。あどまちゼミという探究的な学習、またキャリア教育のこれまでの成果について、中間的な発表もしていただいているところで、先般も資料とDVDを私のところに届けていただきました。大変実りのある、また期待できる活動を展開していただいております。こういう一つひとつの、学校の将来を見据えた、地域とつながった活動を、ぜひこれからもしっかり応援していきたいと思っております。中條副知事には農業高校の視察等、さらなる活動充実に向けた使命をお願いして、これから精力的にやっていただくことにしていますし、工業高校や商業高校等、それぞれの県立高校の学習の充実に向けて、力を合わせていきたいと思っております。

最後になりますが、私は本県の図書館ネットワーク、図書館サービスに強い誇りを持っております。本県では50を超える県立、市立、町立、民間の図書館、それらがネットワークでつながっています。県が運行する協力車を回しまして、県の図書館にないものは市町の図書館から、市町にないものは県の図書館からそれぞれ融通し合って、沖島にも、山間にも配本サービスを行っております。このことが、お一人お一人の人生の充実や生きがい、やりがい、さらには様々な暮らしの喜びにつながっていることを、私はとてもうれしく思っておりまして、このことがコロナ禍においても、心が折れずに過ごしていける、また明日に希望が持てることになっていくと思っています。それを支えていただいている方々に感謝すると同時に、来年度に向けて、この図書館を核として、よりよき自治をつくる、健康しがをつくる取組なども、皆様と考えていきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

少し長くなりましたが、全国学力・学習状況調査の結果が、ほかの県より悪かったことにめげずに、前向きに頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(福永教育長)

知事、ありがとうございました。それでは、議事に移らせていただきます。

まず1点目は「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の学校の対応について」をテーマといたします。

事務局から、新型コロナウイルス感染症に関する最近の状況について説明を行った上で、出席者の皆様から、学校における感染防止対策、また学びや学校活動の保障、継続等について御意見をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

それでは事務局から説明をお願いします。

 

(保健体育課長)

保健体育課の前田でございます。どうぞよろしくお願いします。

私からは新型コロナウイルス感染症対策、資料の1番の「最近の感染状況」、2番の「感染症対策について」を御説明いたします。

まず1ページ目に2種類のグラフがあります。上のグラフが令和3年度の公立学校の児童生徒、教職員の感染者数の推移です。御覧いただくと8月が突出していることがよく分かると思います。国や県の全体の状況を見ても、8月はデルタ株の感染がかなり増えました。全体の数も多いですが、中でも小学生の感染が多いことが大きな特徴です。9月に新学期が始まってから、7日までの推移では、少し収まっているように見ております。

真ん中のグラフは7月以降の感染者数の推移ということで、夏季休暇に入って増え出して、お盆でさらに増えて、そのあと少し下がってきている傾向が見て取れます。

下のグラフは校種別の感染経路です。このうち小学校の8月は、丸で囲んでおりますとおり、「家庭」が194人と多く、感染経路は親や兄弟が多い状況です。「その他」を丸で囲んでおりますのは、保育施設や事業所でのクラスター発生等が、感染経路として特徴的になっています。

高等学校の場合の感染経路は、学校、家庭が多いです。このうち学校の18という数字を丸で囲んでおりますが、これは8月の上旬に、部活の関係でクラスターが発生したものです。

2ページ目の感染症対策について、教育委員会では1から3までの3段階で学校の行動基準を定めていますが、そのレベルを8月26日に、2から3へ引上げました。

昨日、緊急事態宣言が9月30日まで延長になりましたので、下部の四角囲みの具体的な対応は、9月30日まで継続すると御覧ください。

また2学期の具体的な対応について、主だったものとしては、各教科共通の事項では、感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い学習活動、例えば理科や家庭科の実習のように、長時間、近距離で、対面で行う活動は実施しない。修学旅行は期間中に出発するものは延期、また部活動は原則実施しない。あわせて行事関係は延期・中止し、びわ湖フローティングスクールについても、この期間は延期の対応をしています。

 

(高校教育課長)

3ページ「4 各学校現場の新型コロナウイルス感染症への対応状況」の県立高等学校について、説明申し上げます。

9月に入り2学期がスタートしましたが、県立高校45校においては、それぞれの学校で、授業時間の変更や短縮授業といった工夫をしていただきながら、大きな問題もなく、順調にスタートが切れたと思っているところでございます。

また、学びにつきましては、今後のさらなる感染拡大も考えられますことから、各学校におきましては、オンラインでの授業や動画の配信を行うなどの準備を進めていただくよう指示を出しているところでございます。

また、9月に入りますと、進学や就職といった進路指導が本格的に動き出していきます。特に就職につきましては、9月16日に就職選考が始まります。現時点では、各学校と就職試験先事業所とが十分調整を行って、感染対策を徹底した上で実施していただくようお願いしているところでございます。以上でございます。

 

(特別支援教育課長)

続きまして、「5 特別支援学校の感染症への対応状況について」説明させていただきます。

県立特別支援学校は16校あり、通常通り授業を行っている学校と、時差、短縮授業の対応を行っている学校がありますが、各校とも順調にスタートされております。

資料にありますとおり、特別支援学校8校ではスクールバスを利用して通学している児童生徒がたくさんいます。昨年度以降、各校に1台増車して対応しており、1台当たりの乗車人数は減っておりますが、緊急事態宣言下においては、可能な限り保護者に送迎をお願いしています。学校や地域の状況によって違いがあり、半数以上の保護者に送迎していただいている学校もあれば、若干名に留まっている場合もあります。そういった中で密にならない状況でスクールバスは運行していると報告を受けております。

授業等については、特別支援学校の場合、集団で行う授業が多くあります。学部集会や体育、音楽などはグループ単位ですることが多いのですが、これについても、昨年度、各教室にプロジェクター等を配置しておりますので、そういった端末を活用しながら、集団感染リスクを防ぐ対応をとっております。

また、特別支援学校では、医療的ケアが必要であったり、基礎疾患がある児童生徒が登校しておりますことから、中には主治医の見解や、感染への不安により、出席停止の対応をとっている児童生徒もいます。各校で状況は違いますが、9月1日時点で、20名近く出席停止の対応をしている学校もあります。そういった子どもたちに対しては、オンライン学習や担任による継続的な家庭訪問等で、学びが継続できるように努めております。

また、就職に向けた職業教育に関して、1年生は職場見学を行いますが、なかなか実際に職場に行くことができないため、オンラインで職場見学ができるような取組を行っています。また3年生の場合、就業体験が直接就職につながることもありますので、生徒や企業等との調整の中で、できる限り地域の状況を見ながら実施できるようにしていただいております。

 

(幼小中教育課参事)

幼少中教育課の久保田でございます。私からは「6 市町立学校における対応状況」について御報告申し上げます。

おかげさまで2学期につきましては、多くの学校で予定どおり始業されております。ただ、一部の学校におきまして、始業を延期したり、学年・学級閉鎖をした学校もございます。

また、感染不安等で学校を休む子どもたちへの対応につきましても、校長判断により出席停止とし、欠席とはしない柔軟な対応をとっています。その際には、学校と子どもとのつながりがしっかり保てるよう、きめ細やかな指導をお願いしております。

さらに、市町によっては、午後にオンラインの授業やライブ配信等、ICT端末を利用するなどの学びの保障への対応も行われております。

(福永教育長)

それでは、ただいまの説明も含めまして、学校における感染症対策、また学びの保障の在り方等について、皆様から御意見をいただきたいと考えております。

どなたからでも結構ですので、様々な御意見をお願いいたします。

 

(岡崎委員)

私からは保護者の意見として申し上げます。修学旅行や運動会、体育祭などが延期になることについては、いろいろなつながりの場が失われると懸念されている保護者の方がおられると聞いています。今後、いろいろな対策を行うことで、子どもたち同士でつながって、接して、いろいろな経験を積み重ねる場を復活させていかなければならないのではないのかと思います。

 

(窪田委員)

丁寧に御報告いただきありがとうございます。一つ教えてください。最近の感染状況で、感染者は減ってきていると思います。9月の教職員の感染者は3名ということですが、濃厚接触者になったことで、学校に2週間行けない、授業ができないということが現場では起こっていないでしょうか。あわせて、先生自身は陽性ではないけれども、家庭内に感染者があって2週間学校に行けず、そのクラスの授業の対応が大変であるという話を大阪の方から聞きました。その辺りはすでに目配りいただけていると思いますが、状況を教えてください。

 

(健康福利室長)

健康福利室の竹元でございます。健康福利室では県立学校についての状況しか把握しておりませんが、8月には確かに感染者が増加しました。

ただ夏休み中ということもございまして、学校のほかの教職員や生徒への感染はありませんでした。

感染経路としては、経路不明が1番多いのですが、その他の多くは家庭内での感染であり、特に息子さんや娘さんから感染をされるというパターンが多くありました。

学校への影響については、8月は県立学校でも影響はありませんでした。昨年度からの状況を見ましても、濃厚接触者の人数の把握が困難な時期もありましたが、代替の先生が対応されるなど、できるだけ影響のないように対応されたと聞いております。

 

(野村委員)

地域においても、部活動が中止になっていることで、子どもたちの行く場所がなくなり、公園等にたくさんの子どもたちが集まって、一緒に遊んでいる状況を目にすることがよくあります。

先ほども知事がおっしゃったように、スポーツが与える影響は、個人にとっても、周りで支援、応援する人たちにとっても、大きな感動を与えますし、努力をすること、人として成長することなども、とても大切であると思います。

ただこの状況下で、どこまでその活動を可能とするのか。どうしても抑えなければいけない、我慢をしなければいけない場合には、感染対策を十分にとった上で活動していただくことが基本になると思いますが、スポーツが与える良い影響も踏まえて、この状況においても少しでも活動が望めるように、努力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

 

(福永教育長)

野村委員ありがとうございました。御意見のとおり、子どもたちが我慢をしたり、どこに行けばいいかという点は、課題であると認識しております。

 

 

(土井委員)

御対応ありがとうございます。1点、16歳以上の高校生を対象としたワクチン接種が始まっていますが、現在どのような状況で、今後年末に向けて、どのようになると予想しておられるのか、お伺いできればと思います。

 

(保健体育課長)

16歳以上のワクチン接種については学校現場では把握してないのが現状です。

ワクチン接種をする場合は、時間や場所によっては一部欠課ということになりますけれども、公欠扱いにすることを基本に、柔軟に対応しているところです。現状については把握していませんが、受験生を中心に接種が進んでいると聞いています。

 

(石井委員)

ありがとうございます。いろいろと御苦労が多いと思います。5ページで御説明がありました、臨時休業等になった場合の学びの保障への対応について、現在の進捗状況はいかがですか。

 

(幼小中教育課参事)

既に草津市、高島市等では、午前中の対面授業の後、午後はオンラインでの授業を実施されました。各市町で計画に基づいた対応を実施されているところが多いと聞いております。

 

(石井委員)

一部の市町では動き出しているとのことですが、その他の市町についても満遍なく、漏れのないように実行できるようにしていただきたいと思います。3項目を例として挙げておられますが、これらの項目を充実させ、強化することができれば、コロナ禍でのピンチの状況をチャンスに変えていける。今後、普通の生活に戻った際にも活用度が高いプログラム等が生まれて、教育の充実に資すると感じますので、ぜひとも引き続き積極的な取組を期待しております。

 

(中條副知事)

様々な工夫をしていただきながら学校が始まっていると思いました。二つ教えていただきたいことがあるのですが、一つは3ページの県立高校について、今後さらに感染状況が拡大し、オンラインでの授業動画の配信も想定して準備を進めるように指示されていますが、今どの程度準備が進んでいるのでしょうか。次に、様々な行事や修学旅行が中止、延期になる中で、子どもたちの心のケアについては、何か指示をされているのでしょうか。その2点を教えていただければと思います。

 

(高校教育課長)

 まずオンライン授業についての指示ですが、全ての学校に準備をするようにお願いしております。現在のところ、全ての学校から、全生徒対象に可能、または一部の生徒対象であれば可能であると返事をいただいているところです。全く対応出来ないという学校はございません。

ただ、まだ1人1台端末が整備されている状況ではございませんので、子どもたちの家庭での通信環境等も含めますと、一部の生徒を対象とするのであれば対応が可能な状況です。そのような中で、信楽高校の取組を紹介いたしますと、午前中の授業のあと、午後は生徒を帰らせて、スマホでTeamsを使って授業を配信しており、積極的に取り組んでいただいております。

一方、修学旅行や学園祭等の延期、中止については、せっかくの楽しみがなくなるわけですから、大変なショックを受けている子どもも多いと思います。

現時点では、修学旅行や学園祭等は全て延期とし、各学校では10月、11月あたりの日程で実施を検討していただいているようです。

(岡崎委員)

いろいろな取組をしていただいていますが、まだまだ学校現場に、コロナに対しての正しい知識が、不足しているのではないかと思っています。

例えば、先ほど報告があったように、給食の配膳については工夫していただいていると思いますが、子どもたちがトイレ掃除をする場合等に、感染のリスクが高まるのではないかと不安を持つ学校も出てくるのではないでしょうか。

今までの子どもたちの活動が、どの程度リスクが高く、具体的にどのような対策が必要であるか、周知徹底することが必要ではないでしょうか。

今は新しい学びの環境をつくるために時間を使わないといけないと思いますので、余計なことで現場の先生方に負担がかかることのないよう、県としてもしっかり取り組んでいかなければならないと思います。

 

(福永教育長)

御指摘いただいた点については、各学校での活動のリスクと、その対応を正しく理解して、正しく取り組むことが重要だと思います。

では教育委員の皆様の御意見を踏まえて、知事から、本件についてコメントをお願いいたします。

 

(三日月知事)

ありがとうございます。教育長を先頭に、教育委員会の皆さん、そして市町の教育委員会の皆さん、また学校現場の皆さんが、子どもたちの学びをしっかりと保障しよう、学校で友達や先生方と一緒に学ぶことを大事にしようということで、去年は一斉休業があったのですが、この感染拡大の大きな波があっても、そうならないように頑張ろうと努めていただいておりまして、一部には学級・学校の閉鎖はあるのですが、部分的な対応で頑張っていただいております。

ただ、先ほどお話があったように、修学旅行、学園祭、運動会さらには、部活動の中止・延期などの影響が出始めていますので、今も教育長が言ったように、きめ細かくフォローし、対応していく。その一環として、今度の議会で、修学旅行が延期された場合のキャンセル料の支援も措置しながら対応しておりますし、部活動の大会に行く際の検査費用なども、少なからずあったようですので、こういうものについても措置しようとしています。

何より、この状態をできるだけ早く脱出して、気をつけながら気兼ねなく活動できる環境をつくることが一番大事だということで、何とかこの9月を乗り切っていきたい。そして10月以降、またいろいろな活動ができるようにしていきたいと考えているところです。

また、土井委員からお話があったワクチン接種については、高校生、大学生についての比率はないのですが、直近のデータでは全県で、2回目の接種が終わった人が42.8%となっています。そのうち65歳以上が1番高く90.2%、40歳から64歳までが42.5%、そして12歳から39歳までが17.2%という状況です。昨日も確認したのですが、この9月中には、全県民の希望する方の55%が2回目まで打てるだろうという状況が確認出来ています。そして11月には希望する人全員が2回目の接種を終えられるという状況が確認出来ています。

特に高校生もそうですが、若い皆さんは仕事しながら、学校に行きながら接種の機会を探ることになりますので、夜間に接種時間を延ばしたり、スマホで予約ができるようにしたりと柔軟に対応できるように、県としても努めているところです。

悩ましいのは、学校でもそうだと思うのですが、「ワクチンを打った人は?」という事がなかなか聞きづらくて、「打っていないのか」と言われるということにつながるのをどのようにみんなで配慮していくのかっていうことなどもあって、現場ではいろいろと御苦労いただいているようですが、全体として、ワクチンによる免疫を高めていけるように、努めていきたいと考えております。

いずれにいたしましても、心のケアを含めてしっかりとフォロー、ケアしていけるように、また、オンライン教育、ICT教育をこの機会に充実させて、それ以降につなげていくことが極めて大事ですので、そういう取組をさらに進めていきたいと思います。

 

 

(福永教育長)

知事、ありがとうございました。

本日皆様からいただきました御意見等も踏まえまして、今後新型コロナウイルス感染症の状況をしっかり見ながら、子どもたちの学びが保障されますように、教育委員会としてしっかり対応に当たっていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

それでは、続きまして議題(2)「これからの滋賀の県立高等学校の在り方について」に移らせていただきます。

議題(2)につきましては、ゲストスピーカーとして、佛教大学副学長で、このたび滋賀県立高等学校在り方検討委員会の委員長を務めいただいている原先生、そして滋賀県立虎姫高等学校の梅本校長先生、滋賀県立守山北高等学校の松宮校長先生、そして守山市の杉本様にオンラインで御出席いただいております。皆様どうぞよろしくお願いいたします。

進め方でございますが、まず初めに事務局から、現在、在り方検討委員会で御審議いただいております答申素案の概要を御説明させていただき、続いて、原先生から、答申素案に込めた思いを御発表いただき、梅本校長、松宮校長と、守山市の杉本様から、それぞれの実践等についてお話をいただく予定をしております。

そしてこれらの説明を踏まえた上で、これからの取組の方向性等について、皆様と意見交換を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

それではまず事務局から説明をよろしくお願いいたします。

 

(魅力ある高校づくり推進室長)

魅力ある高校づくり推進室の上田でございます。よろしくお願いします。

それでは私から、県立高校の在り方と、県内の中学生の進学状況、この2点について御説明したいと思います。

まず答申素案の状況でございます。「はじめに」のところでございますが、人口減少ですとか少子高齢化、技術革新などの社会情勢の変化に対応していく中で、おおむね10年から15年先を見据えて、県立高校の在り方について、全県的視野で基本的な考え方を示していこうとしております。

現状と課題について、まず生徒数の減少でございますが、中学校の卒業者数について平成2年から比べますと、令和2年では34%の減となっておりまして、令和16年度では42%の減と推計されているところでございます。

また、社会情勢の変化や国の動き、高校における特別な教育的支援が必要な生徒の増加なども、現状と課題として整理しているところでございます。

基本的な考え方ですが、育成すべき生徒像を、生きる力、つまり、自立する力、伝える力、協働する力、創造する力等がある、としております。

目指す姿としましては、生徒が自ら主体的に学び生きる力をつけることができるなど、8つの姿を描いているところでございます。

またコンセプトといたしましては、多様な生徒一人ひとりが滋賀という地域から学び、社会の一員としての自立を目指す学校づくりを進める、としております。このコンセプトのもとで進めます取組の方向性でございますが、資料にございますように幾つか整理をしております。特に、生徒数の減少への対応ですとか、普通科の特色化につきましては、検討委員会でも特に議論があった部分でございまして、後ほど原先生からコメントをいただければと思っております。

また、さらに議論を深める必要がある項目につきまして4点に絞って整理しております。特に2点目の学校規模の問題、3点目の将来に向けた議論の必要性の部分につきましても、後ほど原先生からコメントをいただければと思っております。

最後に中学生の進学状況につきましてのデータでございます。直近5年間の状況をまとめておりますが、1番右の列が、令和3年3月の状況でございます。進学者総数のうち93.4%が全日制の高校に進学しておりまして、68.8%は県内の県立高校、18.3%が県内の私立高校、また県外の私立高校が5.8%となっております。通信制高校へは3%、高等専門学校では0.6%となっております。

県内県外別の進学状況でございます。県外への進学状況は1割未満となっておりますが、少しずつ県外への進学割合が増えている状況でございます。

県外の私立高校への進学につきましては、京都への進学が約8割となっている状況でございます。また高等専門学校につきましては、県内から毎年60人から70人程度進学しておりまして、舞鶴高専や福井高専が多くなっている状況でございます。

最後に県内の県立私立高校の進学割合でございますが、私立高校への進学割合が約2割となっておりまして、少しずつ私立の割合が増えているといった状況が見て取れます。以上で説明を終わります。

(福永教育長)

それでは、続きまして原先生から御発表をよろしくお願い申し上げます。

 

(原委員長)

皆さんこんにちは。佛教大学の原でございます。

私は学校臨床学を研究の中心しておりますので、これまでも滋賀県の多くの県立高校に学校に足を運ばせていただきました。

一言で言うならば、滋賀県の生徒の皆さんは本当に柔軟性があるというか、雰囲気がよいというか、先生方も非常に頑張っておられる、そういう様子を見てとることが出来ましたので、今回、在り方検討委員会の座長というお話がありましたときに、喜んでお引受けをさせていただいた経緯がございました。

私からは簡単にですけれども、これまで在り方検討委員会でどのような議論をしてきたのかということについてお話をさせていただきます。

まず1枚目のスライドがこれまでの検討委員会のスケジュールですが、既に7回の検討会議を行い、さらにその中では、アンケートを実施し、現地調査にも何校か行かせていただきました。

2枚目のスライドですが、とりわけ普通科をどう特色化するかということが、今回の検討会議の中でも大きなテーマでございました。

そのときに、滋賀県の魅力の一つとして、全県一区の学区制を持っているということを、会議の中でも強く皆さんが認識されております。その意味においては、今後、全県1区制度は継続する。ただし、全県一区のなかで普通科がどのように魅力発信をするかというときに、できれば各学校が主体的に検討し、自分の学校の魅力が何か、あるいは何ができるのかということを、まずは学校に主体的に特色化、魅力化の発信をしてもらうことが重要だということが、中心の課題になってまいりました。

次に3枚目のスライドですが、先ほどのデータにもありましたが、これから迎える生徒数減少の時期にどのように対応するかということです。

大きなポイントとしては、それぞれの県立高校が、所在する地域と県立高校との関係性をこれまで以上に大事にして、地域と連携協働した学校づくりが進められないだろうかというところです。

この後、守山市と守山北高校の事例の報告がございますが、生徒数減少については、地域との関係性を重視した取組が必要になってくるでしょう。

さらに、1番下の(3)にもありますが、他府県でも既にそのような工夫がされておりますけれども、例えば学校行事や部活動等について、できるだけ学校間連携とか地域連携を進めながら、一つの学校の中に閉じてしまわない高校の魅力づくりも必要だろうという議論でございます。

4枚目のスライドですが、学校規模の問題、例えば同じサイズでそろえてしまうことに対しては、問題があるという指摘はたくさん出されました。サイズをそろえる必要はなく、小規模な高校に魅力を感じる生徒は最近多くなってきている。反対に、大きな学校で活発に高校生活を送ることを望んでいる生徒もいる。つまり、サイズ感というのは、それぞれの受け取り方によって全然違うわけですよね。

不登校の子どもたちが最近増加傾向にあることは、やはりデータ上も見て取れます。そうすると、余りに大きな学校の中で、その個性を含めて、自分自身を埋没してしまうような状況は果たしてどうでしょう。むしろ先生方と非常に親密な関係性を構築しながら高校生活を過ごすことができる、そういう高校の魅力づくりも一方で必要だろうということです。

したがって、規模の大小はあまり大きな問題ではなく、むしろそれぞれの大小の規模感に応じて、あるいは地域の実態に応じて、生徒を伸ばすことができる方向性で魅力化を議論することが重要だということも、検討されてまいりました。

最後のスライドですが、将来に向けて、どのようなことを今後の改革のポイントとして置けばよいのかということです。滋賀県の県立高校の大きな魅力は先ほど来申し上げたように、地域との結びつきが強いことであります。

これまでは、地域に対して高校は何ができるのかというような発想を重要視してきましたが、むしろ地域の視点として、その地域を活性化するためには、どのようなことが必要なのでしょうか。つまり地域の実情や課題と、高等学校のカリキュラムをうまく連動させて、地域に資することができる人材づくりといった視点も、滋賀県の県立高校らしい取組であろうと思っています。

さらに言えば、一番下にありますように、教育委員会が、全県をしっかりと大きな意味で俯瞰して、グランドデザインをまず示す方法もあるでしょう。つまり、高校の魅力化には、全国的に見ると、こんな魅力の作り方があるんだという情報をしっかりと発信し共有した上で、冒頭申し上げたように、各学校で、それぞれの学校に何ができるのか、あるいは何をしたいのかといった意見をすり合わせながら改革をしていくということが重要であると、そういった議論をこれまで繰り返しやってまいりました。

次回の議論で、しっかりとした答申をまとめる予定にしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からはひとまず以上でございます。

 

(福永教育長)

どうもありがとうございました。

それでは続きまして虎姫高校の梅本校長先生から御発表いただきたいと思います。梅本先生よろしくお願いいたします。

(梅本校長)

今回いただいたテーマとして、人口減少地域に位置する高校の魅力化について、お話をさせていただきます。

まず初めに長浜市の人口の状況でございます。いろいろ取組をしていただいているところでございますが、毎年約1,000人の減少でございます。それに伴いまして、長浜市内の中学3年生、高校に入学する生徒についても、若干増減はございますが、年々減少傾向にあります。

次に挙げさせていただいたのは、本校の過去8年間の一般選抜入試の出願状況でございます。御覧の通り、1.00倍を切るということは、定員に満たない状況であるということでございます。

こうしたことから、今後は魅力ある学校づくりを進めて行きたいと考えています。御存知いただいている方もおられると思いますが、本校は昨年度100周年を迎えた、非常に伝統ある学校です。より一層の魅力化を図りたいということで、今回、主に三つの取組を御紹介させていただきます。

一つ目は、SSH事業、スーパーサイエンスハイスクール事業でございます。

これにつきましては、県内の公立高校で3校、膳所高校、彦根東高校、本校が取り組んでおります。本校は平成24年度に文部科学省の指定をいただきました。本年度は、第2期の最終年度であり、通算10年目となっております。大きな特徴としましては、「サイエンス・フォー・オール」ということで、理系だけでなく、文系の生徒についても理数科教育を充実させ、さらに資料に「究理」と記載しております学校設定科目を、1年、2年、3年にかけて、生徒全員にこのような取組をさせていただいております。

また、もう一つの柱としまして、本物に触れるということで、高大連携講座を開催しており、いろいろな大学から御支援いただいているところでございます。

特に理系の連携先に長浜バイオ大学があります。これにつきましては、本年度改めて包括連携協定を結ばせていただきました。先ほども申し上げましたが、今年はSSH事業の2期の終了とともに第3期の申請の時期でございます。より深い学び、質の高い学びのために、連携協定を締結させていただき、実際に本校の生徒が長浜バイオ大学に行きまして、一流の先生方の御指導のもと、一流の設備を使わせていただいて、より質の高い研究ができる体制を整えたところでございます。

続いて2点目でございます。知事から先ほどお話がありましたが、私自身は、学校の活力の源は生徒だと思っております。主体的な活動の推進ということで、資料のように、新型コロナウイルス感染症の状況ではございましたが、7月上旬に予定どおり学園祭を実施しました。その際には生徒会長と相談しまして、「大胆かつ繊細」というテーマで開催いたしました。「大胆に、しかしながら、新型コロナ感染症を防ぐために繊細に活動しよう」と学園祭を実施しましたが、私の想像を超えるような取組を、生徒たちはやってくれました。

資料右部分の新聞に書かれているのが取組の一つですが、古着を集めて、それをワクチン接種に生かすというような取組をしました。こういった取組につきまして、知事から、昨年に続いて激励のお手紙をいただいたところでございます。ありがとうございました。

次に新聞部の活動を資料に掲載しています。御手元の資料では2年連続となっていると思いますが、この8月に3年連続で、全国でわずか5校の最優秀賞を取りました。新聞部の記事の中で、地域の文化や伝統、さらに地域のお店を紹介することによって、彼らの活動が地域の活性化にもつながっているのではないかと考えています。

さらにもう1点、先ほど申し上げた、昨年の100周年記念式典が1年延期になり、本年度11月7日に行います。これにつきましても、企画・進行を全て生徒に任せて、現在、取り組んでいるところでございます。

3点目は国際バカロレアの取組です。一言で言いますと、この湖北から世界に貢献できる人材を育成する体制を整えていくために始めた取組で、現在、全国の認定校数は53校でございます。本校は平成31年3月に認定をいただきました。西日本の公立高校で初の認定となっております。

2点特徴を申し上げます。本校は日本語DP校といいまして、6つの科目を学ぶのですが、そのうちの2科目が英語で実施されます。

もう1点の特徴がEnSS、日本語で言いますと「環境システムと社会」となりますが、環境県である滋賀ならではの、チャレンジングなプログラムに取り組んでいるところでございます。

ただ大きな心配としましては、この国際バカロレアをどれだけ周知できるかということでございました。私は現在この学校で3年目ですが、正直に言いまして1年目はほとんど反応がなかった状況でございます。ですが今の2年生は入学段階で幸い41名もの生徒が希望してくれました。最終的には第1期生として、現在2年生7人がバカロレアのプログラムを学んでおります。

さらに本年度につきましては、31名が入学当初に希望してくれまして、この7月、選考試験の結果、10人が希望してくれました。内訳としましては長浜市が中心ですが、今年度は大津市の生徒にも来てもらっており、大変喜んでいるところでございます。

成果として、6月に1年生の保護者を対象に行いました、説明会の様子を御覧いただきます。

 

(動画内の生徒の音声)

授業のスタイルが、先生に一方的に教えてもらうのではなく、考えて、相談して、答えを見つけるという授業スタイルになっています。そのため質問がしやすくて、答えもすぐに返してもらうことができます。小さな疑問でもすぐに質問ができて、答えてもらえるので、今まで当たり前だと思っていたことでも、「本当はどうなっているのか」と疑問に思うことが、最近できるようになって、探究心が伸びたと感じています。

 

国際バカロレアの課題については、先ほども申し上げましたが、この取組をどう全県に対して周知していくかということが1点ございます。

また2点目として、現在第1期生が2年生でございますが、来年いよいよ3年生になりまして、11月に資格試験に挑戦します。これに向けて、どれだけ我々が支援、サポートできるかというのが大きな課題であると思います。

現在、学校としては定員割れをするような状況でありますが、幸い生徒のアンケートで、「教科指導が大切にされている」という回答が92%であり、生徒がある程度満足している状況があります。また「個人の面談等が丁寧だ」ということについては95%のデータが出ております。その結果として、国公立大学に毎年、3割から4割程度進学しており、また現役の進学率が92%から93%あります。これもひとえに、教員、そして生徒の頑張りのおかげだと思います。

最後に、魅力ある活動の核としまして、やはり、彼らに本校の誇りを持っていただきたい。そのためには、まず自分を愛する、家族を愛する、友人を愛する。そのことが学校を愛し、地域を愛し、社会を愛し、世界を愛することにつながる。そのような形で、生徒と一緒に魅力ある学校づくりに努めていきたいと思います。以上でございます。

 

(福永教育長)

ありがとうございました。

それでは続きまして、守山北高校の松宮校長先生と、守山市の杉本様から御発表をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(松宮校長)

守山北高校の松宮でございます。本日は、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。本校の取組や、将来像についてお話をさせていただきます。

守山北高校は昭和58年4月に開校いたしまして、今年度で39年目、令和4年に40周年を迎えます。開校時は1学年6学級でスタートし、その後は生徒数の増減に対応する形で1学年に4学級から8学級の間で推移しています。今年度は1年生が4学級、2・3年生がそれぞれ5学級の14学級になっています。

守山北高校は、守山駅周辺の市街地から少し離れた守山市の東北部に位置し、服部遺跡等も近く、弥生時代から稲作の歴史がある田園地帯に位置しています。

また、本校を取り囲むように、児童養護施設、障害者支援施設、老人福祉施設があり、豊かな自然と落ち着いた地域の環境の中にあります。公共交通の便はよくありませんが、野洲川歴史公園サッカー場ビッグレイクや、市民体育館、市民ホール等の文化施設へのアクセスは便利な場所にあります。守山市は豊かな田園都市をうたっておりますが、そのような環境にあるといえます。本校周辺の地域では、農地の宅地化なども進んでおり、就学年齢人口は微増傾向にあります。

まず、地域との関わりが深い本校の歩みについてお話をします。昭和58年の開校時から10数年間は、守山市内中学校出身の生徒が70~80%、野洲市内中学校の出身を加えると85~90%程度を占める状態でした。幅広い学力層の地元生徒が進学している学校であり、部活動や地域と連携した取組などを軸に学校づくりが進められてきました。

その後、平成18年に普通科全県一区が導入された頃から、中学生の進学先に流動性が生じ、少しずつ地元の生徒の割合が減少しました。しかしながら地元中学校などとの連携を強化しながら、地域に根差した学校づくりを進めることは、本校開校以来の大きな柱として受け継がれており、平成元年度からは学校運営協議会も設置していました。守山市の宮本市長も、守山北高校を応援すると言ってくださっており、市との連携は非常にとりやすくなっています。

それでは近年の本校の状況です。地元の生徒が多いと説明いたしましたが、近年の具体的な割合はグラフのとおりです。全校生徒のうち、守山市立の4中学校の出身生徒が約50%、野洲市内と合わせると70%程度になります。それ以外で入学者が比較的多いのは、栗東市や草津市、近江八幡市からですが、これらも自転車通学できる地域の生徒が中心です。遠方からの入学者は、部活動を目的とした生徒が大半です。

生徒の進路は年により多少違いますが、大学、短大等が3分の1、専門学校が3分の1、就職が3分の1となっており、非常に多様な状況です。生徒の多くは、高校入学後に様々な進路ガイダンスや、キャリア教育の機会などを通じて進路希望を固めていきます。進学でも就職でも大半は自宅から通えるところ、これまでの自分の生活圏に近いところであり、高校卒業後も何らかの形で、この地域とつながりのある生徒が多いと言えます。

令和3年3月の学校教育法施行規則等の一部改正により、令和4年度からスクール・ポリシーの策定・公表を行うことになりましたが、スクール・ポリシーの策定に向けて、本校の果たすべき役割を再確認するため、この5月から6月にかけて、教職員、PTA役員、地元中学校の校長先生に守山北高校の強み、長所、あるいは守山北高校に期待することについてのアンケートをとりました。

結果は表に示した通りです。本校の長所は、やはり地域とのつながりであり、本校の位置する守山市北部の落ちついた地域社会の環境や地域資源を生かした学校づくりが鍵になってくるということを再確認しました。また、本校に求められていることは、言うまでもなく学力の向上、多様な進路希望の実現や部活動の活性化ということですが、これは本校に限らず、どの高等学校においても、同様に期待されていることであると言えます。守山北高校において、これらの教育活動を持続可能な、また発展的なものとしていくためには、この強みを生かして、地域の期待にこたえることが重要だと考えております。地域貢献や地域人材育成の役割を果たすことができる学校となっていくことが必要であると考えています。

次の表は、地域と連携した取組について、現在までの取組と、今後進めていくことが出来そうな取組を整理したものです。

これまでも、近隣の福祉施設での介護実習、フィールドワークや、隣接する福祉施設との合同防災訓練、地元の起業家の方に講演をしていただくなどの取組がありますが、今後は地域課題についての探究的な学習や、ボランティア活動の推進、まちづくりや、地域防災への参画に発展させていきたいと思っております。このような教育活動を推進していくためには、地元守山市からの支援や地域住民の理解、協力が必要になります。

守山北高校の歴史や伝統、強みを踏まえて、本校の社会的役割、スクール・ミッションを整理しました。繰り返しになりますが、地域人材の育成、地域貢献、多様性への対応などが、社会において本校の果たす役割ではないかと思っています。このようなことを踏まえて、スクール・ポリシーを策定するとともに、本校の将来を構想していくことになると考えております。

現段階での本校の将来構想ですが、一つは、地域と学校がその近未来を共有しながら、地域課題の解決に取り組む、探究的な学習を展開する教育課程を構築していく。もう一つは、このような教育課程を持続可能で発展的なものにしていくために、地域と学校を結ぶコーディネーターを配置し、さらに地域学校コンソーシアムを構築することが必要だと考えております。さらにこのことを具体化し、学校の特色化、魅力化を推進していくために、新しい学科あるいはコースの創設を視野にいれて、学校づくりを進めていくことも必要だと考えています。具体的には、地域課題の解決に取り組む教育課程を踏まえた新しい学科、あるいはコースの設置などが、守山北高校の特色化、魅力化の柱になるのではないかと考えています。

ただし、学校としましては、多様な生徒を受け入れていくことになりますので、その学科以外の学科や類型でも、生徒の興味関心やキャリア教育、進路希望に応じた教育課程を準備していく必要があります。

もちろん地域探究のコースだけでなく、学校全体としても、地域とつながりのある教育活動に取り組んでいくことを想定しています。こういった構想の実現に向けては、校内外の人員配置や、入学者選抜の在り方などの課題も多いと感じています。このような新しい学科の成功には、地元守山市との強い連携や地元中学校の全面的な協力が得られる関係づくりも必要になってきます。全国的な高等学校改革の動きも注視しながら、県教育委員会の御指導のもと、本校の特色化も推進していかなければならないと考えております。以上で発表を終わらせていただきます。

続きまして、本校との窓口になっていただいております、守山市の杉本さんからお話をしていただきたいと思います。

 

(守山市杉本氏)

守山市の杉本と申します。よろしくお願いいたします。先ほど守山北高校の松宮校長より、守山北高校の御紹介がありました。その中で市内の生徒がたくさん守山北高校さんに通っているということで、やはり地域性、地域コミュニティの充実が非常に大切であると考えております。

守山市の地域の特徴としましては、琵琶湖や野洲川、田園都市ということで自然に恵まれた環境にございます。その中で環境学習を、ぜひ守山北高校さんと連携して、取り組んでいきたいと考えております。

このほか、4月に守山エコパークという環境学習の拠点施設がオープンいたしました。こちらの施設も活用していただきながら、子どもたちが自然環境に関心を持って取り組める環境の提供を、どんどんしていきたいと考えております。

また、本市でも取り組んでいます起業、創業面においても、自分たちが自分たちの町をしっかりと活性化していきたい、地元を大切にする、という意識を持っていただける取組をしていきたいと考えております。守山市が実施している施策にどんどん参加していただいて、生徒自身が自分のしたいこと、やっていきたいことを自ら発見できる入り口としても、取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

(福永教育長)

ありがとうございました。

それではいくつか御発表いただきましたので、ここまでの発表を受けまして、御質問のある方はお願いします。もう少しここを聞きたい、これはどうなっているのか、ということがありましたらよろしくお願いいたします。

 

(石井委員)

虎姫高校の国際バカロレアの取組についてですが、IB英語とは何でしょうか。

 

(梅本校長)

IBというのは国際バカロレアのことで、英語の教科のことです。

 

(石井委員)

特徴のある内容のカリキュラムによる英語教育なのでしょうか。

 

(梅本校長)

2点ございます。まず全て英語で授業をするとともに、プログラム自体が探究を目的としていますので、語学を教えるだけでなく、物事を考えることがメインになっています。

 

(石井委員)

これに参画するときには個人的な負担は発生するのですか。

 

(梅本校長)

その点については公立ならではでございまして、授業料等は他の生徒と全く同じでございます。コンピュータを使用しますので、そういった費用は個人負担がありますが、授業料等は別途必要ありません。

 

 

(福永教育長)

そのほかに何か御質問ございますでしょうか。特に御質問等がないようでございましたら、ここまでの御発表を踏まえて、これからの県立高等学校の在り方について、将来に向けて必要な取組等について皆様から御意見をいただければと思います。今までの発表を踏まえまして、皆さんから御意見、御質問をいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

(岡崎委員)

梅本先生、松宮先生ありがとうございました。

郷土愛、地元愛というものが共通した思いとして感じ取れました。私もPTA活動をしている中で、子どもたちが学校に通っている間には学校のためにとか、子どもたちのためにという思いで活動していたのですが、子どもたちが卒業して、地域でお世話になる様子を見ていると、その思いが少し変わってきました。校長先生たちが言われたように、地域や学校のために自分にできることはないのだろうか、今の立場であれば、滋賀県のためにできることはないだろうかという思いが、年を重ねて大きくなってきました。

そういう思いを持つ子どもたちが今後たくさん増えればいいというのは私の個人的な思いですが、学校現場でもそのような思いを育てることで、特色のある教育ができる、魅力ある学校ができるのではないかと思います。とはいえ自分の経験では、学生時代は楽しければいい、いろいろなことを勉強できればいい、友達とつながっていればいいと思っていましたので、郷土愛につなげるには時間をかけて熟成させないといけないと思いながらお聞きしていました。今後そういった点を、魅力ある学校につなげる、いいヒントにできないだろうかと思いましたので、校長先生たちの思いを聞かせていただければと思います。

 

(梅本校長)

地域には同窓会に2万人以上の方がおられまして、たくさんの方が御活躍されています。商工会議所等を窓口として、SSHの取組として地域で活躍されている企業の方と連携しながら、サポーター制度のようなものを設けて、支援、連携ができるように、体制づくりに努めているところでございます。

 

(松宮校長)

近隣地域の生徒が多いので、自分たちの生まれたところに対して愛着を持つということはもちろんですが、守山市や近隣の市町以外の、大津市や東近江市等から来ている生徒も、守山市の守山北高校で過ごした3年間で、この地域の良さ、さらには滋賀県の良さを分かって愛着を持ち、母校愛、地域愛を持って育っていくような活動につながればいいという思いで計画を組み立てようと思っております。

 

(岡崎委員)

特に地域で成功されている人、自分の将来に重ねられる人と多く触れ合うことができれば、子どもたちもこんなことがしたい、こんな人になりたいというイメージが膨らむだろうと思いました。ぜひ継続していただきたいと思いますし、幅広くいろいろな方と子どもたちが接する場をつくっていただけるといいと思いました。

 

(土井委員)

梅本先生に質問です。国際バカロレアに取り組む生徒は1学年にどの程度いてほしいとお考えですか。

 

(梅本校長)

まず、制度としましては20名以内ということになっています。もちろん多くの生徒に入ってほしいという思いはありますが、イメージとしては大学のゼミで卒論を指導するような状況でございまして、なかなか1人の教員が20名に教えることは非常に難しいという現状でございます。

 

(土井委員)

校長先生の目から見ると虎姫高校では、参加してほしいと考えておられる程度の人数の生徒が応募して、頑張っておられるのですね。

 

(野村委員)

発表ありがとうございました。私も地域で活動させていただいているので、そういった点でお話を聞かせていただきたいのですが、まず地域と学校のコンソーシアム構築に関して、守山北高校のほかにも安曇川高校、愛知高校等で、自分たちの学校で作ったものを道の駅で販売する活動を、生徒が計画、立案して実施されていると思いますが、そのような活動を地域とコーディネートするためには、コーディネーターが必要になってくると思います。生徒自身がコーディネーターとして活動することもあると思いますし、また地域の方がコーディネーターとしてつないでくださることもあると思いますが、その場合はどのような人や団体に関わっていただけると、スムーズに実施できるでしょうか。

また学校においては地域との結びつきを大切にされていると思います。私も地元で活動をする中で、地域で育ててもらったのだから、地域に返していかないといけないという話をしていただいたことがあります。子どもたちが、地域に支えてもらっていることを実感できる、経験できる取組をしていただきたいと思っていますが、どのような団体に支援していただくのがいいでしょうか。

(松宮校長)

まず、地域と学校を結ぶコーディネーターについてですが、滋賀県の場合は制度的に配置されているものではありませんので、これまでは学校の教員がコーディネートする場合が多かったのですが、教員の負担を考えるとなかなか難しいです。本校の場合は学校運営協議会が設置されていますので、その委員の方が中心となってコーディネートしていただく事業が増えてきています。

本日お越しいただいた守山市の杉本様や、他の職員の方に、いろいろな形で学校に関わっていただき、コーディネートしていただくことが多く、少しずつ学校教員の負担を減らす中で、進めることができている状況です。できれば、県や地域においてコーディネーターという専任の職を配置されることが望ましいのではないでしょうか。島根県では多くのコーディネーターが配置されているということも聞いておりますので、そのような形が望ましいと思っています。

次に地域に支えられていることについては、このような取組をする中で、我々は非常によく感じています。学校運営協議会委員の方々等に支えていただいているのですが、地域の方に支えていただいていると生徒が実感できるためには、今は地域の方に活動に入ってきていただくことが多いですが、生徒がもっと地域に出て一緒に活動することを増やしていきたいと思います。

小学校ではそういった取組が多いのですが、高等学校でもそういった取組をもっと増やしていきたいと考えています。

このつながりを、地元の商工会や、農業関係者等にも広げ、できれば大学等とも協力関係を結んでアドバイスをいただきたいと考えております。

 

(野村委員)

小学校や中学校であれば地域に出ていく活動も多いですが、高校になるとそのような機会は少ないと思うので、県内にコーディネーターが設置されて、その方にいろいろな調整をしていただける体制で活動ができればいいと思いました。

 

(三日月知事)

今の御質問に関連して、守山市にある守山北高校ということで、守山市とも連携していただいていますが、先ほど御説明があったように、守山市や野洲市以外の生徒も40%近くおられることを考えると、地域コーディネーターは守山市だけでいいのでしょうか。

 

 

(松宮校長)

教育活動の場の中心となる地域は守山市になりますので、まずはその地域の資源をどのように活用させていただくか考えるにあたり、守山市にコーディネートしていただくことになると考えております。それが広く滋賀県全体の地域を考えることにつながっていけばいいと思っております。

 

(三日月知事)

先ほどの土井先生の国際バカロレアの御質問に関連して、1期生が7人、2期生が10人ですが、入学時の希望者は1期生は41人、2期生は31人となっています。これは先生が少ないから生徒を絞っているわけではないですよね。

 

(梅本校長)

入学時の希望者41人、31人というのは、中学校から入学したばかりの時点で、制度の魅力を説明した段階で希望した人数です。その後1学期の間に体験事業等を何度もさせていただくのですが、実は課題等が大変なのです。そのため本人や保護者の覚悟が必要になりますので、体験授業や面談を1か月から2か月間繰り返した上で、選考試験を受ける人数はこのようになったということです。学校から生徒を絞るということはしていません。

 

(三日月知事)

国際バカロレアをやっているから虎姫高校に入ったけれど、いろいろと聞いてみると大変そうだから、やめておこうという感じですか。

 

(梅本校長)

大学進学についても、日本の大学と海外の大学の両方とも容易に合格できるというような、若干の誤解がある場合もありますので、制度の仕組みなどを詳しく説明すると、想像と違っていたためにやめられる方もおられます。

 

(三日月知事)

国際の面でフォーカスするのはアメリカだけ、英語だけでいいのですか。

 

(梅本校長)

外国語は英語になりますが、国際という点においては現代文や世界史においても様々な地域について幅広く勉強します。国際バカロレアというプログラム自体が、国際社会において広く認定されているものであり、英語、アメリカのみに限定した考え方、プログラムではありません。

 

(岡崎委員)

今の質問に関連してですが、これから1期生が社会に出て活躍してくれることを期待したいのですが、その活躍が広がった場合に、もう少し幅を広げて、人数を増やして、規模を大きくするようなことは夢としてお持ちでしょうか。

 

(梅本校長)

もちろんです。先ほどの動画は時間がなくてすべては流せなかったのですが、どちらかというとおとなしかった1期生の生徒が、あのように人前で話ができるようになりました。やはりプログラムの効果は絶大なものだと思いますので、希望者を増やして、滋賀県からそういった子どもたちが育ってほしいという思いはあります。

 

(岡崎委員)

ぜひ頑張ってください。よろしくお願いします。

 

(石井委員)

いわゆる新時代の人材育成を模索する中で、両校の取組で起業マインドの醸成や国際感覚を持った人材の育成を掲げられていることは、経済界としてもうれしい限りであると感じます。経済産業界としても、バックアップや支援を考えていかなくてはいけないと感じました。

また冒頭にありました原委員長のお話の中で、規模感は関係ないということ、またクローズドなものから卒業して、オープンイノベーションの時代等に向けて、開かれた進め方を希求していく、追求していくということに同調感を覚えました。今後の展開を期待しております。

 

(原委員長)

私は、中学あるいは高等学校研究をこれまで継続してやってきましたが、全国におけるこういった研究成果の方向性についてはトレンドがあります。例えば、東京都教育委員会も同じように高等学校の魅力化について盛んに議論しておりますし、隣の京都も同じように魅力づくりの議論が始まっています。

高等学校の個性化や個別化を考える場合に共通していることが一つありまして、我々は垂直的多様化という言葉を使うのですが、高等学校を上下に偏差値で並べること、上下に多様化するというのはよい考え方ではなく、水平に横に多様化させるという発想が非常に重要です。縦に多様化すると序列性が強調されてしまい、高校生の生きづらさが強くなってしまいます。勝った、負けたというイメージが強くなってしまうことは、やっぱり避けなければならない。

横に多様化することを考えた場合、梅本先生、松宮先生がおっしゃったように、それぞれの学校の立ち位置があって、その学校と同じ群の学校にどういうふうな多様性を持たせて、魅力をつけていくか、それを中学生からどのように選んでもらえるようにするかという考え方で、滋賀県の魅力づくりはこれまで進んできたと思っていますから、座長としては、滋賀県においても全国的な潮流と同じように議論されてきたと、総括できると思っています。

それからもう一つ、先ほどの議論にありましたように、経済界あるいは産業界とどのように連携して人材育成するかということについても、同時並行で進んでいる産業界の人材育成の観点からの御意見もしっかりと受けながら、議論は進んでまいりました。その中で、探究というのが一つの大きなキーワードになっていくと思います。

大学側においても同様で、高等学校と大学を接続させていくという流れの中で、中学校、高校時代にどのような探究活動をしてきたかということは、これまでのいわゆるテスト学力と言われるものを育てて大学に接続させる流れとは全く違ったベクトルが、これからは前提になると思っています。滋賀県の魅力づくりとはつまりそこだと思っています。

滋賀県という地域の持っている特性と魅力があって、琵琶湖もちろんありますし、北部と南部では全く異なる風土を持っています。それぞれの地域の魅力、例えば高島市には高島市の魅力、甲賀市には甲賀市の魅力がありますから、いろいろな地域の方々と議論をさせていただいた上で、その地域をどのように探究活動に乗せていくかという点は非常に重要なポイントだと思っています。

これから答申を書かせていただくのですが、これまで産業界や地域の方々から御意見を賜りながら、それを魅力の中にどう落とし込んでいくか。受験学力に特化した高校生はつくりたくない、そんな高校改革はしたくないという思いは、委員の皆さんが共有して持っている部分だと思っています。ただ一方で委員の中には、もっと進学に特化した学校をつくってもよいのではないかという議論はあります。

滋賀県の地域移動の資料を教育委員会から出していただき、例えば北のほうに住んでいる子どもたちが南の高校へどれだけ動くのか、逆に南の子どもが長浜、虎姫へどれだけ動くのか。魅力づくりは地域移動の魅力について考えなければいけない部分があって、滋賀県の場合、北部にある学校の魅力を、例えば虎姫高校等を中心に発信してもらっています。そのようなところは、この議論の中で高く評価してきたところだと思っています。

あと、守山北高校の議論にあったように、地域課題をしっかりと考えて、地域に貢献する人材をどうつくるか。このあたりも水平的な多様性を考えるときの重要なポイントになると思いますから、この点についても議論をしながら進んできました。

少し時間をとりましたが、私からの総括です。

(土井委員)

2点ほど申し上げます。

1点目は、今回取りまとめていただいている答申素案にもありますが、今後の県立高校の在り方を考える上で、二つのポイントがあると理解しています。一つは、生徒数の減少にどのように対応していくか。もう一つは、社会の変化を見据えて、多様な生徒の皆さんに対して、それぞれの能力資質を高めるため、どのような教育を行うか。この二つの課題があると思います。

ただ、教育で対応できる部分と、そうでない部分があるのも事実だと思います。特に少子化への対応については、人口変動を予見できる部分がありますので、人口減がこのまま続いていくことを容認するのか、それとももう少し人口を維持していくのかという点については、知事を中心に県の政策としてお考えいただくべきことだと思います。

高校進学率が99%を超えており、県内の高校に進学する割合が90%程度ある滋賀県の場合、人口が減少傾向にあることは、生徒数にも直接的に影響があります。

そうすると、虎姫高校でも取組を考えていただいていますが、北部を中心に人口が減ってくれば、定員規模を維持する限り、定員割れが起こります。これは、学校にどれだけ頑張っていただいても、必然的に生じてしまう現象です。

また、高校を卒業した方、あるいは高校から大学に進学して社会に出た方が、そのままその地域に残ってくれるかどうかは、学校教育が影響を及ぼす部分も大きいですが、その地域の持つ産業の力や生活環境が強く影響します。このあたりについても学校教育としてできることには限界があるということも、認識していただく必要があると思います。

教育として重視しなければならないのは、社会の変化を見据えて、よりよい教育をどのように提供していくかという点です。この点は教育固有の事柄ですので、どうすべきであるか考えていくことが重要だろうと思います。

その上で、今後やらなければならないと思う2点目は、原委員長から御報告いただいた、答申素案のポイントの中で、普通科の特色について御説明いただいたように、魅力化について各学校が主体的に検討していただくことであると思います。学校の教育の方針をどうするか、これを機に真剣に考えていただく必要があると思います。

大学は教員の流動性が高校に比べて低いので、多くの教員がその学校の教育をどうするかを中長期的に考えますが、高校は定期的に人事異動がありますので、教員はその学校だけにずっといるわけではありません。そうすると、その学校を中長期的にどうするのかについて、意識的に考えていただかないと、しっかりしたコンセプトが出来ませんから、その点について、これを機にやってもらったほうがいいと思います。

ただ、特色化は、他との比較で決まるという面もありますので、その地域にある学校がみんな同じ特色を追求しますと、特色化にならない場合もあります。また学校だけで考えることにも限界がありますので、誰かと対話しながら考える必要があると思うのです。そういった意味では、教育委員会や地域と対話する形で、学校の基本的な方針を真剣に考えていただく必要があると思います。

次に、これは教育委員会として踏み込むべきだと思うのですが、学校が方針をまとめた際には、学校にそれを実現するための裁量を認めていくことが原則だと思います。

方針をつくらせておいて、裁量を認めないのでは意味がありません。各学校が、その目標・方針の実現に向けて、カリキュラムや入試の方法等を含めて、裁量を認めることが必要だと思います。それを前提として、県としてリソース面での支援について真剣に議論することが必要だと思います。

私も教育委員を相当な期間務めさせていただいていますし、それ以前から教育に携わってきていますが、最近は上からこうしなければならないと指示をすることが増え、学校現場から要望を出すということが少ないような気がします。

県の教育の在り方としては、まず生徒の皆さんがこういったことを学びたい、こういったことをやりたい、ということを学校に伝え、それを先生が県に対して要望として上げるというのが、良い教育の状態だと思います。その状態に向かっていくためには、原先生を中心に検討委員会でこのような答申をまとめていただいたように、特色化を進める段階では、学校が生徒や地域の意見を十分に聞いた上で、何をしていきたいのかを、一般的な理想論ではなくて、この学校で、この地域で、この生徒を対象としたときに、何をする必要があるかということを真剣に考えていただくのがよいと思います。

 

(中條副知事)

原先生、梅本先生、松宮先生、杉本様、大変参考になるお話をありがとうございました。

感想になりますが、それぞれの学校で主体的に魅力ある学校づくりを進めていらっしゃることがわかり、大変参考になりました。

特に虎姫高校さんでは、専門的、探究的な学びができるということで、大津出身の方も進学されていると伺い、これは先生が最初におっしゃっていましたが、全県一区のメリットなのだろうと感じました。

また守山北高校で進めておられる地域と連携した学びについて、先ほど野村委員からもお話がありましたが、コーディネーターの方の役割が非常に重要だと思っておりまして、どのような方に携わっていただくかということが、非常に重要なのだろうと感じました。

また、それぞれの学校の取組を、進路を選ぶ中学生に伝えていくことで、自分がやりたいことを選んで進学できることも重要だと思っております。先ほど虎姫高校さんの御説明の中で動画がありましたが、そういった方法で、この高校に進学すればこういうことができるということが伝わればよいと感じたところでございます。本当に今日はどうもありがとうございました。

 

(福永教育長)

ありがとうございました。

まだまだ御意見等あるかと思いますが、時間が近づいてまいりましたので、ここで全体の議論を通じて、本会議の主催者である知事からコメント等がございましたらお願いしたいと思います。

(三日月知事)

ありがとうございました。

全県一区制度に対しては、いろいろな思いをお持ちの方が、それぞれの地域にいらっしゃる状況があります。この点については原委員長から明確にお話がございました。

全県一区制度を継続する形で、それぞれの学校が主体的に検討し、特色化や魅力化を促進させるべきだし、垂直的多様性ではなく水平的多様性というものを追求した方が、生徒の皆さんの学びの満足度や充実度が高まる、深まるのではないかという、そういうがお話ありました。

梅本先生はたくさん聞いておられるのではないかと思いますが、大人の世界を中心に、前のような学区制にしてもらったほうが、虎姫は元気になるのではないかといった御意見もあります。守山北もそうかもしれません。

とはいえ、やはり生徒が主体的に選べる、そしてそれぞれの学校が自分たちで、どのような特色を持って、魅力的にしていくのかということを、みんなで応援していくことがあるべき姿だと思っています。この理想はしっかりと持ちつつ、最後に土井先生がおっしゃったように、もっともっと現場から上がってくるように、教育委員会はそれを押さえつけたりせずに、みんながいろいろなことを上げていけるような、そういう環境をつくれるようにしたいと思いました。

原先生、これからの県立高校の在り方の答申がいよいよまとまっていく過程で、ぜひそういうことも付記してください。

 

(原委員長)

 承知しました。

もちろん今の知事の思いもしっかり受け止めながら、教育委員会と連携して考えていきたいと思っています。

 

(三日月知事)

要望が現場から上がってくるのを、もっともっと滋賀県では応援してあげたいと思いました。

あと虎姫高校も大変歴史のある学校で、それを基礎にして新たな時代をつくろうとされていて、そのための人材育成に向けて御奮闘いただいていることがよくわかりました。生徒の自主性を重んじて、世界に目を向けてやっていただいていることの成果がいよいよ出てきますので、教育は短期的な目標だけではありませんが、ぜひ県としてもしっかり応援していきたいと思います。

守山北高校の皆さんが、守山市などと連携しながら、地域に開かれ、地域とともに歩む学校を作られている姿に、改めて感銘を受けましたし、可能性も感じました。これから地域の中で学んで、課題を見つけて、それを解決するために私はこんな仕事をしたい、こんなことをもっと学びたいといったことにつながってほしいと思いますし、多分それが力になるのでしょう。ぜひ、これからも期待したいと思います。

あと、今ちょうど高専の検討をやっています。通う高校というものがある一方で、小規模であっても、地域に開かれた学校を考えた場合に、もし遠くから通うのであれば、その地域に住む。ちょうど子どもの数も減って、おばあさんおじいさんの住んでいた離れが空いていたり、滋賀県は広い家も多いので、住むことと学ぶことをセットにした学びというものも、特色ある、魅力ある学校の一つのプログラムにすることができないか、それともまだまだ高校までは通ったほうがよいのか。

このあたりは今日は時間がありませんが、原先生、梅本先生、松宮先生を始めとして、教育委員の皆さんの御意見も聞いてみたいと思いました。

ぜひこれからも皆さんと一緒にしっかり議論を深めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(福永教育長)

知事、ありがとうございました。

各委員の皆様、そして本日ゲストで御出席いただきました皆様方、どうもありがとうございました。皆様の御意見を踏まえ、これから滋賀の子どもたちにとって魅力ある高校づくりに、一生懸命取り組んでまいりたいと考えておりますので引き続きよろしくお願いいたします。

それでは以上で令和3年度第2回滋賀県総合教育会議を閉会いたします。委員の皆様におかれましては長時間にわたり熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございます。

本日はお疲れさまでした。

お問い合わせ
滋賀県教育委員会事務局教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:ma0002@pref.shiga.lg.jp
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