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令和3年度第1回滋賀県総合教育会議の開催結果

開催日時

令和3年6月8日(火曜日)午後3時から午後5時まで

開催場所

県庁北新館5階5-A会議室

出席者

  • 知事 三日月 大造
  • 副知事 中條 絵里
  • 教育長 福永 忠克
  • 委員 土井 真一
  • 委員 岡崎 正彦
  • 委員 窪田 知子
  • 委員 野村 早苗
  • 委員 石井 太
  • 滋賀大学教職大学院 教授 大野 裕己
  • 湖南市立下田小学校 教諭 大島 昴史
  • 甲良町立甲良西小学校 教諭 松浦 遥

議題

・教員の人材確保について

会議録

福永教育長

定刻となりましたので、ただいまから令和3年度第1回滋賀県総合教育会議を開催いたします。本日は皆様お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

滋賀大学の大野先生、また大島先生、松浦先生もお越しいただき、ありがとうございます。

それではまず本日の出席者でございますが、お手元に出席者名簿を配らせていただいておりますので、御紹介に代えさせていただきたいと思います。

また今年度、初めての総合教育会議でございまして、本年度新たに教育委員に御就任されました石井委員におかれましては、今回初めての会議への御出席となります。石井委員、どうぞよろしくお願いいたします。

また、本日はゲストスピーカーとして、滋賀大学教職大学院の大野教授、そして湖南市立下田小学校の大島先生、甲良町立甲良西小学校の松浦先生にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日は令和3年度最初の総合教育会議でございますので、議事に先立ちまして、今年度の総合教育会議の年間予定について、御報告させていただきます。

お手元のA4横の資料1を御覧いただきたいと思います。まず本日の第1回につきましては、議題のテーマを「教員の人材確保について」として開催をさせていただきます。続く8月に予定しております第2回会議につきましては、「これからの県立高等学校の在り方について」、そして9月に予定しております第3回会議につきましては、「新型コロナウイルス感染症があったからこそ出来たこと、分かったことについて」、そして11月に予定しております第4回につきましては、「ICTを活用した教育の推進について」をテーマにしてそれぞれ開会したいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

それでは、まず開会に当たりまして、知事から御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

三日月知事

教育委員の皆様方、また教育委員会の皆様、今日もありがとうございます。滋賀県知事の三日月です。どうぞよろしくお願いいたします。

今年度、第1回目の総合教育会議ということで、一言御挨拶を申し上げます。

また先ほど御紹介がございましたけれども、今回から石井委員に新たに御参画いただくことになりました。私自身も尊敬する経営者でいらっしゃいまして、ぜひ大所高所から、教育行政に様々な御指導を賜ればと思っております。

教育行政は、知事として、私が最も重視する施策の一つでございまして、毎回、全ての時間、中條副知事とともに、この総合教育会議に出席し、どういうテーマについて御議論いただくかも含めて、コミットメントしており、県政に反映させていくということを心がけております。先ほど教育長から御紹介のあった、今年度4回の総合教育会議が実りあるものになりますように、私自身も頑張りますし、それぞれ事務局の皆さん、委員の皆様方にも、積極的に御参画をいただくよう、まずはお願いを申し上げたいと思います。

今年度の初回ですし、教育委員会に新たに来られた方もいらっしゃいますので、3点、今日の議題に絡めて、私から申し上げたいと思います。

まず一つ目は、この総合教育会議を主催させていただく、県民から選ばれた知事である私の教育に対する考え方ですけれども、「人は人の中で人となる」ということを大事にしようということを申し上げております。

そして県民から負託された知事としての大権は謙虚に行使しようということを旨としております。教育、また現場の自立性でありますとか、独立性はしっかりと尊重をする。一人ひとりの人権はもちろんしっかりと尊重しながら、教育行政を担い進めていくということを、これからも貫いてまいりたいということが、まず一つ目でございます。

そういう中にありまして、今滋賀県におきましては「変わる滋賀、続く幸せ」を基本理念とする最上位計画である基本構想に基づきまして、様々な施策を進めているところです。人生100年時代、学ぶことをもっと大事にしたいと考えています。学ぶことを通じて、より幸せな人生、より豊かな地域、より元気な生活が営めるのではないでしょうか。

先般も行われた、学力テストの平均正答率で並び比べられるようなことが、ややもすると、学力だと表現されることもございますが、私はそのことを必ずしもよしとせずに、もちろん一人ひとりの学力は大事にいたしますが、その根底にある学ぶ力、言葉を読み解く力、人と人との関係をつくるために大事な心を読み解く力、こういうものを育む滋賀の教育を大事にしたいと考え、2018年度に、みんなで議論して作りました滋賀の教育大綱にも、そのことを表現させていただいております。

夢と生きる力を育む教育、学ぶ力を高める教育、読み解く力を高める教育、こういうものを、皆さんと一緒につくっていきたいと考えております。

最後は今日の議題でもあります、滋賀の教育を担っていただく教員の人材確保についてでございますが、私は、とても大切な存在である教職員の皆様方が、子どもたちの前で、子どもたちと一緒に、夢を持って、楽しく仕事をされているのかどうかということについて、もっと気にかけなければならないと思っております。子どもたちの笑顔を作るのは、大人の笑顔でもあると思います。学校が元気になるためには、子どもたちはもちろんですけれども、先生方にも元気になっていただく必要があるのではないでしょうか。

教員の採用試験の倍率などについても報告をいただいているのですが、教員を志願しようという人の数が減ってきている問題でありますとか、先般も学校の先生の教育現場の魅力を伝えられるツイート「#教師のバトン」プロジェクトで、やりがいよりもブラック性が強調されるようなことがございましたけれども、そういった現場の一面はしっかりと踏まえつつも、是非、学校の先生方の働きがいや楽しさをもっともっと高めていけるような教育行政を皆さんと一緒につくっていきたいと考えております。

たくさんの課題があるでしょう。一朝一夕にはならないかもしれませんが、その方向性へ向かってベクトルをつくるために努力をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。少し長くなりましたが、私の御挨拶とさせていただきます。今日もよろしくお願いします。

福永教育長

ありがとうございます。

それでは早速でございますが、本日の議事に入らせていただきます。

先ほども申し上げましたが、本日は「教員の人材確保について」をテーマとして進めてまいりたいと存じます。本日の進行でございますが、初めに、教育委員会事務局から、教員採用の現状及び人材確保の取組について説明させていただき、その後、ゲストスピーカーの皆様から順に御発表いただきます。

滋賀大学教職大学院の大野教授からは、教員を養成するお立場から見た教員の人材確保に関する現状や、取組等について御発表いただきたいと考えております。その後、現職の小学校教員でおられる大島先生、松浦先生からは、本県の若手職員を代表して、滋賀の教員の魅力ややりがい、また場合によっては困っていることや悩んでいること等についても御発表いただければと思っております。

こうした説明等を踏まえた上で、滋賀の教員を志す、多様で、優秀な人材を確保するための取組について、皆様と意見交換を行いたいと考えております。

本日はこのような進め方で行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それではまず、事務局からの説明をお願いいたします。

教職員課長

教職員課長の保田です。私からは、先ほど御案内がありましたように、教員採用の現状と人材確保に向けた取組について御説明させていただきます。

資料を御覧ください。本県における教員採用状況の推移を校種別にグラフにしております。青の棒グラフは受験者数、オレンジは合格者数、折れ線で表したのは、受験倍率でございます。

御覧いただきましたとおり、近年、小中学校における合格者数は、大きく変動しているということはありません。採用数は小学校で220名程度、中学校では120名程度で推移しております。一方で、受験者数では変動がございまして、平成29年度に小・中学校の採用試験で100名程度増加しております。これは従前、他府県との統一日で実施しておりました一次試験日を、他府県との併願ができるように別日程にいたしました効果でございまして、100名程度増えましたが、最近は御覧のとおり、徐々に減ってきている状況でございます。また、倍率でございますが、最近マスコミ等で取り上げられる小学校を見ますと、昨年度実施した試験は、色々と試験の見直しをしており、僅かに増えておりますが、一方で、採用者数も増えている関係で、倍率は2.7倍と、過去10年で最低の倍率になっています。

そして、次に高等学校、特別支援学校でございます。これらについても、大きくは先ほどの小中学校と傾向は同じなのですが、やはり試験の日を変えたことによって、いったん増えております。ただこの2校種については、特に高等学校を御覧いただきたいのですが、年度によって採用者数が結構変動しております。それに伴って、倍率等も変動幅が比較的大きくなっております。

今申し上げた4つの校種につきまして、再度並べてみたのですが、まず、中学校、高等学校、特別支援学校については、課題もあるのですが、倍率を見ていただきますと、近年は何とか5倍以上の倍率を維持しております。

一方で小学校は、採用者数が非常に多いということもございまして、倍率は2倍台と低い倍率で推移しています。一番採用数の多い校種ですし、ここでなかなか人が集まらないと、教育全体に及ぼす影響は非常に大きいと考えております。

こうしたことを踏まえまして、本日は特に小学校における人材確保を中心に取り上げていきたいと思います。再度、小学校についてもう少し詳しく御説明させていただきたいと思います。

小学校の児童数は、御承知のとおり、少子化の影響で減少しております。しかしながら、特別支援学級の増加や、定年退職者の増加等に伴いまして、このオレンジの採用者のグラフは、10年前と比較してもやや増加しております。一方で、受験者数ですが、一旦、平成29年に700名を超えていたのですが、直近では100名以上減少しております。

これが本県の現状でございますが、次は、小学校教員採用試験の全国の実施状況でございます。御覧のとおり、全国的にも採用者数は増加傾向である一方で、受験者数は年々減ってきておりまして、傾向としては本県と同様でございます。

近年の全国的な、受験者減少の背景の一つに、特に最近、教師の仕事について大きくクローズアップされていることが挙げられると考えております。

教師の仕事は大変だという印象から、教職の人気が低下し、そのことにより受験者が減っているのかもしれません。

先ほど、知事のお話にもございましたけれども、この3月に、文部科学省が教員の魅力を発信するために、「#教師のバトン」プロジェクトを始められて、そこには仕事の魅力とか、やりがいといったことも多く寄せられているのですが、一方で、教師という仕事の大変さについても、数多く寄せられています。

それぞれの意見は、あくまでも教師の仕事の一面を切り取ったものではございますが、特にそのしんどい部分が、マスコミ等で取りざたされることで、せっかく教師を目指していても、やっぱりやめておこうと考える人もいるかもしれないと懸念しています。

こうしたことを踏まえまして、本県の人材確保の取組について触れさせていただきたいと思います。

まず、採用試験についてですが、毎年、いろいろな見直しを行っております。アンダーラインを引いていますが、まず受験年齢の上限を従前の40歳から50歳に引き上げております。

そして先ほども申し上げたとおり、一次試験日の変更により、一定の効果が出ていると考えておりますが、今後も、1人でも多くの人材を確保するために、採用試験の効果的な実施方法について、引き続き検討していきたいと考えております。

また、大学生や臨時講師を対象に、教師としての志や実践力を高めてもらうとともに、本県の教育内容や、本県で教師をする魅力について知ってもらえるよう、平成19年度から、「滋賀の教師塾」を開催しております。これまで2,000名余りが卒塾され、うち1,300名の方が、現在、本県教員として活躍しております。

また、高校生に対しても、進路選択をする段階で教職に興味関心を持ってもらうよう、平成26年から教師塾の高校生版である「高校生のための教師塾」出前講座を実施しております。今年で8年目を迎えるのですが、こちらは、本県で現職の教員をしておられる卒業生が、それぞれの母校を訪問して、後輩の高校生の皆さんに教職の魅力を語っていただくというものでございます。

受講者のアンケートを見ておりますと、参加した生徒の多くが、先輩の話を聞いて、教員の仕事に興味を持つことができたと回答しておりまして、教職の魅力を発信する取組として、継続して取り組んでいきたいと考えております。

今後どういったことに取り組んで、人材確保を進めて行くかということにつきまして、事務局としては、まず教職や滋賀県の魅力をさらに発信していく必要があると考えております。そしてその対象としては、大学生になってからでは、免許のこともあって進路変更が難しいという状況もございますので、早期に教職を目指してもらえるよう中高生へのアプローチを考えております。

それから、他府県へのアプローチと書かせていただきましたが、滋賀県出身者で他府県の大学に進学した方ももちろんですし、他府県出身の方、特に近畿圏から、1人でも多くの方に滋賀で働いていただくために、滋賀で働く魅力について、より一層発信の工夫をしていかないといけないと考えております。

さらに、教員免許を持ちながら現在教職に就いておられない、いわゆる潜在教師の方をどのように発掘していくかということについて、今は看護師がよく言われていますけれども、他の職種の取組も参考にしながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

現在、働き方改革を進めておりますけれども、滋賀で仕事をしていただく上での働きやすさ、それから若手教員の人材育成の視点に立ったアプローチについても、今後ますます力を入れていかなければならないと考えております。

簡単ではございますが、事務局からの説明は以上でございます。

福永教育長

それでは続きまして、大野教授から御発表をお願いします。

大野教授

御紹介をいただきました滋賀大学の大野裕己と申します。

教育委員の皆様には、先立って行われたふれあい教育対談で、お世話になりました。本日は滋賀県の総合教育会議の協議の一助になればと思っております。

県下に教職課程を担当する大学は数多くあるのですが、滋賀大学の状況を取り上げつつ、教員養成学部の現状、課題についてお話をしたいと思います。パワーポイントの資料をご覧ください。

私自身が本学着任後5年目と比較的経験が浅く、またメインの職務が先立って御覧いただきました教職大学院になるのですが、今回は滋賀県との連携による人材育成の委員会担当者として、御説明させていただきたいと思います。

まず、滋賀大学の教育学部はどのぐらい輩出しているのか、という意味での学生定員についてお話しします。

この入学定員は少なくとも2004年の法人化以降は240人で推移していました。これは人口規模を反映しており、国立大学の中ではそこそこの規模です。以前は、教員になり得るが免許取得を要件としない、環境や情報といった特定分野の人材育成に関わる新課程を置いていたのですが、2015年度入試から240人全員が免許取得を要件とする課程に一本化されました。なお、少し減っていますが、これは本学のデータサイエンス学部が新たに出来たときに、定員見直しがあったもので、それでも教員の需要が大きいという状況から、一定の規模を維持しております。

本学の教育学部において、滋賀県の出身者はおよそ4割の100人程度で、滋賀大学の中では多い割合になります。

続いて教育学部のうち、学校教育教員養成課程の卒業生の教員就職の状況については、このグラフのとおりになります。

次のページにグラフを載せています。ここしばらくの大量採用期間、卒業生の7割近くが正規、臨時を合わせた教員に就職しています。正規については、卒業生の半分ほどになります。これは先ほどお話があったように、滋賀県に採用枠を確保いただいて、多く採用いただいていることが大きいと思います。

2010年代前半期に比べると教員就職者は減少傾向ということが言えなくはありませんが、おおむね60%台後半であり、全国の国立の教員養成課程の全体平均よりは数ポイント高いです。正規採用率も同様です。

その次を御覧ください。2019年度卒、つまり2020年3月の卒業生については、免許の取得状況も分かるので、教員就職と教員就職以外の状況について整理しました。4分の1程度、教員以外の就職が出ています。

大学入学時に調査を行うと、教員志望は非常に高く、9割程度が志望しています。その志望の内容については、どれだけイメージが固まっているかという点で、学内でも議論があるところですけれども、高い状況にあります。

従って、授業や実習という体験を重ねていくに沿って、教員への適性に悩んだり、志望を変える学生がいるということだと思います。そのため本学では、こうした点に課題意識を持って、続いてお話しするような改革に取組んでいます。

あえていいますと、先日見ていただいた教職大学院といったような大学院進学率は、全国比でみるとやや少ないということが言えると思います。

先ほど申し上げたとおり、入学時はそこそこ教員の志望は高いが、経験を積むに従って、少し志望に悩みが出てくるということです。その理由は様々あります。大学の教職課程では一定の単位を取っていただくことになりますが、その中で、教科の内容や、教育の方法論を学んで、かつ実習をしていきますから、それが各学年でどう授業配置するか悩ましい問題で、学生のイメージづくりが簡単にいかない側面もあります。

そうしたことによって、志望が他の領域に行ってしまうということをどのようにすればよいか。教育学部を選んでもらっていますので、教員就職をしてもらいたいということで、滋賀大学の教育学部では様々、教員養成の改革を行っております。例えば教科のほかに、環境、情報、障害児教育、あるいは国際に係る専攻コースを多く用意し、学生に得意分野を持たせるということを頑張っております。加えて教育実習を、教育委員会や学校の御理解を得て連携を強めて、4年積み上げ型の教育参加プログラムとして運用しています。

私は他大学も経験していますので、それらを見てきた立場で言えるのは、多様な専修と教員組織があって、その中で、例えば滋賀の課題でもある、国際理解教育といった特色あるものを実習に組み込みながら理解していただいて、力をつけて出ていただくといったことをやっています。

さらに、そういった専修や教員組織がありますから、県教育委員会が連携してくださって、程よく共同研究や授業が進んでいます。その知見が学部学生にも伝わる回路ができています。例えば特別支援フォーラム、あるいは教員育成フォーラムといった取組を通じて、そうした今日的な課題や解決方法を共有して学部学生に伝える回路があるということです。

なお、就職支援については学生意識の変化を踏まえて、県の教員経験者の実務家の先生方が貢献してくださり、研究者教員も協力して頑張って、丁寧な、体系的な指導を1年当時から積み上げています。

近年の教員志望者の減少、あるいは教師不足といった動向についてまとめてみました。全国的にもここしばらくの大量採用傾向で教員採用試験の受験者の減少や採用倍率の低下があって、その背後では今まで需要を満たしてきた既卒者の講師経験層が少なくなってきているところがあります。そのため、年度当初に各学校で臨時任用の確保が難しいという課題が生まれつつあるということです。

もちろんそれ以外にも、近年の教員の働き方の課題や、教員への外からの役割期待がかなり強いということと、そこに養成の仕組みが重なっていく難しさ、こういうところで、教員志望者の確保の難しさがあるのかもしれません。

次のスライドでは、現在の国や各地の教員養成学部の対策動向をまとめておきました。滋賀大学の先ほどの取組と重なるものも多いのですが、ほかにあるものとすれば、例えば入学選抜時に教員志望理由や活動を課すといったことをしている例もあります。あるいは大学としての教員養成スタンダードを、県が定める指標と整合する形で定め、各科目との関連を確認して活用している例もあります。

それはそういったスタンダードに照らして学生自身の力量とか、今後頑張りたいことを確認してもらったり、学生同士で助言しあう機会をつくったり、また、先立って見ていただいた教職大学院は、理論と実践の往還を旨とするところで、知名度が高いとは言えませんが、多様な養成機会とするべく、大学院での教員養成に取り組んでいるところです。

今後どのようにするかについては、先ほどの教員確保の幅広い課題に照らせば、養成だけ、採用研修だけというような、個別に取り組む分断という捉え方ではなく、地域の教育行政と大学で構造的なアプローチを講じる必要があると思っています。

例えばこのように広い環境条件、採用時点、大学での養成ということを、パッケージで、連動させるといった形が必要になるのではないかと思っています。

その上で、大学の養成でいえば、これから大学と現場の連携を1ステージ高めて、これからの地域で求められる教員の資質を育成できる新機軸のプログラムを開発していくことや、また小さなものでは、大学や現場で発掘された指導や教材リソースをお互い共有していくことで、学生が学びを積み重ねていくにあたって悩む場合に、そういったリソースを使うことで、見通しを持って頑張ることに繋がるのではないかと思います。

実際に、求められる教員の質が高まっていき、期待が強まることが教員の志望に影を落とす部分があると思いますが、それをちゃんとわかって、それに対してこういったプログラムを用意してあるので、見通しをもって取り組んでみたらどうかと学生に投げかけることで、頑張ってみようという気持ちを起こしていくような、私は等身大という言い方をしますが、そういったプログラムがあっていいのではないかなと思います。

また、多様な養成ルートとして、教職大学院について、例えば採用時、あるいは採用後のインセンティブといったものを設けていただくことも考えられるのではないかと思います。教職大学院は就職するのを少し遅らせることになりますから、採用試験におけるインセンティブを与えていただくことや、採用後の研修について一定の軽減を図る、研修の共同化ということもあっていいのではないかと考えております。

少し時間をオーバーしてしまったかもしれませんが、ここまでとさせていただきたいと思います。御清聴誠にありがとうございました。

福永教育長

大野先生ありがとうございました。

それでは続きまして、実際に滋賀の現場で働いておられる、大島先生と松浦先生から御発表をいただきたいと思います。

では大島先生からお願いいたします。

大島教諭

湖南市立下田小学校から参りました、大島昴史と申します。正規採用3年目ですがその前に3年間講師経験がありますので、教壇に立ってから6年目になります。

先ほどから、人材確保の視点で御説明をいただきました。資料に書かれているようなことは、僕もそうかなと思いながら、今日はどんなことを話そうかと考えさせてもらいました。内容が被る部分はありますが、今現在現場で働いている者として、感じていることを交えながら、自己紹介や、この仕事の魅力、やりがい、最後に人材確保について、発表させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

ここに呼ばれたのは僕が滋賀県出身ではないということが一つ大きな理由かと思います。石川県金沢市で生まれて、高校卒業まで約18年間過ごしました。高校卒業間際に大学進学を考えたときに、自分は一体何になりたいのか、どういう職業につきたいのか考えていくうちに、先生という答えが出ました。それから4年間は京都教育大学で学問に励み、その後滋賀県で講師を3年間、そして正規採用3年目という流れです。

私自身が教職を志した理由ですが、小学校3年生のときから野球をやっています。今も日曜日に草野球をしていて、ずっと野球が好きで、野球がしたくて、そんな人間が、職業を考えていくときに、野球であったり、スポーツに携われるようなことをしたいというのを、漠然とずっと小学校の時から思い続けていました。

自分が野球を出来なかったとしても、グローブが好きなので、例えばメーカーで働いてみたいとか、けがをしたこともあったので、治療の関係に進みたいとか、いろんな選択肢があるわけですが、職業進路で思い悩んでいるときに、高校3年の担任先生が温かく背中を押してくださいました。あまり勉強が出来る方ではなかったのですが、野球を引退した夏頃に、あと半年頑張ったら、必ず思い描いたような進路が開かれていくから一緒に頑張らないかと、温かい言葉をかけてくださいました。

また部活動の指導者の先生についても、高校生は大人のような子どものような、微妙な年代なのですが、自分たちがうまく考えを整理出来なかったりとか、プレーで思い悩むことがあったりしたときに、いつも正しいと思える方向に導いて下さいました。

そういった2人の先生と接していく中で、自分もそのような立場で、未来のある子どもたちに、自分が今まで経験してきたことや、考えてきたことを伝えられるような人になりたいと考え、教職の道を志しました。

ただ、今は小学校の先生をさせてもらっているのですが、その時はどちらかというと高校生と一緒に白球を追いかけたい、甲子園を目指したいと思い、体育を専門とした高校の先生を志望していました。しかし、大学4年生のときに受けた高校の体育の採用試験が残念ながら不合格でした。あと2回を受けたのですが、不合格が続きました。

大学4年生で不合格になったときに、滋賀県のとある学校から、臨時講師として働いていただけないですかと、御依頼のお電話をいただきました。あと何校かいただいたのですが、何かの縁と思って、一番最初にお話をいただいたところで働くことを決めました。

もちろん地元の石川県に帰るとか、他府県の先生になるという選択肢もありました。そのときに滋賀県を選んだ理由として、これが一番です、という理由はなかなかないのですが、滋賀県はいいなと思えるものがたくさんありました。

例えば、大学は京都だったのですが、週に何度か滋賀県に足を運んでいて、石川県に似ているとか、ネットで調べてみたら、住みやすいところらしいということを知りました。京都は4年間過ごして、歴史的に価値のあるところがたくさんあり、そういうのも非常に好きなのですが、4年間過ごしたし別のところでいいかな、これから長い人生をかけて、教師として住んでいく、働いていくことを考えたときに、もちろん現場で働くということも大事ですが、プライベートの生活も大事にしたいと思い、暮らしやすさに魅力を感じて、滋賀県で働くことになりました。

高校の先生をするという夢は、そのあと数年間諦め切れなかったのですが、臨時講師をさせてもらっているときに二度、6年生の担任をさせてもらいました。卒業式の瞬間というのは、今までの苦労が報われるというか、何にもかえがたいものがあると感じました。今まで野球がメインの生活でしたが、野球と同じぐらい感動的なものだと、自分の中で大きな価値を感じられました。そのようなところに魅力を感じて、小学校で採用試験を受けなおして、教壇に立っています。

その中で魅力ややりがいについてですが、今日も午前中に算数の授業をしてきました。小数の割り算をやったのですが、女の子が「先生、分からない」とずっと下を向いていました。でも「こうやってみたらいいんじゃないかな」とヒントを与えると、20分ぐらいずっと同じ問題を解き続けているのです。チャイムが鳴るぎりぎりになって、「先生、分かった。こうしたらいいんだ。ひらめいた。」と言って、さっきまで暗い顔をしていたのが、急にぱっと明るくなりました。同じ小数の割り算で、「家で自習してきたら分かるようになった」と言っている子どももいました。また昨日ハードル走の授業で、午後に30度近い暑さの中では、この年になったらクーラーの効いた部屋に行きたいとか、どうしても考えるのですが、子どもは一生懸命やっているのです。「ハードル面白い」と言って、チャイムが鳴るまでずっとやり続けていて、「先生、分かった。こうやったらいいんだ。」とか「いや、この方が良いんちゃう。」と、友達としゃべりながら授業を受けている姿を見て、子どもたちの成長を間近で見取れることが、滋賀県ならではというよりは、教師としての魅力・やりがいだと思っています。

他にも、今働いている小学校では体育主任をしています。このコロナ禍で、運動会や、体育行事をどのようにするか、狙いから全て見直しました。子どもたちや、先生方、地域の方、保護者の方が安心して行えるよう、自分が提案したものをもとにいろんな方が動いている様子を見て、1人では何も出来ないですし、色々な方のお手伝いや御協力をいただいたからこそですが、大きなことを成し遂げられるようになってきました。また6年目になって、授業が上手とは言わないですが、以前と比べると少し上達しているという感覚や、保護者の方との連携、子どもたちへの対応、こういったことも少しずつ自分の中で成長が感じられることが、今一番感じる大きなやりがいで、働くモチベーションになっていると思います。

最後になりますが、人材確保についての私の考えということで、あくまでも私見を言いますので、余り気になさらないでいただきたいと思います。

例えばですが、滋賀県だけ初任給30万と言えば、一般企業か先生になろうかと考えていた学生も、お金もらえるから先生になってみよう、ちょっと何か働くのは大変そうだけれど、そんなにお金もらえるなら、という発想になるのではないか。ただ、我々は公務員なので、そんなに給料を上げるようなことは難しいと思うと、他に何かできることがないかと2つ考えたのが、私が滋賀県を選択した理由でもある住みやすさと、実際現場で感じた働きやすさです。この2つを具体的に、ある程度数字を伴って、いろんな方にPRをしていくことで、人材確保につながるのではないかと思っています。

住みやすさに関しては割愛をさせていただくのですが、働きやすさについては、湖南市の自分の働いている学校もそうですが、例えば僕は今、5年生の担任なのですが、湖南市では、自分が授業をしない時間を7時間確保していただいています。そういったところが非常にありがたいと感じていて、この間に教材研究や事務作業が非常にはかどってありがたいと感じています。あとは学習支援員の方や、地域のボランティアの方が非常に多く来てくださって、例えば田んぼの学習の際も、ボランティアさんが「毎年のことやし、先生は大変だからいいよ」と言いながらやってくださって、すごく助かりました。

なかなか仕事を減らすということは難しいかもしれないですが、非常勤講師の方に授業をしていただいたり、ボランティアの方に手伝っていただけるということを、学生の方や、他府県から滋賀県での就職を考えておられる先生方にPRすることで、滋賀県の魅力や、働きやすさを伝えることができて、同じ給料なら働きやすい滋賀県で働いてみようという考えを持ってくれる方がいるのではないかと思います。以上です。ありがとうございました。

福永教育長

それでは続きまして、松浦先生お願いいたします。

松浦教諭

甲良西小学校で働かせていただいています松浦遥と申します。私は新規採用2年目です。昨年は4年生、今は2年生の担任をさせていただいています。このような場に呼んでいただいて、うれしく思うと同時に非常に緊張しておりますが、精一杯お話させていただきますので、よろしくお願いします。

私が教師を志した理由は、色々とありますが、一番大きなきっかけになったのは小学校4年生の担任の先生との出会いです。それまで私はかなりやんちゃな性格で、周りにもすごく影響を及ぼしていたのですが、この先生は私をほめてすごく伸ばしてくださいました。たくさん受け入れていただいたおかげで、「変わらないといけないな、このままだとだめだな。」と思えました。そこからどういう人間になりたいか、これから生きていくうえで、どうしていけばよいか考えるようになりました。

出会いの大切さ。母のようなその先生に4年生の時に出会わなければ、やんちゃなまま、人を傷つけても自分が良ければいいと思って生きていたと思います。でもその先生に出会って変われたことで、出会いの大切さを痛感しました。ですので、私も第二の母親のような存在になりたいと思って教職を志望しました。

やはり小学校はこれからの学生生活の一番の土台になる部分であり、その時期に、親や家族以外から、こんなにも愛してもらえる、こんなに大事に思ってもらえるという経験があれば、それから生きていくうえでの支えになると思います。私はその一人になりたいと思ったので、中学校、高等学校教員も考えましたが、土台となる小学校教員を小学校を希望しました。この人になら話せる、この人にこそ聞いてもらいたい、と思える存在を目指しています。教えた子たちが、これからの人生で迷ったときにも戻って来られる居場所になりたいと思って毎日子どもたちに向き合っています。

私は滋賀の教師塾に通わせていただきましたが、そのきっかけは大学での説明会です。通っていた岐阜の大学にも教師塾の先生方が来てくださって、どんなことをするのか、何のためにするのか等を教えてくださったので、行けば必ず得るものがあると思い、参加させていただきました。同じ試験を受けるので、この人に勝ちたい、勝たないといけないと思うのだろうと少し緊張して参加したのですが、出会ってみると、一緒に頑張ろう、こういうことを勉強したよ、こういうことを勉強した方がいいよということを話し合える、同じ志をもつ仲間でした。教師塾で出会った仲間とは、今でも連絡を取り合い、励まし合っています。

卒塾式では式典の実行委員長をさせていただきました。実行委員のみんなと、大人数で行う企画を考えたり、スムーズな運営を何度も話し合ったりすることで、当日の成功につながりました。代表として大勢の前で話したり、一から式典の立案に携われたりと、滅多にできない経験が、今でも活きています。

私が考える教師の魅力とやりがいは、やはり子どもとの関わりです。去年は休業もあり、子どもと繋がれているのか不安に感じるスタートでした。2カ月間の休業の後は、子どもと正面から向き合うことができ、誠実に関わっていけば、子どもはきっと受け入れてくれる、成長するのだということを強く実感しました。

「僕は変わろうと思っても変われなかったから、変われないんだ。」と泣きながら訴えた子どもがいました。「変われるから、先生は信じる。」とずっと言い続けました。すると2学期、3学期と過ごすうちに、「ちょっと変われた。」と書いてくれて、「次はこれを頑張る。意見の強い人についていかない。けんかがあったら止める。あかんことはあかんと言えるようになる。」ということを自分で決めて、3学期の最後の日記には「変わることができた。」と書いてくれました。がんばりたいと思っていても支えてくれる人がいなかったり、認めてくれる人がいないと、不安になって諦めてしまう子どもも多いと思います。しかし、正面から向き合え得る人がいれば、変われるということが分かりました。本気で子どもと向き合って、一緒に成長していけることが、最も大きな教師の魅力だと思っています。子どもと本気で向き合えば、私がしんどくてどうしようもないときでも、子どもが助けてくれると感じています。子どもと一緒に成長していけることがやりがいと魅力です。

教職の魅力の発信についてですが、大学生になってから教員を目指すのは難しいと思っています。高校生、中学生の間に、教員免許を取って教員になりたい、先生になりたいという強い思いがないと、なかなか教育学部に進まないと思います。だからこそ私は小中高から教員になりたいという思いを育めるような出会いや、姿を見せるべきだと思います。私は少しでもそのモデルになりたいと思っています。私が楽しく過ごしていることももちろんですが、この人みたいになりたい、この人にしてもらったことをしてあげたい、私にもこの仕事できるんじゃないか、と思えるような姿を見せられるように、努力しています。自分自身が魅力を発信しながら、先生の仕事をいいなと思っている子どもがいれば、その子の良いところをたくさん見つけてあげて、あなたならきっとできるよという声かけをしています。

昨年も1人、「先生になりたいけれど、きっと無理。」と言った子どもがいました。「あなたなら、なれるよ。」と話をしていたら、「先生が教えてくれたこと、大人になったら教える。」と私の言葉をたくさん残してくれています。教員は仕事の良さをただ伝えるだけではなくて、あなたに向いているよとか、こんなにいいことがあるよということを姿で見せて、伝えていきたいと思っています。以上です。

福永教育長

ありがとうございました。それではここまでの説明と発表を受けまして、御参加の皆様から御質問がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

岡崎委員

ありがとうございました。

今御発表いただいた、大島先生は県外の御出身ということですが、松浦先生は滋賀県出身なのですね。

非常にいい出会いをされた結果、今があるということが、お話の中で感じることができました。教師になる人たちは、先日、教職大学院に行かせていただいたときにも思ったことですが、きっかけになる先生が本当に重要だと思っています。改めて今日の御説明の中でも、そのように感じさせていただきました。

私も子どもが4人いまして、4人のうち上の2人は企業へ就職して、3人目の子どもが大学に進学して先生を目指しているのですが、4人を比べると、今日お話しをいただいた先生方と同じで、やはり小学校のときに良い先生に出会っていて、勉強が好きになりました。勉強を一生懸命すること、学ぶことに、喜びを感じられるのですね。先生になりなさいということを私は言った記憶は全然ないのですが、大学に進んで、教師を目指したいという気持ちが高まってきているのを、最近の様子を見ていて感じます。

親が言ったから進路を決められるのではなく、先ほど先生が言われたように、やはり子どもたち自身の志がすごく重要なのではないか。そこを育てて導き出す。うまい方向に向けてやれるのは親のサポートなのかもしれないですが、きっかけづくりはやっぱり学校現場であると、先生方の話を聞いて感じましたので、そこに何か手立てがないだろうかと思いました。

全ての先生がそういったチャンスをくれるということは難しいのだろうと思いますが、今発表いただいた先生方から、このようないい方法があったら、そういう先生が増えるのではないかというアドバイスを頂ければと思います。

福永教育長

なかなか難しいと思いますので、また議論で気づかれたことがあれば、その際にお話しいただければと思います。

それでは、そのほかに御質問があればお願いいたします。

土井委員

大野先生にお伺いします。今日は特に小学校の先生についてお話をいただいたのですが、小学校や中学校の先生を志望される方は、やはり学部段階では、教員養成大学あるいは教員養成学部出身者の方が多いのでしょうか。もしそうだとすれば、その教員養成大学、学部の定員が、特に近畿圏ではどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。また、小学校の先生になるのか、中学校の先生になるのか、最後はご本人が決めるのだと思いますが、それはどの段階でどのように決まっていくのでしょうか。滋賀県の場合、中学校の募集人数が少ないのに、小学校と中学校とで同じくらいの志願者がおられます。小学校の先生を志望する人数が少し多くなるのがよいのではないかと思うのですが、このように大体同じ人数になるのは、近年の学生の皆さんが、どのように考えてこのような選択をしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

大野教授

小学校の教員は国立大学の出身者が多いのかという点については、他の分野でも同様のケースがありますが、もともと定員を設定しているということがあります。小学校の教員は、国立の教員養成系大学で主に養成していくため、各県の教育学部に定員を割り振っており、それが1万人体制と言われてきました。しかし時代変化の中で、教員の確保に向けた政策があり、その枠を外して、私立の参入ができるようになったという経緯があります。

ですから伝統的に言えば、やはり国立大学で小学校教員を育てることが一つの流れになっています。でも最近においては、私立大学においても、定員の抑制が緩やかになったため、参入されているという形です。これが近畿圏でどのような定員の割合になっているか、今すぐにお答えできない状況で申し訳ありません。

その次に、大学に入学して小学校と中学校のいずれの教員になるかという点についてですが、これは各大学で違いがあります。例えば私が以前に勤めていた兵庫教育大学は、小学校の教員を育てることにミッションを置いていましたから、入学した学生の方々は皆さん小学校の教員免許を取ってもらった上で、加えて中学校の免許を取ってもよいという、小学校に特化したケースでした。また他の大学では、小学校と中学校に、その免許はまず取ってもらうという方を、入学段階で定員を割りつけているケースもあります。小学校はどの場合でも若干定員が多い形になります。

滋賀大学の場合には、選抜の段階で初めから選択する校種が決まっている場合もありますが、多くの場合は入学後、春学期の間に志望を決めていただいて、その後に学業成績や志望の状況によって、配当していく形になっています。実際の割合については、免許の取得状況を見ていただけるとわかっていただけるかと思いますが、お答えになりましたでしょうか。

土井委員

最初の質問について、国立と私立の比率の問題もあると思いますが、高等学校の場合は、教員養成大学や学部でない別の学部で、免許を取って先生になる方が多いと思うのですが、小中学校については、やはり教員養成大学や学部の出身者の方が先生になっておられるという理解でよろしいでしょうか。

大野教授

そうですね。一つの県において採用された方の割合を見ていただくと、国立の教育学部が、例えば2割3割と、かなり大きな割合を占める形になっていると思います。

土井委員

そうすると、教員の養成には数と質の問題があると思うのですが、数を増やすことを考える場合には、基本的には教員養成大学や学部から来てもらわないと増えないということになると思います。社会人になってから教員になられる場合もあるのかもしれませんが、基本的には、教員養成学部などの入学定員をどうするかということと、入学した学生がそのまま教員の志望を維持し続けて、採用試験受験するようにするという方法しかないのではないかと思います。志願者が減少してきているというのは、そもそも教員養成学部などの入学定員を絞りぎみなのか、それとも、入学定員は変わっていないが、入学後に志望を変える学生が増えてきているのか。その辺りはどのように見たらよろしいですか。

大野教授

先ほど国立大学の出身者が多いのかという点について、滋賀県について考えた場合の話として、少し付け加えさせていただくと、事務局の説明にもありましたが、小学校の採用が220人程度ある中で、滋賀大学が40から50人採用されていますから、割合としてはそこそこあるということです。

考え方としては、全国で教員養成系大学があって教員を育てている。そこで質を高めて、魅力ある教員として送り出すことが求められていて、ミッションがあって地元に送り出すということもありますが、先ほどのお二人のお話にもあったように、他県で育っても滋賀県に魅力を感じて受験をされるケースや、他県から滋賀大学に入学されて、滋賀県の風土がよかったということで滋賀で先生になられるケース、こういったことを含めた総合的な魅力で先生方を確保していくということを、考えないといけないと思います。

福永教育長

ありがとうございます。そのほかに何かあればお願いします。

三日月知事

今の土井先生のお話に関連して、大野先生にお聞きしたいのですが、滋賀大学教育学部では、入学してきた学部の生徒に対して、「君は小学校の先生に向いているな。」とか、「君は教育学部に入ってきたけれど、向いていないな。」といった、伴走型の教員養成や採用試験へのアプローチはなさっているのですか。

大野教授

イメージが固まり切っていなくても、色々なきっかけがあって教育学部を選んでいただいていますので、大切に育てて先生として送り出すということが、大学としてのミッションであると考えています。

ただ最後には教師を志望しないということもあるのですが、大学としては1回生の段階からキャリアデザインをしっかりと教えていったり、先ほど滋賀大学の場合は規模がそこそこと言いましたが、その分教員も多いので、研究者タイプの教員もかなり丁寧に学生に向き合っています。

そうした中で、先ほど言われたように、「向いていない」ということが言えるかどうかはともかく、どうなっていきたいという学生の思いを理解しながら、様々な助言をしています。学生がまだイメージが出来ていないのであれば、4回生での就職指導についても、採用試験だけに絞るのではなく、例えば学級経営が見えていないという情報があれば、卒業前には一定のサポートをするような、そういったキャリア支援も行っています。このようにして、教育学部を選んで来てくださった方には、できるだけそのルートに乗っていただきたいと考えております。

土井委員

大島先生と松浦先生にお伺いします。大島先生は京都教育大学で、松浦先生は岐阜県の教育学部で教員を目指して、教員になられたということで、すばらしいことだと思いますが、大学の友達の中で、最初は一緒に教員を目指して学んだけれども、途中から、教員に向かないとか、教師が魅力的ではないと思って、やめていかれた知り合いや友達もおられると思います。その理由を、お聞かせいただければと思うのですが。

大島教諭

教育大学に入りながら、教職の道に進まなかった友達が、僕の周りにも一定数いました。教育大学であれば半数以上が教員の道に進んでいるかと思いますが、少数ですけど一般企業等の別の道に進むのは、そもそも教育大学に入る時点で、教員を志望していないパターンがあると思います。例えば推薦入学やスポーツ関係で入学してきたパターンであるとか、もしかすると家が近いという理由であったり、教師になるか迷いながら入学したけれど、教育実習で実際に授業をしてみて、「これは自分には出来そうにない。」とか、「それならばほかの業種で頑張ってみよう。」とか、心を折られてしまったりして、教職の道に進まなかった友達が僕の周りにはいました。

松浦教諭

私の友達にも教員にならなかった人がいます。その理由は先ほどの話にもあったようにギャップがすごく大きかったのだろう、と感じています。「子どもが好きで教育学部に入ったけれど、好きだったのは、いい子だった」と話している友達がいました。いい子なら仲良くなれるけど、ふてくされる子どもとか、深く関わらないと自分の方を向いてくれない子どもがいて、諦めてしまう人が多かったと思います。子どもをかわいいと思えないから教員にはなれないという話を聞きました。そのほかにも、推薦があったから大学に入って、授業は楽しいと思ったし、教員になれると思ったけれど、教員採用試験の勉強をしてみて、これは合格できないと感じ、講師になるより企業に勤めた方がいいという友達もいました。

土井委員

お二人の話を聞きますと、入学時点でも、必ずしも教員を目指しているわけではなく、推薦とか色々な理由で入学した人がいるのですね。あとは理由として実習が大きいのでしょうか。実際に実習に行ってみて、子どもと接した結果、進路を転換しようとする人が多いのですね。ありがとうございました。

岡崎委員

最初に説明のあった、教員採用の現状について質問なのですが、4つの校種別に比較した場合、高等学校と中学校は5倍程度の倍率があるけれど、小学校が3倍ということですが、この数字のどのような部分が県として問題なのでしょうか。

3倍であったとしても、冒頭に先生方からお話しがあったように、すごく教師に向いている先生はいると思います。実はやはり向いていない先生がいて、採用はしたけれど離職率が年々高まっているとか、志望者の減少によって3倍の倍率で採用する場合に、県として抱える本当の課題や問題点はどこにあるのでしょうか。

教職員課長

倍率について申し上げると、3倍を超えていたらよいとか、3倍を切ったらいけないということはありません。反対に3人の中から1人しか入れないのであれば十分であるという御意見も伺います。

その中で特に、私どもが意識しておりますのが、段々と志願者が減少してきているという動向についてです。それと離職の問題ですけれども、そういったケースが増えてきているのは事実です。

その中で、教員をやりたいという志を明確に持って、モチベーション高く入ってきていただける方に、一人でも多く受けていただきたいということで、倍率をもう少し上げていければと考えています。

三日月知事

今の岡崎委員の発言と事務局からのお答えに、少し問題提起をしたいと思います。倍率至上主義、偏差値至上主義、倍率が高ければ優秀な人が集まるという幻想から、そろそろ脱却しないといけないのかなと思います。

あえて答えは求めません。母集団が多いほうが、色々な人が入ってくるのかもしれませんけれど、それで受からなかった人がどうなのかということについて、滋賀の教育行政をそういうところから変えてみてもいいのかもしれないなと思いながら聞いていました。

福永教育長

ありがとうございます。その点も含めまして、この後、意見交換をしていただくのですけれども、今後どんな取組を進めていけばいいのか、どんな視点でアプローチしていけばいいのか、皆様方から御意見がございましたら承りたいと思っております。おおむね30分程度で、皆さんから御意見を伺いたいと思っております。

先ほどから色々な魅力発信のお話や、高校生、中学生、小学生へのアプローチ、先生方の働きやすさ、あるいはフォローアップに対する体制等について、皆様お気づきの点がありましたら、お話をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

土井委員

若い世代の皆さんに夢を持っていただいて、志願する方を増やすことが大事だと思いますので、是非取り組んでいただきたいと思います。今日大島先生、松浦先生から伺った話もそうですし、先日、滋賀大学の教職大学院に伺って、学生の皆さんと話をしたときもそうでしたが、やはり教職に理想を持っておられるのですね。

ただ、子どもと接したいという思いはあるけれども、先ほどの松浦先生のお話のように、実際に子どもに接したときに、自分が思い描いていた子どもばかりではないという現実に直面することになると思います。そのときに、若い先生方や学生の皆さんの場合には、うまく対処できないという悩みを持たれると思うのです。

大事なのは、そういった悩みを持ったり、うまくいかなかったりするときに、しっかり支えて、その後もフォローアップする体制を、実習であれば学部や教職大学院の段階、また実際に学校に勤められた段階で、作っていくことが大事なのではないかと思います。

学生の皆さんや新任の先生方がつまずいた場合でも、同僚の先生方や、大学の先生方から色々なサポートがあって、乗り越えていけるシステムを作らないといけません。夢を見させて、大学に来させて、しんどい思いをして折れたらさようならというのでは、育たないと思うのです。

教育実習の在り方にもよりますが、教育実習のときに、いわばお客さんのように扱いで、自分でやってくださいという体制では、不十分ではないかと思います。もちろん、自分でうまく乗り越えていかれる若い先生方もおられると思いますが、やはりそこでつまずく先生方もおられるわけですから、そこをどのように手厚くサポートし、フォローアップしていくかを考えないといけないと思います。

滋賀県なら手厚いサポート、フォローアップをしてもらえる、教員として伸ばしてもらえるということが広まることを通じて、教員の志願者が増えることに期待するのがいいのではないかと思います。

野村委員

発表やお話をありがとうございました。先生になるきっかけはどのようなものなのだろうと考えていたのですが、そのときにお二人の先生の話を聞いて、やはり子どもたちにかかわりたい、子どもたちの成長を見たいというところが大きなウエートを占めていて、企業では機械やデータといったものを見続けることになりますが、本当に子どもたちの心の成長を見ていきたいとおっしゃったことがすごく印象に残っています。

ある先生に、どうして先生になったのか尋ねたときに、やはり小学校の先生に、「学校の先生になりなさいよ。」と言葉をかけられたそうなんですね。その言葉が印象に残っていた先生もいらっしゃれば、御両親が先生をされていて、御本人も実際に先生になられたのですが、子どもに先生になりなさいとは、なかなか言えないとおっしゃられた先生もいらっしゃいました。そこには時代の変化とか、責任の大きさがあって、保護者の方の多様化や、そこにどこまで踏み込んでよいのかが難しく、色々なことがあって、子どもに「先生になったらどうか。」と声がかけられなかったとおっしゃっていました。

でも先ほどのお話にあった先生のように、すごく子どもの成長に関わって、その先生が言ってくださったから、自分も先生になったとおっしゃっていたことを聞いて、今現役の先生方が、行ってくださる教育が、人材確保そのものではないかと感じました。

そのためにはやはり、先生方の心のゆとり、大島先生が7時間ほどは授業に携わらなくてもいいとおっしゃったように、心のゆとりを持って子どもたちに接することができるように、支援を入れていけるといいのではないかと感じました。

福永教育長

小学校の先生方で、勤務時間内でのゆとりの部分について、例えばこのくらいあれば、少しゆとりが持てると感じることはありますか。

松浦先生は、1日の中でそのようなゆとりの時間はないですか。

松浦先生

現在、週に2時間、図画工作の授業に入っていただいています。空き時間であっても、教室にいたくなってしまって、子どもたちの様子を見ています。主として授業を行っていると全体でしか見られないのですが、個別に声をかけ、たくさん褒めることができるので、教室に残っていたいという思いが勝ってしまうことが多いです。

大島教諭

ゆとりはなかなかないと感じているのが現状です。4時50分までは空き時間はありません。一般企業のお昼休憩が我々であれば給食なのですが、給食指導があってゆっくりしている時間はありません。トイレへ行く暇もないと言っておられる先生方もおられます。休憩時間として決められていても、実際にそれを多くの先生方が確保するのは、難しいと思います。

だからこそ、他の先生に任せられる入り授業があると、松浦先生がおっしゃったように、教室にいて子どもたちに関わることもありますし、思い切って授業してくださる先生に任せて、職員室で事務作業や、次の日の授業の準備をさせていただいています。

今、実際に他の先生にこれだけ授業に入っていただいていて、やはり空き時間は多いに越したことはないと感じています。

窪田委員

ありがとうございました。身につまされることもたくさんあり、私がここに勉強に来ていると思いながら聞かせていただいています。

最初に御報告いただいた、県の今の教員採用の現状について、先ほど倍率が3倍を切ったからどうということではない、というのはその通りだと思っています。実際ここ10年は2~3倍ぐらいになってきていますが、その中で、もしくはそれより前と比較する方がよいのかわかりませんが、学校現場の中で、倍率の低下がどう影響しているのかがもう少し分かるといいのではないでしょうか。

これでも十分、質の高い先生方に頑張ってもらえているのか、先ほど離職率の話もありましたし、個別に色々な事情があると思いますが、これくらいの倍率を維持していれば、県として十分に教育の質を高めていくだけのベースは確保出来ているという数字なのか。倍率と直接リンクしていることばかりではないと思うのですが、どのようにすればそれが分かるのか、私も考えながらなのですが、もう少し内実が分かればよいと感じました。

それから採用者数について、分かれば教えていただきたいのですが、新卒者や講師経験者あるいは社会人の採用者数の中での内訳は、どのように変化してきているのでしょうか。おそらく社会人が急に増えているということはなくて、大きな流れの中で変化していると思うのですが、この人数が増えてきているから、そこにもっとアピールすればいいのではないか、といったことが見えてくるかもしれない。私の身の周りだと、社会人経験者から教員になった人もいると思ったので、また教えてください。

それと、大学で教員養成に携わっている中では、滋賀大学の場合は教員になりたいといって推薦で入学する学生たちが70人前後いますし、入学時点から教師になりたいと思って、熱心に1回生のころから観察とか実習のプログラムを色々と積んでいきます。その中でしっかりフォローアップされているほうだと感じているのですが、今、教師塾が始まって、学生を見ていると、そこですごく頑張る学生たちもいるのですが、反対に教師塾があって、厚いレールが敷かれることで、かえって自分はそこには乗れないのではないかと、自信をなくしてしまう学生もいます。少数だとは思いますが、先生になれる、実習でも頑張っていたと感じる学生が、別の道を早めに選んでいくことが、ここ数年で一定数あると感じています。私が所属しているのが障害児教育なので、福祉の道を選んでいく学生たちが圧倒的に多く、学校教育とまた違う魅力が福祉現場にもあると思うので、私も何が何でも教師になるように引っ張り戻すことはせずに、話を聞いているのですが、教師になりたいという学生たちにとって、教師塾が一つの大きな魅力であって、実際に参加して教師になっている先生もいらっしゃるので、そこも大事にしつつ、そこでは拾い切れない教員志望の学生たちが、どうしたらもう少し緩やかに教師を目指していけるのか、教師になるために頑張るだけではなく、教師になってから頑張っていけるためにどうしたらいいかというのは、大学の中でも悩んでいるところです。

最後に一つ、先ほど2人の先生にご報告をいただいて、やはり素敵な先生に出会った原体験がすごく大事だと改めて思いました。

先ほども時間内のゆとりの話もありましたが、大島先生、松浦先生が、教師として成長し続けて、これからも素敵な先生であり続けるために、今の現場でこういうことができるようになれば、ということがあれば、言いにくくない範囲で教えてください。

福永教育長

まず、窪田委員が最初におっしゃられた、採用者の内訳はわかりますか。

既卒で講師をされていた方と、新卒で教師になられた方、あるいは社会人から教員になられた方の割合について。

教職員課長

受験をされる方が、現役なのか、既卒なのかという比率について、これは毎年統計されています。その動向を申し上げますと、既卒者の比率が、受験者ベースで減ってきています。逆に新卒者は、大学の定員もあって、そこで一定コントロールされていますので、あまり変動はありません。

受験者の総数が減少している一番大きな原因は、大野先生もおっしゃったように、既卒者の受験者数が減っていることです。教員の大量採用が続いていますので、既卒者の方も、かなり正規採用されているということがあると思います。

福永教育長

続いて、窪田委員が最後におっしゃられた、現場でこのようなことが出来れば、ということについて何かありますか。この場では言いにくいこともあるのかもしれないですが。

三日月知事

この場で言っていただいた方がいいですよ。松浦先生、大島先生、ぜひ聞かせてください。

松浦教諭

私の学校は単級で、まずは一人で考えなくてはいけないということが多いです。一緒に教材研究が出来たり、話合いで広がることもあったりすると思うので、そういった場があるととてもありがたいと思います。

もちろん、単級ではあっても、支援員の方も入ってくださっているし、困っていると声もかけてくださるのですが、やはり一緒に考えて授業に行って、「これは反応がよかった。」といったことを言い合えると、私たちも心持ちが違うと思うし、子どもたちにとっても、良い授業を受けられることになると思います。

大島教諭

授業をどうしていくか、学級経営をどうしていくか、自分自身でいろんな手立てを考えながら、新しいことを取り入れたりしていて、学ぶことがすごく面白いと感じています。先ほどもおっしゃっていましたが、例えば授業をどうするかということの情報交換を、もっと気軽に、短時間であっても、理想としては勤務時間内で出来たら、これ以上喜ばしいことはないと思います。

現場で僕よりも、経験年数の若い年下の先生とも話をさせてもらいますが、どのように授業を考えたらよいか分からないということを聞きます。先輩の先生が帰った後は、初任者の先生が独りになってしまって、どうすればよいか分からなくなって、話を聞きに来てくれます。

やはり授業はすごく大事だと思っているのですが、なかなか教材研究をしたくても、出来ない現状があります。僕は体育専門なので体育は得意なのですが、ほかの教科は苦手だったりするので、1人で考えるよりも、得意な先生に教えてもらえたほうが圧倒的に質も高く、短時間でできると思います。

福永教育長

学校現場でどういう形で一緒に相談したり、フォローしたりする体制をつくっていくのがよいでしょうか。

石井委員

松浦先生と大島先生がおっしゃったことは、経済産業界としても非常に重要なところだと感じています。前回の滋賀大学教職大学院でのふれあい教育対談で、長浜市から40歳ぐらいの教員が派遣をされていて、非常に情熱のある先生でした。その先生がおっしゃっていたのは、相談したいことがあるときに、昔は相談出来る雰囲気があったけれども、今はなかなかコミュニケーションが出来ない、コミュニケーションをとった方が、お互いのため、学校のためにもなるといった発言をされていました。

知事からも出ていましたけれど、変化するニーズに対応していくためには、学校のマネジメントの仕組みをもう一段階向上させていく必要があると感じました。

教育大綱に書いてあるのですが、「教育課程の編成、評価や改善には全教職員が関わっている」の項目で、目標に対して、現状は非常に低い認識をされていますね。このような時代ですから、この項目に関しては、目標ももう少し高くてもいいのではないかと感じています。

福永教育長

学校現場で、どういう教育課程で子どもたちに教えていこうかというカリキュラム・マネジメント等について、学校の先生がみんなで意見交換や話し合いをしながら、自分もそれに参加しているということ、学校全体として、こういうことをしていこうという考えを共有することが、石井委員がおっしゃったように非常に大切であると考えております。

中條副知事

大野先生、大島先生、松浦先生、今日は貴重なお話をありがとうございました。非常に参考になりました。

先生を目指される方が、どういうきっかけであるかというところについて、皆さんおっしゃっていたのですが、やはり先生との出会いということが重要であると感じました。

現役の先生方が、どれだけ生き生きと働いている姿を見せられるかが非常に重要だと思っておりまして、民間企業も同じかもしれないですが、やはり働きがいの部分と、働きやすさの部分を両方進めていかなければいけないと思っています。

働きがいという面では、先生方から御発表いただいたのですが、やはり子どもたちの成長を間近で見られる。それで、自分の成長も感じられるというところは、すごく働きがいにつながるのだと思います。そういった働きがいを感じられるように、人材育成といいますか、つまずいたときのフォローができるような仕組みや、時間的な余裕も必要になってくると思っていますし、働きやすさという面で、大島先生がおっしゃっていましたが、外部の先生方や、ボランティアの方々といった、色々な方の力を借りて、働きやすさを進めていくことが重要だと感じたところでございます。

福永教育長

皆さんから御意見をいただきました。今まで出た視点でも結構ですし、また違った視点でも結構ですが、何かございますか。

岡崎委員

私も、今日の色々なお話を聞かせていただいて思ったのですが、企業でも3倍の倍率の中で採用をするということがあります。企業の運営に直結するので、常にいい人材が来てくれることを望んで採用活動をしていました。ですが、やはりそういう望みがあって、いい子だと思って採用しても、得意不得意とか、適性とか、そういったところでなかなか全員は伸びないというところがあるので、やはりこれからは個の時代なのかなと思います。

企業で言うと、採用した個人を、いい方向に伸ばす、活躍できるポジションで使うということですね。学校であっても一緒だと思いますので、先生方も先ほど言われましたが、例えば体育が得意であれば体育というように、小学校でも教科担任制を考える。滋賀県ではその分人員を増やすとか、そういった思い切ったことをすることが、今の小学校の教育現場を大きく変化させるきっかけになるのではないかと思います。予算が可能であれば、ぜひ人員に投資いただいて、800人の教員になりたいという方の応募があるわけですから、相談役であったり、ともに学び合う教師を現場に大量に増やして、学校現場を良くしていく。そうすることで、ブラックさを無くして、時間内で色々な、活発な議論とか教材研究ができるような環境をつくってあげればいいのではないかと思いました。

去年1年は、うちの娘も実習に出られずに経験が積めなかったことで、非常に不安を感じているそうです。先日ふれあい教育対談でお邪魔したときに、大学院に通われる学生たちが、いろんなところに実習に行くことが、教師になるうえですごくプラスになっていると言っていたので、そういった良さをもっと周知して、教育現場に出る前に、色々な機会を先生方に経験していただくことを、滋賀県独自に出来たらすごくいいのではないかと思いました。ぜひ何とかしたいと思います。

福永教育長

ありがとうございます。

大学の時代に学ぶ、また、大学を出た後にまた学べるということが非常に大切だと思います。不安な気持ちで仕事をすることはなかなか大変だと思うので、一人ひとりを救ってあげることが大事だと思います。

土井委員

先ほど倍率のお話が出たので、その関係ですが、事務局の資料の7枚目が全国の状況ですね。これに18歳から22歳の人口を被せてみると、実は志望者が減っているとは言っても、健闘している状況なのですね。18歳人口なら平成3年くらい、22歳人口なら平成7年、8年くらいが200万人程で最も多い。それがほぼ半減の状態になっていることを考えると、これから大幅に志望者が増えていくことは難しいと思います。

そうなると、子どもが多い時代では、たくさんの人を集めて競争させればよいというやり方でしたが、やはりこれからは丁寧に育てていかなければならないと思います。

もう一つは先ほどからお話に出ているように、教員を志望する上で先生との出会いが大きいということですが、考えてみると小学校、中学校、高校と総計12年間リクルートをされておられるわけですよね。

子どもたちに接して、その子どもたちの中から教員が出てくるということであれば、その過程で子どもたちが先生方を見て、先生になりたいと思う、あるいは高校で、先生に向いている子どもがいれば、教員になるのはどうだと声をかける、ということが一番考えられる方法で、それ以外の方法はなかなかないだろうと思います。そういう方向で地道にやっていくべきではないでしょうか。

福永教育長

ありがとうございます。

他府県でも、採用試験をどうするかという議論がありますが、その議論はその議論として考えるとして、今おっしゃられたようなことは考えていきたいと思っています。

ここで知事から、何か御感想があればお願いします。

三日月知事

ありがとうございました。

今日、大島先生と松浦先生のお話を聞いて、私もとても温かい気持ちになりましたので、会場には行けなかったのですが、お二人にお礼の気持ちを込めて、色紙を書きました。秘書から届けさせますので、お持ち帰りください。私が中学校のときに、先生からもらった言葉で、今でも大事にしている言葉を、お二人に贈ります。

それだけ学校の先生というのは、一人ひとりの生徒の、その時々の悩みや可能性に、影響を持ちうる、及ぼしうる。たとえそのことを先生に言わなくても、心のどこかでひそかに思っていることも含めて、影響を及ぼしうる存在なのだろうと、先生お二人のお話を聞いて思いましたし、私自身もそうですので、そういう一瞬一瞬、ひと時ひと時を、学校で子どもたちとともに発現できるように、僕らは行政として、知事として、しっかりそういう環境づくりに努力していきたいと改めて強く思いました。

その意味で、先ほど大島先生にお話しいただいた中で、サポートスタッフがいてくれるおかげで、教壇に立たなくてもよい時間が確保出来て、研究することができるんだというお話は、やはりそうなのだと思いました。

とはいえ、松浦先生がおっしゃっていただいたように、やはり子どもたちを見ていたいし、ずっと見ているからこそ分かるということもあると思いますが、子どもたちにとっても、恐らく大島先生や松浦先生以外と接する時間が、また育ちや学びの機会にもなるでしょうから、そういうサポートスタッフを今よりも投入することによって、先生方の時間を、先生方がより元気になる時間をつくるということは、一つの今日得た学びだったのではないかと思いました。

また、松浦先生の御自身の経験の中で、滋賀の教師塾に入って、ともに目指せる仲間に会えたというお話を聞いて、この滋賀の教師塾は、やはり重要な役割を果たしていただいているのだと感じました。

ですから、今日的な課題も盛り込みながら、さらにこの滋賀の教師塾をよりよいものにしていきたいと思いましたし、恐らく両先生がそうであるように、大学に入る前の高校時代、中学時代、小学時代の先生との出会いが、いろんな将来への夢を形づくるとするならば、やはり中学生や高校生だけではなくて小学生も含めたアプローチ、先生はこんな魅力的な仕事なのだと、学校の先生が表現していただくだけで随分その役割はあると思うのですが、そういうアプローチをさらにしていきたいと思いました。

その意味でいうと、あと二つあるのですが、県教育委員会が作ってくれている、「求む!滋賀の教員!」。皆さんの御手元にもあるかもしれません。かなり昭和チックですね。「子どもたちの夢を育てましょう」、「子どもたちが輝く教育をしましょう」、それはそうなのですけど、もうちょっと滋賀で教員することのやりがいというか、一緒にこんな学校を作れたらいいですねという表現に出来たらなと思いました。

この採用選考試験実施要項に至っては、もうかなり上から目線で、滋賀県ではこのような先生求めていますと、僕が受ける側だったらこんなところは受けようと思わないですよね。ちょっとこのあたり、教育委員会事務局は目線を変えてみたらどうかなと思いますね。

ぜひ、すぐできる改革からやっていきたいと思いましたし、先ほど窪田委員がおっしゃっていましたように、今、どのような方が受けられているのか、何人受けられているのか、どういう事由で離職されているのか、どんな経歴をお持ちで教員をなさって、もしくはなさろうとしているのか、その辺りのデータを、私たち自身がきちんと持って、そのデータに基づく対策を講じていくことが必要だと思います。石井委員は経営者の立場で、そういったことを御専門になさっていると思いますし、幸い滋賀大学にはデータサイエンス学部もありますので、ぜひ、このデータに基づく、よりよい環境づくりのための検討を一緒にしていきたいと思いました。

最後に一つだけ、土井先生がおっしゃったように、教員の皆さんのフォローアップの仕組みを、ぜひしっかりとつくっていきたいと思いました。

福永教育長

ありがとうございました。今、知事から様々な形でのまとめや御提案をいただきました。皆様、他にはよろしいでしょうか。

それでは本日の会議の中では、子どもたちが見て先生になりたいと思うような学校現場をつくっていくのが大切で、先ほど申し上げたように、小学校、中学校、高等学校がありますので、それぞれの場面で、自分は小学校の先生を見て、小学校の先生になりたい、中学校の先生を見て中学校の先生になりたい、あるいは高等学校でこの先生に学んだから高等学校の先生になりたいという、そういう現場になるようにするために、先生方に対するフォローアップでありますとか、ゆとり、あるいは先生方がもっと相談できる相手が見つかるような体制を作っていくことが必要だと思います。

あわせまして、子どもを育てていくという意味においては、滋賀大学教育学部の皆さんとの連携をより強めていくことも大切だと考えておりますし、学校現場のマネジメントがしっかり行われていくことも大切だと思っております。

最後に知事がおっしゃられた、採用選考の色々な書類につきましては、我々教育委員会の事務局でも、現場の声、特に若い先生方の声をお聞きして、より魅力あるものにしていきたいと思っておりますので、また皆様のお知恵をお借りできればと思っております。

それでは以上を持ちまして、令和3年度の第1回滋賀県総合教育会議を閉会いたします。皆様におかれましては長時間にわたり熱心に御参加いただき、ありがとうございました。本日はお疲れさまでした。

お問い合わせ
滋賀県教育委員会事務局教育総務課
電話番号:077-528-4512
FAX番号:077-528-4950
メールアドレス:ma0002@pref.shiga.lg.jp
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