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令和7年7月定例教育委員会

開催日時

令和7年7月4日(金曜日)午前10時から午前11時

開催場所

県庁新館4階教育委員会室

出席委員

  • 教育長 村井泰彦
  • 委員(教育長職務代理者)土井真一
  • 委員 野村早苗
  • 委員 塚本晃弘
  • 委員 森和之

議事次第

議案
公開 第17号 令和8年度滋賀県立中学校第1学年募集定員について 高校教育課
公開 第18号 令和8年度滋賀県立高等学校第1学年募集定員について 魅力ある高校づくり推進室
報告
公開 令和7年3月高等学校等卒業者就職決定状況調査 高校教育課

会議録

1 開会

 

●教育長から開会の宣告があった。

 

●教育長より出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

 

●事務局から説明員の出欠について報告があった。

 

2 非公開事件の確認

 

●教育長から、本日の議題についてはすべて公開で審議すべきとの発議があり、全員異議なく了承された。また、審議の順番については、公開議案、報告事項、の順で審議することが確認された。

 

3 会議録確認

 

●6月11日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

 

4 議事(議案:公開)

 

●教育長から第17号議案「令和8年度滋賀県立中学校第1学年募集定員について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(森委員)

 県全体の生徒数が減れば定員も減らすのか。

 

(岸村高校教育課長)

 今後減らすのかということについては、方向性は定まっていない。生徒数が変わっていけば、その際にはまた改めて検討したい。

 

(森委員)

 生徒数の比例ではなく、絶対数として定員が定められているということか。

 

(岸村高校教育課長)

 そのとおり。生徒数の多い都道府県でも、県立中学校の定員は滋賀県と同じ程度しか設けていないところがある。

 

●教育長から第17議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案通り可決された。

 

●教育長から第18号議案「令和8年度滋賀県立高等学校第1学年募集定員について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(村井教育長)

 高校授業料無償化の影響について補足等があればお願いする。

 

(浅岡魅力ある高校づくり推進室長)

 本県では公立志向が強い。今回の授業料無償化がどの程度の影響を及ぼすかについては、今年度の入学者選抜の状況をしっかりと確認していく必要がある。

 

(森委員)

 一校あたりの最低募集定員は定めているのか。

 

(浅岡魅力ある高校づくり推進室長)

 定めてはいない。現在県立高校全日制の課程における最小の学級数は信楽高校の1学年2学級となっている。2学級規模、3学級規模となると、先生方の負担も増えるという話もある。学校の活性化や部活動の維持ということを考えると、一定以上の規模がないと学校の運営は難しいということを聞いているところ。

 

(森委員)

 伊香高校の現状が気になっており、質問させていただいた。

 

(浅岡魅力ある高校づくり推進室長)

 伊香高校については、今年度より森の探究科という新学科を設け、17名の生徒が入学した。地域の資源を生かした特色ある学びを展開する学校は大事にしていかないといけない。伊香高校においては、令和8年度から全国募集をする。これからの本県高校教育のあり方を考えていくにあたっては、小規模の学校であっても地域に根差した学びを展開している学校の位置づけについても整理していく必要があると思っている。

 

(塚本委員)

 魅力ある高等学校という観点から申し上げると、定員や授業料だけの問題ではない。楽しく充実感があるといった、生徒それぞれの満足感を高めていくことが大事だと考える。中学から高校という環境が大きく変わる一年生の子どもたちが悩んでいること等があればお聞かせ願いたい。

 

(岸村高校教育課長)

 時間管理の面で、通学時間や課題学習の時間のやりくりが難しくなっているといった話も聞いている。

 

(塚本委員)

 環境が変わることによる苦労や悩みは、むしろ大切な経験として生徒に蓄積されていくものだと思う。ただ、そういった悩みを持った生徒に対して適切なフォローが行き届くようにすべき。高校3年間を過ごす途中であきらめてしまうのは残念なことであるため、先生方や他の体制も含め、チーム学校という言葉があるように、支えていく体制を高めていくことも魅力ある高校づくりへつながると考える。

 

(村井教育長)

 フォロー体制というと、学校の規模が小さすぎると教員の数も少なくなり、難しさもある。規模についての議論は全国的にもされていると思うが、小規模ならではのきめ細かな指導という側面もある一方、学校全体としての活力やクラブ活動が限定的になってしまうといったことや、そもそも教科が開設できない等の問題があるという側面もあり、議論をしていかないといけない部分である。

 また、どの程度の規模まで大丈夫なのかという点については、地域から学校がなくなるという問題や、通学できる範囲に高校があるのかという問題があることから、規模が小さくても何とか維持しようとしているところも全国的には存在する。今後の人口減少を見据えた形の中では議論していかないといけない大きな課題であると認識している。

 子どもたちにとっては自分が望む進路を目指せる学校があるかどうかが大事。もう少し規模感のある学校が必要ではないかという議論もあり、一方で通学等の面を考えると小さい学校も必要ではないかという議論もある。

 

(森委員)

魅力ある高校を作るうえでは規模の小さな学校について、どのように取り扱うかは議論をしないといけないところ。

 

(土井委員)

 他府県では交通インフラとの関係が問題となっており、学校規模が小さくなっても維持しなければならない事例も存在する。鉄道網やバスが十分ではない地域で高校をなくしてしまうと、一番近い高校に通うのにかなりの時間がかかる場合には、無理をしてでも高校を維持している。他方、比較的交通網が発達しているところでは、その地域に必ずしも高校が存在する必要はない。地形など色々な問題を考える必要があり、そういった意味では高校をどうするかだけではなく、滋賀県のインフラ全体を踏まえて議論をしなければならない。こうなると、教育委員会だけで決められる話ではなく、県全体の視点で考えないといけない。

 

(森委員)

 分校は設置できないのか。

 

(土井委員)

 京都の北部では基幹校を作り、その○○学舎・キャンパスという形で運営している高校があると聞いている。このような場合、管理職等をある程度減らすことはできるが、実際にクラスがある以上、教員の配置はしなければならない。ただ、小規模校では各教科の担当教員を確保することが難しいため、キャンパス化することで教員を確保する努力がされている。規模が小さくなってくれば、こういったことも一応選択肢の中にはある。

 

(村井教育長)

 今年度特に気を付けなければいけないこととして、新入試制度に変わるということが大きい。今までは特色選抜と一般選抜で別の学校を受けることも可能であったが、今回からは一つの学校に絞りこむことになる。それに伴う受検行動がどうなるのかということを見定めなければいけない。

 

(土井委員)

 私学の無償化の影響を捉えるためには2つの視点がある。1つは公立高校に来る子どもたちの絶対数の問題であり、もう1つはどういう層の子どもがどの高校に来るのかという相対的な問題である。絶対数の問題は、滋賀や、京都などの近隣の私学の定員充足率の状況を見ることで、私学への流出可能数を判断することができる。層の問題は、中学校三年生ではなく、小学校六年生をも見る必要がある。近隣の私学の進学校は中高一貫校が多いので、ここ数年の小学校六年生がどの中学校に進むのかを見ることで、おおよその動きがわかると思う。無償化については、全国的に進むので、滋賀県の子どもたちだけ私学を志向するわけではなく、結局、そこまで大きな問題にならないかもしれないが、動向は見ていただいたほうが良い。

 

(浅岡魅力ある高校づくり推進室長)

 滋賀県教育委員会においては統計データとして各学校の児童・生徒数を調査しており、小学校六年生から中学校一年生で何人程度の生徒が増減しているのかということについて、過去の状況を見ると100人程度減っている。学力上位層の動向については、統計上では生徒の学力はわかりづらいところがあるが、今後学習塾や中学校等との意見交換を通じ、情報収集してまいりたい。

 

(北村児童生徒室長)

 義務教育から高等学校に進学する1年生の様子として、やはり人間関係が大きく変わるため、色々なトラブルが発生するということがある。滋賀県の傾向としては、非常に退学者数は少ない。一方で、不登校の割合は増加傾向にある。滋賀県の公立高校の先生方には丁寧に見守っていいただき、学校を続けられなくなっても、全日制が難しければ定時制等、新しい進路先についても見定めていただいている。単純に学校に合わないから切ってしまうということをされないのは県立学校の良いところ。校種が変わるこのタイミングでいじめが発生したり、友達関係が大きく変わることによる学校への行きづらさ、経済的な問題等、高等学校に入学したタイミングでの子どもの困りごとはやはり存在する。そこに対し、児童生徒室として、高等学校に対してもできるだけの支援を続けて参る所存。

 

●教育長から第18号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案通り可決された。

 

5 報告(公開)

 

●教育長から報告事項ア「令和7年3月高等学校等卒業者就職決定状況調査」について、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(塚本委員)

 就職先として製造業が多く、次がサービス業等といったことについて、高校生の就職としては、高校に来た求人票の中から選ぶという形に現状では近いと思うが、各学校に送られてくる業種として製造業が多いということに比例しているということか。

 

(岸村高校教育課長)

そのような傾向はある。

 

(塚本委員)

 中には送られてくる求人票以外の伝手等を頼って就職する高校生もいると聞く。送られてくる求人票については、ハローワークの審査をきちんと受けているため、ブラック企業の斡旋はないものと心得るが、それ以外のルートでの就職がないわけではないことを考えると個別の就職先での支援もされるようお願いしたい。

 

(岸村高校教育課長)

 自己開拓における部分についても、契約が反故になってしまう場合もあるため、学校としてはなるべく求人票を出していただけるよう働きかけている。引き続き丁寧に続けていきたい所存。

 

(野村委員)

 希望して入った就職先について、1か月、2か月でやめてしまった子どもはどのくらいいるのかお教え願いたい。

 

(岸村高校教育課長)

 数は把握できていないが、卒業してからしばらくの間は必ず学校から公共の職業斡旋所を通し、就職斡旋をしていくことになっている。このように卒業後も就職に関し、高校が関わっていると理解している。

 

(野村委員)

今後もそのような形で、卒業後も暖かく見守っていただけたらと思う。

 

(森委員)

 滋賀県の高卒者の就職として気になっているのが、応募できる企業が1社のみ、といった制度について様々な企業が変えてほしいと言っていること。

 

(岸村高校教育課長)

 一人一社制のメリットとしては特定の生徒に複数の内定が集まってしまうことを避けることができるということがあげられる。一方で、一人一社制であると生徒の主体性をあまりにも制限しているのではないかといわれているところ。メリット・デメリットを勘案しながら、対応を考えてまいりたい。

 

(森委員)

 高校生段階では、どこの会社に行けば良いのか、なかなか自分だけではわからないこともあるかと思う。それを踏まえると先生や親が勧めた方が良い結果につながる傾向があるように感じる。

 

(岸村高校教育課長)

生徒が自分の興味関心や能力を十分に判断し、自分がしたいことを言えることが大事。これからはそれぞれが社会問題を自分へ引き付け課題解決し、それを職業として成り立たせていくといったことも望まれる。高校としては主体性をもっと養っていかなければならないと考えている。

 

(森委員)

 就職希望者が減ったということは進学希望者が増えたということだと思うが、実際そのような傾向があるのか。また、5年後の就職者数が今からどの程度減るのかお教えいただきたい。

 

(岸村高校教育課長)

 就職希望率は横ばいではあるが、なだらかに下がってきており、就職を希望する生徒の割合は減ってきている。生徒数そのものの数も減ってくるということもあり、今後どうなるかということは気にしていかないといけないと考えるが、5年先のデータなどは把握していない。

 

(森委員)

 学生は減っているということか。

 

(浅岡魅力ある高校づくり推進室長)

 ご指摘のとおり、子どもの数自体がそもそも減っている。また、大学や専門学校の志望者も去年以上に増えている学校もある。工業高校や商業高校等には地元企業からの求人もたくさん集まっている。進路指導の先生方においてはその子にとってどの進路が一番良いのかということを見定めながら指導されており、引き続き高校において丁寧な進路指導を進めていく。

 

 

6 その他

 

●野村委員から部活動の地域展開について意見があった。

 

(野村委員)

 年度初めに市町の教育長が挨拶に来られた際に部活動の地域展開の話が多かったと伺った。部活動は予算や施設、生徒数や広域性が市町によって異なっているため、なかなか進めることができない現状がある。私自身地元で関わらせていただきながら、部活動の地域展開が本当に先生方の働き方改革につながり、最終的に子どもたちの成長や学力向上というところに結果をもたらさなければいけないと思っている。スポーツ協会や自治会の話も伺いながら、県として取り組んでいただけたらと思う。

 地元でアンケートを取った際に、地域展開を教員の負担軽減ととらえるのであれば、部活動に関わる時間が軽減されたことにより、授業の準備時間が確保できたか、教育の質の向上ができたのかということをご意見として頂いた。外部の部活指導者が入ることで、先生がその方との連携を図るために時間を取られたり、困りごとが出ていないのかと感じる反面、技術指導面等でプラスになることは大いにあると感じている。部活動の時間が短縮される中で、子どもたちのエネルギーの持っていき場所がどのように変わっていくのかということと、生徒指導にかかる時間が先生方の中で大変になってきていないのかという意見もあった。また、県立中学校と市町立の違いとして、県立中学校に通う生徒は従来どおりの部活動ができると思うが市町立になると、この問題で取り組むことの差ができてしまっているのではないかと感じている。令和7年度で改革推進期間が終了し、令和8年度からの改革実行期間へ向うため、今ある問題や成功、失敗事例を現場の目線で調査していただけたらと思う。校長会で情報共有等はされていると思うが、ほかの学校がどのように進んでいるのかということについて、部活動主任の先生が一堂に集まって情報共有をしたいという意見もいただいている。すでに取り組んでいただいていることもあると思うが、こういった現場の意見もあったため、報告させていただいた。

 部活動の地域移行は、少子化が進み必然的に取り組んでいかなければいけないことだと思う。滋賀県では実際に19市町のうち13市町が取り組まれている。滋賀県は全国的にみても積極的に取り組まれていると思うが、より良い方向に進むよう、ガイドライン等は示されているが、さらに子どもたちや保護者、先生方にわかりやすく示していただきたい。7月に入り、来年度から進めていただかなければならないことのため、色々と取り組みをしていただければと思う。

 

(村井教育長)

 今現在それぞれの市町で状況が異なる中、子どもや学校にとってどのように良い結果が得られているのか調査すべきではないかということや、ほかの学校の状況を部活動主任同士で情報共有する場が必要ではないかということ、さらには子どもたちや先生、保護者等に状況を分かりやすく示す必要があるということについて、保健体育課から答えられることはあるか。

 

(安井保健体育課長)

 今いただいた現場の目線であったりご意見については、スポーツ課が主となり市町を回らせていただき、先生方や学校の話を聞かせていただくということは活動の一つとして行っている。また、市町の会議へも参加し話を伺っているところである。部活動に携わられている方の意見交換の場としては、部活指導員の研修会を開催し、講義の後にお互いに話をする場を持たせていただいた。部活に関わる先生方にそのような機会があれば、問題点等も共有できるかと思う。わかりやすくという部分についてはおっしゃる通りで、地域ごとに取り組んでいるため、県から一律に通知を出し伝わるかどうかというところはあるが、方向性としては出していきたいと思っており、各市町異なる形でガイドラインを出しているところについては、また協議会を開催するため、取り組みの事例について紹介し、各代表に伝えていければと考えている。

 県立中学校の話についてもおっしゃる通りで、県の方針ということで、一度話をするべきだと考える。中高一貫という部分で、高校との接続をどうするのかという問題もある。また、県立中学校に通う子どもが市町の方で何かしたい、となった際に市町と連携いただけるのかという問題もあるため、県の教育委員会が間に入って繋いでいきたいと思っているところ。

 

(野村委員)

 市町により進捗状況が異なると思うので、保護者や先生はもちろん、子どもたちが混乱しないようにしていただきたいということが一番。そういったところについて段々と進めていく期間が来ていると思うため、引き続き取り組んでいただきたい。

 

 

閉会

 

●教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課 企画係
電話番号:077-528-4512
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