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令和5年10月定例教育委員会

開催日時

令和5年10月18日(水曜日)午前10時00分から

開催場所

県庁新館4階教育委員会室

議事次第

議案
公開 第33号 令和6年度教職員人事異動に関する基本方針について 教職員課
非公開 第34号 令和5年度滋賀県教育功労者表彰被表彰者の決定について 教育総務課
報告
公開 第5次滋賀県子ども読書活動推進計画(骨子案)について 生涯学習課
公開 「しがの学びの保障プラン」(骨子案)について 生徒指導・いじめ対策支援室

会議録

1 開会

●教育長から開会の宣告があった。

 

●教育長より出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

 

●事務局から説明員の出欠について報告があった。

2 非公開事件の確認

●教育長から、本日の議題のうち、第34号議案については、表彰の被表彰者の選考に関するものであり、審議を非公開とすべきであるとの発議があった。発議は全員異議なく了承され、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項ただし書の規定により、第34号議案は審議が非公開とされることとなった。また、審議の順番については、公開議案、報告事項、非公開議案の順で審議することが確認された。

3 会議録確認

●9月11日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

4 議事(議案:公開)

●教育長から第33号議案「令和6年度教職員人事異動に関する基本方針について」、説明を求める旨の発言があり、説明員から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(塚本委員)

 コロナ禍で教職員間におけるコミュニケーションの態様が変化したとも聞くが、新規採用職員と管理職とのコミュニケーションや、組織マネジメントの観点からの交流は円滑に行われているのか。

 

(有田教職員課長)

 ここ数年は退職者数の兼ね合いもあり、多くの新規採用教職員を採用しているところであるが、管理職だけでなく、中堅職員も含め、OJTなどの形で育成を図っている。

 

(石井委員)

 校種間交流を積極的に進めるというのは素晴らしいと思う。変化に対応していく中で、新たな発想を得る機会は重要である。

 また、人事異動については、機械的に異動を進めるのではなく、モラル低下を防ぐために、先生に異動の目的等を丁寧に説明する必要がある。先生に十分な説明がなされていない場合は改善すべきである。

 

(有田教職員課長)

 校種間交流については、それぞれの校種での課題を解決するためにも、他校種の状況も把握し合うことが大切であると考えている。特別支援学級の設置という意味でも、交流を積極的に進めている。

 異動について、一定期間在籍した先生には、培われた力や現任校で得た知見を、別の学校でも生かし、活躍してほしいと説明しているところ。校長先生と本人への丁寧なヒアリング、意見交換を行うなどし、納得できる異動に努めている。

 

●教育長から第33号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案通り可決された。

5 報告(公開)

●教育長から報告事項ア「第5次滋賀県子ども読書活動推進計画(骨子案)について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(塚本委員)

 不読率のデータにおける本に、電子書籍は含まれているのか、それとも紙の本だけなのか。

 最近は電子書籍から本に触れる社会的な傾向があるが、そのような現状と滋賀県が進める「こども としょかん」の関わりをどのように捉えているのか。

 

(廣瀬生涯学習課長)

 本年度のデータには、電子書籍も含まれている。

 電子書籍と「こどもとしょかん」の関わりについては、電子書籍を導入している市町の図書館や、一人一台端末環境の状況も踏まえ、紙とデジタルのそれぞれの良さを活かして、今後、市町とも相談しながら、できるだけ効果的な導入について検討してまいりたい。

 

(塚本委員)

 デジタル化は導入に係る整備等の負担の面もあると思うが、紙とデジタルはそれぞれに良さがあるので、両輪で構想を進める必要がある。

 

●教育長から報告事項イ「『しがの学びの保障プラン(骨子案)』について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

 

●主な質疑・意見

 

(石井委員)

 資料の内容をどのように実現していくのかが大切である。教員不足や不登校が増えている現状であるが、デジタルを活用することで、教員の物理的な余裕や子どもの状況に合った学びの機会を確保することができると思う。

 

 

(谷村生徒指導・いじめ対策支援室長)

 今後、原案を作成する際に、委員からいただいた御意見等を踏まえ、内容の検討を深めていきたい。

 

(石井委員)

 教員や生徒に大きなプラスとなるような取組に期待したい。

 

(福永教育長)

 コロナ禍を経て、デジタル化は一定進んでいるが、今後、不登校の子ども達の支援として、どのようにデジタルを活用するのかについて検討していく必要がある。

 

(塚本委員)

 先日発表された「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査等の結果」の概要をみると、未だにいじめ等に関する問題は解消しきれておらず、対策していかなければならないと感じている。

 三日月知事が、弱音を吐けるような学校や社会の在り方を大切にしたいとおっしゃっていたが、そのようなSOSを見逃さないためにも、声を上げにくい子ども達が、自身の気持ちを表明していけるような環境づくりは大切である。

 重大事態が起こった時に第三者委員会が設置されると思うが、設置の費用に係る負担等に対する市町へのサポートはあるのか。第三者委員会はしっかりと機能しているのか。

 

(谷村生徒指導・いじめ対策支援室長)

 SOSを見逃さない仕組みづくりについては、他部局とも連携して進めていく。

 第三者委員会の設置は、いじめ防止対策推進法の中で明記されており、市町において、設置に関する費用は一定予算化されている。人的な部分については指導させていただいているところ。

 第三者委員会に対して、県として内容に踏み込むことは難しいが、生徒指導緊急サポートを行ったり、上手く進まない事案については教育委員会として指導や助言を行ったりしている。

 

(塚本委員)

 第三者委員会の設置には費用を要するが、そのことが負担となり設置をためらうということがないよう、県からも御助言いただきたい。

(福永教育長)

 費用については、学校設置者である県や市町が負担するが、国からの支援はなかったか。

 

(谷村生徒指導・いじめ対策支援室長)

 県や市町のみで負担している。

 

(土井委員)

 不登校の問題は原因の調査・分析を含め本腰を入れて取り組んでいく必要がある。いじめや暴力行為が増加しているのは、以前に比べ、早い段階でいじめを検知しているからだと理解できる。しかし、不登校については、これまでから学校に来ていない状況は把握されており、新たに把握されるようになったということは考えにくい。それにもかかわらず、子どもの数が減っている中で、不登校の数は増加している。

 不登校の主な原因として、無気力・不安が挙げられているが、実質的には、学校も本人も原因がはっきりと分かっていないことを示すものであろう。そうした中で、非常に難しいことだと思うが、状況の把握が重要であると考える。専門家を含め、県として市町と協力し、実情とその背景に何があるのかを把握しなければ、効果的な対策を進めることができない可能性がある。予算の制約もあると思うが、しっかり取り組んでいただきたい。

 

(谷村生徒指導・いじめ対策支援室長)

 不登校の増加の理由は、本人・学校・家庭等の要因が複合的に絡み合っているため、原因の特定が難しいが、不登校に至るにはきっかけがある。学校側だけでなく、専門家も含めて個々に対策を検討することが今後は重要になってくるため、頂いた御意見も踏まえながら、検討を進めたい。

 

(福永教育長)

 予算や体制、人員等様々な課題はあるが、そのような観点からも検討していく。

 

(石井委員)

 土井委員の御指摘の内容は重要であると思うため、是非検討していただきたい。

 不登校は、日本の様々な問題が凝縮され、現れている一つだと捉えている。経済界のみならず、教育においても多くの課題があるが、良い方向へ向かうよう取り組んでいただきたい。

(福永教育長)

 社会的に困難な環境にある子ども達や、様々な体験や経験をする機会が少なくなってきている現状に対して、教育委員会だけでなく、様々な人と議論しながら、どのような施策を進めていくべきか考えてまいりたい。

 

(塚本委員)

 不登校の原因の一つとして挙げられている「無気力・不安」という言葉の捉え方には注意する必要があると思う。不登校には様々な要因が絡み合っている。原因が「無気力・不安」と判断されてしまうと、その子どもの家庭環境や学校との関わりなど、その他の状況が隠れてしまう恐れがある。本人に関わる状況を把握する上で、「無気力・不安」という言葉の捉え方、数字の取り方には注意が必要である。

 

(谷村生徒指導・いじめ対策支援室)

 諸課題調査の結果として、「無気力・不安」が不登校の原因として多く挙がっているが、子どもの視点から違う原因が挙げられたという別の調査結果もある。どのような観点で子どもを見立てるかということは重要であり、一方的な見方にならないように今後も注意していく必要がある。

 

(窪田委員)

 不登校問題については、原因が複合的であると認識している。今回打ち出している「しがの学びの保障プラン」において、不登校対策の基本理念として、すべての子どもの学びの機会を確保することを目指す姿に掲げていることは大事なスタンスだと思う。不登校を相対的に見るときに、子どもの視点、保護者の視点、教員の視点など、色々ある中で解きほぐしていくことは難しいと思う。発達相談をしていても、原因ははっきり分からないものの、学校へ行こうとすると足が重くなるという子どもは少なくない。学校生活でしんどくなるきっかけを減らし、分かった、更に学びたいと思えるような授業づくりや、子ども達が安心できる場所づくりについて、対症療法としてではなく、学校で大事にしていただきたい。

 

(福永教育長)

 すべての子ども達が学びたいと思える、学ぶ喜びを感じられるような学校づくりが重要である。

6 議事(議案:非公開)

●第34号議案について原案どおり可決された。

7 閉会

●教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課 企画係
電話番号:077-528-4512
メールアドレス:[email protected]
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