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令和4年12月定例教育委員会

開催日時

令和4年12月23日(金曜日)午後2時00分から午後3時20分

開催場所

県庁新館4階教育委員会室

出席委員

  • 教育長 福永 忠克
  • 委員(教育長職務代理者)土井 真一
  • 委員 岡崎 正彦
  • 委員 窪田 知子
  • 委員 野村 早苗
  • 委員 石井 太

議事次第

議案
公開 第41号 滋賀県公立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について 教職員課
公開 第42号 令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)のうち教育委員会所管の予算案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について 教育総務課
公開 第43号 令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)のうち教育委員会所管の予算案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について 教育総務課
公開 第44号 滋賀県教育委員会における特殊の考慮を要する会計年度任用職員の給与に関する規程の一部改正について 教職員課
公開 第45号 令和5年度滋賀県立特別支援学校幼稚部および高等部の入学者の募集定員について 特別支援教育課
報告
公開 滋賀県教育振興基本計画審議会第2回会議の結果について 教育総務課
公開 「(仮称)滋賀県学校教育情報化推進計画」原案について 教育 ICT 化推進室
公開 滋賀県立高等学校入学者選抜方法等改善協議会(第4回)について 高校教育課

会議録

1 開 会

●教育長から開会の宣告があった。

●教育長から出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

●事務局から説明員の出欠について報告があった。

2 非公開事件の確認

●教育長から、本日の議題についてはすべて公開で審議すべきとの発議があり、全員異議なく了承された。また、審議の順番については、公開議案、報告事項の順で審議することが確認された。

3 会議録確認

●11月18日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

 

4 議事(議案:公開)

教育長から、第41号議案「滋賀県公立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

 特になし

●教育長から、第41号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

教育長から、第42号議案「令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)のうち教育委員会所管の予算案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について」および第43号議案「令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)のうち教育委員会所管の予算案に関する知事への意見に係る臨時代理の承認について」の2議案について、事務局に一括して説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

 特になし

●教育長から、第42号議案および第43号議案の2議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

教育長から、第44号議案「滋賀県教育委員会における特殊の考慮を要する会計年度任用職員の給与に関する規程の一部改正について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

 特になし

●教育長から、第44号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

教育長から、第45号議案「令和5年度滋賀県立特別支援学校幼稚部および高等部の入学者の募集定員について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

 特になし

●教育長から、第45号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

5 報告(公開)

●教育長から報告事項ア「滋賀県教育振興基本計画審議会第2回会議の結果について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(岡崎委員)

滋賀らしさを意識して議論が進められているのは、よいことだと思う。「三方よし」は全国的に通用する言葉であるし、滋賀県民は自分のことだけでなく、売り手、買い手そして世間全体にとってよいものを理解する県民性であると思うので、教育の段階から根付かせていくべきであると思う。

またICT教育については技術進歩が著しいため、その進歩に追従するのではなく、ICTを当たり前に、意識しなくても活用できる環境を整備することが必要ではないか。

企業でも、ICTを活用しなければ業務が進まない時代になっている。子どもたちが社会に出たときに、ICTを当たり前に使いこなして、働けるための教育をしたいと思う。

(教育ICT化推進室長)

現在策定を進めている「(仮称)滋賀県学校教育情報化推進計画」においても、子どもたちの生きる力を育むための情報化教育を念頭に、検討を進めてまいりたい。

(土井委員)

ウェルビーイングの概念をどのように生かすのか。

(教育総務課長)

ウェルビーイングは国の計画においても大きな柱となっている。滋賀県基本構想でも「続く幸せ」を掲げているが、個人の幸せではなく、社会全体の幸せに繋がる教育を目指すことであると考えている。

またウェルビーイングは、自分の幸せ、相手の幸せ、そして社会全体の幸せとして、「三方よし」に繋がる考え方であり、最終的な到達点として掲げてまいりたい。

(福永教育長)

自分自身や学校現場だけではなく、周りの人の幸せ、そして社会全体の幸せを実現するために、具体的な施策を今後検討する必要がある。国においてもウェルビーイングを令和の教育のキーワードとして使用していることを念頭に置いて検討を進めたい。

(土井委員)

ウェルビーイングの概念は、英語の意味としてはWellの状態にあることである。

この概念が生まれた背景はいくつかあるが、ウェルビーイングは、所得のように客観的に測れる数値よりも、それによって個人が満足した状態にあることに重点を置く概念である。

例えば、所得が増えても不幸な人は多くいることから、所得を増加させること自体よりも、それによって一人ひとりが満足な状態になることを重視する。教育でウェルビーイングの概念を取り入れるのであれば、客観的な数値の向上それ自体ではなく、それによって本人が幸せを享受することを重視することになるだろう。

また、「自由」を考える際にもウェルビーイングの概念が用いられることがある。自由を得たとしても、失敗して責任のみ負わされるのであれば、決してウェルビーイングの状態とは言えないことから、ただ自由を保障するだけでよいのかなど、様々な問題提起がなされている。

ウェルビーイングの概念を教育に取り入れるのであれば、滋賀らしい概念としてどこに重点を置くか、検討が必要である。

(福永教育長)

この審議会以外でも、ウェルビーイングについては多くの意見が出ている。素案としてより具体的に計画を作成し、内容や表現を検討しながら、議論を深めてまいりたい。

●教育長から報告事項イ「「(仮称)滋賀県学校教育情報化推進計画」原案について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(石井委員)

教員が一定の力を発揮できる水準を至急に把握し、指導力を向上させる必要がある。「習うより慣れろ」の方法では教員の負担が大きい。ICTの活用に関しては、得意、不得意や、好き、嫌いに個人差がある。

国の対応を待つのではなく、滋賀県として、小学校、中学校、高等学校それぞれに必要なICT活用に関する指導力の水準を設定し、現状を把握して、そのギャップを埋める取組を行う必要がある。

技術革新が著しい分野であることから、教員自身の努力に依存するのではなく、技術の進歩に追いつくための予算を投入して、教育の質的向上に資することが求められていると考える。

(福永教育長)

教員に求められる指導力の水準を、校種ごとに明確にして取り組むことは重要である。

(教育ICT化推進室長)

教員の資質向上は急務である。研修を進めている中でも、あまり得意ではない教員が見られる。

得意でない教員には基礎的な研修として、1人1台端末活用研修を準備している。また一方で、各学校のリーダーとなる教員に向けた研修も実施しており、こちらの研修では、効果的な活用の目標となる水準の教員養成を目的としている。

あわせて、高校では各校でICTコアティーチャーの教員が様々な実証研究授業を実施している。現在、他県にも誇れる事例が出ており、教材の開発が進んでいる。

すべての教員が教材を自分で作ることは難しいが、優れた教材やその活用方法を共有することで、基礎的な活用ができる教員であれば、準備された教材を活用して授業を行うことは可能である。

基礎的な部分として、すべての教員がICTを活用することを進めながら、一方で優れた事例や教材を共有することで、全体の質を上げていく取組を進めており、今後も継続してまいりたい。

(石井委員)

好事例が出ていることは、大きな前進であると思う。一方で教員として最低限身に付ける水準の定義づけと標準化を行う必要がある。

標準的な水準に到達していない教員が出てくると思うが、実践的な教育において、それが許容できない時代が迫っている。そこにどのように対応していくのか。

企業的な発想になるが、滋賀県として何らかの定義づけが必要であると思う。

ICT活用に関する指導力について、自分が使うだけでなく、生徒に指導する立場になる。習得すべき水準については示されているか。

(教育ICT化推進室長)

先ほど申し上げた1人1台端末活用研修を、最低限習得すべきレベルの研修として実施しており、苦手な教員にはこの研修を受講いただいている。

基本的な内容をマスターすれば、様々な事例を参考として活用することができる。また、生徒に聞きながら授業での活用を進めている事例もある。

基本的な水準を習得することは重要であると考えている。

(石井委員)

基本的な水準とは、ハードウェアか、それともソフトウェアか

(教育ICT化推進室長)

ハードウェアについては、別途専門的な人員が修理等に対応する。

ソフトウェアについては、滋賀県ではMicrosoft365を導入しており、その使い方を習得してもらう必要がある。また教育支援ソフトとして、ロイロノートスクールを利用しており、全員が研修を受けている。

市町によっては、他社のソフトを使用している場合があるが、同様のものである。ベースとなるソフトを使用できれば、コンテンツについては、滋賀県内で教材を共有して使用することができる。

(石井委員)

標準化して、全教員に習得させていただきたい。

(福永教育長)

校種によって標準が異なるが、全ての教員が一定の水準に達するよう、努めてまいりたい。

(窪田委員)

現職の教員についてはICT活用能力や指導力を高めていくために、研修やコアティーチャーの養成に取り組まれており、この計画でよいと思う。

教員養成課程において、教員として輩出する段階で習得してほしい能力等があれば、発信していただきたい。

(福永教育長)

将来教員を目指す学生の能力向上について、大学と様々な形で連携させていただきたい。

(土井委員)

現場の教員個人に任せていてはいけない問題があると思う。県全体で、教材の共通化と、利用可能なフォーマットの作成を可能な限り進めることが必要である。

例えば、短答式の確認テストについては、問題文の入力や、回答様式の選択、正解の入力のみ行うフォーマットを作成し、児童生徒の回答後に自動で採点され、結果が出力される仕組みにすれば、教員は必要な情報を入力するだけよい。

しかし、このようなシステムを現場で作ることは困難であり、専門的な技術者が対応する部分と、現場で教員が活用する部分を分ける必要がある。

新しい技術の導入の時点ではどうしても利用者が技術的な作業を行う必要があるが、それがいつまでも続くわけではなく、技術者が作成したものを、利用者が便利に使えるようにするのがICT活用のあり方であると思う。

そのためには、現場からできるだけ多く要望を出してもらい、技術者に対応していただくことが必要である。短期的には技術者を活用するためのコストがかかるが、長期的には教員の省力化につながる。

その点について、教育総合センターの活用や、教員からの意見聴取によって進めていくべきである。

(福永教育長)

現場の教員だけでは対応できないことがある。それが教員の負担やストレスに繋がることのないよう、総合教育センターや外部人材とも連携して取組を進めてまいりたい。

●教育長から報告事項ウ「滋賀県立高等学校入学者選抜方法等改善協議会(第4回)について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(土井委員)

受検機会を複数回保障する目的は何か。

(高校教育課長)

進路の確実な保障である。現在、滋賀県では2月の推薦・特色選抜から3月の二次選抜まで、受検機会を手厚く保障している。全国的にもここまで保障している都道府県はあまりない。

回数を減らすことも検討はしているが、実際に二次選抜では毎年100名前後の生徒が、公立高校を志望して受検しており、単純に回数が多いから減らすことはできない。

また、中学校関係者からは手厚い保障の継続を望む意見があり、そういった点も含めて受検機会の確保についてはより慎重に考えてまいりたい。

(福永教育長)

2月に実施している、特色選抜、推薦選抜、そしてスポーツ・文化芸術推薦選抜の位置づけを検討する必要がある。

推薦選抜やスポーツ・文化芸術推薦選抜等で入学した生徒が、それぞれの高校でどのように活躍をしているか、考慮しながら考えていく必要がある。

受検機会を2回から1回に減らすことは、中学校現場に与える影響が大きいため、慎重に検討する必要がある。2回実施する目的としては、自己アピールや自己推薦により、一般選抜で測れない中学校時代の取組を評価するために実施する点があげられる。

 二次選抜についても、私学関係者から意見が出ている。私学に合格している生徒が二次選抜に合格し、県立高校に進学することについて、私学側としては、入学予定者として把握した生徒の一部が入学しないことになり、経営面で大きな影響があるとの意見があり、その点も踏まえて検討する必要がある。

二次選抜の受検者から私学合格者を除く方法が、一部の県で既に実施されており、その実態を把握しながら検討してまいりたい。

(土井委員)

 二次選抜の目的は明確なので、あとは私学との共存を図る問題である。

複数の受検機会を保障する目的が、一つの基準で能力を測るのではなく、様々な能力を見ることであれば、問題は受検機会の回数でなく、方法の問題である。

受検機会を2回に分けるのではなく、試験日数を増やして、面接等の様々な試験をまとめて1回の試験を実施し、合格者を決めることは可能であるかもしれない。調査書と学力検査のみによって合格者を決めることが問題なのであれば、1回の入試を多様化する方法が考えられる。

そうではなく、試験を2回に分けることが重要であるとすれば、受検機会を2回に分けることが効果的であるかについて、整理が必要である。

 定員を2回に振り分けること自体は、いけないことではないと思うが、学校によって、1回目と2回目の試験によって見る能力が大きく変わらなければ、1回の試験ですべての合格者を決定していれば、1回目で合格できたはずの生徒が、2回に割り振ったことによって、1回目の試験で落ちる経験をさせてしまう場合が生じる。

やはり、試験を2回に分ける以上、1回目と2回目で合格する生徒の層に違いがあったり、学校の教育目的にとって意味があるなど、スクールポリシーや学校の事情に応じて整理して、受検機会を分ける目的を説明できる必要があると思う。

(高校教育課長)

受検機会を1回にすることや、スクールポリシーに合った生徒が入学できる仕組みにすること等についても慎重に検討しているところ。

例えば、推薦選抜の方法として、現在は中学校長が推薦する仕組みとしているが、生徒が自身で自己アピールの書類を作成し、それを高校側が評価する仕組みについても検討している。

御指摘のように、受検機会を分ける目的を説明できることも重要であると考えており、今後議論してまいりたい。

(福永教育長)

県立高校の入試制度は重要なものであり、時代や中学生等の変化を把握しながら、慎重に検討する必要がある。

部活動についても、地域のスポーツクラブ等で活動する子どもが増えている状況を考慮する必要がある。

また受検機会を分けて多数の不合格者が出ることによる、生徒の心理的負担についても、意見を踏まえて検討してまいりたい。

議論に当たっては、今後の中学生にとって最も望ましい入試のあり方を中心に据えて、検討してまいりたい。

県内外の私学との関係についても、経営上の問題等に配慮し、入試の時期を早めたり、または合格発表までの期間を短縮したりすることも含めて、検討してまいりたい。

6 閉 会

●教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課 企画係
電話番号:077-528-4512
メールアドレス:[email protected]
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