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令和4年8月定例教育委員会

開催日時

令和4年8月23日(火曜日)午後2時00分~午後3時35分

開催場所

県庁新館4階教育委員会室

出席委員

  • 教育長 福永 忠克
  • 委員(教育長職務代理者)土井 真一
  • 委員 岡崎 正彦
  • 委員 窪田 知子
  • 委員 野村 早苗
  • 委員 石井 太

議事次第

議案
非公開 第26号 県立学校の教頭の任免について 教職員課
公開 第27号 令和5年度に使用する滋賀県立高等学校教科用図書の採択について 高校教育課
公開 第28号 滋賀県立特別支援学校小・中学部において令和5年度に使用する教科用図書の採択について 特別支援教育課
公開 第29号 滋賀県立特別支援学校高等部において令和5年度に使用する教科用図書の採択について 特別支援教育課
公開 第30号 滋賀県立高等学校スクール・ミッション の策定 について 魅力ある高校づくり推進室
公開 第31号 滋賀県立図書館協議会委員の選任について 生涯学習課
報告事項
公開 令和4年度全国学力・学習状況調査の結果概要について 幼小中教育課

会議録

1 開会

●教育長から開会の宣告があった。

●教育長から出席者の確認があり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第3項の規定により、会議の成立が確認された。

●事務局から説明員の出欠について報告があった。

2 非公開事件の確認

●教育長から、 本日の議題のうち、 第 26 号議案については、 教育委員会の所管に属する職員の任免その他の人事に関するものであり、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため、 審議を非公開とすべきとの発議があった。 発議は全員異議なく了承され、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 14 条第7項ただし書の規定により、 第 26 号議案 について は 審議が非公開とされることとなった。また、審議の順番については、 公開議案 、 報告事項、 非公開議案の順で審議することが確認された。

3 会議録確認

●7 月 8 日開催の定例教育委員会に係る会議録について、適正に記録されていることを確認し、承認された。

4 議事(議案:公開)

●教育長から、第27号議案「令和5年度に使用する滋賀県立高等学校教科用図書の採択について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(石井委員)

今回の採択によってどの程度、学校現場で使用される教科書が変更されるのか。

(高校教育課長)

学校によって、また、その学校の教員によって、これまでより使いやすい教科書があれば変更する場合もあるが、毎年、教科書を変えるというような学校は多くない。

(石井委員)

各学校の選定委員会における審議は、議事録を整備し事務局で考察しているのか。

(高校教育課長)

各学校は議事録を必ず残しており、高校教育課でも確認をしている。例えば、ある学校では、今年度、情報が必修となったことについて、保護者等の委員から、今後はプログラミング教育がたいへん重要となってくる、 プログラミング言語はPythonが良い等の意見が出たと聞いている。各学校では、どの教科書が生徒にとって最も適しているか慎重に審議している。

(石井委員)

現場の意見を把握するために重要なことである。

(岡崎委員)
選定委員会はどのような構成か。学校によって違いがあるのか。

(高校教育課長)

選定委員会は校長や教頭等の管理職、教科書担当教員、教務主任のほか、保護者を必ず含める形で構成している。人数としては少ない学校で6人、多い学校では13人というところもある。学校によって差があることについて、例えば、工業高校等ではいくつかの学科やコースがあり、それぞれから委員が選ばれ、より慎重に議論して教科書を選定していくため人数が多くなる傾向にある。

(野村委員)

教科書はそれほど頻繁に変更されないとのことであるが、例えば兄弟で同じ学校に入学した場合には、古い教科書を再度使うことができるのか。

(高校教育課長)

教科書は購入していただくことが基本である。教科書は毎年、少しずつ変更されることが多いため、古い教科書を使うことは難しい。

(岡崎委員)

学校における教科書の購入金額はどの程度の幅があるのか。

(高校教育課長)

学校によって、使用する教科書の種類や数等が違うので、費用も当然、学校によって異なる。ある普通科高校では約3万円、また実習が多くある農業高校の場合には約1万円の学校もある。平均すると2万円から2万5千円程度である。

(土井委員)

新教育課程で地理歴史科、公民科の科目編成が変わり、歴史では「歴史総合」の後に「世界史探究」や「日本史探究」を学習し、公民科では「公共」の後に「政治・経済」や「倫理」を学習することになる。それらの科目を関連づけるところが難しいが、教科書を選定する上で、どのような議論がされているか。

(高校教育課長)

地理歴史科の「歴史総合」は世界と日本の現代的な諸課題に関わる近現代の内容を学習する科目であり、必履修である。一方、「世界史探究」や「日本史探究」は選択科目であり、主に大学へ進学する生徒が多い学校において開講されている。大学受験を視野に入れての教科書選定となる。

●教育長から、第27号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

●教育長から、第28号議案「滋賀県立特別支援学校小・中学部において令和5年度に使用する教科用図書の採択について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(岡崎委員)

教育課程の見直しが、教科書の変更にどのように反映されたのか。

(特別支援教育課長)

例えば、聾話学校の数学の教科書について、教育課程の見直しに伴い、変更前の教科書は数と計算を主に取り扱っていたが、図形や量に関しても学習すべきとの考えから、変更されたものがある。

(土井委員)

通常学級では教科書が逐次変更されるのに対し、特別支援学校で使用される教科書には出版から年数の経過した図書があるが、定評のあるものについては継続して使用したいとの考えによるものか。

(特別支援教育課)

過去から継続して採択されている教科書については、子どもたちに学んでほしい内容や、教員にとって扱いやすい内容のものである。ただし、選定審議会において、時代に合わせてLGBT等についても踏まえる必要があるとの意見があり、そういった観点から、よりふさわしい内容のものがあれば、変更する必要があると考えている。

(岡崎委員)

特別支援学校の子どもにとって認識しやすいように、文字の色や大きさ等を変更できる、デジタル教科書の導入についても検討は進んでいるのか。

(特別支援教育課長)

デジタル教科書については実証事業が文部科学省で実施されており、今年度は聾話学校において英語と社会が対象となっている。障害の状況によっては、例えば色彩が強いものが見えづらい子どももおり、デジタル教科書による対応については、無償化の問題も関連させながら、今後検討することになる。現在でも、視覚だけではなく触覚で感じられる絵本や、音が出る絵本を選ぶなど、子どもの障害の状況に応じて、教科書を選定している。

(岡崎委員)

デジタル教科書の場合には、無償にならない可能性があるのか。

(特別支援教育課長)

現段階では文部科学省から取扱いを示されていない。

●教育長から、第28号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

●教育長から、第29号議案「滋賀県立特別支援学校高等部において令和5年度に使用する教科用図書の採択について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(土井委員)

「くらしに役立つ」シリーズの図書はどの程度の障害の生徒が使用するのか。

 

 

(特別支援教育課長)

軽度の知的障害のある子どもを対象としており、高等養護学校において認知面の発達が小学校4年生程度の子どもを中心に使用する。また、それよりも幼い子どもが分教室で使用するケースがある。

(土井委員)

例えば、理科の教科書でも、内容は自分の生活に必要な項目が含まれている。取り扱うべき具体的内容や水準には違いがあるかもしれないが、こういった方針で編成されている教科書を一般の高校でも使用することができればよいのではないかと思う。

(岡崎委員)

授業で教科書を使用した際の子どもたちの反応は教員がよくわかっていると思うが、教科書が使いづらいといった子どもたちの意見を、選定委員会において保護者が代弁する例はあるのか。

(特別支援教育課長)

選定委員会において、保護者からそのような意見が出た例は把握しておらず、興味を引くために絵や写真が豊富に掲載されたものや、題材に親近感が持てるものなど、各課程において子どもに合った教科書が選定されているとの意見をいただいている。授業では、教科書をそのまま教えるのではなく、教員が子どもに合わせてその他の補助教材と組み合わせて使用している。

(石井委員)

昨年度に高等養護学校を視察したが、教科書の選定以上に、それを使用して、子どもたちを実践的に育てていく難しさを感じた。生活における困難を改善・克服して、自立に向けて育成することは大変であり、教科書の評価や改善も重要であると感じた。

●教育長から、第29号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

●教育長から、第30号議案「滋賀県立高等学校スクール・ミッションの策定について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(土井委員)

各学校は他の学校のスクール・ミッションも把握しているのか。

(魅力ある高校づくり推進室長)

全ての高校のスクール・ミッションを一覧で確認してもらい、全体のバランスを見たうえで、自校のスクール・ミッションを策定している。

(窪田委員)

高等養護学校を併設する4校のうち、愛知高校のみ表現振りに違いがあるのは、愛知高校に通級指導教室があるなどの独自性によるものか。

(魅力ある高校づくり推進室長)

愛知高等養護学校については、御指摘の通り高校に通級指導教室を実施していること等を総合的に勘案し、学校からの意見を踏まえてこのような記載になっている。

(窪田委員)

愛知高等養護学校は、「障害のある生徒」、「障害のない生徒」との記載に代えて「互いの多様性」という表現を用いているところがよいと思う。

(石井委員)

意識の高さの現れということかもしれないが、「貢献していく」という表現が多い。例えばスポーツで、自己実現として上達して全国1位を目指すことにとどまらず、競技界の発展に貢献することまで求めるようなもので、素晴らしい反面、生徒にプレッシャーとなるのではないかと感じた。

●教育長から、第30号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

●教育長から、第31号議案「滋賀県立図書館協議会委員の選任について」、事務局に説明を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

 特になし

●教育長から、第31号議案について採決する旨の発言があり、全員一致で、原案どおり可決された。

5 報告(公開)

●教育長から報告事項ア「令和4年度全国学力・学習状況調査の結果概要について」、事務局に報告を求める旨の発言があり、事務局から資料に基づき説明があった。

●主な質疑・意見

(土井委員)

結果として全ての項目で平均を下回っているが、印象としては改善されていると感じる。報告資料では、小学校と比較して、中学校の方が全国平均点との乖離が縮小しているが、今年度の中学3年生が小学6年生当時の状況と、その後の改善について分析することが適当であると思う。その点についてはどうか。

(幼小中教育課長)

資料2ページの平均正答率の推移をみると、平成31年度(令和元年度)当時の小学校6年生は全国平均正答率から大きく乖離しているが、中学校3年生となった令和4年度時点では改善がみられる。国語においては、全国平均正答率との差がマイナス2.8からマイナス1.0、算数・数学においてはマイナス1.6からマイナス0.4に改善している。問題に着目すると、読み解く力の育成に関する指標となる、学力調査における思考力・判断力・表現力を問う問題の全国平均正答率との比較では、国語で1.5ポイントの改善が見られた。

また児童生徒質問紙を調べると、「授業では課題の解決に向けて自分で考え、自分から取り組んでいたか」という問いに関して、肯定的な回答した子どもの割合が小学校のときより1.6ポイント改善している。また「話し合う活動を通じて自分の考えを深めたり広げたりすることができているか」という問いに関しても、2.9ポイントの改善が見られる。

(土井委員)

数字の上だけで評価した場合、全国平均正答率との乖離は、小学校では令和元年度から令和4年度の間に大きく変動しておらず、中学校の方で改善が見られる。また、今説明いただいた今年度の中学校3年生の状況からも、小学校と中学校を比較した場合、改善が見られるのは中学校である。小学校においても授業改善等に取り組まれているが、中学校において顕著に成果が出ている理由をどのように考えているか。

(幼小中教育課長)

御指摘の通り、数字の上では中学校において改善が見られる。その理由として、小学校でしっかりと指導していただいた蓄積を基盤に、中学校1年の段階で、小学校5、6年生の内容を復習しながら、さらにブラッシュアップするなど、小中の連携にしっかりと取り組んでいただいていることが要因であると考えている。

(土井委員)

本県の施策は、元々「学ぶ力」の向上から始まっている。「学ぶ力」は学力よりも幅広く捉えられるもので、基本的には「主体的に学ぶ」ということである。それと関連付けて考えた場合、自分自身で目標を設定して学習し、成果を出すという基本的な学び方の習得が重要である。中学校に入ると、高校受験があることや、教科担任になること等によって、本人も意識して学習の仕方を身に付けるようになる。そして、受験を乗り越えて高校に進学すると、学ぶ自覚が出た子どもたちはどんどん伸びていく。

その点、小学校段階の指導方法の問題等によって、子どもたち一人一人が主体的に学び、学習を定着させる力が身についていないのではないか。

おそらく比較的能力の高い子どもたちは、学習の仕方さえ身に付けば、ICTも活用しながら、自ら伸びていくと思う。逆に学習に苦手意識を持っている子どもたちは手をかけなければ、なかなか学習方法が身に付かない。

個に応じた教育をしていくためには、できるかぎり早い段階で自律的に勉強できるようにする必要がある。自分の力で伸びていくことができる子どもたちはそれを支援すればよいし、その点について困難のある子どもたちは手厚く支援していく体制をとらなければいけない。

先ほど家庭学習にも力を入れると説明いただいたが、学ぶ力は家庭学習に一番強く影響が出る。自分自身で学ぶ方法の習得について意識することで、もっと効果が出ると思う。

(教育長)

今後、各市町での分析をもとに、各市町や学校の実態に応じて取り組んでいただく必要がある。あわせて学校以外での学びや、土井委員の御意見にあった学びの習慣、動機づけが、今後の大きな課題だと認識している。

6 議事(議案:非公開)

●第26号議案について原案どおり可決された。

7 閉 会

●教育長から、本日の議事が全て終了した旨の発言があり、閉会の宣告があった。

お問い合わせ
教育委員会事務局 教育総務課 企画係
電話番号:077-528-4512
メールアドレス:[email protected]
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